Reader Store
アイヌ学入門
アイヌ学入門
瀬川拓郎/講談社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

35件)
4.0
9
15
6
1
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【内容】 アイヌの人々の様々な風俗とその歴史について分かりやすくまとめている、まさに題名通り入門的な内容の本。最初にこれまでのアイヌ研究について検証し、それらがステレオタイプ的な誤ったアイヌのイメージ形成に繋がってしまったと批判している。その上で言語、交易、小人神話(コロポックル)、呪術、疫病への対応、祭祀、黄金採取といった7つの主要な観点について、続縄文文化、擦文文化、アイヌ文化(筆者はニブタニ文化という名称を提唱している)の変遷の中での様態とその変化を説明している。アイヌの歴史の中で、ある部分では和人の影響を受け、ある部分では大陸やオホーツク文化等周辺の影響を受けており、そういった影響を一つずつ分析することで、さらにその根底に息づく縄文時代から受け継いでいる文化、思想を読み解くことが出来ると筆者は説く。 本書では縄文時代をそのまま引き継ぐものでもなく他民族とどこかで入れ替わるものでもなく、断続的に相互に影響し合いながらも独自の文化とアイデンティティを形成していったアイヌの人々の姿がいきいきと描かれている。また最後に現代のアイヌの生活にも触れ、筆者の知人のA氏との対話からアイヌの人々が差別により苦労してきた歴史やアイヌとしてのアイデンティティの苦悩を描いている。 【印象に残った点】 コロポックル伝説の正体の一案としての、千島アイヌ正体説。一方でその内容の一部は遠くローマから伝来してきた言い伝えが大陸から伝わり影響を受けている可能性も示唆している。 北海道における砂金の採取が、奥州藤原氏の時代やさらにそれ以前から本州に影響を与えていた可能性。及びアイヌの人々が交易の品目として砂金を採取、精錬していた可能性も指摘している。そこでは、貨幣経済の枠外にある自然と生きる人々といった従来のアイヌ像とは異なる姿が示唆される。 あとがき、渡来系の人々が5世紀後半からアイヌの人々と交流し、北海道にまで渡っていた可能性。 【感想】 蝦夷とアイヌの関係や違いもわかっていない、続縄文文化という響きになんとなく後進性を感じてしまう程度の初学者である私にとっては、概説書としても今後の興味への入口としても最適な入門書であるように思う。また著者のアイヌに対する思想の押し付け等がなく、客観的かつ真摯な姿勢に好感を覚えられ、少なからずセンシティブな要素がある分野にも関わらずストレスなく読み進められた。 本書ではアイヌに影響を与えたものとして本州の陰陽道や呪術、修験道等にも触れられているが、そういった知識も不足しているため知識習得の必要性を感じた。

    0
    投稿日: 2026.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌ文化が本州や朝鮮、オホーツクといった周囲の文化の影響を大きくうけてつくられてきたものだと示す。

    0
    投稿日: 2025.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書内でも批判的に取り上げられているが、アイヌに関する学説は多種多様である。理由としては、アイヌは文字を扱わない文化であり、単純に資料が少ないという点がある。本書も「〜ではないだろうか」といった言い回しが多く、あくまで著者の仮説の域を出ないのだろう。 ただ、アイヌのステレオタイプ(自然とともに生き、縄文時代から大きく変わらず、狩猟採集の暮らしを送るようなイメージ)への異議申し立ての心意気は強い。特に、オホーツク人や和人との交流の視点からアイヌ像を刷新しようという意識があり、本書に限っては成功しているような印象がある。

    0
    投稿日: 2025.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「専ら自然とのみ共生し、他との交流を断つことで独自色を保ってきた民族」という我々の偏頗なアイヌ観に、鮮やかに改定を迫る良書。本書の至る所で、和人を始めとする他民族とアイヌ民族との豊かな「交易」の実情が実証性ある資料を伴って紹介されており、読み応えは申し分なし。北海道旅行のお供にどうぞ。

    2
    投稿日: 2024.03.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌ学「入門」と題しているが、全編にわたって著者オリジナル(?)の仮説がグイグイと前に出てくる感じがあり、そのあたりがあまり、いわゆる入門らしくない気がする。文字を持たない民族の歴史を研究する難しさはあるのだろうな、と思う だいぶ長いこと積読にしていたのだが、たしか渡辺京二の「黒船前夜」を読む前の勉強にしようとしていたような。そちらにも取り掛かりたい

    0
    投稿日: 2023.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18048008

    0
    投稿日: 2023.03.31
  • わかりやすい入門書

    アイヌに関してほとんど知識がないので題名が「入門」となっている本書を読んでみた。サハリン 千島 北海道と広い地理的分布を持っていることを初めて知った。終章において記述されている、様々な差別偏見にあったことも残念な話である。日本政府が「先住民族」と認定し、色々と支援 保護を行っている。ただ実際には「アイヌ人」の人数が少なすぎることもあって、アイヌ独自の文化というものがどこまで残っているのか疑問に思えてしまうこともある。

    0
    投稿日: 2022.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    序章 アイヌとはどのような人びとか 3つのポイント ①変わってきたアイヌ 本土との交易(毛皮、鮭など)のため乱獲したり、居住地が偏る等 元々あった敬虔さと、生きていくための現実との葛藤 →アイヌを「変わらない存在」として祭り上げず、同じ人間として「共感」すること ②変わらなかったアイヌ 縄文時代はゴミを一箇所(貝塚)に捨てていたが、アイヌは分類し階層化していた等 ③つながるアイヌ 異民族と盛んに交易(戦闘)するという、ヴァイキングとしての側面 和人との交流によって、「神」観念の一部が形成されてきた アイヌ独特の文様は北東アジアの諸民族から影響されて生まれ、本土の漁師の労働着や歌舞伎の衣装として着用されていた等 ・日本では元々北海道から沖縄にかけて縄文人が住んでおり、(ほぼ)同じ枠組みの人種・文化体系だった →弥生時代に朝鮮半島から入ったモンゴロイド集団と縄文人が交雑し、本土では和人(本土人)を形成 本土ほど交雑が進まなかった北海道と沖縄には、それぞれ縄文人の特徴を残したアイヌ・琉球人が残った ・特にアイヌは異民族との交雑に積極的ではなく、日本語と根本的に異なるアイヌ語が残った ・アイヌは樺太から東北地方まで進出していたこともあったが、北からオホーツク人、南から和人が進出してきたこともあり、徐々に居住地が狭められていく 第一章 縄文 ・アイヌ語は日本語と同じ語順だが、接頭辞が優勢であり、周辺のアジア地域での孤立性がある →もともと縄文時代では日本列島全体で同じ言語が使われていたが、弥生時代に朝鮮からの影響で変わってしまった アイヌはその縄文語を受け継いでいる? ・小熊を数年育ててから殺す「イオマンテ」だが、縄文時代に本州でも同様の祭りをイノシシで行っていた ・同様に、サハリンアイヌのミイラ習俗は本州の「もがり」、刺青の習慣は土偶からも見られるように、北海道特有ではなく縄文時代共通のものだった? 第二章 沈黙交易とエスニシティ ・千島やサハリンアイヌは疱瘡などの病を恐れ、沈黙交易を行っていた(沈黙交易自体は、古代ギリシャなど世界中でみられる) 第三章 伝説 コロポックルのモデルは北千島アイヌ 古代ローマの記事(プリニウスの博物誌)→中国→日本→アイヌと伝播 土器づくりのために粘土を調達しにくる、おどかすと姿を隠してしまう(沈黙交易のため接触を避ける)などが北千島アイヌの特徴と一致 第四章 呪術 武器を手にし、叫びながら行進するアイヌの呪術は、陰陽道の反閇(へんばい)や修験道がルーツ? 第五章 疫病 「諸病の王」である疱瘡の神が、海を渡ってやってくるという伝説 →日本の蘇民将来など、「疫病歓待」という共通モチーフ 疫病除けに藁人形を作ったり、においの強いものを吊るすなども共通 第六章 祭祀 祭儀に関するアイヌ語には、古代日本からの借用語が多い →東北から移住した和人の影響と考えられる またイナウ(ケズリかけ)やイクパスイなどの祭具も、日本の山の神信仰や農耕、酒づくりとの共通点 第七章 黄金 江戸時代、アイヌの人口を上回る和人が金掘りに北海道へ入った アイヌは金の価値を知らないとされてきたが、実際は価値も採取方法も知っていた? 岩手の中尊寺金色堂の金箔には、日高の砂金が使われている?

    0
    投稿日: 2022.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    入門書を、と思い手に取りましたが、思ったより専門的、文化人類学的なのでしょうか。アイヌの交易民、和人との古くからの交流交易、文化的影響等々。まだまだ研究されていないことも多いと知りました。少しずつ学んで行きます。

    0
    投稿日: 2022.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌのことを知りたくて、その時の気持ちが「入門」という書名に惹かれて購入。独自の言語体系と祭祀、習俗を持つ民族でありながら、北海道に定住していたために江戸時代以降、本土からの移民に謂れなき差別を受けた。しかし、樺太や千島列島への民族的な広がりと、青森を含め本土とも交易や文化交流の史料が残り、アイヌ研究の面白さを感じた。今度はアイヌ語に特化した入門書が読みたくなった。

    1
    投稿日: 2021.12.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    北東アジアと本州に挟まれた地域に住むアイヌの歴史、習俗、経済等について概説している。古代において寒冷期と温暖期を挟んで北海道と本州との間にどのような移動があったか等、著者独自の研究に基づく説が含まれ、遺伝学、考古学、化学、言語学等学際的な視点から、縄文人のオリジナリティ、北東アジアの諸民族との交流、(言語的共通性は相当乏しいものの)本州和人からの文化移入といった多彩なアイヌの姿を描き出している。最後に示されている近世以降のアイヌに対する差別と複雑なアイデンティティの問題は、多様性への課題を今なお投げかけているように思われる。

    1
    投稿日: 2021.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ただアイヌの歴史を辿るのではなく、呪術や祭祀、金などのテーマに沿ってアイヌを読み解いていく。 本を通じて和人やロシアとの関係の中で社会をつくってきたアイヌ像が描かれており、動的な印象を持つことができた

    1
    投稿日: 2021.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わかりやすいアイヌ解説本。 現代のアイヌの話まで、カバーされているのが良い。 これを読んで旭川の博物館に行くとなお良い。

    0
    投稿日: 2020.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌは、我々が忘れ去った縄文文化の記憶を深くとどめている。しかし、それは、アイヌ文化が進化しなかった、ということでは決してない。 アイヌは、和人や他の民族と密接に交流し、自らの文化や世界観を変化させた。和人や他の民族からたくさんの文化を吸収し、また、和人や他の民族の文化にも多くの影響を与えてきた。そのダイナミックさは、我々の想像を超える。 アイヌは文字を持たなかったゆえに、その歴史は未解明なところが多い。だが、我々が縄文から脈々と続く真の歴史に迫るためには、さらに深くアイヌを知らなければならないのである。

    0
    投稿日: 2020.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌ民族について書かれている中で、1857年、様似の交易所で和人がやっていたといわれる疫病の対処について記述があります。医学的なものではなく呪術的なものですが、当時の疫病は疱瘡であり、2020年世間を混乱させている新型コロナウィルスを彷彿とさせます。(様似町)

    0
    投稿日: 2020.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昨年「第3回古代歴史文化賞」の大賞を受賞するなど、なにかと話題になった本。 これまで関連本を何冊か読んだり、博物館などを見て来た限りでは、アイヌ民族の自然や野生、道具への畏敬とか、世界観とか、サステイナブルな生き方とかにスポットが当たったものが多かったように思う。もちろんそれも一面の真実だろうけど、人間社会だもの、そういう文化的な美徳ばかりではないだろうなという、どこか収まりの良くなさも感じていた。 この本は、今まで見ていたそうした風景に一石を投じてくれる。すなわち、オホーツクや大陸東北部の先住民、和人との交易や、砂金の採掘や取引という、いわば経済的な側面を、考古学の知見などに照らしながら明らかにして行く。ダイナミックな国際民としてのアイヌ民族が浮かび上がってくるのである。 沈黙交易、行進呪術、修験道との関係などの話も面白かった。

    0
    投稿日: 2019.06.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    縄文前期に列島に渡来した、言わば源日本人とでも言うべきアイヌ人。 北海道という閉じた世界の住人という通念を覆す、東アジアの多くの地域と交易と抗争を繰り返してきたダイナミックな存在であることを明らかにしている。なにしろいっときは大陸側で蒙古と戦争したりもしていたらしい。もちろん、本州とも活発に交流。それは決して「和人によるアイヌの搾取」といったステレオタイプだけで語り尽くせるものではなかった。 海の民として各地を駆け回りつつも、島の住民がもっとも恐れるのは外来の疫病。外地の人々との接触を避けようとすることが、たとえば沈黙交易のような風習を生んだ(売り手買い手が直接会話せず、無人販売のように品物を置いておく。買い手は対価の品物を置く。納得すればお互いに持ち帰り、そうでなければ捨て置く。アフリカなどでも見られるらしい)。 さらに隔離された千島列島のアイヌはコロポックル伝承のもとになった。本島にこっそり渡ってきて浜辺の砂を盗んで去っていったと言う。砂を必要としていたのは土器づくりの材料だから。 「アイヌ語の『イランカラプテ』は『こんにちは』と訳されますが、そもそもは『あなたの心にそっとふれさせていただきます』という意味なのです」。縄文的価値観を継承するかくも深き「陰翳」(p295)をもった文化なのであった。 最後に著者が絶賛しているアイヌのミュージシャン、OKI。めくるめく中毒性。我々のルーツミュージックはこれじゃないか? ↓ https://www.youtube.com/watch?v=_X9QxFaHJwA&feature=share

    1
    投稿日: 2019.01.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    著者の専門である考古学の研究成果を、文献資料や言語学、伝説まで動員して照合するという知的好奇心をくすぐられる内容。アイヌ文化の概要が知りたくて手に取ったのだけど、期待以上に深い知識が得られたと思う。異文化との接触によって変化してきたアイヌ、地域による多様性などなど、ステレオタイプな理解を拒むかのような記述に圧倒された。ただ、近代以降の差別・弾圧の歴史はかなりあっさり書かれている印象。

    0
    投稿日: 2018.11.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    日本という領域で(といっていいのかな)かなり互いに影響しあっている一方で、それでも大きく違うまま20世紀まで来たいくつかの民族が統合されていく中でのアイヌ学入門。後半のインタビューがけっこう大きいか。

    0
    投稿日: 2018.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

    0
    投稿日: 2018.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌとは北海道に孤立した民族だと思っていた自分には衝撃的な本。 古代から和人・渡来人・大陸とグローバルに交流し、交じり合い、影響しあう人々の生き生きとした姿が描かれます。 アイヌの風俗に和人が及ぼした影響、義経伝説の影響、日本語起原のアイヌ語、驚くべきアイヌの躍動する姿。いやあ、知らなかったことばかり! それにしても、現代でもアイヌがおかれた厳しい状況、貧困、学歴といった問題にも驚き。こういったことはある意味隠されているんだなぁ。 ただ、内容は筆者の仮説にとどまるものも多く注意が必要です。 アイヌとはどのような人びとか 縄文―一万年の伝統を継ぐ 交易―沈黙交易とエスニシティ 伝説―古代ローマからアイヌへ 呪術―行進する人びとと陰陽道 疫病―アイヌの疱瘡神と蘇民将来 祭祀―狩猟民と山の神の農耕儀礼 黄金―アイヌは黄金の民だったか 現代―アイヌとして生きる 第3回古代歴史文化賞 著者:瀬川拓郎(1958-、札幌市、考古学者)

    0
    投稿日: 2018.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌについては、自然と共生する人々だとか、縄文時代から変わらない文化を残しているとかいったイメージがあった。この本では、そうしたアイヌ観を丁寧に解きほぐしていく。 たとえば、アイヌは閉じた民族なのではなく、和人やニヴフ、モンゴルや中国の人々との交易を盛んに行ったグローバルな交易民だった。その証拠に、アイヌ小人の伝説のなかには。古代ローマの博物学者プリニウスの『博物誌』からの影響がみられる。また、アイヌは北海道だけに住んでいたわけではなく、和人との交易のために東北まで南下した時期もあり、そのため東北にはアイヌ後の地名が残っている。 このように、アイヌは交易民として多民族と交流するなかで、その文化を変容させてきた。カムイ(神)観念の一部も、和人との交流のなかで形成されていたものだという説が紹介されている。 また、そもそもアイヌは和人とまったく異なる民族なのではなく、縄文人の特徴を色濃くとどめるという意味で、縄文人と渡来人が混雑して生まれた和人と共通の祖先を持っている。 漫画ゴールデンカムイの影響もあって、アイヌへの関心は高まっていると思うが、さらに踏み込んでしらべてみると、すごくおもしろい。

    0
    投稿日: 2017.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌ民族について、世間に広く流布しているイメージ・ラベリングされた既存の概念を丁寧に剥がして、解説、訂正しておられると思います。タイトル通りの入門的な読みやすさですが、内容はしっかりと濃いです。

    0
    投稿日: 2016.09.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これまた、新しい視界を提供する良書と思います。この年齢になってもまだまだ発見です。アイヌ民族は、ダイナミックに外の世界とつながり、発展してきた「海のノマド」だというのです。外界への働きかけと受容の相互作用が新しい地平を切り開いていくということを実感します。

    0
    投稿日: 2016.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「はじめに」の章で書かれていたように、 アイヌは交易のなかで、グローバルな思想に根ざして 生きてきた民族だったのだということが、 とてもよくわかりました。 それは、公・私、官・民の様々なレベルで、 歴史の中で長きにわたるおこないだったということも 初めて知るアイヌのすがたでした。 読み始めると、専門家の文章らしく、 むむむとなることもありましたが、 久びさに、あたらしい発見のある本でした。

    0
    投稿日: 2015.11.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    考古学者でアイヌ研究者でもある筆者が、アイヌの事を学ぶ上で、和人にとって遠くて近い人びとなのではなく、日本列島にいた縄文人の特徴を色濃く残した人びとだという認識から、アイヌを理解するために書いた本。

    0
    投稿日: 2015.11.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ブログに掲載しました。 http://boketen.seesaa.net/article/421176862.html 交易するアイヌ、ヴァイキングとしてのアイヌという視点が新鮮。 アイヌ民族の概念を揺すぶられる一冊。 日本のマジョリティである和人は、弥生時代に朝鮮半島から渡ってきた人びとと、日本列島の先住民である縄文人とが交雑して成立した集団。 アイヌとは、この交雑化を受け入れようとしなかった縄文人の末裔であり、日本列島の先住民。 本書は、そこから一歩踏み込んで、「交雑化を受け入れようとしなかった」アイヌが、自然の中に閉じこもって縄文人の暮らしを守っていたわけではなく、北東アジアという広がりの中で交易し、他民族の文化に影響を受け、影響を与えた存在であることを解きほぐしていく。 交易するアイヌ、ヴァイキングとしてのアイヌという視点が新鮮で、ぐいぐいとひきこまれました。 みごとなアイヌ学の提示に、乾杯。

    0
    投稿日: 2015.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    話題の焦点が縦横新旧自在にスライドしていくので集中力を保つのが難しいが、その分アイヌを知るための手がかりが豊かな複層をなしていることを知ることのできる、入門書としては充実した一冊だと思う。

    0
    投稿日: 2015.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    純粋に面白かった。日本という土地に奇跡のように 残ったアイヌ民族の成り立ちと歴史。 隔離されて残った民族ではなく、日本人と 北アジアの人々と多く交流しそのうえで、自分たちの 民族のアイデンティティをずっと持ち続けた 民族ということがいえるのだろうと思います。 金銀の産出とアイヌと奥州・蝦夷の関係はなるほど と思わせるところです。また、コロボックルの伝説 や千島・樺太のアイヌ民族とその交易の仕方。 外部や忌から守るすべとその理由など納得させられる 部分も多くありました。 最後の現代のアイヌの方のインタビューも心に残る 言葉があります。

    0
    投稿日: 2015.05.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌは交易の海洋民族なんですね。 中国やオホーツクの民族と、日本以上に関わりあっていたことが衝撃でした。 まあ言い換えれば、江戸以降の日本が奥手すぎたのかもしれません。 面白いんですが、読むたびにしょっちゅうがっかりするのはアイヌ独自の文化だと思っていたものが、交易で得た外来のものであるってこと。あの幾何学的な意匠を施した服とかね。 一方で古くから伝わる文化もやはりあって、縄文の「猪送り」に由来するイオマンテ(熊送り)、というストーリーは壮大でわくわくする。 自分の中でモノクロだったアイヌ像に、ほんの少し彩りが加わりました。入門とのことですが、ざっくりとしたイメージを固めるには十分な本だと思います。 これよりもっと深く知ろうと思うと、史料の壁にぶつかるんでしょうね。 ところでアイヌのミイラづくり文化は初耳でした! 仏教由来の文化とのことですが、わたしがミイラ、仏教と聞いて思い至るのは奥州の藤原三代です。 藤原氏のいた奥州といえば、まさに蝦夷の地です。 その地に築いた独特な建築は外来の先進的な技術に深く影響されていて、ある意味アイヌ的だといえなくもない。 浅はかかもしれませんが、素人としてはアイヌと連なるストーリーを期待せずにはいられません。 もちろんただ単に、仏教から藤原氏とアイヌへと、並列した別々のルートで伝わっただけかもしれませんが笑。

    0
    投稿日: 2015.05.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    縄文の文化を色濃く受け継いでいると言われるアイヌ。 アイヌの固有の文化と本州から移入した文化とを丁寧に分類し、時には大胆な推測を交えて、縄文時代からアイヌに受け継がれて行った文化を浮き彫りにする。分かりやすい文章で綴られているので、まるで自分がその謎を読み解いているような興奮を覚えつつ読了。 この興奮を上手に語る言葉が見つからない。

    0
    投稿日: 2015.04.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    “アイヌ”というのは、壮大な交易を行っていた人達で、アイヌが伝えてきた様々な文物には、古来からアイヌが自身で産み出しただけではない、日本等の隣接する他文化の顕著な影響を認めざるを得ない部分も在る。また日本で古来から珍重された様々なモノの中には、アイヌがもたらしたと考えられるモノも実は色々と在るという。そんな物語を考古学や近年の歴史研究の成果を踏まえて綴ったのが本作である。アイヌは文字を持っておらず、文書記録が「間接的なモノ」になってしまって限定的なので、「北海道辺りの歴史」にはマダマダ“不詳”、“不明”が多いことが否めないのだが、そういう部分を埋める様々な物語が本作の中には在る。 アイヌが壮大な交易の中に生きた民であったという物語が、本書には判り易い型で収められている。「必読!!」という感…面白かった!!

    1
    投稿日: 2015.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2015.4.18 東浩紀さんが勧めてゐて、「先住」をめぐりツィッターで炎上気味になつてゐた本。著者の対象への愛情や真面目な研究の積み重ね、発見の喜びが感じられて気持ちが良かつた。 アイヌと和人の間に古くから密接な交流があつたことを示す。日本のやうな島国にゐると国境などを固定的なものだと考へがちだが、時間の幅を少し広げて見れば、流動的なものだと分かる。

    0
    投稿日: 2015.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今までにはなかったトータルに知ることができる良書だ。 人に薦めるということで「5」の評価。 OKI DUB AINU BANDのCDを久しぶりに聞く。

    0
    投稿日: 2015.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アイヌについての入門書。アイヌと縄文の関係、沈黙交易、金と奥州藤原氏、オホーツク人、元との戦いなどなど、とても面白く読めた。どうしても文字を持たない文化だったから記録はないんだけど、考古学や言語学なんかでいろいろな説が考えられるんだな。

    0
    投稿日: 2015.02.25