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ウは宇宙船のウ
ウは宇宙船のウ
萩尾望都/小学館
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総合評価

22件)
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    懐かしい漫画を再読しました。 萩尾望都の「ウは宇宙船のウ」。 レイ・ブラッドベリの短編集を漫画化したもの。 歳がバレバレですが(笑)、子供の頃にこの漫画に出会って、そして、レイ・ブラッドベリというSF作家を知り、そしてその後しばらくレイ・ブラッドベリの小説を読み漁る、という時期があったんですよね。 海外SF小説を読むきっかけになった漫画との出会いでした。 少し前に、本屋でレイブラッドベリの短編集「猫のパジャマ」を見つけて読んでから、萩尾望都さんのこの漫画を読み直したい!と思っていたんですよね。やっと見つけて購入したのでした。 懐かしいー。そして、どの話もキュンとくる。 レイ・ブラッドベリの短編は、ちょっとふしぎな雰囲気を持っているものが多くて、それが萩尾望都さんの絵柄やコマ割りやキャラクタにマッチしていて、原作が漫画を、漫画が原作を高めている、と、そんな感じがします。 レイブラッドベリも、萩尾望都も、どちらも好きだ。 ところで、レイ・ブラッドベリはアメリカ人なんですね。なんとなく、イギリス人という印象を持っていました。多分、私がレイ・ブラッドベリを知ったのが、この、萩尾望都さんが描いた短編集だったからなんだろうな、と。萩尾望都さんの絵には、なんとなく、アメリカよりもイギリスの香りがする気がする。それはもしかしたら、「ポーの一族」の影響があるのかもしれません。 それから、久しぶりに萩尾望都さんの昔の漫画を読んで思ったことなんですが、コマ割り、というのか、コマや絵の繋がり方が、映画とかドラマを見ているようだな、と。人物が動いていって次のシーンに繋がっていく、というのが、なんだか長回しのワンカットで展開していく映画ような印象を受けました。ただ人物とセリフがあるだけではなく、世界観まで包含して描く紙面。いやー、すごいなー。好きだなぁ。 また「11人いる」とかを読み返したくなりました。

    16
    投稿日: 2025.07.22
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    知らない世界につれていかれる本。 「みずうみ」「ぼくの地下室へおいで」「集会」が好き…読了後にゾクッとなりますよ! 「ウは宇宙船のウ」のタイトルが素敵です! ぜひ〜

    10
    投稿日: 2024.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ■ウは宇宙船のウ 31p 抒情たっぷり。 「ポーの一族」がひと段落し、「百億の昼と千億の夜」で弩級のSFと戦ったあとに、これを原作に選ぶのがいい。 歴史的にはどうかわからないが、最早ブラッドベリ+萩尾の組み合わせが至上と思える。 ■泣きさけぶ女の人 22p これは恐い……読んだ年齢によっては永遠に引きずるかも。 というのも自分しか知らない埋められた女の人を、どれだけ訴えても大人が真面目に取り合ってくれない、その無力感と、実際的な怖さと。 ■霧笛 32p 抒情……失われたものへの愛惜……人生……恐竜。 灯台守が、恐竜の内情を想像するところに、人生が重ね合わされて……いい。 ■みずうみ 18p 溺死した永遠の少女。アナベル・リーか。 「ポーの一族」のメリーベルの系譜。 ■ぼくの地下室へおいで 30p こりゃ怖い。 ジャック・フィニイ「盗まれた街」プラス、本多猪四郎「マタンゴ」。 ■集会 31p ハロウィーンのオバケたちの中で、落ちこぼれの少年が視点人物。 オバケ目線でも孤独なのだ。 ■びっくり箱 32p 「屋敷に閉じ込められる子供」モノ。 なんと命名すればいいのか分からないが。 ヨルゴス・ランティモス「籠の中の乙女」、服部まゆみ「この闇と光」など。 もう少し場所を拡げればルシール・アザリロヴィック「エコール」「エヴォリューション」も入れていいかな、と考えたところで、あー寄宿舎モノと繋がっているんだな、と気づいた。 ■宇宙船乗組員 23p これはつらい……「ウは宇宙船のウ」と対になっており、本の最初と最後で美しい構成になっている。 ところでラスト1コマについて、ごく最近似たオチをどこかで見たような気がするのだが……思い出せず……ひょっとしたら他の作品ではなくてこの作品を思い出しているだけなのかもしれない。 ◇エッセイ―ねえ、君たちは今どこにいるの?:谷村志穂(作家) 4p

    4
    投稿日: 2021.09.29
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    レイ・ブラッドベリの作品をもとにした短編8編を収録しています。 表題作の「ウは宇宙船のウ」と巻末の「宇宙船乗組員」は、SF色の強い作品です。もちろん短編なので、凝った世界設定などに読みどころのある作品ではなく、地上につなぎ留められた人間が広大な宇宙に夢を馳せるロマンティシズムが表現されています。 「泣きさけぶ女の人」や「ぼくの地下室へおいで」は、幻想的な結末が印象的な作品です。こうしたテイストの短編といえば、おなじく「二十四年組」の一人である山岸凉子の得意分野という印象が強いですが、本書の作品は緊迫感が若干控えめな一方、抒情性が強く現われているように感じられます。

    2
    投稿日: 2021.09.06
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    【収録作品】ウは宇宙船のウ/泣きさけぶ女の人/霧笛/みずうみ/ぼくの地下室へおいで/集会/びっくり箱/宇宙船乗組員

    2
    投稿日: 2016.07.15
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    宇宙局に勤めることを夢見る少年たちを描いた表題作ほか7作の短編集。 男の子が主役の物語が多かったように思ったけれど、実際は少し多いって程度でした。 それだけ男の子が主役のお話のほうが印象的ってことなのかな…。 異星人とおぼしききのこが人間をじわじわとあやつっていく『ぼくの地下室へおいで』は「へぇ~…」って感じだったけど、さすがに大人の対応が遅すぎる『泣き叫ぶ女の人』とかは「そこまで大人はダメじゃないと思う。」って気がしました。

    0
    投稿日: 2016.06.01
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    ミステリアスな作品集。『びっくり箱』は母親の支配からの脱出なのだろうか……でも、深く考えるのが怖い。

    3
    投稿日: 2016.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さすが……さすが萩尾望都先生です。しっとりした雰囲気がブラッドベリにピッタリじゃないですか! しかもこんなにページ数が少ないのに原作の雰囲気壊さないまままとめてるー!! すげえよ! これが職人技か!! 「みずうみ」の奇麗さがたまらーん。 「びっくり箱」はたしか原作は男の子だったはず。でもドーナ可愛いしいいや!  「万聖節」10月のじっとりした霧の匂いが漂ってくる!! 小説の漫画化としてはすごい再現度じゃないでしょうか。ブラッドベリの文章と、萩尾先生の童話的な絵の相性があやしすぎて頭グラグラする。そのグラグラに酔っていたい、と思えるような短篇集です。

    0
    投稿日: 2015.07.10
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    レイ・ブラッドベリとSFに興味を持つきっかけになった漫画です。 初めて読んだときは衝撃を受けました。 とくに「霧笛」を読むたびになぜか泣きそうになります。永遠を生きる孤独の悲しみ、途方もない時間待つにもかかわらず報われない愛。切ないです。 「ぼくの地下室へおいで」は読後しばらく考え込んでしまう作品。なにかがおかしい、じわじわと見えない何かによって変化させられていく怖さを感じ取るロジャー。でも何も根拠はなく、不安も漠然としているので「そんなこと気にしてもしょうがない」「疲れているんでしょう」と取り合ってくれないのが普通。でも人はいつもそういうサインを見逃し、また先送りにして本当に困ったときに慌てて対策を考えるはめになるのは何とかならないんかな?とか考えてしまう。そしてマニーの考えはほとんど的を得ているけどもあり得ないしあくまでも憶測。ラストになんとなくゾクッとします。 原作の方も読みたいです。

    3
    投稿日: 2014.11.13
  • サイコーのブラットベリ本

     これを読むまで、レイ・ブラットベリの良さがわからなかった。(大昔の話しですが)SF評論本などの評価を見て手にするのだが、何か読みづらくて、ページが進まない。そんな感じだった。  この作品で目を開かされました。卓越したアイディア!それを詩情たっぷりに詠いあげる軽やかさ!古き良きアメリカンライフ。そんな魅力がつまった作品です。 (SF/ファンタジー系のマンガ化作品では岡野玲子の「コーリング」も良かった。これも電子化熱望です。)

    0
    投稿日: 2014.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【収録作】 「ウは宇宙船のウ」 「泣きさけぶ女の人」 「霧笛」 「みずうみ」 「ぼくの地下室へおいで」 「集会」 「びっくり箱」 「宇宙船乗組員」  解説・中島梓

    0
    投稿日: 2014.07.21
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    ブラッドベリ追悼読書第2弾。そして15年ぶりに再読。いまさら言うことじゃないだろうけど、ブラッドベリと望都センセのコンビはやっぱり最強。SFやホラー風味でも切なさが漂い、それを幼少期の遠い記憶を思い出させてくれるような味わいでくるんでくれる。エバーグリーンな一冊だ。

    0
    投稿日: 2012.06.30
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    萩尾先生らしい物語たち。 でも、原作は別の人らしい。 萩尾先生がこの物語たちを愛したのだということが伝わってきた。

    0
    投稿日: 2011.10.24
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    30数年に及ぶ愛読書です。 レイブラッドベリに目覚めるきっかけの作品でもあります。 「集会」がやはり一番好きですね・・・甲乙つけがたいけど。 2011年6月15日 再読 2013年7月14日

    0
    投稿日: 2011.06.15
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    原作の透明感というか、実世界とほんの薄紙一枚だけ位相のずれただけの繊細なレイ・ブラッドベリのSF小説の世界を、見事に絵にしていて、すごい。これを読んで、ブラッドベリファンになりました。 「夢見る少年(少女)」が主人公の、全部で8編のSFポエジーが入っており、その一遍一遍が、異彩を放って忘れがたい。 特に、「ウは宇宙船のウ」と「霧笛」は何度読み返しても、心に響き、泣きそうになります。(最初に読んだときは号泣しました。しばらくこの本を手に取ることができないほどショック。) コドモは共感し、オトナはかつての純粋な夢見る気持ちを思い出す。 心揺さぶられるマンガ!

    1
    投稿日: 2010.07.02
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    ブラッドベリの同名短編集が好きなので買ってみた。 感想は、マンガと小説は別物だなあ・・・と。 絵がついたらイメージが固定化されるというか ロマンチックになりますね。 ブラッドベリは空想をおもいきり膨らませながら読むのが 醍醐味だと思ってるので よけいにそうおもったかもしれません。

    0
    投稿日: 2009.10.19
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    初期作品がおおいからか、地味。 竹宮さんと比較して地味といわれるのもわかるかも。 でもこれはこれであったかくていいなぁ。

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    投稿日: 2009.10.07
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    萩尾 望都の短編集の中でも、 本当に、本当にグッとくる1冊。 宇宙と人間と生命の神秘と、 そのなかで人間がおりなすせつなさと。 全部、1冊で、読める。

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    投稿日: 2008.09.26
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    面白いといえば面白いんだけれど、こういうSFってちょっと苦手。ブラッドベリって、きっと好みが分かれる作家なんだろうな。後味が寂しい作品が多いような気がする。それにしても『R IS FOR ROCKET』の邦題が『ウは宇宙船のウ』とは、ストレートすぎではなかろーか。原作ではたぶん本文のなかでRをかけているんだろうが。(2007-09-07L)

    0
    投稿日: 2008.03.15
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    どこが、というわけでもないんだが、私の潜在的な郷愁をくすぐる。原作はブラッドベリだっけ?原作読まなくても充分だ、きっと。日本人ならちぐはぐに和訳された原作よりも、これを読むといいと思う。

    0
    投稿日: 2007.05.25
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    レイブラッドベリの本を漫画で全然違和感なく書いています。これは素晴しいですよ。両方読んでみると面白いかも

    0
    投稿日: 2005.09.18
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    宇宙船に憧れる少年の多感な時期を描いた「ウは宇宙船のウ」、湖でおぼれ死んだ幼なじみを想い、永遠の少女に心を奪われた少年を描く「みずうみ」、母親が創る小さな世界のみで生きていた少女が本当の世界へでていく「びっくり箱」…他にも名作揃いです。

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    投稿日: 2005.05.28