
総合評価
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powered by ブクログ下巻は怒涛の展開で一気に読んでしまった。 さりげないヒントをもとに事件が紐解かれて行ってやられた~という感じ。ちゃんとヒントあるのにいつも全然気付けないんだよなぁ。 最後はなんとも悲しい終わり方で、米澤穂信の作品後味がなんともどんよりなのよなぁーという。でもこの暗さが好きなのですが。 中世ヨーロッパが舞台だし、登場人物も多いしとっつきにくそうと思ったけどすごく読みやすかった。アミーナの一人称だからかな??
0投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
下巻は序盤から刺客が訪れたり呪われたデーン人が襲いかかって来たりと話が展開し始めたのでおもしろかった。ここまでの紹介や調査でどんな傭兵がいるのか頭に入って来ていたので、彼らが戦っているシーンも楽しく読めた。 一方で推理パートはあんまりスッキリしない終わり方だったなーと思った。 ファルクが走狗というのはびっくりしたし、政治的な判断であえて弟子に殺させるというのも想定外の展開だった。けど本命だった弟のエドリックが別で死んでいると言われて、なんだかあっけないなと感じてしまった。 (他の方の感想を読んで) 剣と魔法の世界観とミステリ調和しているのが異質な点で、それでもちゃんと論理の通った推理になっているのがポイントらしい。確かにそういう物語って珍しいしあっても何でもありみたいになっちゃうかもだからなるほどなって思った。
0投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハイファンタジーという推論に説得力を持たせるのが難しい舞台設定で、ここまで説得力があるミステリーを、最低限の世界観の説明で、書き切った作品は見たことがなかったので驚いた。 結論に関しては全く予想外というわけではなかったけど、この短さで中世ヨーロッパのハイファンタジーと本格ミステリー、ボーイミーツガールのときめき、いろんな要素もりもりで楽しめて満足感はすごい。 アミーナと兄の関係については読んでいて胸がキュッとなって少しつらかった。でも、国のためでもなく、お金や名誉のためでもなく、兄のためでもなく、彼女のために戦ってくれるニコラがいるから大丈夫かなって思えるラストで、手放しのハッピーエンドじゃないけど、少し明るい終わり方でそれもぴったりだった。
5投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ上巻とは違って盛り上がる場面がいくつもあり、最後の解決編も全く予想できない展開で非常に面白かった 犯人を特定する場面でも一人ずつ除外できる理由を納得できる論理で述べていて、ファンタジーだから何とでもできるのではないかという疑いを覆してくれた 唯一大変だったのは、中世時代の聞き慣れない登場人物の名前を覚えること...
14投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログミステリーとファンタジー、メジャーなジャンル同士の融合が、こんなにも新鮮で上質な読書体験になるとは!
0投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログファンタジーミステリー! 世界観が作り込まれていて、魔術や呪いが存在するけど、解決がちゃんとミステリーなところがポイント。 さすがの米澤穂信、面白かった〜。 アミーナ幸せになってほしい
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ中世ファンタジーとミステリの融合。 剣と魔法の世界で殺人事件が。 めちゃ面白かった˙ᴥ˙ 上下巻を1日で一気読み 魔術あったらなんでもアリじゃん、って思ったけどしっかりミステリしてます。 どんでん返しされすぎてコロコロコロコロ。 結末予想外でした。これは解こうとは思わずにコロコロに身を任せると楽しい( * ॑꒳ ॑*) 登場キャラたちも魅力的 読後スッキリ
15投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログファンタジーの作風に、魔術やデーン人との攻防の 話も盛り込んで、ミステリを書いてしまうとは 米澤穂信、どんだけ凄いんだ? 魔術や理解できる言語、特徴あるそれぞれの武器 とよく読めば、犯人を推理出来る構成が凄い。 ミステリ抜きでも、ファンタジー小説として中世の ヨーロッパの世界観が広がっていて、他の米澤作品 と全く異質な作品になっている。
19投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ舞台は中世のイングランド。魔術・魔法が存在するファンタジー世界でのミステリ。 ミステリだが、呪われたデーン人という不死の敵相手に繰り広げられるバトルシーンもなかなかに面白かった。 被害者はソロン島領主。魔術によって操られた刺客=走狗(ミニオン)に殺された。 操ったのは暗殺を請け負う暗殺騎士。探偵役はかつて同胞だった暗殺騎士を滅ぼすことを存在意義とする騎士団のファルク。今回の暗殺騎士はファルクの弟である可能性が濃厚であり、身内の恥を必ず滅するとの覚悟で捜査に臨む。 暗殺騎士は島内にいないだろう、今回は走狗が誰かを探すミステリであると主題が提示される。 暗殺騎士との決着はないだろうか、という疑問や呪われたデーン人との因縁、主人公アミーナ(ソロン島領主の令嬢)の将来は、等様々な疑問を抱えながらストーリーは進行し、最後はおおむね全てに結末が示される。 終始、面白く読めた。
0投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログファンタジーの中での謎解きはなかなか面白かった。 それぞれのキャラクターも個性的で、論理的な謎解き、ストーリーもよかった。
0投稿日: 2025.01.24
powered by ブクログ全く予想していなかったラストに驚かされました。剣と魔法が存在する世界を舞台にした物語ですが、推理物としてもファンタジー物としても非常に面白い作品だと思います。是非読んでいただきたい。
1投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気読みでした。駆け足で読みすぎてトリックの辻褄がよく分からず上下巻あわせて再読してしまいましたが。。 結果はハッピーエンドという訳にはいかなかったですが、致し方ないのか。。アミーナはこの先もソロン島できっと強く生き抜いていくのでしょう。ニコラともまたいつか再会する日もあるのかもしれません。 ファルクの最期は本当に残念でした。よいキャラだったのに。でも彼の名誉のためにも、騎士団の面目のためにもこうなるしかなかったのか。。いつの日か彼の亡骸をきっとニコラがトリポリに戻してくれるかもしれません。でも、もしかしたらトリポリ伯国が滅びる方が先か。。 今ひとつ分かりきれてないことがあるのですが、そもそもの馴れ初めであるエドウィーを殺したのは誰なのか。別の暗殺騎士なのか。その頃はまだソロンにいないはずなので。 他の方も書かれてますが、ニコラもアミーナもとてもよいキャラだったので、続編?また別の話も読んでみたいです。
23投稿日: 2024.12.20
powered by ブクログソロン諸島で起こった殺人事件や人間消失、そして「呪われたデーン人」との戦争を経てこれまでに浮かび上がった謎を全て解決していくのが鮮やかで、真犯人の正体も意外性があって最後まで面白く読んだ。また主人公のアミーナが一連の騒動を経て精神的に大きく成長したのも見所の一つだと感じた。
2投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログ折れた竜骨、読了。 剣と魔法の中世ヨーロッパを舞台に、推理小説を展開する斬新な一冊。 自然の要害であるソロン島の領主ローレントが、何者かに暗殺された。犯人は戦争のために集めた傭兵の中にいるのか? 探偵役としてローレントの娘アミーナと、暗殺騎士を探すファルクとニコラの師弟が登場。馴染みのない言葉が多く、所々で引っかかってしまったのが集中を阻害してしまったかも。 特に実在の人種なのか想像上の人種なのかが一度読んだだけだと分からずに、つい携帯をいじってしまった。サラセン人、ザクセン人、マジャル人、ウェールズ人、デーン人などどれが実在の言葉なのか分からない。 結末に向かってようやく人の名前などを覚えて来て、オチは凄い良かった。
1投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
真相はドラマチックで、これまでのファルクがなぜそこを確認したがるのか?というような質問や意味ありげな伏線が次々と回収されていき、面白かった。 ただ、真相に辿り着くまでが少し退屈だったのと、ファルクがいつついたか分からない傷がある、という場面でおや…?と引っかかっていたので、そこまで驚きの結末!とはならなかった。 ファルクの兄弟決戦はどうなったのか、という点は後日談としてアミーナとニコラが憶測で語っているが、実際どうなったか分からないので少しモヤッとする。 アミーナというキャラクターについて、戦いの時は守られることに徹しながらも自分の意志がきちんとあり、飾りとしての姫・女性ではなく、1人の人間として活動していたので著者らしくとても良かった。 真相の展開、操られて殺人を犯しているため本人にその自覚はないという魔術や血を流さないデーン人などの特殊設定、など面白かった。
24投稿日: 2024.10.29
powered by ブクログ中世ファンタジーと本格ミステリが見事に融合した特殊設定ミステリ。犯人の条件は割と分かりやすく示されるが、それを満たす人物を絞り込むのはかなり難しかった。 同じ世界観で続編が出てほしい。
0投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ米澤先生の作品の中でも珍しいというか、本格ミステリの印象が強いイメージがあるのですが、こういった特殊な設定のミステリも描かれるんだとは思いませんでした。 舞台は、12世紀のイングランドに属するソロン諸島。領主であり、王でもあるローレントが誰かに暗殺されたところから物語が始まる。 犯人探しから、呪われたデーン人との闘いから、まるでロールプレイングゲームの中に自分がいるかの如くストーリーは進んでいきます。 私の個人的な意見として、ミステリとファンタジーが結びつくのか、魔法が出てきたら世界観が崩れるんじゃなかと最初は感じていたのだが、読み進めていくうちに、その魔法が事件の解決にいいアクセントで繋がるので、より良い方向に読み進めていくことができました。 日常の謎もいいけど、こういった特殊ミステリも 好きになりました。
46投稿日: 2024.08.17
powered by ブクログ12世紀イングランドの架空の島が舞台、しかも魔法あり。そこでしか描けない本格ミステリの素晴らしさ。 マジックからロジックへと、流れるように繋がる美しい展開。理詰めで犯人を特定する鮮やかさ。 キャラクター造形も魅力的で、完全無欠な読後の満足感。
0投稿日: 2024.08.06
powered by ブクログ折れた竜骨下巻 全てにおいて秀逸。謎解きも、デーン人達との戦いも、登場人物達の動かし方も。物語の結末についても大団円に相応しい、余りにも完璧な完結だ。 上巻では領主を殺害した犯人は誰かが一番の本筋だったが、下巻でそれを踏襲しながらもデーン人達と傭兵達との戦闘シーンが山場に据えられており、この場面の項数は限られているのだが小説一作分の面白さがあり、読みごたえ充分だ(ゲームやアニメ等、別媒体でも最高の物語になるだろう) 胡散臭い傭兵達が余りにも見事に活躍し、これ程巧みに登場人物達を持ち味通りに活躍させる作家はいない。 最後、真犯人の追及はあらゆる探偵小説に沿って行われているが、このパートで登場人物達の秘密が少しずつ明かされていき、驚きを持ちながらも最後、真犯人がわかった時の衝撃は今後起こることは無いかもしれない(この手の真相で一番上手に活用されている。) 騎士フィッツジョンと従者のニコラ。捕虜だったデーン人の真実。一人一人の物語がとても魅力的で終わって欲しくない作品だ。 アミーナの決断は大きく、彼女の生き様と覚悟を感じる事ができた。ニコラが成長し、改めてデーン人達との死闘を描いた作品も見てみたいなぁと思いつつ(ミステリーじゃ無くてもいいので)、最高の作品を読む事ができた余韻に浸る。
2投稿日: 2024.07.27
powered by ブクログ中世ヨーロッパを舞台としながら、架空の島国、魔法という特殊設定をあしらい、本格推理小説として作られた作品。 孤島という大きな密室で起こった殺人、不死の軍団との戦争、魔法使い同士の因縁、とミステリーをベースにした話と同時にファンタジックなストーリーが並走する。 最後はミステリーらしい解決がなされ、散りばめられた伏線も回収される。小説ならではの面白さが詰められた作品だった。
1投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
長編ファンタジーミステリー小説の後編。 とても面白かったです!魔法と魔術の世界できちんと伏線回収しミステリーとして成立していたのがとても良かったです。現当主殺害の犯人はだれなのか、トーステンはどう塔から消えたのか、傭兵達が隠す秘密などの要素もキチンと解決していて面白かったです。 そして、ミステリーとしても面白いですが、陰の主人公とも言えるニコラの物語でもあるなと思いました。本当の真実にたどり着き、犯人であるファルクを斬るという最後はニコラがある意味師匠を超え成長していくための通過点なのでは無いかと思いました。タイトルの『折れた竜骨』の意味がアミーナとニコラの深い友情が垣間見える形になっていたのがとても良かったです。終わり方は爽やかで彼らの物語の続きを読みたいと思いました。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 アミーナ・エイルウィン:東山奈央 ファルク・フィッツジョン:諏訪部順一 ニコラ・バゴ:悠木碧 アダム・エイルウィン:阪口大助 エイブ・ハーバード:石川界人 コンラート・ノイドルファー:安元洋貴 イテル・アプ・トマス:岩田光央 ヒプ・アプ・トマス:吉野裕行 ハール・エンマ:茅野愛衣 スワイド・ナズィール:杉田智和 イーヴォルト・サムス:中村悠一 マーティン・ボネス:飛田展男 マードック:間宮康弘 トーステン・ターカイルソン:浪川大輔
38投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ[1]剣と魔法のある世界でのミステリ、おもろかったです。誰が暗殺騎士の「走狗/ミニオン」なのか。消えたトーステンとその方法は(謎というほどではない)、彼の主とは。 [2]呪われしデーン人(ほとんどゾンビ)来襲。島は阿鼻叫喚の戦場と化し、新領主アダムはクソの役にも立たずアミーナ奮闘す。 [3]気に入ったのは《不可解にも扉が閉ざされている場合、それは『何らかの方法で』閉じられたのだと解すべき》(p.188)というくだり。要するに密室を作る方法は無限にあるしそこに密室的なものがあるなら何らかの方法でなされたと判断すればよく、わざわざどうやって密室が作られたか解明しようと余計な時間をかける必要はないということでしょう。この場合ファルクはあえてそう言ったんやけどこれはまあ、真理でもありそう。ミステリのセオリーを破壊している。 ■ソロン島についての簡単な単語集 【アダム・エイルウィン】ローレント・エイルウィンの息子。アミーナの兄。ソロン島に住んでいる。読んでるとどうもデキのいい領主にはなれなさそうな気がする。 【アミーナ・エイルウィン】主人公の「わたし」。ソロン諸島領主ローレント・エイルウィンの娘。十六歳。英雄の娘らしくなかなか苛烈な性格のようで悲しみより戦うことを選んだ。新しいことがわかるたびにそいつが犯人かと思ってしまうタイプ。 【暗殺騎士】ファルクが追ってきたという敵。元来は魔術を使うサラセン人暗殺者に対抗するため医療系の「トリポリの聖アンブロジウス病院兄弟団」は戦闘力を持つことになったがまだ足りず同じく魔術を研究し使うようになったが一部が堕落しその技を政敵暗殺などに使うようになった。兄弟団はこれを駆逐することに決め長年闘い続けている。 【イーヴォルド・サムス】吟遊詩人。ローレント旧知の吟遊詩人、ウルフリック・サムスの息子。ローレントが探しているたいうバラッドを受け継いでいる。 【イェルサレム】聖地。異教徒に激しく責められている最中。 【イテル・アプ・トマス】ウェールズの傭兵。みすぼらしく見えるがどこか異様な雰囲気を持つ。弟のヒム・アプス・トマスを連れてきている。 【エイブ・ハーバード】エイルウィン家が預かっている唯一の従騎士。十八歳。 【エドウィー・シュアー】長くローレント・エイルウィンの従者を勤めた。死んだ彼の死体に異変が起こった。 【エドリック】ファルクが追っているという暗殺騎士。髪と眼の色はファルクと同じ。ということはたぶん… 【エルウィン家】ソロン諸島領主のロスエア。その娘で主人公のアミーナ。家令のロスエア。アミーナの侍女ヤスミナ。 【エルウィン家の屋敷】島では珍しい石造建築。地元産の石は建築物向きではない脆い性質のようなので他所から運んできたのだろう。複雑な構造になっていて迷いやすい。 【コンラート・ノイドファー】ブレーメンの騎士。三十前後。精悍で非の打ち所のない騎士だが曲者めいて見える。七名の配下を連れてきている。 【サイモン・ドット】島では最も上等な宿屋を経営している。酒と料理も出すので地元住民も来る。 【強いられた信条】暗殺騎士が使う魔術。他者を操る術。 【小ソロン島】ソロン諸島領主の館がある。ソロン島との距離は百五十ヤード(百三十七メートルほど)だが浅瀬が多くマードック以外では往き来できない。夜には潮が引いて浅瀬が増え潮流が速くなりさらに危険になるゆえ、客人はこの島から晩課の鐘(午後三時くらい)までに島を出ねばならない。吹雪の山荘系の密室ができますな。 【ジョン殿下】リチャードの弟。野心を抱いている。 【白い瘴気】暗殺騎士が使う魔術。顕著な特徴があり使われたことがすぐわかってしまうが即効性がある。 【スワイド・ナズィール】サラセン人の傭兵。小柄で子どもにしか見えない。魔術師(錬金術師)。巨大な青銅の人形を操る。 【ソロン諸島】「ソロン島」と「小ソロン島」からなる。 【デーン人】デーン人そのものは有能な航海者であり商人。デンマーク人のようだ。ローレントが警戒している敵は「呪われたデーン人」のようだ。多くの人はただの昔話だと思っている。不老で眠らず食物もいらず切っても突いても血を流さず首を切り落とさない限り活動をやめない。トーステンもその一人。 【トーステン・ターカイルソン】小ソロン島の塔に二十年間囚われ続けている呪われたデーン人。 【ニコラ・バゴ】ファルクの従士。小柄。赤毛。フランス語しか使えない。 【ハール・エンマ】女傭兵。東方の蛮族とされているマジャル人を名乗っていると自分で言ったので違うかもしれない。鮮やかな金髪。恐ろしい凄腕。 【ハンス・メンデル】五十歳近い冒険好きの商人。丸々と太って優しげ。リューベックが本拠地。 【ファルク・フィッツジョン】巡礼風の男。イェルサレムから来たと聞いていたが本人によるとトリポリ伯国から来た聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士。三十前後に見える。《警戒するのは悪くない。次は観察、そして論理だ。》上巻p.29 【ペトラス】騎士。 【ポール修道士】ソロン修道院の副院長。 【ボネス】マーティン・ボネス。ソロン市長。年季の入った仕立職人でもある。 【マードック】ソロン島と小ソロン島を往き来する唯一の交通手段である小舟の船頭。とても無口。 【マシュー・ヒクソン】エイルウィン家の唯一の守兵。 【密室】不可解にも扉が閉ざされている場合、それは『何らかの方法で』閉じられたのだと解すべき、と。(p.188) 【ヤスミナ・ボーモント】アミーナの侍女。失敗を気にしないおおらかな娘。表情も豊かで人を幸せな気分にさせる。 【リチャード】現在のイングランド国王。現在十字軍を率いて遠征に出ている。 【リッターの暗い光】魔術の痕跡を浮かび上がらせるランタン。 【レベック】ヴァイオリンのような楽器か。イーヴォルドが抱えている。 【ローレント・エイルウィン】ソロン諸島の領主。アミーナの父。不屈の戦士といった印象。自分のためよりも街のために金を使いたいタイプ。《父の統治は間違っていなかった。領民は悲しんでくれている。》p.208 【ロスエア・フラー】エイルウィン家の家令。 【ロバート・エイルウィン】エイルウィン家の初代。アミーナの曾祖父。デーン人を追い出しソロン島をイングランドのものとした。
3投稿日: 2024.04.24
powered by ブクログ中世ヨーロッパを舞台にしたミステリ×ファンタジー。 読後の感想は、「お腹一杯」。 とてもしっかり物語に没入できたのは、なんといっても主人公アミーナを始めとする登場人物の造形がしっかりしていたから。魅力的でほころびが無い人々が紡ぐ物語は、彼らの運命に共感して目頭が熱くなってしまう。 特に、ニコラとアミーナの絆に感動する。 それと個人的に「戦闘シーン」が好き。もっと読みたいと思った。
0投稿日: 2024.04.01
powered by ブクログファンタジーミステリーの傑作だと思いました。最高です。 上を読んでいた段階でファルクとエドリックを兄弟という設定にする必要はあるのかと疑問に思っていましたがそれも上手いこと利用した物語だったと感じました。 儀式のシーンは探偵が犯人を指さす状態になり、ファルクとニコラの2人の推理は完璧なものでした。 デューン人が襲来した際の迫力もしっかりあり、ファンタジー、ミステリーの両方辛みてもこの小説はとても良かったです。
1投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログ中世(十字軍の時代)の欧州。背景が分かりづらいが、登場人物はみんな、文字が読めなくても強くて義理堅い。最後はこれでよいのか。。。
1投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログミステリーとファンタジーが絡み合って一気に盛り上がるおかげで、ページを繰る手が止まらない。意志と矜持の気高さが光るとともに、物語としての奥行きもとても広いく印象に残る。
1投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログ魔術が存在する世界で殺人事件が起き、事件の謎と背景を追う話。ファンタジーとミステリーが見事に融合してて、魔術で!とかじゃなくて論理的に犯人を探していくのが凄い。犯人も気になるし敵との戦いも気になるし読み進めるのがめちゃくちゃ楽しい。そして読了後過去と未来を想い浸りたくなる。
2投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログ折れた竜骨解決編。 一応推理しながら読んでいたが、かすりもしなかった。 盛り上がるところでは理解ができなくて、その後を読んでそういうことか、と納得した。 SFなので、イメージしにくいのが難点かな。
1投稿日: 2023.06.05
powered by ブクログ下巻も上巻からの感想と変わらずいまいち入り込めなかった。下巻は本格的にファンタジーに突っ込んでいき、驚きがより強くなるばかり。ファンタジーでも制約を決めその中でロジカルな解決編ということなのだろうが、魔法が使えるなら何でもできるという思いから何とも言えない気持ち。アミーナが犯人と予想しておりそれは外れたが、探偵側に犯人がいるのいう読みも概ね予想通り。以前米澤先生のファンの方たちと話した時に評価ぎ二分していたのが非常に頷けるなと思った。
0投稿日: 2023.04.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ファンタジー世界での特殊設定ミステリ 戦いなどもあるがあくまでミステリがメイン 犯人も記憶がない中であくまで論理的に消去法的に犯人を絞っていく部分は良かった ただどうしても犯行の記憶がない、犯人自体に動機がないということもあって、犯人がわかったあとのあっけなさが少し物足りなかった
0投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログストーリー・情景追うのに夢中でミステリ成分忘れ油断してた。解決編で「えっ?!」って声出た。いいエンタメだった
1投稿日: 2023.02.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
魔術の存在する十二世紀ヨーロッパにおけるミステリ。 制約の存在する超能力の上で展開される論理パズルという趣向はデスノートやハンターハンターなどにも見られる。 この種の作品で重要なのは作品世界における能力の妥当性を醸し出すこと、言い換えれば作品世界の法則を論理的思考の範疇に収めることだといえる。そうしないとミステリとしてはフェアとは言えないだろう。 この作品はその観点で言えば上記の範疇に収まるかどうかはギリギリのところだろう。 まず、物語のベースとなるのは中世ヨーロッパの世界観だが、これは歴史的事実に則った精密な描写がなされている。 問題なのはもちろん魔術だ。 この作品には複数の系統の魔術が存在する。それはおよそ以下の通りだ。サラセン、暗殺騎士、ルーン、ゲルマン、古代ギリシャの遺産、デーン人の呪い。 これは流石に多すぎるし、それぞれが詳細に説明されるわけではないのでその全容はわからない。序盤はサラセン人と暗殺騎士の魔術が中心となって展開されるので論理的に展開するが、事件の解決に向かう後半にかけて様々な魔術が後出しのように出てくるので、無理矢理さを感じてしまった。この後出しと魔術の雑多さの弊害は第五章に現れていると思う。この場面でファルクおよびニコラの話を理解できている人間はほぼ存在していないと言っていいだろう。ファルクの思惑を考えればそもそも真実を公表するつもりがないことは明らかだが、ミステリの醍醐味である真実が関係者全員に詳らかにされるカタルシスがなかったのは少し残念だった。ただその代わりファルクとニコラの信頼関係と別れの場面としては申し分ないものでもある。 また投げっぱなしになっている要素も多い、トーステンとヤスミナの関係や、事件の黒幕、ハール・エンマ(フレイア・ラルスドッティル)の来し方、ソロン諸島の今後。 アダムが事件関係者を早々に追い払ったように作者もこれらの説明を放棄している。正直この要素も評価が分かれるだろう。不完全燃焼感は拭えないものの、ニコラやフレイヤが旅立っていく世界の広さや物語の続きを期待させるものになっているからだ。 この作品を端的に表現するなら世界を端まで説明していないが故の開放性とミステリとしての不公平感が同居する作品だといえるだろう。
1投稿日: 2023.01.20
powered by ブクログファンタジーとミステリが見事に融合していて面白かった。 魔法が使える世界なのに論理的に犯人を絞っていくので、ミステリファンも満足できるでしょう。 さらに戦闘シーンも迫力があり、一粒で2度美味しい状態を味わえます笑 犯人は結構序盤で分かってしまいましたがそれでも楽しめました。
1投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログ魔法とミステリーが成立するのか 中世という舞台では、「魔法」という能力も当たり前に信じられた時代で、「魔女狩り」が本気で行われたのは歴史の示す通り。 ただ、ミステリー小説の場合、たとえば密室殺人において「ドラえもんの通り抜けフープ」が「アリバイ崩し」であってはいけないように、読者への裏切り行為があっては台無しになる。 その点では、「魔法による代理殺人」という設定が早々に提示されることで、読者に「条件」として提示される。 そこからは、どのなに魔法の世界を見せようと、本筋はわめて正統派の謎解きミステリーを固持している。 「デーン人(北方ゲルマン民族 別名ヴァイキング)」 「十字軍(キリスト教世界)とサラセン帝国(イスラム世界)」 など、12世紀中世ヨーロッパの世界観を満載した舞台で、正統ミステリーを貫く、米澤穂信氏の手腕が、この本の興味を引くところとなる。 その一つは、魅力のある登場人物が活躍するところ。 ミステリーにしてもファンタジーにしても、登場人物に魅力を感じなければ、読書は楽しくない。 主人公たち、傭兵たちの活躍は、夢中で読み進める原動力となった。
2投稿日: 2022.08.27
powered by ブクログこの本の前に読んでいたファンタジー小説が合わなかったので読破できるか心配だったけど問題なくすんなり読めた。
0投稿日: 2022.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
顎の傷で、もしかしてとは思ってた。 渡り方に気づいたのも一人だけ。 でもそれじゃあ、あまり面白くないなと思ったらその通り。 でもうまくキャラを配置してバトルしたり謎解きをしたりしていて面白かった。 読後感が良い。悲しさと爽やかさがある。
0投稿日: 2022.08.08
powered by ブクログ12世紀末のイングランドという時代設定がいいですね。エンディングで、将来アミーナがニコラに助けを求める合図として「折れた竜骨。ニコラ、ヨーロッパのどこかでそう聞いたら戻ってきて」という合い言葉を決めるシーンはなんとも切なくてたまりません。 日本でもちょっと前まで駅に手書きの伝言板があったことなんて知らない世代には、どう映るのかな。
0投稿日: 2022.06.29
powered by ブクログ怒涛の解決編 ロジックで魔法も呪いも関係なく論破 ミステリ好きの心をくすぐるワードセンス うーーん、米澤穂信いいかもしれない 歴史小説感のあるミステリは初めてだったがスルスル読めた
1投稿日: 2022.05.13
powered by ブクログ12世紀頃。ブリテン島の東の海に浮かぶ島が舞台の、ファンタジー風味ミステリ。探偵役と助手役が登場して殺人の犯人を論理によって見つけるお話し。登場人物がおもしろい。領主と娘、彼らに仕える人々、盗賊まがいの騎士、弓使いの兄弟、異国の女戦士、伝説を唄う吟遊詩人、青銅の巨人を連れた錬金術師、塔に幽閉された不死の人… 。探偵役と助手は魔術を使う暗殺騎士を追ってきた遍歴の騎士と年若い従者。語り手は才気煥発な領主の娘。 青銅の巨人や不死人などが居るなんて、楽しくてしょうがなかった。巨人の出番は少ないけど(笑) 呪われたデーン人が襲撃してくる下巻では戦闘シーンの迫力もすごい。 作者さんもリスペクトという名作の修道士カドフェルシリーズとだいたい同じ時代。この「折れた竜骨」は話題の作家さんのずっと前に出た本だけど、カドフェルシリーズが好きなので手に取ってみた。軽めの文体で読みやすい。カドフェルでお馴染みの「晩課の鐘」が出てくるとふふふっとなる。
2投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ勇敢な領主の娘 アホな後継ぎ息子をさしおき 領主である父親を殺した人間を探す。 呪いを受けた 死ねないデーン人 勇敢な領主の娘アミーナには 力を貸してくれる人が集まる。 謎解きしたあとの 思いがけない犯人 米澤穂信さんの現代物の本より 私は好みの本です。 勇敢で頭のいい女の子が 一生懸命 人生と戦う話し 話しもどんどん展開して飽きない。よかったです。
0投稿日: 2022.04.27
powered by ブクログ途中読むのを止めようかと何度か思ったがなんとか読了。米澤穂信さんの本はこれまでも好きで読んでいたが、この手の話はとても苦手でした。直木賞を受賞された小説もこれに似た感じだとしたら読むのをためらいます。
0投稿日: 2022.04.23
powered by ブクログ読み直し読み返して、ラストはとても良かったとしみじみ。謎の締めくくりとしては好きなかたちだ。わたしの思う「ファンタジー」とはちがうけれど、これはこれで。
0投稿日: 2022.04.08
powered by ブクログ魔法のある世界のミステリとして世界観からなにからとても面白かった。 まさかそうなるとは。全然推理できない展開で楽しく読むことができた。
0投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログファンタジーなのに、見事に論理的に犯人を炙り出していて、面白いと思った。 少しながすぎるきらいがあるものの、おすすめです
0投稿日: 2022.01.03
powered by ブクログミステリーなのに魔法が存在なんてなんでもありではと思ったら、実は非常に論理的で、伏線と思っていなかったことまで回収されていって、非常に楽しみました。久しぶりに一気読みで睡眠不足… すすめてくれた後輩に感謝。
0投稿日: 2022.01.01
powered by ブクログ魔術や呪いが使える世界感が好き。キャラクターが一人一人特徴的で、ファルクとニコラのコンビが面白い。作られたファンタジーの世界の中で推理をするというのがワクワクした。
0投稿日: 2021.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昨今、ミステリのパターンはかなり出尽くしたといわれているがファンタジーとミステリとを組合せた分野というのは、他の分野に比べてそれほど多くはない。 その最たる理由は、ファンタジー要素を全面に出すと「なんでもアリ」になりかねないからである。how done it?をテーマにしづらいのだ。そういう意味で、本作では、操られた人間が下手人にすることでミステリ色を損なうことがなくなっている。まあ、真犯人は魔法が使える人間でもあったわけだが…。アミーナやニコラを主人公にした続編が出ればぜひ読みたいと思う。
0投稿日: 2021.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
下巻は一気読み。 カタカナ名でなかなか誰がどれかわからなかったり、戦いの風景があまりにも親しみがなかったり、魔術を理解するのが難しかったり…があるものの、 最後の捲り方はすごい! そこまで伏線だったのか…ってところも。 そして、最後のシーンに残る二人はかっこよすぎる。 これは心に残る。
0投稿日: 2021.10.06
powered by ブクログ3.5って感じ。 舞台設定、描写、推理の過程と悪くはないのだが冗長。 ヒントを撒きながらラストの回収に向かうまでが長すぎてややダレてしまった。
0投稿日: 2021.09.15
powered by ブクログ上巻で殺害されたソロンの領主が生前恐れていた『呪われたデーン人』の襲来が現実のものとなる。 彼らは海から船でソロン諸島にやってきた。その身体は剣で斬りつけても血は流れず、決して死なない。頭を狙う以外に倒す方法はないのだ。 ソロンの港では商人や町の人々がこの戦いに巻き込まれ、その命を落とすことになったが、事前に集められた腕利きの傭兵たちの活躍により、ソロンは辛くも勝利をおさめた。 殺人事件についてだが、実は小ソロンが密室ではないと分かったことにより(渡し船を使わずに海を渡る方法があったのだ!)容疑者は更に増えたのだが、ファルクにはどうやら犯人の目星はついているようだ。 戦の勝利を祝う宴の席で、ファルクは今回の事件の真相を語り始める。 全体を通して面白かった。 この著者は文章が完結で、とても、なんていうか、しっかりしている。地に足が着いている文体とでも表現すればしっくりくるのか。 登場人物が多く、この名前の人はどういう人だっけなーとゴチャゴチャしてしまうときもあったが、それでも尚、読む人を物語に引き摺り込み、息もつかせず読ませてしまう勢いがあると感じた。 その犯人は禁じ手なんじゃないのかと思ったりもしたが、そもそも魔法が存在する世界に『ノックスの十戒』が通用するはずもなく、これはこれでいいのだろう。 登場人物の中でも、ニコラが特にいい。 ラスト、この本のタイトルである『折れた竜骨』とは何を意味するものなのか、それが分かったとき、わたしはアミーナを羨ましく思った。 わたしにもニコラのような存在がいてくれればよかったのにと思った。
0投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログとても面白かったです。 戦闘シーンがあってよかった、無ければひたすら事情聴取していく謎解きで終わっていたと思う。戦闘があってやっとファンタジーと言われる部分がリアルになったように思う。 このルールが先行したファンタジー設定、米澤穂信は日常ミステリーの方が好きだなーと思った。
2投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログ中世ヨーロッパソロン島を舞台にしたファンタジー要素満載の異色ミステリー。最後は驚かされたけど、あまり納得いかない。まぁただの好みの問題かもしれない。世界観の完成度が高くて、活気のある街並みや排他的な雰囲気の小ソロンの館のなんかは目に浮かぶようだった。おもしろかったです。
0投稿日: 2021.05.25
powered by ブクログ論理的に謎を解決するのが醍醐味であるミステリーにおいて、"魔法"が登場するというのは本来ありえない。 しかし、その魔法は誰が使えるものか、どのような効果をもたらすのか、ということが明確に記されていれば、"本格ミステリー"として成り立たせるのは可能である。 本作はまさにその、特殊設定ミステリーの代表作であるといえる。 そして犯人当てだけでなく、戦闘シーンの描写もなかなかに迫力がある。 日本推理作家協会賞受賞に納得。
2投稿日: 2021.03.11
powered by ブクログ推理もので魔法を出すなら魔法で出来ることと出来ないことを明確にして欲しい。 今作の場合それらは示されていないので言ってしまえば何でもあり状態。 空だって飛べるし瞬間移動も出来るし、遠く離れた場所から部屋に飾ってある剣を人に刺すことだって出来てしまう。 推理のしようがない。 また、折れた竜骨という言葉が最後の方に出てきてタイトル回収をするが、ちょっと無理矢理感があるかなあ。
0投稿日: 2021.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
普通、推理小説に魔術や神秘は御法度とされているが、本作はこれらの要素をふんだんに取り入れた、稍異色のミステリといえる。 ファンタジーとミステリが無理なく融合しており、スッと設定が入ってくる辺りが好印象。 御都合主義に陥らず、誰に何が出来て何が出来ないのか、明瞭に示されたフェアな推理小説。もしファンタジー要素を理由に食わず嫌いしている方がおられるのであれば、その点は保証出来るので安心して欲しい。 最後に、タイトルに関する考察をば、覚書として此処に記す。 『折れた竜骨』という題名は、作中で主人公達のいるソロンの街に攻めてきたデーン人の船に由来している。 竜骨といえば、船底を貫く主要部材であり、これが折れるという事は、即ちその船が最早船としての用を為さない事を意味する。 主人公アミーナは領主の父を暗殺され、頼りない兄の為に故郷に留まる決心をする。かつてアミーナの姉は父の計らいによって故郷を出て幸福な結婚をした。だが同じ幸福の未来は、父を殺されたアミーナには永遠に鎖されてしまう。 もう一人の主人公ともいうべきニコラも同じく、暗殺騎士の為に決闘士の父を喪い、本来辿るべき人生の運命を大きく捻じ曲げられた過去を持つ。 二人は物語の最後、別れに際して、再会の符牒に「折れた竜骨」という言葉を使うことを決める。 船とは乗り物の一種であり、それは凡ゆる乗り物の中で、取り分け遠隔地に赴く為のものである。何せ海を越えるのだから、ちょっとご近所まで、という場合には当然用いない。 その船の竜骨が折れている。つまり往くべき人生の最果てには最早辿り着けない。これはとりもなおさず、暗殺騎士によって本来の航路を絶たれた二人の人生の暗喩ではないか。 デーン人と暗殺騎士、二人の宿敵とも言うべき二つの脅威の象徴であり、だからこそ再会の合言葉として相応しいのが「折れた竜骨」なのかも知れない。
1投稿日: 2021.02.02
powered by ブクログ中世ヨーロッパの勇気ある人々の姿も見ものだが、魔法と対峙する精緻なロジックにも注目だ。 上巻より続く作中に散りばめられたヒントが、言うまでもなく、ここに全て完結する。
0投稿日: 2020.12.11
powered by ブクログ12世紀のイングランド界隈という設定は、馴染みがなく、入り込めるかどうか危ぶまれたが、読み始めるとまったく気にならなかったのが不思議。むしろ事象と論理が雑味なく提示されていて爽快であった。また絵巻のように次々と繰り広げられていく舞台となった小島での数々のシーンが、休みなく提示されていくスピードに酔う。
1投稿日: 2020.08.19
powered by ブクログ面白かった。 修道士カドフェルのシリーズが好きなので、世界観も入りやすかった。 本格ではなく、作者の頭の中で決められたルールを探る感じで楽しめました。
0投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログ特殊な設定のミステリーがこんなに面白いとは。 ミステリーに現実感が無ければ何でもありになってもおかしくない。 不老不死の種族、魔法使い、魔術師、魔力に呪い、だけどミステリー。 解決編の説得力に納得。 途中で真犯人が分かったとしても、最後まで目の離せない話。 面白かった。
0投稿日: 2020.02.24
powered by ブクログファンタジーなのに、魔術に甘えることなくちゃんと本格ミステリになっている!むしろ魔術をスパイスにして、より本格度合いを上げている。 密室あり、アリバイあり、意外な犯人あり、そしてなにより読者への挑戦あり。 初めからいる人物が犯人という原則も満たしている!
0投稿日: 2020.01.07
powered by ブクログミステリーでありながらファンタージーアクションの要素も組んでいる。 最後の場面の話はネタバレになるので置いておいて、傭兵達がヴァイキング達を退けようと、其々が必死に戦うところが私にとっての最高の場面でした。 中世のヨーロッパにファンタージーの要素を加えミステリーで割ったのが本作品です。 現時点で出てはいないようですが続編希望です!
0投稿日: 2019.11.10
powered by ブクログファルクの捜査は続き、ついにデーン人の急襲が。兄アダムの兵が来ない中、傭兵達による戦いが始まる。ミステリーというより、一気にファンタジーの世界へ。でも、実はこの戦いの中に領主殺害の犯人特定のためのヒントが隠されていた。宴の最中に行われたファルクによる謎解き。意外な犯人…とまではいかないが、明かされた真相は苦々しい余韻を残す。新領主アダムによる新しい時代はいかにも頼りなげで、このタイトル「折れた竜骨」はズッシリと重く感じた。
0投稿日: 2019.09.04
powered by ブクログ完全なる本格ミステリ。すごい、羨ましい、こんなの書けて。登場人物一人一人にも味があり、もっと楽しめる要素盛りだくさん。シリーズ化ないかな。ただ一つは「忘れ川の雫」かな。これだけ少しご都合主義?負け惜しみです、はい。
0投稿日: 2019.06.17
powered by ブクログ米澤穂信さんの作品すべてに言えることですが、読み終わった後に込み上がる諸々の感情ぜんぶひっくるめて大きなため息をひとつついてしまう、この読了感はファンタジーものでも健在でした。
1投稿日: 2019.05.19
powered by ブクログ15 怒涛の下巻! 面白すぎてあっっという間に読み終わっちゃった。 ページをめくる手が止まらないの。 こんなに小説って面白かったっけ? 今まで余分なこと考えて没頭することが少なかった気がするけど、これははまった。 終わっちゃうの悲しい。 2019.02.25
1投稿日: 2019.02.25
powered by ブクログファンタジーでミステリー。素晴らしい作品だった。魔法やら呪いやら領主の娘やら騎士と従士やらがでてきて、しかも理性からの論理で謎を解く。
0投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログ再読。中世ヨーロッパの骨太ファンタジーとしても面白い上に、ラストが「名探偵、皆を集めてサテと言い」の作法に則った本格ミステリでもあるから最高。
1投稿日: 2018.10.29
powered by ブクログ暗殺騎士は捕まるのか?その魔術によって領主を殺害した走狗は誰なのか?呪われたデーン人の襲来は? いやぁ面白い。図書館で借りたけど買わねば。
0投稿日: 2018.10.06
powered by ブクログ途中から犯人の目星はフラグがはっきりしていたのでわかりましたが、最後が少し切ないです。ニコが再び戻ってくる続きがあってもいいなと思います。
0投稿日: 2017.12.29
powered by ブクログ舞台は12世紀ヨーロッパで、剣や魔法が出てきて最初は面食らうが、内容はしっかりミステリー。伏線回収や謎解きもお見事。
0投稿日: 2017.10.11
powered by ブクログううっ、犯人をほのめかした情報にふれちゃってたので最初から犯人は二人にしぼられてしまったのが残念。不死のデーン人の扱いがうまい。でも、「罪の声」に引き続き、主人公との距離感が出てしまいました。やっぱり、主人公が一番痛い目にあうか、主人公が謎解きの中心になるか、一番が主人公じゃないとわたしは物足りなさを感じるようです。
0投稿日: 2017.06.03
powered by ブクログ本を読むことが楽しい、と思い出させてくれる推理小説。 答えを聞いて納得できる謎解きは後味がいいかも。 5/16/2017 EST
0投稿日: 2017.05.17
powered by ブクログKindleで読んでたら、最大のヒントと思われる箇所にハイライト入れてる人がいて、上巻で犯人の目星がついてしまったのだが、それでも面白かった!ファンタジーとしてもとても面白くて、続きはないのかな?と思った。ニコラがずっと騎士でいてくれるのは頼もしい。最後まで読むとタイトルが素敵に思えてくる。後書きにでてきたカドフェルシリーズも気になってきた。
0投稿日: 2017.04.26
powered by ブクログミステリーとファンタジーの融合と聞いて興味を持った作品。貴志祐介の『新世界より』が好きなので似たような雰囲気を想像していたが、いい意味で期待を裏切られた。 魔術が存在する世界で、呪われたデーン人という非人間との戦争を描いてはいるものの、それらは世界を表現するツールに過ぎない。本筋となっているのは、ファルクが探偵、ニコが助手、アミーナが依頼人という構図の本格的な推理小説だ。魔術を使えばなんでもできてしまうのではと読者視点で思ってしまうところを、「理性と論理は魔術をも打ち破る」とファルクが言っている通り、論理的な思考手順で犯人を突き詰めていく。 小説としてのクオリティも非常に高い。文庫版では上下巻で1000ページものボリュームがあるが、無駄なところは全くない。登場人物すべてに本筋と関わりのある役割を与え、そのうえで余すことなく見事な伏線回収を行っている。 だからこそ、魅力的なキャラクターたちの先の話を見てみたい気もするが、綺麗にまとまっている物語なだけに、あまり贅沢なことは考えない方がいいかもしれない。
2投稿日: 2017.04.09
powered by ブクログ魔術も不老不死の呪いも出てくるファンタジーな世界観だけど、魔術の決まりごとが揺るがないので、理詰めで実行犯を特定してゆける充分なミステリーでした。結末は、切なかったけど。 そして、読みながら、作者はカドフェルが好きで、ちょこちょことオマージュ添えてる?…と思ってたわけだけど、あとがきを読むとその通りだったようで――ただの読者の自分が言うにはおこがましいかもしれないけれど……嬉しかった。
0投稿日: 2017.01.13
powered by ブクログこのミスベスト10、2012年版2位。 ファンタジー系特殊設定のミステリー。よくできた小説で面白い。最後の方でちょっとしっくり行かなくって、どんでん返しがあるのかなと思ったら、きちんと、丁寧に疑問に答えていって、まあすっきりとはします。 ただし、多分きっときちんと説明がつくのだろうなとは思うけど、話が細かくって、1回読んだだけでは2,3の疑問が残った。デーン人同士でやりあう理由や、もの忘れさせる魔法の役割、まわりくどい方法で犯人を指摘した理由とか。 きっと何度でも読む人には読むごとに面白さがわかってくると思うのだけど、残念ながら自分には再読は面倒で。 あと、やっぱり、こういった魔術や不死身の人がでてくる特殊設定系のやつはきっちりとルールが作られてると言っても少し逸脱すればいろんな解が出てくるので、なかなか謎解きに身がはいらないってのはある。
0投稿日: 2017.01.06
powered by ブクログ一気読み。おもしろい。 師弟愛が切ない。下巻もうちょっとボリュームあってもよかった感。ファンタジーパートを深く掘り下げないところが、ミステリー小説としては正解なのでしょうか。 最後終わり間際でさらに面白さひと加速が素晴らしかった。 タイトルの意味がもうちょい一ひねり欲しいと言うか、よくわからなかったというか、深い意味を読み取れなかった… 続きがあれば必ず読む。あとアダムこのやろう。
0投稿日: 2016.11.16
powered by ブクログ上巻の伏線がするするっと回収されていくので、上巻を片手に読み終えました。デーン人おそろしや…… 再会は願うけども、船はもう燃えないといいなあと思います。いずれ燃えるんだろうけど……師弟愛をありがとうございました。
0投稿日: 2016.09.24
powered by ブクログミステリーの結末のキレは かつての米澤穂信作品ほどではないような。 ファンタジーとしても中身は薄いかな。 ある程度は先が読めてしまうのは この人の作品に慣れすぎたからでしょうか。 でも…先が読めないほどの 緻密な構成と仕掛けの謎解きが この人の魅力なんだけどな。 ひとまずは「冬期限定」が待ち遠しいな。
0投稿日: 2016.07.29期待どおり
上巻を読んでほぼ1年。ようやく入手、読了。 一気に読んでしまい、あまり伏線とか気にしなかった。 ストーリーだけで充分面白い。 上下巻再読して、謎解きを楽しみたい。
0投稿日: 2016.03.21
powered by ブクログ呪われたデーン人との戦いは、すっごくドキドキしたし 傭兵と雇い主との難しい関係もリアルだったし 時期領主でアミーナの兄、アダムの腑抜けなくせに 姑息なところには怒りさえ感じたし、色んな感情を 総動員して楽しめました。 なにより、ファルクと二コラの関係が、薬屋探偵を連想しちゃって 思いっきり和ませていただきました。 だって少年二コラは赤毛で、まるでリベザルみたいで ファルクのことを師匠って呼んでるし・・・ 小さな騎士にやられっぱなしでした。
0投稿日: 2016.02.24
powered by ブクログいやお見事。 非常にシンプルでわかりやすい、でも大きな穴は感じさせない消去法推理で、エンタテイメントとして高品質。 最後のどんでん返し自体はそれほど奇抜なものではないけれど、うまく伏線を回収し、収束していく筆者の手腕には舌を巻くしかない。 難を言えば、タイトルに意味が無かったってのがなあ。 たとえば『星を継ぐもの』みたいな、読了後にうおおおっと思わせるタイトルであって欲しかった。
0投稿日: 2016.02.24
powered by ブクログファンタジーでもあって、ミステリーでもあって。どちらも好きな私には最高の本でした。読んでいてどんどん先が気になって読み始めたらすぐ読めました。いつも通り犯人は誰かとかあまり気にせず読みましたが笑 最後の展開には驚きました。
0投稿日: 2016.02.10
powered by ブクログそうであって欲しくなかったけれど、病院兄弟団と暗殺騎士の関係を説明されては、妙に納得した幕引きだった。墓石の名前を変えられる日が早くきてほしい。 内容的には☆5でも良いんだけど、この結末は一番望んでなかったので☆1つ減らしで。 ニコラとアミーナの成長に焦点を当てれば、悲しくも強い物語だったのかなと。
0投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログファンタジーということで、アクロバティックな何でもありの解決かと思ったら、ある一定のルールに則って、納得のいく解決となっていました。 ストーリーもしっかりとしており、読み物としても秀逸。伏線がすべて回収されているのも好感度大ですね。
0投稿日: 2016.01.20
powered by ブクログ『ボトルネック』に続き、米澤作品二作目。まさかの犯人(走狗)でした... その後の展開が悲し過ぎましたが、とても楽しめました^^ この世界観を創り上げた作者に乾杯!
0投稿日: 2016.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ソロン島の受難、解説編。 証拠収集と聞き込みが淡々と進められた印象の上巻から、暗殺騎士の襲撃、呪われたデーン人の襲来と立て続けにハラハラする展開で息つく暇なし。暗殺事件の解明どころじゃない!かと思いきや壮絶な戦闘中にも論理的ヒントが散りばめられていたことに感服。エンマのかっこよさが異常。そして東北の騎士ファルク、その顎の傷について思い当たったときの動悸激しかったなぁ。そうか、そうきちゃったか、まぁそうだよね、、という、、 解説編は儀式と称した関係者の前で。ファルクが選んだ幕引と、厚い信頼を受け止めた従士ニコラの立ち回りが泣ける。 エンマの正体と不死の捕虜が待ち望んでいた存在、呪われたデーン人の起源、暗殺騎士の行方まで、謎はひとつ残らず拾われて、領主の娘アミーナは一人の信頼できる騎士を得て、大満足の悲しく強い物語。
2投稿日: 2015.11.24
powered by ブクログ剣と魔法の中世イギリスを舞台にミステリが繰り広げられる、贅沢な作品。当時の風俗や、ほこりっぽく物騒な雰囲気が物語の中にしっかり描かれ、主人公アミーナと一緒にソロン諸島を歩いているよう。景色が目に浮かびました。 ファンタジーの要素があると、なんでもありになってミステリにならないのでは?と不思議でしたが、かえって提示されているルールがわかりやすくなって面白いです。シリーズでこれからも続けてほしいなぁと思ってしまいます。
0投稿日: 2015.10.20
powered by ブクログ「理性と論理は魔術をも打ち破る」ーー 剣と魔法の世界、ソロン諸島で起きた惨劇。異国の騎士とその従士、領主の娘が暗殺者を追うなか、伝説の呪われし民族が襲来する・・・。ファンタジー要素をふんだんに取り込んでいるが、探偵役が手掛かりを集めていく謎解き要素も同時進行する。この塩梅が実にうまく、どちらも存分に楽しめる。 どのように事件を決着させるかが焦点の1つだったが、予想だにしない結末に、読み終わるのが惜しいとさえ思えた。是非とも映像化してほしい名作。
0投稿日: 2015.10.11
powered by ブクログソロン島の領主を殺害した暗殺騎士の走狗の正体がいよいよ判明する。 最後の仕掛けもなかなかよく出来ており、確かにミステリーではある。 このようなミステリーは、著者のあとがきによると「特殊設定ミステリー」とよばれているそうだ。 しかも「ハイ・ファンタジー」という分類にも属しているというから、そんな言葉を聞くとなにやら意味不明のSFかと思えてしまうが、読んで納得のミステリーであった。
0投稿日: 2015.08.18ファンタジー要素のあるミステリー。謎解きは論理的。
面白かったです。剣と魔法のファンタジー世界で起きた、殺人というミステリ。容疑者はもう一人いるよね…と、早い段階から気付いていたのですが。走狗(ミニオン)として操られていたのが予想通りの人物だとラストが辛いだろうなぁと、思っていたら案の定だよ。なんと哀しい。かの者の脱出方法も予想通りでしたが…もっと細切れを想像していた。呪われたデーン人の襲来シーンは迫力があって良かったです。今後もソロンが狙われるなら、標的はアダムではなくアミーナだろうな。暗愚アダムなら放置しておいても自然に衰退しそうだ。
7投稿日: 2015.07.28
powered by ブクログそして走狗は確定する。人々はそれぞれの道に船出する。「呪われたデーン人」に関する私の疑問は解けないまま。
0投稿日: 2015.07.21
powered by ブクログ自然の要塞であったはずの島で、偉大なるソロンの領主は暗殺騎士の魔術に斃れた。“走狗”候補の八人の容疑者、沈められた封印の鐘、塔上の牢から忽然と消えた不死の青年―そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?魔術や呪いが跋扈する世界の中で、推理の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?第64回日本推理作家協会賞を受賞した、瞠目の本格推理巨編。
0投稿日: 2015.07.10
powered by ブクログ終盤まで読み進めると、突如ファンタジーから本格ミステリーへと変貌を遂げる。 このような構成の小説は初めて読んだので、それだけでも意気込みに対して高評価をつけるところですが、いずれにおいても高いレベルに仕上げた見事さに脱帽です。
0投稿日: 2015.06.15
powered by ブクログファンタジーにミステリーを組み込ませる新しい感じが面白かった。 意外と犯人は簡単に読める気がするけど。。。 でも最終的な解決法が中世ヨーロッパって感じがあって。
0投稿日: 2015.05.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハール・エンマの正体が明かされるシーンはとても興奮したし、実際そこまでは最高の出来だったと思う。そのあとのファルクが走狗=エドリックだったまでもまぁ良い。ただ、それがやっぱりファルクでエドリックに操られてましたとなったところの理由付けが伏線を張っているとは言え、個人的には後付けに感じてしまったのが唯一悔やまれてならない。
0投稿日: 2015.04.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もう少しボリュームが欲しいと思わせてくれる程面白い。 歴史小説&ファンタジー小説好きにはたまらない作品。 米澤作品には珍しい血沸き肉踊るシーンがあるが、そこは米澤作品、単なる英雄譚にはならないとこに満足。 いつもの苦みのあるラストに大満足。 謎を残したままなのでシリーズの続きに期待。
1投稿日: 2015.04.10
powered by ブクログ魔法ありきの世界でミステリーなんて、無茶だとは思ったけど、おもしろかった。バトルシーンもなかなか。 ファルクとニコラの前日譚が読みたいな。
0投稿日: 2015.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なぜタイトルが「折れた竜骨」なのか?と思っていたが、 読み終わった後で、なかなかタイトルのつけ方が乙のものだと感じる。 魔術という心理トリック制限を設けた上でのミステリ。 呪われたデーン人とのバトル表現が凄い。 バラバラだった各容疑者との関係が収束されていくのと同時に、物語に引き込まれる感覚は楽しかった。 トリックフラグも気付かず、謎解けなかったけれど面白かった。
0投稿日: 2015.02.20
powered by ブクログ面白すぎた。 これ、図書館で借りてきたけど文庫本買おう。 全ての謎が明らかになる下巻。 殺人事件の調査をしている最中に、デーン人がソロンに攻めてくる。 その戦いの最中の描写も、後の謎解きに必要な情報だった。 そうして一つ一つ情報が整理され、普通のミステリのように、最後にみんなが集まった席で謎解きが始まる。 謎解きに魔法が絡んでくるのが面白い。 推理をしていたのだけど、全く裏切られ、どんでん返しが待っていました。 面白すぎます。 続編を強く望む。
0投稿日: 2014.11.22
