
総合評価
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powered by ブクログ以前の評論で綴った「さよならドビュッシー」で登場した天才ピアニストである岬洋介、本作はそんな岬の高校時代が描かれる。 岐阜県立加茂北高校音楽科は、カリキュラムに音楽課程が組み込まれており、音楽理論や楽器の演奏技術を学ぶことができる珍しいタイプの高校である。 しかし音楽科の実態は、比較的に偏差値の高い普通科に落ちこぼれた受け皿として位置づけられており、クラスメイトのなかに音楽で生計を立てようとするものなどは一部の生徒しかいないのが現状であった。 そんなクラスに岬は転校したのだが、最初はその端正な姿に生徒たちは魅了された。しかし、彼の武器はそのビジュアルだけではなかった。彼がピアノの鍵盤に触れるとたちまち、奏でられる音楽は大衆を魅惑の世界に誘う。彼はまさにピアニストになるための天賦の才の持ち主だったのだ。 彼の演奏を聴いて、これまでモラトリアムという温室で育ってきた生徒たちは嫌でも現実を突きつけられる。音楽科という普通科とは違う特別な待遇のなかで学んできたというプライドは瞬く間にズタズタにされ、己の平凡な才能の認識と学んできたことへの現実が嫌でも突きつけられる。後に残ったのは岬に対する劣等感と嫌悪感。 よく努力家と天才家は対比される。どんな世界にも天才と言われる者はいる。努力したからと言って天才になれるわけではないが、天才はみんな努力している、有名な説法だ。 そして、そんな彼らのように努力しても天才と言われる者との間には決定的な壁が存在する。特に音楽界のようにスキルや技術が表面化されにくいものは猶更にその残酷な現実を見せつけられる。 はっきり言ってこのクラスメイト達は幼稚だ。圧倒的なピアノ演奏を見せつけられて、これまでの自分たちを否定されて、岬に対する嫉妬が憎悪に変わり、イジメにつながるのも自然な流れであろう。けれど自分は天才ではないからと努力を放棄し、能力のある者を排斥していい理屈にはならない。 結局のところ努力というのは何なのだろうか。我々は努力をすればその恩恵を受けることができると切に願っている。でも現実は残酷で報われない努力の方が圧倒的に多い。努力して高い水準に立ったところで結局のところ天才には勝てない。凡人が10だけ努力しても天才が1やったことに勝てない、それが現実だ。だからこそ生徒たちは岬を恨むのだ。 努力もしてない人が、天才を恨む権利はないという主張もあるだろう。 けれど努力して登りつめた凡人がその高みから天才の背中を見ることで初めて天才を恨むことができるのか。そうしてこれまでの努力は徒労だったと天才を恨むことは正しいのか。 無駄な努力などないというのは簡単だが、根拠もないのに都合よく取り繕った考えを押し付けるのはあまりにも身勝手だ。才能のない者は頑張るだけ時間の無駄なんだから早々に見切りをつけて、別の可能性を模索して傾注した方がいい、という主張は果たして正しいのか。 本作はそんな天才が突如として平凡なクラスに降臨してしまったことによる悲劇を描いている。天才は本人の自覚以上に周りに影響を与える。それは良い方向に作用することもあれば時に逆も然りだ。酷な言い方をすれば、岬が転校していなかったら、また違った展開にもなっていただろう。 これからも岬シリーズを追いかけていくつもりだ。そして彼がこれからどんな人生を歩んでいくのか、しっかりと見届けていきたいと思う。
1投稿日: 2019.05.23
powered by ブクログ中山七里さんの「どこかでベートーヴェン」読了。岬洋介の高校時代のミステリー。音楽科に転入した岬が友達の鷹村と過ごす高校生活に忍び寄る嵐と事件。岬に降り注ぐ悲運とは。。面白かった。岬の高校生活や音楽に対する姿勢が見れて、親近感が沸いた。相変わらず、ベートーベンの楽曲を演奏する描写が躍動感があって素晴らしい。個人的にミステリーの内容より、学園物の青春物語や『天才と凡人の比較』に対する記載が響きました。後半の岬パパの悩みと洋介のアドバイスなど、名推理ぶりも面白かった。続編「もう一度ベートーヴェン」も読みたい♪
1投稿日: 2019.04.27
powered by ブクログ■天才ピアニスト・岬洋介、最初の事件! 加茂北高校音楽科に転入した岬洋介は、その卓越したピアノ演奏でたちまちクラスの面々を魅了する。しかしその才能は羨望と妬みをも集め、クラスメイトの岩倉にいじめられていた岬は、岩倉が他殺体で見つかったことで殺人の容疑をかけられる。憎悪を向けられる岬は自らの嫌疑を晴らすため、級友の鷹村とともに“最初の事件”に立ち向かう。その最中、岬のピアニスト人生を左右する悲運が……。
2投稿日: 2019.04.21
powered by ブクログ岬洋介が、ある田舎の高校の音楽科に転校してきた。 音楽科は、普通高校よりも、勉強ができないから入る人もあり、 必ずしも音楽が好きとは言えないところがあるが、 音楽好きな生徒もちゃんといた。 そして、岬洋介が、ピアノをクラスメイトの前で、 弾くことにより、その才能のすごさに、みんな唖然とする。 相手にならないのだ。比較にならないのだ。 そして、クラスメイトの変化をほとんど感じず、 音楽ということだけを考えている岬洋介だった。 音楽という神様は、努力するだけでは得ることのできない 才能を 岬洋介に、授けているようだ。 高校の校舎が、山を切り開いたところに立てられ、 大雨が降ることで、土砂が崩れ落ちる。 岬洋介は、土砂降りの雨の中で、クラスメイトを助けに 救助を呼びにいくが、日頃 岬洋介をいじめていた高校生が、死体となって発見された。 岬洋介は、みんなを助けた英雄だったが、 殺人の容疑をかけられるのである。 そのざわつきの中で、音楽教師の棚橋先生の 苦渋に満ちた 言葉の数々。いやはや、素晴らしい先生だ。 現実を正しく見据えることを、堂々と言い切る。 それは、音楽の才能にざさつすることによって 得た自分なりの音楽観なのだ。 このメッセージが 実に深いので、 また違ったものを見出すことができる。
3投稿日: 2019.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
岬洋介シリーズ前日譚。本作はピアニスト探偵、岬洋介が高校生の時を描いたもの。ラノベとは言えないが本シリーズのメインターゲットを考えれば、この設定は正解だろうし、実際本流にしっかりつなげるナイスな傍流作品となっている。 ミステリーのトリックとしてはちょっと好みじゃない類(好みでいうと巻末収録の、父岬恭平が活躍する番外編のトリックの方に軍配が上がる)なんだが、大人が読むティーンズ小説としては絶妙にオモロい。 誰もがもってるであろう苦い思い出、後で振り返ると赤面物の若気の至り。いわゆる厨二病。そんな生意気盛りの若造が鼻っ柱をベキベキへし折られる描写を読む楽しみ…と書くと、なんてイヤミなオヤジやねん!と眉をひそめられるところだが、鼻をへしおられている若者というのは、自分の恥ずかしき十代が投射されているわけで。「近頃の若いモンは…」というよりは、「黒歴史を掘り返すのは止めて」な方のMッ気快感なのである。 クラシック音楽に詳しい人なら、王道の楽しみ方をできる本シリーズ。そして、俺のように音楽に造詣が浅くても面白い本シリーズ。是非刊行順に読んでもらいたいが、実は本作は一番最初に読んでも違和感がないので、とっつきにも丁度よいとさらにお勧めなのだ。
1投稿日: 2019.04.12
powered by ブクログ天才ピアニスト高校生岬くん。 様々な経緯を経て岬の保護者役的存在になったクラスメイトの鷹村くん。 ある日大雨の中助けを呼びに行った岬くんが殺人事件に巻き込まれ、容疑者にされる。 その結末はいかに、、、、 天才と凡人の描き方にこだわりがある。 自分の歩いていくべき道を見つけて社会人になっていくのが学生時代という言葉はそのまま子供達に伝えてあげたい。 天才には天才の悩みがあり、凡人には凡人の、、、 何がいいかではなくそれをどう受け入れていくか。 ただのサスペンスではなく人間としての生き方が描かれていたので4星にしました。 終わり方も濁されることなるスッキリ終わりました。
1投稿日: 2019.04.10
powered by ブクログ様々なストーリーを詰め込んだミステリー小説だ。殺人事件が扱われているのだが暗くない。むしろ原色系の明るいタッチを感じた。 ストーリー展開は読ませるものがあり惹きつけられる。ただ人物描写は類型的である。語り手が説明的過ぎる気もする。しかし、これは読み手のハードルを下げるのに奏効しているというべきなのだろう。気になるのはプロローグで示した伏線が完全には回収されていないことだ。ベートーベンではなくショパンコンクールなのはなぜか。ワルシャワのテロ事件解決との関係性は何か。など説明不可能な飛躍がある。 だだこの作家の筆力が強いことは確かだ。最後まで読ませる力がある。私はこの作者の作品を初めて読んだが既にたくさんの作品集を書いている。それらを読まずに書評を書いている私には説得力などあり得ない。 その上でこの作家の作品はもっとよくなる可能性を感じるので、期待しているのである。
1投稿日: 2019.04.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに読んだこのシリーズ。これ読むと岬先生時を重ねて少しは人の機微とか考えるようになったのねと思う。少しね。 どうでもいいけど、岬と言えば太郎を思い浮かべ(世代的に)、洋介といえば斎藤洋介を思い浮かべてた(時期的に)
1投稿日: 2019.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
岬洋介シリーズ第五弾、といってよいだろうか。 ミステリー色はかなり薄い。 音楽が主題であることは変わりないが、 かなり青春小説。 岬洋介自身が若い高校生だから当然かもしれないが。 自分自身の可能性を信じながら、 肥大化しがちな自己像と現実の姿の乖離に苦しむ青い高校生たち。 がけ崩れという災害に見舞われる、 突発性難聴を発症する、というドラマチックな展開はまだ良いとして、 協奏曲の部分は必要だったのだろうか。 もうちょっと本筋、高校生殺人事件の方の分量を増やしてほしかった。 さらには、主人公を「中山七里」としたのはなぜか。 他の著書と交錯しているらしいのでそちらを読めばわかるのだろうか。 いや、この作品だけでも充分面白かったのだが。
1投稿日: 2019.02.27
powered by ブクログ高校生の岬は、やっぱり変だ。面白くも苦々しくもあったけれど、最後の章を読んだら、高校生の目から見たらひどい存在に思える岬の父も、彼の語りになれば人間味もあって悪い人じゃない。むしろ息子がヤバイ気もする……。やっぱり相手の立場にならないと見えてこないものはあるなぁ。
1投稿日: 2019.02.26
powered by ブクログ『栴檀は双葉より芳し。』 あの岬洋介氏の高校生時代を描く青春ミステリー。 おそらく岬氏が、最初に手掛けた事件ではないでしょうか。 まるで、小学生の運動会に、オリンピックのメダリストが参加したよう... 彼のピアノの技術は、他の同級生と余りに桁外れであった。それ故に、彼は同級生のいじめの対象になってしまう。 同級生を助けるため、豪雨の中、飛び出した彼に投げられたのは、感謝の言葉ではなく、犯罪者の眼差しであった。なんと、豪雨の中でいじめッ子の遺体が発見されるという異常事態が、... ミステリーの要素は少ないですが、彼の際立つ才能の萌芽や、突然の難病で苦しむ姿など、人としての面も描かれており、胸を打ちます。 また、最終章では、検事である父親の難問をスラリと解く聡明さも見せています。
3投稿日: 2019.02.04
powered by ブクログ新設高校の音楽科クラスに天才的なピアノの才能を持つ生徒・岬洋介が転校してきた。 彼は卓越したピアノ演奏でたちまちクラスメイトを魅了するが、その才能は羨望と嫉妬をも集めてしまう。 ある日、豪雨により土砂崩れが起き音楽科の一同は校内に閉じ込められてしまうが、岬の勇気ある行動によって全員救助される。 だが同級生が死体で発見され、岬は容疑者となってしまう・・・。 高校生時代の岬の初事件を描いたストーリー。 このシリーズはいつもミステリ部分はおまけで、素晴らしい音楽描写を楽しむことがメインとなっています(そういう方は多いのではなかろうか…)。 なのですが、今作はそれに加え、「才能」を持つ者と持たざる者の葛藤を執拗に描いており、読み応えがありました。 凡人がどれだけの努力をしても到達できない境地に、生まれながらの天才である岬は軽々と達しているという現実の残酷さ。 無自覚な岬にそれをまざまざと近くで見せつけられた同級生たちの嫉妬と劣等感について丁寧に描かれています。 作中の同級生たちは圧倒的な才能を前にした時、嫉妬して岬をいじめたり距離をおいたりするのですが、愚かだと思いつつ、自分もそんな場面に直面したら平静でいられるかはわからないなと思いました。 己を客観視して折り合いをつけるというのが正しいやり方なのでしょうが、それができる人間ばかりとは限らないですよね。 10代の多感な時期に味わう挫折の味はさぞかし苦かろう…と思うけど、若いから違う道を模索できるし立て直しも早いよね…と、岬よりもついつい同級生たちへ同情してしまいました。 また、天才である岬にも彼なりの悩みや不幸があり、タイトルの「ベートーヴェン」が示すような展開になるにつれ、読んでいてやるせなくなりました。 「夢をあきらめるのも勇気がいる」という言葉が胸にしみます。
2投稿日: 2018.09.24
powered by ブクログ岬洋介、さすがにこれは最強すぎだよ・・・と呆れつつもぐいぐいと読み進めてしまうのは、やっぱり作者の力なのかな。 良い登場人物ばかりではなかったのでモヤモヤする部分も多かったけれど、その中でちゃんと血の通った人との関わりや美しい音楽シーンは救いでもありました。 次作にも期待しています。
1投稿日: 2018.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
岬洋介の高校時代の話。初事件か? ベートーベンのピアノ3部作「月光」「熱情」「悲愴」を聴きたい。難聴になってしまうくだりは、あの、いつも落ち着いている岬がパニックになる様子が読んでいて辛い。 頑張らなくていいとか、成績だけで人の価値は決まらないとか無限の可能性があるとか、教えられてきたんだろうな。この際はっきりと言ってやる。努力を放棄するやつや、根拠のない自信を後生大事にするヤツには神様は絶対ほほえまない。〜 という、先生の言葉とても心に残っています。
1投稿日: 2018.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作で話のスケールが大きくなりすぎて、もうシリーズ新作を拝むことはできないかと思ったら、エピソードゼロ的な高校時代のお話が登場。 前三作の岬洋介は落ち着いた大人な印象でしたが、高校時代は意外とエキセントリック(「前奏曲」でその片鱗を垣間見ましたが……)というか、極端な合理的な考え方で周囲からかなり浮いた存在。そのため、かなり陰湿ないじめにあうのですが、これが読んでいて相当に胸糞悪い。 それが故に本作の主人公である鷹村と岬への感情移入度は相当高まりますが、あまり良い気分で読み進めることはできなかったのが微妙な点。岬に嫉妬するパンピーたちの情けない言動は多少理解できます(自分もパンピー側の人間なので)が、感情的には彼らに共感できず、むしろ憎しみと怒りが募っていきます。 合わせて収録されている「協奏曲」ともどもスッキリしない読後感がとても歯がゆく感じます。ただ、感情を強く揺さぶられたという点で、ある意味質の高い作品なのかな、とも思った次第です。
1投稿日: 2018.08.03
powered by ブクログ岬洋介エピソード0のようですね(このシリーズ、まだ読んでなかったので、これを機に読み始めたいかな)。地方の高校音楽科に転校してきた岬。のんびりとしたクラスの中で天才的な才能を発揮する。天災が起き、岬は危険を冒し救助のための行動に出るが、その時、岬をいじめていた男子生徒が殺され、容疑者とされてしまう。犯人は誰か、そして岬の将来を左右する病魔も襲いかかり…。ミステリーではあるけれど、才能が主題な気がする。圧倒的な天才がやってきたときの周りの反応。劣等感、嫉妬、自分の才能を自覚すること、それでも努力し続けること。社会的な問題を織り交ぜて書く中山さん、今回は芸術やらスポーツで頂点を目指そうとする世界の過酷さ、残酷さ、軋轢を描き、読ませました、音楽の流れに乗りながら、最後までリズム良く読めました、中山さんの作品をさらに読みたくなるような勢いです。
6投稿日: 2018.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
岬洋介の高校時代の物語。辺鄙な場所にある岐阜県加茂北高校音楽家に転校してきた岬。岬がこの学校に転校してきた目的はベヒシュタインに触れることができること・・・ しかしそのピアノで月光を弾いたとき音楽家の不文律が崩壊を始める。 そしてついに殺人事件が。その容疑者はなんと岬。 その後明かされる真犯人は、なんと! どんでん返し度80%
1投稿日: 2018.05.13
powered by ブクログ岬センセが高校生の時の話。 田舎の高校の音楽科に転入してきた、彼は、ピアノの天才だった。 まぁ、つっこみどころが満載で…。 基本フィクションなので、どういう設定でもあり得るのだろうけど、無理矢理がすごすぎてラノベなの?って思っちゃった。って、本当にラノベだよな。 とりあえず、岬くんが天才という設定はいいけど、それでもひたすら練習しないとだめだし、高校生ぐらいで師匠がいないのは無茶すぎる。そういうところが、まったくでてこないのはなんとも…。 で、肝心の事件なんだけど…。 そこで、警察それって、アホだろと思うのだけど。つか、鑑識仕事してます? ってレベル。 なんかなぁ。 岬くんは、昔からすごくて、でもこの時から持病がでてて、悲劇の人なんすよ、って言いたいだけかな。 と、最後のオチがひどくて。 つか、それは一番だめだったと思うよ。 既刊にかろうじてあった、リアリティを見事に粉砕してしまった。 誰の視点で描く、語るというのは、それを実際に語らせている存在の位置づけが肝なんだと思う。 やれやれ。
0投稿日: 2018.03.21
powered by ブクログそのトリックはなしでしょ? 才能がない人に音楽をやめさせたいのかな? 岬という人を引き立たせるために周りの人間が能無し評価で表現されるのに違和感。
0投稿日: 2018.03.19
powered by ブクログ中山七里 氏の音楽ミステリーシリーズ。「さよならドビュッシー」が第1作で、本作は最新刊のようだった。 難聴のピアニスト・岬洋介の高校時代の話。同級生が殺され、岬が容疑をかけられてしまう。それを晴らすために語り手である同級生の亮と推理を進めてく。今回、珍しく自分の推理が当たった! 特別編である、岬洋介の父であり検事の岬恭介が謎に挑む話も収録。 今回は岬がベートーベンを弾くシーンが描かれる。「悲愴」は私も好きな曲。作者はピアノが好きなんだろうね、小説なのに、演奏の描写が緻密で、情景が思い浮かぶ。また、クラスメイト達が合唱で「聞こえる」を歌うシーンがあるんだけど、それもすごくいい。これも私の好きな合唱曲。歌詞に絡めて葛藤する心の描写が良い。 合唱がテーマの小説も色々と読んでみたくなったな。 あと、残りの岬洋介シリーズも読まなきゃな。
0投稿日: 2018.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
岬洋介シリーズは全部読んだのに、これを読んで彼の人となりを把握した上でまた読みたくなった。 棚橋先生の言葉が節々で良かった(途中まで疑ってたけど…)自分が学生の頃、こんな先生いたのかな?いても、響いてなさそうな…。続編があるみたいなので楽しみ。
0投稿日: 2018.01.19
powered by ブクログ岬シリーズ第4弾。 高校生の岬の話。 視点は岬の同級生。冒頭でショパンの一幕があって、思い出してうっかり涙がにじむ。。。 高校生とは思えない洞察力とピアノの技術。 無自覚な岬の才能に打ちのめされ、嫉妬と絶望に抗うクラスメイト達に目の敵にされる岬。 よく無事に今まで学生生活送ってきたな…! というくらい周りから浮いている高校生だ。 所々で出てくる、才能と努力の話。 皆オンリーワンだけど、世界に出れば、夢物語や綺麗事が通じない、運や実力、才能の差に直面する。 芸術の世界では協調性よりも個性が重視されるけど、それでも才能と、それを磨くために厳しい訓練をし続けること、どちらも持たなければ生き残れない。 脱出不可能な陸の孤島で起きた殺人ミステリーのはずなのに、なんだか途中までアスリートの自伝や、自己啓発本を読んでるような気持ちになった。 岬の耳の話がキーなのに、岬の絶望より、クラスメイト達の葛藤と人間臭さにより注視してしまった。 あとは、岬のピアノを弾くシーンを読みながら、ベートーヴェンの月光を聞くと、その曲表現描写がとっても細やかだと発見できる。
2投稿日: 2017.12.27
powered by ブクログいつまでのショパンの続編かと思いきや過去か! そうかそうきたか。 高校時代の岬の異質さは想像通りだが想像以上でもあり、父親との関係性が気になってくる。 そして「もう一度ベートーヴェン」早く読みたい。
0投稿日: 2017.12.26
powered by ブクログ2017年300冊目! 節目の作品に何を読もうか、悩んだが、読み慣れたシリーズものに。 前作のショパンコンクールでの岬の様子を偶然目にした高校時代の同級生が、岬が高校時代に遭遇した事件を振り返る形で語られる。 豪雨被害の中で、クラスメイトが殺害される。孤立した学校から救援を呼ぶ為、一人学校を脱出した岬は殺人の容疑をかけられる。その容疑を晴らすため、独自の捜査に乗り出す岬。そんな岬に振り回せれる語り部の「俺」。 高校時代から、岬は岬らしい。事件そのものに派手さはないが、地方都市に強引に建設された高校の音楽科に通う生徒の心の闇が深い。その闇の深さに負けない岬と、その闇を問う担任の棚橋先生の言葉がとても重い。 努力することさえせずに、諦めてしまう人生を送っている人に読ませたい作品。 そして、ラスト。久々に「これぞ、中山七里!」と思わず声に出てしまった。中山七里はやっぱりこうでなくちゃ!
8投稿日: 2017.12.26
powered by ブクログいつまでもショパンで岬先生ももう音楽活動は難しいな…と思ったも束の間、続編が出た! 読んでみたら時代を遡って高校時代の岬洋介くんが大活躍する。そう来たか!ズルイな…でも嬉しい。 田舎の高校の音楽科に天才的な技術を有する転校生が現れる。彼の才能は認めるものの己の才覚の無さを見せつけられるようで皆彼から距離を置く。しかも岬くんは殺人事件の容疑までかけられる。 岬くんもお友達の鷹村くんも高校生にしては賢すぎるけど…まあ、いいか。
0投稿日: 2017.09.26
powered by ブクログ岬洋介氏が高校生だったときの,人生初の事件.どちらかというと音楽とミステリィ,以上に音楽にまつわる人生訓,に比重を持っていかれている感は否めないが,物語への登場と退場での演奏風景描写は絶品.読了後に題名の哀愁が胸に染み込む.
0投稿日: 2017.09.25
powered by ブクログシリーズの推理小説。 ドビュッシーを読んでのベートーベンです。 ベートーベンが登場するのはごく僅かで、ストーリーは平坦で少し物足りません。 登場楽曲が悲愴だったのは嬉しいなぁと。
5投稿日: 2017.08.22
powered by ブクログ岬洋介シリーズも、番外編も入れてもう5冊目?最初の「さよならドビュッシー」を読んだときから音楽の細やかな描写が好きだったけど、今回もページ数を大きく割いて丁寧に描かれているので、実際に音源を聴きながら読むのが楽しい。 あの岬洋介の高校時代ということで、父親との確執も高校生らしく正面からぶつかっていたり、浮世離れした雰囲気はそのまんまだったり、それが同級生の目線から語られるのが新鮮だった。また、病気が発覚したときのエピソードが切なかった。 肝心の事件の真相は大味な感じがしたけど、このシリーズは割といつも大胆なトリックを用いてくるので、これも味なのかな…最後の一文でちょっとした騙された感。 岬父主人公の番外編は、父親からの思いが、事件と絡めて語られていたのが良かった。
0投稿日: 2017.08.14
powered by ブクログ岬の少年時代のお話。 出てきた先生が、とてもいい人だと思った。 あそこまで残酷なことをはっきりいってくれる人っていい人だと思う。そのままで放置しないで道も示してくれるし。 受け入れ難いとは思うけど、それをみんな乗り越えないといけないんだから。 事件より登場人物の会話が興味深かった。 2017.7.15
0投稿日: 2017.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作で完結したものだと勝手に思っていた、岬洋介シリーズの過去編。才能に打ちのめされる高校生たちの心理や葛藤はわかりやすくも残酷なまでに事実だったが、先生はいい人でよかった。個人的には、ミステリ部分はそこまで…というかんじだったけど。 そしてやはり演奏シーンの描写がすごい。そして、(ある意味王道な)作者名の登場。 最後の書き下ろし部分は、多少蛇足的な感は否めないが、全体的には面白かった。
0投稿日: 2017.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2017年32冊目。 久しぶりの岬洋介シリーズ。 今回は突発性難聴を発症した頃の話。なるほど、それでベートーヴェンか。 んー…、正直本編よりも書き下ろしの協奏曲の方が面白かったw 御子柴に負けてこっちに来て、でもって今回の件で返り咲いたという訳か。まだやや尖ってる岬検事もいいね。
0投稿日: 2017.06.26
powered by ブクログ天才ピアニストにして名探偵の岬洋介が、高校時代に遭遇し、その真相を暴いた最初の事件。 メーンは殺人事件の犯人捜しだが、むしろ、転校した高校の音楽科で、岬とクラスメートとの間でその才能の違いによる諍いを巡る、青春小説の趣き。 『連続殺人鬼カエル男』を読んだ直後では、これが同じ作者の作品だとは、とても思えない。 そしていつもながら圧巻なのは、岬のピアノ演奏を言語で表す著者の語彙の豊潤なこと。恩田陸著『蜜蜂と遠雷』と比較してしまう読者も? 彼が弾く『月光』と『悲愴』の場面では、家にあったレコード(ピアノ・フチードリヒ・グルダ)を思わずかけながら、読んでいた。 しかし、演奏のどの部分が著者の文章に対応するのか、半可通の読み手にはわからなかったのが実情(笑)。
13投稿日: 2017.06.23
powered by ブクログ岬洋介シリーズのエピソードゼロ。クラスメイトの殺人事件に巻き込まれた岬先生の話で、何故『ベートーヴェン』なのか、勘が鋭い人は察することでしょう。ミステリーというよりは、音楽科という特殊なコースに通う学生たちの青春ものとして楽しめました。また文庫版には岬先生の父親、岬恭平が主人公の書下ろし短編『協奏曲』もあり、御子柴礼司が名前だけ登場というサービス満点仕様になってます。
2投稿日: 2017.06.23
powered by ブクログ今回は中学時代のお話でしたね。今までと同じように、ベートーベンを聞きながら読みたくなりました。というか聞きました。 今までの中で、1番好きかもしれない。 どこかであきらめなければならないこと、でも受けいられない。もしかしたらと思ってしまうし、目を背けたくなる。
0投稿日: 2017.06.21
powered by ブクログ以前から読みたいと思っていました。 シリーズものなんですね。 いきなりこの作品を読んでしまいました。 面白かったです。 学生たちのやりとりが興味深かったです。実際にこんな生徒がいたら、まわりはそうなってしまうのでしょうか。 他の作品も読んでみたいです。
0投稿日: 2017.06.15
powered by ブクログ中山七里さんの小説は、言葉が難しいところもあるけど、心理描写が細かくて、登場人物の内面が、よく描かれている。音楽描写のところはよく理解できないが、ミステリー性はよく書かれていると思う。 次の作品、早く読みたい。
0投稿日: 2017.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書き下ろしの「協奏曲」が収録されているということで 文庫版も購入。 高校生だった頃の岬先生の日常が本編より濃く伝わって きてよかった。時系列でいくと、あの事件がはじまる前 のお話だからこれがほんとうの岬洋介初解決事件となる のかな。
0投稿日: 2017.06.11
powered by ブクログ6\11 読破 天才ピアニスト岬洋介のお話。天才であるがゆえに周りからの嫉妬や嫌がらせもあり描写としてとてもリアルだった。 音楽をかじっていた自分にとっては小説内に出てくるクラシック音楽の描写から曲調がイメージしやすかった。 このミス大賞とゆうだけあって最後の謎解きまでは一気に読めた。 エピローグの最後の一言に大変驚いて読み終わった後もしばらく余韻が残った。
0投稿日: 2017.06.11
powered by ブクログ『さよならドビュッシー』や『いつまでもショパン』で おなじみのピアニスト探偵・岬洋介の高校時代 高校生ながらも大人びて、純粋な岬洋介 友人で心優しい鷹村が、ハラハラするくらい愛おしく 若さゆえの残酷さが、悲しく感じる 軽快なミステリーで、サクサクと読み進められる
2投稿日: 2017.06.11
powered by ブクログこのシリーズを読むとクラシックを聞きたくなる。 これは岬洋介の挫折の物語。この後どうやって復活するのかも読みたいですね。
0投稿日: 2017.06.03
powered by ブクログ『蜜蜂と遠雷』を知ってしまった今、少々物足りなさを感じてしまう。ベートーベンを持ち出す必要はあるのだろうか 。大人になった岬が帰国したニュースから始まるのに、それに関することは全く触れられずに物語が終わってしまうことに、イラっとしてしまった。どうやら続編があるらしいけど。ちょっと辛口になってしまったけれど、誰が犯人なのだろうというドキドキ感はありました。
0投稿日: 2017.06.01
powered by ブクログおお、新作が出ている、と購入。 この人の音楽ミステリー(と言っていいのかわからないけど)好きだなぁ。 音楽というか芸術にかける、かけたい人間の挫折と夢みたいなものを容赦なく描くよなぁ、と読んでいていつもおもいます。勿論、努力は必要。さらに才能がなければ食っていけない世界で、大多数はただの一般人で終わるんだけれどももしかしたら、という可能性を捨てきれない。なんてシビアな世界に生きるんだろう…と身がすくむ感じです。 さらに言えば音楽科、なんて狭い枠に閉じ込められた彼らが揺蕩っていた平穏というぬるま湯にいきなり飛び込んできた液体窒素みたいな才能の塊。そりゃあまあ、事件も起きるだろうなぁ。 まあでもこのお話に関しては殺人事件や真犯人がどうとか言うよりも才能のある岬君とまだ大丈夫だろう、まだ良いだろう、と許されたような気になっていたモラトリアム真っ最中のクラスメイトとの考え方の差や確執がメインなんだろうなぁと思いました。犯人とか動機とかはともあれ、自分がただの凡人であると知るというのはある意味残酷な事だよなぁ…という事が重かったです。 でも、だからこそ天賦の才を持った人を尊敬できるんだろうな、とも思うんだけれどもそれは自分がそれなりに年を取ったせいだろうか? とりあえず面白かったです。次もあると期待して、楽しみに待ってます。
2投稿日: 2017.05.29
powered by ブクログこのシリーズを読むときはいつも、ストーリーよりも音楽を文字だけでここまで鮮やかに表現できることに驚く。言葉が唯一の媒体なのに、五感をフルに刺激されて、聞こえないはずの旋律が聞こえるような、音色や質感に触れられるような気がする。
0投稿日: 2017.05.26
powered by ブクログ超久々に読んだ岬洋介シリーズというか中山七里。相変わらず音楽の描写は上手です。読んでいて実際の音源を想像するのが苦痛になりません。ミステリー自体はあまりどんでん返し感は得られませんでしたが、高校時代のエピソードは興味深いものでした。書き下ろしのコンチェルトも父親視点で穴埋め出来て面白く読みました。
0投稿日: 2017.05.24
powered by ブクログ何も考えずに手にとって読んだら岬シリーズの4作目だった、とはいえ岬洋介の高校生時代の話しなのでここから読んでもまったく問題はないみたい。 ミステリーとしてよりは、才能を持つものへの憧れや嫉妬、生き方育ち方、それらの関係や描きが自分にはザクザクときて濃い読み物になった。 相変わらず他のシリーズと少しずつ絡ませるのだが、エピローグ最後の一行で、えー!それはないわ!ちょっと混乱する 笑 クラッシックに造詣が深ければもっと違った読み応えになるのだろう。 文庫本の特典で最後おまけの岬検事の短編よかった。
0投稿日: 2017.05.24
powered by ブクログ岬洋介最初の事件らしい。 なんだか岬洋介が、浅見光彦みたいでちょっと笑ってしまったけど、本作は才能を持つ者と凡人との差、お互いの見えない辛さ、若さゆえの残酷さなどが丁寧に描かれていて胸を突かれた。
0投稿日: 2017.05.18
powered by ブクログ岬洋介の最初の事件簿。岬少年が殺人の容疑者となる。 彼の作品はいつまでもショパンから入りました。なので、岬洋介の立ち位置が良くわかりませんでしたが、今回はよく理解できました。 一言で感想を言うと少年少女の残酷さが際立っていたと思う。オブラートに包まない言葉の狂気。 鷹村君が葛藤しながらも、最後まで岬洋介の味方で良かったと思う。 才能はひとを魅了するが時には凶器になる。天才と凡人との努力では埋められないものって、やっぱりあるんだなと思う。それが、本当の意味でのスタートラインだと思うし、棚橋先生が言う正しい努力もしなければいけない。 結局は、努力は報われないかもしれないけど、努力し続けるしかないんだなと。
0投稿日: 2017.05.17
powered by ブクログ高校時代の岬洋介、出会った災害と事件。子供の頃から独特な人だったのね。月光と悲愴、読みながらメロディーが聞こえるなんて不思議。
0投稿日: 2017.05.16
powered by ブクログ好きな作家の一人だ。 少し使い慣れない漢字で表現したり、言葉の使い方が魅力的だったりと文章が素敵だ。 ストーリー展開も上手いし、中山七里ファンであれば他の作品との絡みが読み手の気持ちをくすぐる。 また主人公の高校生の時の話であり、前の作品群に繋がるので興味深く読める。 ただ推理の所の捻りが多少物足らない点が残念だ。 贅沢な要求なのかもしれない。
1投稿日: 2017.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初の事件。と、最初の絶望。 おもしろかったです。そしてつらい。 なんだかどんどん光彦さん化してる気がしますが・・・
0投稿日: 2017.05.14
