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にんげんのおへそ
にんげんのおへそ
高峰秀子/文藝春秋
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総合評価

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    文藝春秋、1998年5月 新潮社、2012年1月 新潮文庫で読んだ。 1976「わたしの渡世日記」から20年以上を経ても、「ひとこと多い」と「ただ今自分と出会い中」にて、養母に言及されていて、棘の深さを思う。 しかも養母への憎しみと、嫌悪と、がヒタヒタしているのに、だからこそ、か、名文に感じられてしまうのは、私の色眼鏡ゆえか。 「午前十時三十分」は国語や道徳の教科書にもいいのではないか。 @ 目次 四十三年目のウェディングドレス  オッパイ讃歌 ●乳ガン疑惑 おへそ ●小津安二郎、木下惠介、黒澤明、現場の人たち ひとこと多い ●小役時代と養母、死の感慨。名文。 馬よ ●山本嘉次郎監督作を思い出す 梅原龍三郎と周恩来  風の出会い ●幸田文 午前十時三十分 ●魚屋の前で数年に一度会った、車椅子の少年と母親 ウー、うまい ●松山善三の偏食 きのうの「人間」きょうの「人」  ●呉服屋、植木屋 アコヤ貝の涙 ●お疲れパール ただ今自分と出会い中 ●老人性痴呆、谷川徹三夫人、有吉佐和子、谷崎潤一郎夫人松子、梅原龍三郎夫人艶子、養母のヘルペス痴呆 死んでたまるか ●人生の店じまい ピエロのおへそーー文庫版のためのあとがき あの頃のこと〜亡き母・高峰秀子に捧ぐ 斎藤明美

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    投稿日: 2026.05.11
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    「高峰秀子」のエッセイ集『にんげんのおへそ』を読みました。 「高峰秀子」作品は3年前に読んだ『巴里ひとりある記』以来ですね。 -----story------------- 晩年の暮らしと感慨を達意の筆で掬った名随筆集。 「高峰秀子」が大切にした「日常という宝物」。 撮影所の魑魅魍魎たちが持つ「おへそ」とは何か?  そして、四十代から考え始めた「人生の店じまい」の心得とは?  肉親との永年の苦闘の果てに手に入れた夫「松山善三」との穏やかな暮らしを守る中で、女優にして名文筆家の「高峰秀子」が自らの歩んだ道を振り返りつつ示した矜持と鋭い人間観察眼。 人生を味わい尽くす達人による、ユーモアとペーソスあふれる珠玉のエッセイ集。 ----------------------- 醒めた目をした人気子役時代、撮影所のヘンで素敵な人々、人生の店じまいの仕方…… 心に残る事々が爽やかな筆で綴られているエッセイ集です、、、 1988年(昭和63年)から、1998年(平成10年)に書かれたエッセイが収録された作品です。  ■四十三年目のウェディングドレス  ■オッパイ讃歌  ■おへそ  ■ひとこと多い  ■馬よ  ■梅原龍三郎と周恩来  ■風の出会い  ■午前十時三十分  ■ウー、うまい  ■きのうの「人間」きょうの「人」  ■アコヤ貝の涙  ■ただ今自分と出会い中  ■死んでたまるか  ■ピエロのおへそ――文庫版のためのあとがき 元銀幕の女王が、イチ女性として、気取らずに日々の暮らしや、思い出を綴っているので、好感が持てるというか… 親近感を感じることができて、「高峰秀子」という女性の魅力を、さらに感じることができた作品でしたね、、、 風のように爽やかな「幸田文」、魅力の英雄「周恩来」、ぼけた妻に悩まされる「谷川徹三」、超変人の「木下恵介」、「黒沢明」、漬物と味噌のない夫「松山善三」との食生活、画家「梅原龍三郎」や作家「谷崎潤一郎」とのお付き合いや別れ、そして無名の素晴らしい人たち等々…  一歩退いた場所から周囲を観察して、何気ない日常にキラリと光る部分を見つけだし、人間模様の数々にスポットを当てて、柔らかでユーモア溢れる無駄のない文章で生き生きと描かれています。 淡々と批評する部分もあるけど、それが嫌味にならないところが、本人の魅力であったり、文章を描く才能だったりするんでしょうねぇ、、、 読書好きな「高峰秀子」が、帝国ホテルのグリルでのランチ後にラウンジに席を移してカプチーノをすすりながら「沢木耕太郎」の短篇集を読むシーンが、妙に印象に残りました… 個人的には大好きな「高峰秀子」と「沢木耕太郎」ですが、二人には接点がないと思っていたから、何気ないシーンでもインパクトがあったんでしょうね。 新しい発見もあり、愉しく読めた一冊でした。

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    投稿日: 2022.11.02
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    高峰秀子さんが養女にはいって、養母に苦しめられたり、親類縁者が金を無心に来たりという話を読んで、夏目漱石と境遇が似ているなと思いました。 このエッセイを書かれたのは御年70歳頃でしょう。なんと瑞々しいこと。それにまず、徒な文が一行も無い。けれんみがない。わたしもこのような文章が書けたならと思いますが、生きざまは違いすぎるは、感性はとてもとても及ばないはで、とても無理な話ですね。

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    投稿日: 2012.04.25
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    昨年末に亡くなつた(元)女優・高峰秀子さんのエッセイ集であります。 池部良さんの時も感じましたが、これだけの人物が亡くなつたといふのに、通り一遍の報道しかされてゐないやうです。悲しい。 本書は何となく本屋で逍遥してゐたところ見かけて、購買した次第であります。 知人のお嬢さんにウェディングドレスを貸す話の「四十三年目のウェディングドレス」。貸衣装で100万円とはべらぼうな話であります。既にスタアだつた高峰秀子が、結婚当時貧乏だつたといふ。なぜ?と思つてゐたら後の「ひとこと多い」で明らかになりました。 「オッパイ賛歌」は、ある医者の誤診で危ふく乳房を片方失ふところを、石井ふく子プロデューサーのおかげで救はれた話。セカンドオピニオンは大事だな、といふ方向へは行かず、誤診をした医者に思ひを馳せるのでした。 「おへそ」は映画界の職人の良い話。「ひとこと多い」では、養母との確執が語られる。スタアなのに貧乏だつたのは、この養母にすべて吸い取られてゐたからなんですね。 「ただ今自分と出会い中」は、自らに忍び寄る老いがテエマ。しかし全く深刻さがなくユウモワで包まれた文章なので、読む方としても辛くないのが良い。 勇気をもらへる1冊と申せませう。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-208.html

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    投稿日: 2011.12.06
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    すごく文才のある人。 昭和を代表する大女優であるにもかかわらず、全く違和感なく親しみやすい文で一気に読んだ。 高峰さんの著作、他にも読んでみたい。

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    投稿日: 2010.07.22