全体的にテンポが早すぎて荒削りで、緩急付けやメリハリが全然足りない。何らかの問題が発生しても大した苦労や危機的描写がなく、あまりに万能で何でもありの魔法(？)であっさり解決してしまい、トントン拍子で物語が進んでしまう。 何故主人公が能力を使えるのかの描写も(今のところ)なく、ただのご都合主義の典型的ななろう作品にしか感じられない。その主人公も心理描写や感情表現等が少なく、台詞も説明臭いため、やはりこの手の作品にありがちな無個性かつ魅力のないキャラクターに仕上がってしまっている。 同じほのぼのる500氏原作作品でも、「最弱テイマーはゴミ拾い」の方は危機的描写・物語の緩急付け・構成・心理描写等が極めて巧みであり、作者の力量の高さが際立っていた。本作はそちらに比べると三歩も四歩も劣る。 評価点は画力がそこそこ高い程度。本作とテイマー、同じ原作者でも作者の違いでここまで差が出るのかと驚かされた。決してクソ漫画ではないが、あえて定価で買うほどの内容ではない。