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ビリー・バッド
ビリー・バッド
メルヴィル、飯野友幸/光文社
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総合評価

12件)
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    昔の文体で読みにくいけど、解説やあとがきを読んで理解が深まった。 吃音の描写があるから読んだけど、結構少なかった。なので読むのに時間かかった。

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    投稿日: 2025.09.30
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     18世紀末、若きフォアトップマン、ビリー・バッドは、商船ライツ・オブ・マン号から、英国軍艦ベリポテント豪に強制徴用された。強制徴用とは、対ナポレオン戦争の時に、絶対的に水夫が不足していたイギリスが、商船や酒場から、拉致するようにして水夫を集めた、かなり無茶なやり方だった。人材不足が極まった時は、囚人を水夫に採用することもあったそうだ。本意で集められたわけではないため、水夫の反乱も起こっている。文中でもノア湾での反乱について言及されている。つまり、強制徴用した船の船長や、もとからいた乗組員には、強制徴用された水夫達に対して、もとから不信感があった。  その事を前提にすると、ビリーの行為に対する厳しすぎる処置の、エクスキューズにはなる。ベリポテント号の艦長ヴィアは、ビリーの「あなたともお別れです。いとしきライツ・オブ・マン号よ」という、去り際の挨拶を聞いている。ビリー自身は、特に強制徴用に深い恨みを抱いていたわけではなく、冗談のつもりだった。彼はきわめて性格がよく、彼がいたことで商船の人間関係がよくなるほど、調整能力もある。二人が直接話せば、わかりあえたのではないかとすら思える。しかし、二人の間には、楽園に入り込む蛇のような男がいた。  先任衛兵長クラガートが、艦長フォアにビリーを危険人物として名指しした事から、二人の間がぎくしゃくし始め、決定的な出来事が起こってしまう。この理不尽に読者を放り出していいのか?という気がするが、逆にこの理不尽をこそ、メルヴィルが訴えたかったことではないか。

    0
    投稿日: 2025.09.28
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    どこかでオススメとして紹介されていた本。 ハーマン・メルヴィルははじめて読んだ。 作品もモビーディックしか知らないし、なんか怖そう&暗そうな作品としか知らなかった…。 本書も不穏な終わり方をするらしいことははじめからチラチラと提示されている。 ストーリーは短いし、実際かなり薄い本なのだけど、前半は作者自身が言うように、舞台装置の説明以外のことでも寄り道が多くて、なかなかストーリーが動き出さないのでちょっと退屈でした。 そのぶん、中盤でストーリーは突然トップギアに入り、そのままブンブンと突き進んで終了。 え、えー。不穏は不穏だけどそういう方向なんだなあ…。 登場人物三人がオセロそのまんまだな、と思ったけど、実際シェークスピアの影響大きめの作家だったそう。(神話や聖書の引用もあちこちにあり、カジュアル寄りが持ち味のこの光文社シリーズでなければ読み通すのは無理だったかも。) あのおじいさん船員、印象的なわりに、出番が少なくてびっくり。最後とかさ、なにか証言してくれてもいいんだよ…?(;_;) 解説と訳者後書きでようやくメルヴィル周辺を理解した。イギリスの作家、海の桂冠詩人と呼ばれたメイスフィールドを思い出す。メルヴィルのほうがかなり年上だけど、クリッパー船員の体験もあるのだし。 17世紀ウィリアム・ダンピアの手記のころから何も変わらない、海の中、船の上という、この隔絶された小世界での、いろんな恐怖が印象に残った。 前科者が過去を隠して乗り込む&無理やり徴用された船員→いつ暴動が起きるかわからないという事前の状況からすでに圧力高めの世界なのに、当たり外れの大きな獲物や戦争、いつ暴力が席巻するかわからない船。 そりゃあ、鞭打ち刑やら一方的な船内裁判やらも起きるかもしれませんな。 しかし怖いなあ。今でも閉ざされた環境の特殊な職場だとこんな空気は大きく変わっていないのではないかな。 ところで光文社のこのシリーズ、前にも書いたけど、こんな良シリーズに育ってくれるとは正直、シリーズ発売当初は全然予想もしていなかった。 手に取る気にさせる古典、この功績は大きい。 この売り方をされると、古典を読んでみようかなと思える層がたくさんあったということね。 岩波とかの古典的な訳書も好きではあるけど、新しい読者を得ていくのは、何より大きな課題ではある。 光文社はそこをうまくクリアしていて、そのもたらすものは本当に大きいと思われます。 何が言いたいかといえば、とにかく、関係者の尽力に感謝です。

    1
    投稿日: 2024.11.04
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    『白鯨』があまりに有名なアメリカの作家メルヴィルの『ビリー・バッド』です 『白鯨』は読んだことある気がする あれ?途中で挫折したんだったっけ? まぁいいや『ビリー・バッド』だし うん冒頭からかなり退屈 何しろ主人公ビリー・バッドが動き出すまでに全体の1/4くらい進んでいる しかもなんかよく分からんことをつらつら語っているだけなので、別にたいして物語も進んでいない その状態で1/4読まされるのはつらーい そして古典の名作にありがちな「どうとでもとれますよ感」 エグい この読み手を試してくる感じ 巻末に「あなたはこの物語をどのように捉えましたか?(配点70/100)」って書いてあるのが見えました けっこう振り分けてきたねっていう あと30点は漢字問題かな?っていう もう堂々と回答欄に書いたるねん 「そんな知らんわ!」

    54
    投稿日: 2024.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊藤亜紗『どもる体』で本作の主人公が吃音だと紹介されていたので、本棚に刺さっていたものを取り出して地元に向かう新幹線のなかで読み始めた。 7/15土 p.24まで 7/17月 p.46まで まだビリーを主人公とした本筋の話が始まらない! 当時の海軍への反乱や悪徳について、また軍艦の長の人物描写にページを費やしている。19世紀小説にありがちな冗長さ。ドストエフスキー『地下室の手記』第一部みたいなもんか。 ビリーの吃音はいっしゅんだけ言及があった。 7/31月 p.94まで めっちゃ難しい。意味わからん。 哲学的というか宗教的というか…な議論めいたものが続く。物語はあんまり動かない。 堕落、狂気、無垢 について ビリーが夜フォアチェインに呼ばれたとき吃音が出た。 8/1火 p.116まで なんかカミュの異邦人みたいになってきたな 世俗から一線を画した無垢な男主人公が偶然?に殺人を犯してしまい、裁判へ……という筋書きの古典中編小説 8/7月 p.146まで 8/8火 p.169まで 処刑執行。ビリー・バッドめっちゃキリストになぞらえられてて草 ビリー・バッドとバートルビー、無垢っぽいところは似ているが、従順さなどはわりと対極的か。あとは作品の文体、内容の難解さも対照的。 読んだ! 訳者の同僚による解説、うーん…… ・投稿用短文感想 伊藤亜紗『どもる体』にて、吃音者が主人公の小説として紹介されていたために驚いて、1年くらい前に古本で買っていたものを読んだ。 文章が難解すぎる! 哲学的・宗教的な議論か講釈めいたものがその多くを占めていて、今の自分の頭では、この読み易いらしい新訳でさえほとんど理解が出来なかった。世俗性が希薄で無垢な主人公がひょんなことから殺人を犯して裁かれる筋書きの古典的中編小説、ということでカミュ『異邦人』っぽさは感じた。『バートルビー』と共通する点もありつつ、かなり対照的な趣きの遺作だとも思った。

    1
    投稿日: 2023.08.11
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    面白いと言っていいのか。 モヤモヤした感じが残る小説だ。 水夫ビリー・バッドの人生。 ビリーは美男子で、周りの人間から愛されるキャラクターだ。 彼はある船で働いていたが、軍艦に徴用される。 その船でも彼は愛されキャラクターになる。やがて、こっそり彼に話しかけてくる謎の人物、そして彼を嫌う上官。こんなキャラクターが配置され、いよいよ盛り上がるか、というところで盛り上がらない。いきなり終わってしまうのだ。 これといったオチがあるわけではない、というか、オチはあるんだけどすっきりしない。突然始まって、突然終わってしまう感じだ。 いわゆる冒険活劇などではなく、ある人物の人生の1部分を切り取った感じ。 その中には、様々な人間が登場し、当時の時代背景などが説明される。 エンターテイメントではなく時代の空気を切り取ることに腐心したような小説だ。 浦沢直樹のコミックと関係があるのかは不明である。

    0
    投稿日: 2020.06.21
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    メルヴィル 「 ビリーバッド 」著者の遺作 中編小説 キリスト教道徳の寓話にも読めるし、共同体の中で 秩序と苦悩を描いた小説にも読める。著者の人生の総決算としての思想哲学 にも感じる。 著者が描きたかったのは 多様で複雑で曖昧な現実の世界。そんな世界で どのように秩序を守るのかを 伝えたかった と捉えた 船中という人種や身分が多様な共同体が舞台。一神教的な 善と悪の二項対立では 共同体の秩序は保たれない。善の象徴である主人公のビリーバッド、知性の象徴であるヴィア艦長。ヴィア艦長の苦悩と共同体の秩序を保つ姿が印象的 キリスト教道徳の寓話 *狡知に対して 経験、才覚に欠け〜なりふり構わず 身を守ろうという感覚もないことは無力→ 無垢な善では自分すら守れない ヴィア艦長の本の好み *内容より文体にひたるものではない *至上の秩序を備えた全ての真摯な精神〜が惹かれる *どんな時代でも 現実の人間と出来事を扱う *モンテーニュのように しきたりに囚われない

    0
    投稿日: 2018.11.27
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    國分功一郎の『中動態の世界』において、中動態の概念の事例として用いられていたことから興味を覚えた。中動態~の中であらすじは語られてしまっていたので、淡々と読み進めた感じだったが、國分の主張と含めて、人間の意志と決断、そして責任についてあたらためて考えるようになった。なにげにメルヴィルは初めてだったので、巻末のメルヴィル評が、一番集中できたところだった。最近注意が散漫。 18.3.14

    0
    投稿日: 2018.03.14
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    程よい長さの作品でメルヴィルっぽさもあり読む価値のある作家であることが伺える作品。最初に「白鯨」を手にして挫折する前にこの作品でメルヴィルに慣れておくのも悪く無いと思う。たしかに脱線はよくするし衒学的なところもある。それでも、読むに値する内容が伴っている。なので、読み通す価値は十分にあるように思う。読むと色んな事を考えさせられるいい作品だと思います。

    0
    投稿日: 2017.12.18
  • 正と悪と人間の良識

    ビリー・バッドは、容姿美しく力逞しく性格も良好な青年で、商船から戦艦に徴用された時も船員達から好感を持って迎えらました。しかし、戦艦には先任衛兵長ジョン・クラガードという男がいて、ビリーを嫌いました。クラガードの職務は船の警察署長のようなもので、その地位に物を言わせて目に見えない影響力を行使しては部下を操り、不快感を与えるような人物でした。そのクラガードが陰謀を仕掛けます。 ビリーは正を、クラガードは悪を体現したような人物ですが、二人は共に生まれがはっきりしないので、ある意味では、人間社会の外側から来た人物と言えるかもしれません。ビリーとクラガードという人間社会の枠を超えた正と悪が対峙したとき、その結果を艦長ヴィアという良識ある人間が裁くことになります。 一体、人間の良識は、(人間の枠を超えた)絶対的な正と悪について何を判断することができるのかという、著者メルヴィルからの深い問いかけがあるように感じました。象徴的な書き方や、(「白鯨」のように)本筋から逸れる記述が多い点など、ストーリーを把握しながら読むのに少し骨が折れるかもしれませんが、読み応えのある主題だと思います。

    6
    投稿日: 2015.09.22
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    白鯨を読む前に一度著者の雰囲気を知っておきたかったので、手短に読めるこの本を一読。何とも言えない終わり方だが、これが作家の雰囲気らしい。物語としては秀逸。白鯨を読むかどうかは暫くおいておこう。

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    投稿日: 2013.12.22
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    匂い系ときいたのでさらっと。ワンコ誘い受。本橋馨子によるマンガ化がいいと思います!船室にワセリンとか、さりげに置いてほしい。

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    投稿日: 2013.02.07