
魔王殺しと偽りの勇者2
田代裕彦、ぎん太/KADOKAWA
作品詳細ページへ戻る
総合評価
(1件)4.0
| 0 | ||
| 1 | ||
| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 |
スケールを変えた二重のトリック
警告:ネタバレはありませんが、本巻に関しては、まったく情報無しで読んだ方が絶対楽しめます。騙されたと思って、目をつぶって買って、最後まで読んでみてください ページ数のせいで分冊されたミステリーです。 本巻では四人の容疑者(というのも変ですが)のうち残り二人に会いに行く話と、謎解きセクションとなります。 傭兵ダリオンと魔術師ガダフに話を聞くわけですが、両方ともそれぞれ破天荒な展開となります。一人目の英雄レデリック時は、トップバッターだったからでしょう、ごく普通な感じでしたが、二人に関するくだりでは、仲違いあり、旅あり、新たな殺人ありと盛りだくさんです。 本作は魔法のある世界と言う事で、「なんでも魔法で片づくんじゃ無いの?」という疑いを抱かざるを得ません。しかし、そういう読者の先入観もおそらく著者に利用されています。というのは、本作では、英雄を探すという謎に加えて、エレインやユーサーの所属する社会そのものの謎を、全体を通して解いて行くという構造になっているのです。この二つ目のトリックは、知らず知らずのうちに作者から読者に向けて仕掛けられており、クライマックスで綺麗に解ける事になります。 ラストシーンがこうなるだろうという事自体は、自分には早い段階で分かりました。多分ほとんどの人がそうだろうと思います。でも、スケールの大きな方の謎には、ほとんど最後まで気付きませんでした。これはうまい。ファンタジー世界でミステリをやった理由がしっかりありました
1投稿日: 2014.05.11
