敢えて悪に徹して勇者に打たれる事で、世界平和を成し遂げた主人公の女帝。その自己犠牲と献身に心打たれた神が、今度は自由な人生を歩めるようにと300年後に転生…というあらすじ。 内容的にはごくごくシンプルな「正義感の強い主人公が弱きを助け悪を挫く」という物語で、女性向けコミック及び今時の作品としては結構珍しい部類ではないかと。 主人公の性格も女性向けコミックによくあるおしとやかな貴族令嬢ではなく、好好爺で竹を割ったような気の強いお婆ちゃんというのも斬新で良い。正にシンプルで親しみやすいキャラクターで、とても魅力的。 また、地味な評価点としてストーリーの構成が上手い。テンポ良くスムーズに物語が展開していき、それでいて浅さ・拙さ・描写不足等はないため、さくさくと読みやすい内容に仕上がっている。 あえて欠点を挙げるとすれば、少々古い画風であり、人によっては好みが別れるかもしれない。ただし画力自体は高く、描き込みも細かい。 総合的に見れば十分な良作であり、駄作の多いレジーナコミックスでは珍しく楽しく読めた作品だった。試し読みして気になったなら是非。