
総合評価
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偶然をはるかにしのぐ必然
末期ガンと診断された主人公の身に起こるトゥルー・ストーリー。 残り幾許もないのにどこか自由で解放感に満たされ、「一年の余命で、誰かを妊娠させることはできるか」なんて考える「私」。 ひたすら筋を追う読み方だと、前半の主人公の思索や淡々と描かれる日常に戸惑うかもしれない。 人捜しも遅々として進まないようでいて、巡り合う運命であれば自然と再会できるはずと確信している。 出会う人、見聞きした話がすべて一本の線で繋がり、人生とは「偶然をはるかにしのぐ必然によって形作られている」と信じたくなる長くとっても神秘的な物語だった。
0投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
貪るように読んでいた時期があった白石作品。 久しぶりに読んだが、静謐で重いところから、仙人のような境地に至る心の動きに心を掴まさせられる。 『スティーブ・ジョブズ』『城之崎にて』を読もうと思う。
0投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログおじさんの闘病記かと思いきや、なんか違う。本人は至って真面目な語り口なのに、所々でクスッと笑えるユーモアがあり、どんどん引き込まれていきました。下巻が楽しみです。
3投稿日: 2023.11.16
powered by ブクログ〈来年の今頃には、この〝私という意識〟を永遠に失う。これから迎える秋が最後の秋であり、そのあとの冬が最後の冬なのだ。来春の桜が最後の桜になるのだ。そして、次の秋や冬を私が過ごすことはおそらくない〉 膵臓の末期がんで余命一年と宣告された五十三歳の〈私〉、菊池三喜男。現在は東京の大手出版社の役員。二十年前、月刊誌の編集部員だった〈私〉は、一本の電話を受けた。それは山下やよいという女性からで、信じがたい内容だったが、試しに彼女の言う通りにしたら、そのときひどく捻挫していた左足が、電話越しに治ってしまったのだった。そのやりとりを記したメモを手に、その女性を探すため神戸へ向かう。 小説に登場する場所、人物、社名などがすべて実名なので、これはフィクションなのかどうかわからなくなりますね。おかげでリアリティがあります。 話の展開がゆっくりなのは、新聞に連載されていた作品だからでしょうか。上巻では、山下やよいさんを探すことは探すのですが、それよりもまず神戸での暮らしが中心に描かれます。人々との出会いと街の風景が穏やかで、余命一年という事実を忘れてしまうほどの幸福感。神戸には私も行ったことがあるので、三宮駅周辺やルミナリエなど、また行きたくなりました。 さて、下巻ではどんな展開が待っているのか、めっちゃ気になる。すぐ行こう。
0投稿日: 2023.10.28
powered by ブクログ何年か振りに既読の本をそうとは知らず購入してしまった。 いい機会なので6年振りに再読。 6年前の自分が書いたレビューと同じように 今回も主人公の癌と告げられた後の冷静さに驚く。 忘れていた箇所も多く、再読を引き続き楽しみます。
5投稿日: 2023.10.05
