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サモンナイト U:X〈ユークロス〉―狂界戦争―
サモンナイト U:X〈ユークロス〉―狂界戦争―
都月景、飯塚武史/集英社
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    あとがきに難産だったとあるが、サモンナイトシリーズに共通するリィンバウムの成立に触れる話で、壮大なスケールだった。 なぜ、前巻で忘れられた島が侵略者に襲われたのか、 救世皇帝と名乗る人物の目的は何か、 エルゴの王亡き後、リィンバウムを見守ることが役割と思っていたメイメイの観測者としての本当の役割とは。 1巻からずっとちりばめられていた「時はきたれり」の意味がここで明かされ、名もなき世界との関りも判明する。 ●リィンバウムの始まり 始原のエルゴは対等に話せるものが欲しくて、己のところまで至れる存在を作るために、相互補完という形で繁栄していくと思いリィンバウムと四界を作る。始原のエルゴから分離した力は拡散してしまうため、繋ぎ続けるためのへその緒的な役割で共界線(クリプス)で繋げた。 ●第一次リィンバウム侵攻 しかし、高い知性と能力を持つ四界の者たちの欲望はエルゴの想定を超え、まだ未熟なリィンバウムに対しての侵攻が始まり、世界を傷つけ始めた。 ●送還術 リィンバウムが消滅すると、共界線で繋がっているエルゴおよび四界も最終的に消滅してしまう。世界の危機のため、始原のエルゴたちはリィンバウムへ送還術を授けた。 リィンバウムの者には送還術を与え、四界のエルゴに各界を管理させ、各界を共界線(クリプス)でつないだ。 送還術はエルゴの法則の例外であるため、そののち召喚術が生み出され、逆の立場での搾取が始まっても手に負えなくなっていた。 ●サモンナイト石と召喚術 共界線から零れ落ちたマナと情報が結晶化したもの。不純物も多く含んでいるため精練しないと召喚石として用いることはできない。もう一つは送還術を使用時に、切られたしがらみが結晶化して残ったもの。そこから真の名を読み取り、干渉することで相手に呼びかけ、交渉→対価→同意を得て召喚することができるようになった。(エルゴの王や誓約者の召喚術) そこから、真の名に呪いをかけ、服従させる方法を用いる召喚術へ変わっていった。 ●第二次リィンバウム侵攻 悪魔王メルギトスとクレスメント家の裏切り(ドラマCDの話) ↓ エルゴの王が登場(地球生まれ、リィンバウム育ちの少年)し、各界のエルゴの欠片を託され、新たな法則を想像することも可能になった。 ↓ 膨大な情報量により共界線が限界を迎え、四界のエルゴが侵され、ディエルゴ(狂った界の意思)となり、リィンバウムはエルゴの失敗作であり、破壊せよとエルゴの王に告げるようになる。 ↓ エルゴの王はエルゴの欠片と共界線を断ち、リィンバウムを独立させるが、四界のエルゴが直々にリィンバウムに侵攻 ↓ 始原のエルゴとエルゴの王は、リィンバウムにエルゴの欠片を要にした結解を貼り、平穏を保とうとした。 ---------- ゲームプレイ中はそこまでエルゴの王に関する情報やイベントは発生しなかったので、リィンバウムと世界(聖王国、旧王国、帝国)の成り立ちと、、、とか思ってたらエルゴ自身の襲来とかぁ~!? ただでさえ最後にゲームをプレイしてから何年も経ってる上に、情報量が多すぎて処理しきれなかった。 ただ、タイトルの理想郷の殉難者はエルゴの王だったことはわかった。 ”人々の望むままに妃を迎えて王となり、楽園に最も近しいと呼ばれた王国の礎を築いた。…本当に好きだった幼馴染の少女と、一度きりの逢瀬を交わしたことを攻められようか。” 結果、騎士は傍流の子を見つけ出し、孫にあたる者が、新王国(現旧王国)を興す。 エルゴの王の幼馴染が住んでいたところが旧王国の端っこらしいので、サモンナイトエクステーゼの村のことかな。 サモンナイトのシリーズ愛好者しかおそらくついていけない内容だと思う。 個人的には、シリーズ5の発売前にこの本が販売されていたら、アニメ化とかもっといろいろな道があったのでは…。と思ってしまう。 こんな壮大なスケールの話なのにもったいない…。 でもゲームのアニメ化してストーリーが壮大過ぎて、1クールで無理やりまとめてしょぼくなったら嫌だなぁ…。(原作ファンの悩み) しかし、公私を捧げて聖王国を興して圧力のままに妃を迎えたのに、幼馴染との間に生まれた私生児が利用されて、さらに旧王国の体制に不満があった勢力がさらに皇子をかついで帝国を興すとは。。。 エルゴの王の召喚獣だったゼノビスは責任を感じて国を去り、無職の派閥を作ったけれど、現在は…あんなテロ組織になっちゃったしねぇ… 無邪気にゲームしていた時は知らなかった、裏側のままならない人間関係に心が痛む。 また、疑問なのが、サモナイ1の主人公たちの年齢…。公式では高校生でリィンバウムに召喚されているが、 それから1年後にサモナイ2の事件があり、それから4年後にサモナイ4の事件があるため、狂界戦争時は少なくとも20歳を超えていると思うのだけど、ミコトのいた地球では1年しか経過していないので、時間軸が合わない気が。 (時間の流れが違うと言われればそれまでなのだけど)

    5
    投稿日: 2025.04.06
  • いよいよ本番

    帝国と聖王国の軍が衝突し、戦争は本格モードに。しかし、その裏で進んでいた事態はより深刻で…という流れです。 あまり書くとネタバレになっちゃうんですけど、ついにメイメイさんがいままではぐらかしてた謎だったことを、語り出したというところが読みどころでしょうか。エルゴの王についても大いに語られます。語りがちょっと長いので、構成に苦労してるな…と感じてしまうのは仕方ないとこでしょうか(笑)。 表紙は、ベルフラウとレックスでサモンナイト3から。マグナが出ればトリスも登場するという具合で、主人公選択で選べる主人公と護衛獣等はいろいろな形で登場してます。でも、まだアティは本格的に登場していません。どこで登場するのか楽しみです。

    1
    投稿日: 2016.10.30