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人間
人間
又吉直樹/毎日新聞出版
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総合評価

173件)
3.4
24
43
58
22
5
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    難しかった、、、 「作品から死を排除したとしても、人がいつか死ぬということはみんな知っていますから、死ななかったということも、死を扱わなかったということも、結局は死の影響から逃げられませんよね」 「あと、夜空を眺めたときに、ほかの星と比べて月だけ異常に大きいのに、みんな見すぎてなれているという奇跡もな」

    1
    投稿日: 2020.04.20
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    【いちぶん】 自分は人間が拙い。特別な意味や含みなどない。そのままの言葉として自分は人間が拙い。だけど、それでもいい。 (p.365)

    0
    投稿日: 2020.04.19
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    「火花」「劇場」に次ぐ3作目の「人間」。登場人物全員が又吉に感じられるような不思議な感覚。多重人格者の脳内会議を観ている感じ。

    0
    投稿日: 2020.04.19
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    第3作目、それなりに期待してしまったからか途中で挫折。今までの文学的な文体ではないのに、何故か読みにくい。 かなり期間を経ての再読、今回は意外にスムーズに読了。とはいえ、もちろんフィクションなのだが、リアルに近い著者がいろんな形で登場し、場面の展開が現実と虚像をいったりきたりの世界に引きずり込まれた感じである。 「おもった」を最後まで漢字で書かなかったことに意味があるのか、これ以上深く考えないでおこう(笑)

    0
    投稿日: 2020.04.10
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    美大生が集まるシェアハウスに住む永山。周りの人より影響を受ける。漫画家を目指しているが、発表された作品が本当に永山の作品なのか問題になった。青春、挫折、彼が乗り越えたこと。 なんだかなあ、えぐい? 灰汁ばかり。ご自身の経験のことですかね。苦悩とか。複雑に考えているとか、人それぞれ違うもんだし、考え方なんて、簡単に変えられるもんじゃなし、誰だって苦労なしに生きてるんじゃないんだし…永山の物語だったけれど、私は入り込めなかった。唯一、沖縄のところはトーンが違くて(家族のお話)そこはほっとした。

    11
    投稿日: 2020.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     『人間』という宇宙規模に壮大な題名をつけられた小説に、読む前は「本当にいいのか?」と訝しむ気持ちが強かった。しかしながら読んでみれば成る程、「人間」とはどのような存在かを……ではなく、ただ1人の「人間」として生きていく術を探る、題名に相応しい物語だった。  前半、過去の回想では永山の過ちに心を抉られながらも、身に覚えのある感情や「記憶」というものの不確かさにページをめくる手を止めることができなかった。また永山にとってカスミは特別な存在でありながらも、カスミからすれば永山こそが社会の中で特異な存在であるという構図も面白かった。『凡人Aの〜〜』という作品を通じて『人間失格』に接続していくのも面白かったし、『人間』という作品を『人間失格』の解説書として読むことも可能なのではないかとも感じている。  後半、永山と影島がbarで飲むシーンがあるが、あそこは果たして影島本人だったのか。カスミではなかったのかという疑問が残っている。カスミは物語内において、もう永山の人生から消えた人物となり、その成長を促すある種神的存在であると考えた。そう考えた場合、「奥≒影島」は永山と会う少し前に、実はその実存としては物語から退場していたのではないかとも考えられる。影島という人物は永山の人生にとって、既に過ぎ去ってしまった「ハウス」での生活を象徴する人物だからである。しかしこの考えには「影島がテレビ番組に出演していたこと」「カスミはカスミの祖母に変身していること」という2点の矛盾を抱えている。カスミは永山を(めぐみとは対極に)真に成長させる存在である事は間違い無いだろうが、影島とのシーンについてはこのことからだけでは断定できない。  飯島という人物には正直ひどい嫌悪感を覚えた。飯島が永山を蹴るシーンがあるが、あの「蹴る」という行為に彼の陳腐さが表象されているように思う。彼は結局、彼自身がめぐみから褒められたことに喜んだことを明かしたように、ただ周りから持て囃されるのが好きだっただけの、真に凡人だったのだ(この凡人という言葉が物語の主題からすればどうでもいい話であることはともかくとして)と考える。ただこの人物についてはまだ自分の中で整理できていないことが1点あり、それは「何故10年前に死んでおり、その葬式に永山が出席していたのか」という点である。このエピソードがある限り、「飯島」は永山にとって何事かのシンボルであり、それが喪失し、憎き飯島(地の文で飯島「さん」と読んでいたことも気になる)の葬式に出席したことは彼に重ねられた何らかの概念を乗り越えたことなのだろうと思う。  また結末部において、俄かに永山の家族の話が始まった時には違和感を覚えたし、何故永山は影島の行方を追わないのかと気になったが、読み終えてみると成る程、影島の行方を追っていたらそれは「人は何者かでなければならない」というように主題が転化し物語全体の主題を否定しかねないし、あの何者でもない、それでも自由に人らしく本能的に歌と踊りを楽しむ人々を描くことでしか「人間」は確かに表出してこないかもしれないと感じた。 ……なんとなく東京の表層だけをかすめとりながら生活している。(P7L5)  地方出身者の「何者にもなれなさ」を短く見事に表現していると驚き。自分も同じような思いを持ったことがあったので、この一文で一気に引き込まれた。 ……家族がいない中年なんてこんなものだろうという顔をしているが、毎年律儀に自分の生まれた日を意識してしまうことが情けなかった。(P55L13)  こういった具体的でありながらも、誰もが一度は思ったことのあるであろう描写が多いことに驚く。またこの前後で、成功への足掛かりのようなモノを掴みつつ、自らそれを手放すことの描写は酷く「人間」的であるとも感じた。 ……世間に対抗するための最後の手段である聖域が、彼の存在によって瓦解し、マスメディアによって破壊され尽くすような恐怖。結局、その不安は解消されることなく、3年経った今も自身の作品は出版に至っていなかった。(P120L3)  これを書いた又吉の心情が知りたいと思った。彼=影島はある意味で作者又吉と重なる人物。それを批判的に見るのは間違いなく「作家になれなかった凡人A」ではないか。そう考えた時、彼が何を考えこの文章を書いたのか。書くことができたのかを知りたいと思った。

    1
    投稿日: 2020.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    又吉ほど真面目に文化のことを考えている若者はいま、どのくらいいるのだろうな。昔はよく議論したよね。気づいたら朝だったみたいなことがざらだった。 昨今の、相手を気遣う優しい言葉遣いの押し付けとそれに伴う内容のなさの会話について考えてしまったよ。

    0
    投稿日: 2020.04.04
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    又吉さんを詳しくは 知らないけれど テレビで拝見している印象そのままの 又吉さんらしい本だろうなと 思う本でした。 最初あたりのお話のルームシェアしている 人間模様がうわーってなって 面白かったです。

    0
    投稿日: 2020.04.04
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    又吉 初の長編小説。忙しい芸人が366ページも良く書き下ろしたと思う。 若いころシエアハウスで過ごした強烈な人間関係を描いている箇所が印象的。皆、心に闇が有る人物で思い思いに生活している。恋人関係と思っていた相手ともうまくいかない。。 芥川賞を受賞した芸人が登場する。大分キャラクターが違うが、自分を変えて描いているのか?ネットの上で炎上して口論するシーンは相手を罵る場面が多く、閉口する。 最後は急に話が展開して、アル中の父親と、沖縄での宴会が楽しく描かれている。どうしようも無い父親に対して、家族の愛情が残っているのは微笑ましい。

    0
    投稿日: 2020.04.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰ともしっかり向き合うことなく、深く傷と影だけを抱え込んでは離れていく主人公の距離感が生々しい。永山と影島の関係も友人のそれではなく、自分によく似た存在への愛着という意味で、作中を通して自閉した世界で一人きりで生きることの息苦しさが強かった。 閉塞感を大切にする永山を「長すぎる懲役刑に服役している」というのは言い得て妙。主人公や影島の鬱屈と抱え込んだ重みが何か、一生懸命自問自答で解明しようとして客観視の限界に苦しんでいる姿は刑罰のよう。だとすれば他者を必要とする量が人よりも少ないことはそれほど重い罪なのか。 同じく小さく閉じて他人を諦めているように見えたカスミは「自分に意味なんてないので、意味を持たせようとしてくる誰かに、私はみつかりたくないだけだ」というような彼女の言葉に救われる気もする。人間をやるのが下手だと生きることを諦めて膜に覆われたまま漂うことを選ぶ人も大勢いるし、いていいと思う。 作中で多々語られ、永山やハウスの面々が当然のように思い悩む才能のくだりは正直ふわふわしていて、関心があっただけにもっと描写してほしいなと感じていたが、読了して凡人Aたる永山の信じた才能とその罪状について腑に落ちるものがあり、人間をやるのが下手な永山なりに諦めずに”生きる”姿は粘り強く、とても前向きだと思った。

    0
    投稿日: 2020.03.31
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    挫折をしながら、なんとか読了。自分には、この本を楽しめなかった。タイトル「人間」帯「人間をやるのが下手だ」というところに惹かれたのだが。。。 結局、人は、いろいろな波乱万丈が大なり小なりあり、時が過ぎていくことを、感受性がするどい著者により描写されている。 又吉さんの作品は、ストイックというか、真面目というか、面白いという感覚にはなれないな~。 難しかった。

    0
    投稿日: 2020.03.28
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    自伝のようで、自伝でない。 主人公は作者のようで、作者でない。 まさに「小説」ですねぇ。 「人間」をやるのがうまくないって言い回しが絶妙で、 多くの人間がこの葛藤を抱えて生きている。 普段はそれをごまかしながら生きているけれど、 時々、文学でそれを突きつけられる。 きっついなぁ。

    1
    投稿日: 2020.03.22
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    辟易しつつ、どうにか読了。自意識過剰な登場人物、次々繰り出される理屈に比喩。あまりに奇をてらい過ぎ。悩める中学生の作文?

    0
    投稿日: 2020.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読むのが苦痛だった。最後はもう飛ばし読み。最後どう着地するのかなあとパラパラ読んで、あ、結局着地しないのねって確認だけして、読了。一貫性のない物語の展開がもう我慢ならなかった。ストーリーではなく、本当に漫然と、目に映ったものだけを感覚的に切り取っているような、それでいて、その感覚に全く共感出来ないし、異端であるがゆえの畏怖も感じない。距離感が遠い近いじゃなくて、理解不能の外側にいる感じだった。唯一、永山が仲野とやり合ったり、影島が仲野に送るメールだったり、人間臭くてリアルでいいなあと思った。だから、もっともっとその人間臭さの応酬というか、描写が読みたかったなあ。又吉の人間観察力というか、視点がすごく好きで、世界そのものを切り取る視点はあまり好きじゃないなあと感じた。

    0
    投稿日: 2020.03.08
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    1回読んだだけでは、足りない。 主人公の永山と友人の芸人である影島のどちらもが、又吉そのもの。又吉氏の頭に棲む2つのキャラクターが作る物語。

    0
    投稿日: 2020.03.07
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    永山と影島、どちらも又吉直樹さんだったな。というのが最初の感想です。 影島と仲野太一のやり取り、永山と影島のやり取りの中に又吉さんが言いたいことがたくさん鏤められているように感じました。 又吉さんの新書「夜を乗り越える」では大いに「人間失格」について語っていたのですが、この「人間」を読むとどれほど深く影響を与えられていたのかをひしひし感じとることができると思います。(私も人間失格がバイブルみたいなところがあるので…) そして、カスミはブータンシボリアゲハみたいなもんなのでしょうか?最後の3章でようやく永山の特異性がスピリチュアルな方面に明らかになるけど、それだけでは何とも説明し難いカスミちゃん… ここはこの本を読んだ誰かと語らってみたいですね。次いで、自分の前世についても。

    0
    投稿日: 2020.03.01
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    三作品目。 うーーーん、って感じだった。 ちょっと物語の関係性が掴めなくて、 自分が幼稚なのかと言い聞かせた。

    0
    投稿日: 2020.02.24
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    又吉さんのいいまわしというか例え方というか、すごいなぁと感じるばかり。 一度読んだだけだけど、わかったようなわからないような感じ。 感じたことは、人間らしさって最終的にはこういうことなんだろうな。と、家族との絡みのところでおもった。 又吉さんの本は今後も読んでいきたい。

    0
    投稿日: 2020.02.21
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    恥ずかしながら、この本を読んでから気になって初めて『人間失格』を読みました。 リンクする部分が多々あり『人間失格』のあとにまた二度目を別角度から楽しめました。一度で二度美味しいです。

    0
    投稿日: 2020.02.13
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    誰かに依存したり、誰かのせいにしたり、素直になれなかったり、媚びることしかできなかったり、ネット上で匿名だからといって誰かを吊し上げて死に追い込んだり、と、「人間」のめんどくさい面が存分に描かれていると思う。 反対に、ふとしたことが、人の助けになるのだという面も描かれており、人とのつながりの大切さみたいなものに気づかせてくれる作品である。

    0
    投稿日: 2020.02.12
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    38歳の誕生日に届いた不穏な手紙から、かつて美大系の若者が集まっているアパートでの友人や彼女との思い出の回想や再会。そして家族。 読んでいてなんだか少しずつ嫌な感じの不安感を覚える小説。西村賢太の小説の不安感の方が良い不安感だ。個人的に芸人の世界や、現代アートの世界への関心が薄いこともあり、途中の手紙とネットのやり取りとか、バーでのくどい話(酔っぱらいは話がくどいので、リアリティは有るのかも)が冗長に感じた。しかし、終盤にはもやもや感も薄まり、ほっとして読了。

    0
    投稿日: 2020.02.08
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    又吉直樹の頭の中はこんな風な言葉で溢れているんだろうな・・・と思わずにはいられない、徹頭徹尾又吉直樹色の小説だった。 この作品の前に読んだ「影裏」の沼田さんが、多くを文字にせず、ある意味読み手を放りだして想像の自由に任せるタイプだとすると、又吉さんは手を変え品を変え、言葉を尽くして語り尽くすタイプなのかもしれない。 「ハウス」の住人たちのイタイ青春の日々を描きながら、何者かになりたくてなれなかった者たちの行く末を暴く。 作中で繰り広げられるナカノタイチと影島の文字による丁々発止のやり取りはものすごい熱量をもって読み手に迫って来るし、逆に、永山とカスミの訥々としたやり取りは、つらいほど弱者の言葉を代弁して苦しい。 中でも一番沁みたのは、影島と永山のバーでのやり取り。影島の中にも、永山の中にも又吉本人がいて、だからこそ、影島の行く末に又吉さんの行く末を重ねて本気で心配してしまったけれど、最終章、永山の沖縄での家族のエピソードに、微かではあるけれど行く先の光が見えたことが嬉しい。 「自分が何者かである必要などないという無自覚な強さ」はなかったけれど、「自分は人間が拙い。だけど、それでもいい。」と思えた永山はもう大丈夫。

    0
    投稿日: 2020.02.07
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    『劇場』よりは好きだったけれど、『火花』の方が好き。ストーリーはあるような無いような。主人公が又吉さんの分身なのかなと思っていたらもう一人分身?という人が登場。この分身?同士が数年ぶりに再会したバーで深夜にいろいろ、世の中やものごとの捉え方に感じ方に向き合い方などを話すくだりは夢中で読みました。途中付いていきにくいところは繰り返し読み返したりしてフムフムほうほう分かるかもしれない、と興味深かったです。最初の方の、ハウスの時代を振り返っているところ(仲野と牽制しあっていた様子、めぐみちゃんとのあれこれ)は共感しづらく、早く面白くならないかなと思いながら読んでいたけれど、あとの方でカスミちゃんがいろんな伏線を回収してくれて、あのエピソードはこのためだったか、と思ったり。沖縄で親戚が集まる3章は1章2章と地続きなはずなのだけれど語り手が同じだけで違う小説のようでした。話の展開というより書かれているテーマが好きなので、これからも又吉さんの作品を読んでいきたいと思います。なんとなく、穂村さんの『世界音痴』を思い出しました。

    0
    投稿日: 2020.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夢の中みたいな文章だな、と思うところがいくつかあった。それが現実なのか妄想なのか分からなくなるというか……。その訳の分からなさ?頭のこんがらがり具合?を楽しめる人にはおもしろいと思う。人間ってあるじゃんそういう時。何がなんだか分からない感覚。 あと著者をイメージしてるらしい芸人の男影島と、それに突っ掛かってくる男ナカノとのメールでのやり取りがおもしろかった。 又吉の小説には当たり前だが又吉みたいな人がたくさん出てくる。登場人物のエピソードも又吉からのものが多い。 又吉が憧れる太宰もそういう作品が多いので、作風としてそうなんだろうなぁと思う。 又吉の書く文章が好きだし、話もおもしろいと思う。いつも又吉作品は一気に読んでしまうことが多いし。 あと読後もいい気持ちになる。切なくても爽やかというか。 でもいつか短編集とかで、色んな人が主人公の作品とか出してほしいなぁ。又吉のエッセイとか色んな色があっておもしろかったんだよ。長編ももちろんおもしろいし好きなんだけど、きっとそれだけ書きたいものも挑戦したいこともあるんだろうけど、でも太宰も短い作品多いしさ。 待ってます、短編集。

    0
    投稿日: 2020.02.02
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    読み易くはなかった。 面白い!という内容でもないと思った。 ただ、描かれる「人間」それぞれが、又吉さんを思わせる特徴を持っていると感じた。 終わり方は個人的にきれいだと思った。

    0
    投稿日: 2020.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    又吉直樹の書いた小説 3冊目です。 美術大学生のころ 「ハウス」と呼ばれたシェアハウスに集う学生たち 自分の才能に自信と不安を持ちつつ 他人を冷たく評価しながらプライドを保つ 美術で 文章で 映像で お笑いで  自分を表現することを目指しながら 無駄に よどんだ時間を過ごしていく そして 38歳の大人になった現在は。 相変わらず こじらせた登場人物たちが多い。 それぞれは真剣に向き合い 何かに怒り あがいて生きているのかもしれないが・・・ めんどくさすぎる連中ばかり。 どの登場人物も たぶん 又吉の一面で どこも 自分の中のドロドロとした 嫌な部分なんだろう。 前回までの 文章の読みやすさは見られず  あまりに溢れる「わかりにくい 言葉で表しにくい感情」が息切れする 第3章の沖縄編に入って やっと呼吸ができた。 1・2とも 前置きなのかも。 破天荒な父とそれをおおらかに受け入れる母 そこまで来て  「人間失格」の太宰を崇拝しながら 人間を好きな作者が顔を出していた。 理屈っぽい輩が嫌いな人は 読むとイライラするかも。

    0
    投稿日: 2020.01.27
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    芸人・又吉直樹の小説の第三弾。 色々な特徴的な“人間”が出てくるものの、今一つ印象に残らなかった。

    0
    投稿日: 2020.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    んー なんだか くどく感じた。。 仲野と影島のやりとりがくどすぎて、読むのやめようと何度も思った。影島が奥だったと分かって少しスッキリしたけど、その後奥と再開したときの会話もくどい。。。 時々入ってくるエピソードは面白かった。子供の頃に描いた象の絵の話とか、虫がおじいちゃんの生まれ変わりだとか、印象に残る部分もあった。 沖縄のシーンは急に読みやすくなって、親や親戚たちのやりとりが軽快だった。そういえば沖縄のお墓参りってこんな風だとテレビでみたことあったけど、知らなかったら「?」だったろうな。前半に比べて急に説明が無くなった感じがしたな。 「人間が拙い」 この言葉が心に残る。

    1
    投稿日: 2020.01.19
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    私には早すぎる一冊だった。 前半は肩書きに踊らされる、惑わされる人という存在、その苦悩や葛藤があり、影島の丁寧な過激な訂正がそのまま筆者が感じていることではないかと思い、肩書きの恐ろしさを少しだけでも感じることができた。 後半主人公の認識する人物や記憶が違い、恐ろしさを感じた。 父も異常に感じてしまったし、苦しくなってどうしていいか分からない気持ちのまま本を読み終えてしまって、私の心の置き場所がない、、 皆様の レポートを読んで整理をつけます

    0
    投稿日: 2020.01.14
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    圧巻。 著者の作品を初読了しました。 何者かになりたくて表現するのか、表現をしたくて何者になりたがるのか。 人間をやることは難しい。

    0
    投稿日: 2020.01.05
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    まぁ、文学小説といった感ですかね。 言い回しが分かりづらい所もあり、萎んで終わり、みたいなラストにはんー。 又吉の思考回路は広い。

    0
    投稿日: 2020.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ところどころに挟まる実体験なのかなと思うようなエピソードや自虐的なものの考え方なんかは面白く読めたけれど(たとえば子どものころに描いたというゾウの絵のエピソードとか)、「物語が動いている感」が少なくて、ちょっと長いなあと感じてしまった。仲野と影島がやりあっているところとか、第3部の父親とのエピソードとか。

    0
    投稿日: 2020.01.01
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    年末に読了。 長編だったこともあり、読むのに丸一日くらいかかった。 あとは、過去作とは異なり 分かりやすいストーリーの進展もないので 先を急がずじっくり読んだということもある。 ただでさえ複雑な思考の登場人物が多いし。 3章の沖縄編を読み終えて 「何か大きなできごとがあって物語が動く」ことを 期待して小説を読んでいる自分を恥じた。 この場面ではとくに何も起きない。 父・母・祖母や親戚と名護の日常を過ごす。 そこから、自分と両親は違うこと 自分は人間が拙いけれど それでいいことに気づく。 そして、また東京に戻っていく。 とにかく、一度だけですべてを理解することはできない。 定期的に何度も読み返すと思う。 その前に太宰治の人間失格を久しぶりに読もう。

    0
    投稿日: 2019.12.31
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    芸人で作家というのは いろんな人に作家自身が知られている。 それはそれで大変だなぁと思う どうしても、どの人の中にも又吉を探してしまう。 それもいいのかもしれないけれど 全然知らなかったら知らないで もっと違う読み方になるような気がしてならない。 仕方のないことだけれど。 シェアハウスの頃の彼らは なんかめんどくさい奴らだぜと思ってた。 それが若さのエネルギーでもあるのだろう。 こんな風に生きていたら魂が削られていきそうだ。 大人になって少々アクが抜けてきた 永山と影島とのバーでの会話以降が面白かった。 沖縄のめちゃくちゃアクの強いお父さんも凄かった

    0
    投稿日: 2019.12.29
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    又吉直樹先生すごいな。 文学の中の文学。 人間の暗ーいところを書いてるよ。 考えれば考えるほど深ーくなっていく。 太宰治や芥川龍之介に似ている感じ。 それぐらいまでしかわからないレベルです。笑 お笑い芸人やのにすごいなーと思うまでいつも読むけど、この本の引用。 お笑い芸人はいろんな設定の中であらゆる人物になって動いて話して笑いをとる。 だから、コントや漫才が一つ一つの物語と考えるといままでいくつもの物語を書いてきたことになる。 なるほどなーって思います。 一点突破からの全面展開というのはこういうことですね。 ダラダラ読んでたら哲学的になってしまうからサクッと読みました! 年末年始本を読もう!

    0
    投稿日: 2019.12.29
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    年の瀬の切羽詰まったときに読んだせいなのか、ぼく自身の心身の調子がかんばしくなかったせいなのか、「火花」「劇場」ほどの勢いというか、目の前で起こっていることのリアルかつ臨場感のある描写が感じられなかったというのが率直な感想。もしかしたら、それが作者の意図するところなのかもしれないけれど…

    2
    投稿日: 2019.12.24
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    ついによめました。サイン本 沖縄のお父さんの話までは、表現をする人の葛藤や、表現家としてのあるべき姿などが、描かれていて、重みがとてつもない 表現家としては、きっとこういったことを考えてしまうのだと思う。かんがえざるをえない自分について、自分の生み出すものについて 最後は父親の話といっていいのだろうか。 自分が何なのかというとき、やはりその存在を抜きにしては考えられない親の存在ということだろうか。 所々、又吉さんの、今までの本で出てくるエピソードがあったのでちょっと嬉しかった。 総じて自分について、の話だろうか。 もう一度読み返したい

    0
    投稿日: 2019.12.22
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    なんというかひりひりする話 自分が思っている自分と他人から見える自分は当たり前のように異なるし、与えている影響も受ける影響も思いもよらないことばかり 才能への嫉妬とかぐちゃぐちゃした気持ちは出てくる人たち皆持ってるんだろう そこだけはたしか 呼び捨てにしている女の子とか、奥も自分にとっての真実を生きてるとこある 仲野が西野で再生されちゃうのはちょっとつらみ 自分に自信があるように見えるけど、彼も嫉妬があるのかなあ いちばん開き直ってて楽しく生きられそうだな、はったりで生きられそうだな、と思うけど 彼のいう挫折は、彼にとっては本物で、きっとつらいことだっただろうから、挫折経験のある38歳の彼になってるだろう でも永山から見れば薄っぺらくて頭の悪い思いあがった豚みたいな感じなんだろうな 前半と後半がうまく繋げられなかったから何回か読まなくてはならない

    0
    投稿日: 2019.12.19
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    +++ 僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!! +++ 著者が有名人であるがゆえに、どうしてもご本人に重ねて読んでしまいがちではあるが、どの登場人物も当てはまるようでいて当てはまらず、当てはまらないようでいて当てはまってしまうのだ。著者に限らず、作中の人物には多かれ少なかれ作者自身の成分が投影されているということだろう。人間という、ひとくくりにするには厄介すぎる生きものを語るのは至難だと思う。だが、誰もが少なくとも一度は、潜り抜けたであろうと思われる、自分とは何者かという命題について、そして、それを考えたときに頭をよぎるであろう答えに似たものは描かれているように思う。「凡人Aの罪状は、自分の才能を信じていること」というのが、ひとりの人間の中にある矛盾と葛藤をよく言い表していると思う。他人の悩みを見せつけられてイラっとするところもなくはないが、それもまた人間、と思わされる一冊でもあった。

    1
    投稿日: 2019.12.12
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    物を作り出す人の葛藤がたくさんあった。 私には残念ながら大きく同意できるところは無かったけど。 それは作り出す人間ではないからなのかな。 何をこれから信じていくのか そして、やはり家族の繋がりは切ろうとしても切れないものだな。 人間をやっていくのが苦手 それが人間らしい どなたかの受け売りですが これに尽きるのかな

    1
    投稿日: 2019.12.08
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    「「自分も含めて僕達は人間をやるのが下手なのではないか。人間としての営みが拙いのではないか(略)」 周囲の景色に合わせようと存在感を消すあまり、私にはすでに見えなくなっていたような寡黙な人たち、でもその内面ではこんなに雄弁だったのだ。 だから、人の話をじっくり聞くことや無言のうちに発するメッセージを拾い上げようとする意識は大切なんだなあと実感した。 マッタンの関西弁は自然だから好きだな(^^)

    0
    投稿日: 2019.12.04
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    人間の記憶がいかに曖昧なものか 人間は考え方次第でどうとでもなる そんなメッセージを感じた本でした。 それにしても、又吉さんの本はいつも主人公が又吉さんになってしまうのは、きっと私だけではないはず笑

    0
    投稿日: 2019.12.04
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    2019.11.19 「火花」「劇場」のような物語を想像していた。 物語として存在し、終わりがあり、不器用ながらも進む人間のストーリーかと。 この「人間」はなんというか、村上春樹の匂いがした と言ったら、怒られるだろうか。 「火花」「劇場」のような物語を想像していた。 物語として存在し、終わりがあり、不器用ながらも進む人間のストーリーかと。 この「人間」はなんというか、村上春樹の匂いがした と言ったら、怒られるだろうか。 現場に身を置いた過去回想がメインとなり芸人、芸術、小説、芸能界エトセトラ おそらく又吉さんが、そのみで経験体験し、見たことを 様々な人物に置き換えているのだろうが… それが物語としてはなっていなかったと言う感想。 ただ「初の小説」と言う事ならば 別の捉え方があるのだから、そういうものとしていよう。 しかし、ハウスと言うコミューンでの過去、現在のライターと言う小説家の長い文での攻防 そのみで経験体験し、見たことを 様々な人物に置き換えているのだろうが… それが物語としてはなっていなかったと言う感想。 ただ「初の小説」と言う事ならば 別の捉え方があるのだから、そういうものとしていよう。 しかし、ハウスと言うコミューンでの過去、現在のライターと言う小説家の長い文での攻防 そして沖縄(なのにバリバリの関西弁)と舞台は大きく変化しているのに、このモヤモヤが続く、それも同じ濃度でと言うのはなぜだろう きっと自分の読みは甘いのだと思うけれど 正直面食らってしまったと言う感想でした。

    0
    投稿日: 2019.12.03
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    又吉さんの”書く力”を思い知らされる作品でした。物語から噴き出すメッセージは、深くて、鋭くて、とても厳しいけれど、最終章で描かれた親子関係でちょっと救われる感じ。自作ではどんな世界を見せてくれるのかとても楽しみです。

    0
    投稿日: 2019.11.29
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    2019.15th 毎日通勤の電車に揺られながら読んでいました。とても心地よい朝の時間をこの作品は与えてくれました。 表現が独特(文学的)で理解が難しい箇所も多いですが、いろいろな登場人物との関わりの中で徐々に主人公のキャラクターが掘り下げられて行く過程が面白いです。 表現が所どころ村上春樹チックだと感じたのは私だけでしょうか?

    0
    投稿日: 2019.11.29
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    自身でも言う通り、変な話。 好みが分かれそう… アーティストを目指す者たちが集うハウス、奥や、めぐみとの会話が、フィクションとは思えない… ナカノタイチと影島のやり取りも、実際に誰かから言われたのでは⁈と思ってしまう… 読んでいて息継ぎし難い感じが今回の作品では強くなった気がした。 自分は人間が下手だ…と言いながらもとても人間くさい話

    1
    投稿日: 2019.11.28
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    私には難しかったよ、又吉さん。 最後の、家族で沖縄に集まる話はわかりやすかった。別の話になってしまったかのように。 2部での影島とナカノタイチとのメールでの言い合いは、本当に凡人の私には何が何やらでした。 カスミとの絡みもミステリアスな感じだったし、 とにかく1冊で、何種類もの小説がギュッとなった感じ。

    5
    投稿日: 2019.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「誰かを傷つけているという点はね、まったく笑えないんですよ」 この言葉がすべて。 「誰かを傷つける笑いは、もはやお笑いじゃない」 彼はずっとそう言い続けてる。

    0
    投稿日: 2019.11.26
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    主人公も気付いてたけど、生きていく上でこんなに物事について深く考えていく必要はないと思った。けどそれを考えに考えて表現するのが芸術家なら、芸術家はすごくしんどい仕事だなと思った。

    0
    投稿日: 2019.11.26
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    これに「人間」ってタイトルをつけた感じ、嫌いじゃない。芥川賞受賞したときに審査員の島田雅彦さんが「今回の「楽屋落ち」は一回しか使えない。」って評していたのを強く思い出した。これは果たして楽屋落ち、じゃないのかな。芸人で作家の又吉さんだから描けたような作品。本人のエピソードなのではと錯覚したくなるほど境遇が、読者、あるいは視聴者からは同じように思える。 この作品を読んだ島田雅彦さんの批評書き聞くなった。

    0
    投稿日: 2019.11.24
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    この人の小説は毎回主人公が本人なんじゃないかと思いますが、今回はなぜか芸人の永野かと思いました。きっと主人公の名前が永山だったからでしょう。

    0
    投稿日: 2019.11.20
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    「火花」「劇場」「人間」 共通するのは 「漫才」「大阪弁」「恋愛」 日常人間の行動が事細かく書いてある例えば、 朝起きて珈琲を豆から引いてそれからそれから・・・ の文章3回ぐらい出てきたぞ! 読んでて最初は文章うまくなったなぁ~と思ったが中盤以降苦痛になってしまった。私 個人的には「村上春樹か?」と言いたくなる文章でした。

    1
    投稿日: 2019.11.19
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    人間みんなそれぞれ違う生き方をしているけど だいたいみんな同じような経験をしているのかも しれないと思える心強い作品だった。 青春時代の何も見えていなかった頃や 大人になってからも過去を引きずっていて それでも生きている姿が自分の中の 様々な場面と重なる。 何かに捉われていたり 何かになろうともがいていたり どんな状況であっても 生きていけば 何かをきっかけに 吹っ切れるかもしれない。

    4
    投稿日: 2019.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主題が分からんかったけど、読み進めるごとに又吉直樹さん自身のことを書いてあると思った。又吉さんは太宰治が好きな方。太宰治の「人間失格」も主人公=太宰の半生を書いたものだ。本著の『人間』もここから取ったと思う。実験的な小説だと思うが、前作2作品のようにストーリー性が欲しかった。

    1
    投稿日: 2019.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    又吉直樹の初長編小説。 3部構成になっていて、1部が過去の青春時代の栄光と破滅までの物語、2部は現在で主人公と著者モデルとの肩書論、3部は主人公の父の故郷の沖縄での物語と捉えられました。 1部はこれまでの作品の延長上のような感じです。 2部が力作で純文学ここにありという迫力で、作者の心情を対話方式で絞り出しつくしていると思います。 3部は全く別の小説を読んでいるようでしたが、ラストで2部で吐き出した毒を昇華させていると思いました。 読みやすくはあるものの、かなり読み込まないと全体像が把握できないほど奥深い作品ではないでしょうか。

    2
    投稿日: 2019.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「凡人Aの罪状は、自分の才能を信じていること」 「美術館で長い時間掛けて絵画を鑑賞したあと、外に出ると見慣れた景色のなかにある、いつも目にしていたはずの色が、異常なほど際立って、奇跡のような印象で目に映ることはある」 良過ぎた、けど、伝えたいこと?がてんこ盛り過ぎて、他の人なら10冊くらいに分散して書くんじゃないかって笑、内容を受け止めるのに疲れてきてしまった。 けど、良い、又吉さんかっこいい。 思っていることをきちんと言葉で表現できるって本当に素敵なことで、例えば同じように思っていても、どう表現するか、言葉を使うにしても人それぞれ違う言葉を紡ぐわけで、その中で、又吉さんの選んだ言葉とその繋ぎ方が好きだなぁと思った。

    1
    投稿日: 2019.11.12
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    「初の長編小説にして代表作」と帯に書いていたけど、本当に代表作だった。 章が進み、場面が変わるごとに人間臭いやり取りが増えてくる感じが心地よかった。 もっかい読みたい。

    0
    投稿日: 2019.11.11
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    青春の吹き溜まりを「ハウス」と呼ぶ。 そういえば彼氏が住んでいた上野桜木のシェアハウスも、若い社長がやってた地下アイドルの事務所も、呼び方が「ハウス」だった。 東京に住んでいてちょっと格好つけたい我々、あるいは界隈、の人々には刺さるし、刺さるとちょっと嬉しい感じ。 最後の地元沖縄の場面に至るのが新聞小説的。 読み終わったあと一週間くらいこの本のことを考えているのでいい本なんだと思う。

    0
    投稿日: 2019.11.11
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    一言で言えば、深い作品だと思いました。表面的に見たら、大きな騒動に巻き込まれることなく、ちょっとビターな出来事が起きて、余韻に浸って終わりの物語です。 でも味わえば味わうほど、様々な人間の思考が見えてきます。最初の作品は「漫才」、次が「演劇」、今回は「作家」がテーマかと思います。 まず主人公と芸人の影島が、又吉さんの分身なのではないかと思うくらい、似ているところが多々ありました。又吉さんの内なる思いが、この本で爆発しているかと思うくらい、詳細に語られています。 人間誰しも、嫉妬や感に触ると、批判したくなりがちで、今やSNSなどで匿名でやりやすくなっています。 でも一呼吸置いてみることで、色んな解釈を発見することができます。安易に書くことで、それを見た他の誰かがそれに反応し、また批判をする。 この本でも似たようなことが書かれていて、又吉さんはその渦中の視点やちょっと離れた視点を取り入れていて、冷静に分析されているなという印象でした。 文章自体は、最初の作品と比べて、読みやすくなっていながらも文学的なエッセンスが含まれていて、数を重ねるごとに余分な部分を削ぎ落としているような感じがして、段々と自分独自の文章が形成されていくのではと思いました。 決して明るい内容ではないものの、物事を見る力が問われているようで、簡単には語れないなと思いました。色んな思考や視点があるこそ、人間の面白みがあるかもしれません。 安易に批判するのではなく、どのようなことが背景にあったのか、前後はどんなことがあったのかなど、自分で調べていくことが大切だと感じました。

    0
    投稿日: 2019.11.07
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    独特の純文学的表現が面白かった。メールのやり取りの部分。 全体的には劇場のようにストーリーとしては派手さがなく満足ではなかった。 又吉先生自身のことを書いているのだろうかと想像しながら読んだ。

    0
    投稿日: 2019.11.06
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    3.5 ❶影島とナカノタイチのネット上での応酬 ❷影島と永山とのバーでのやり取り ❸父の田舎 名護での祝宴 ❶❷は難しすぎて理解し難く(再読が必要だな) ❸おまわず クスッと笑ってしまう部分もちらほら 【ハウス】 永山 凡人A 奥 = 影島道生 いつのまに、。 中野太一 飯島さん めぐみ カメラの田村 カスミ

    0
    投稿日: 2019.11.03
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    毎日新聞で連載していたという又吉直樹初の長編小説。 "芸術"という大義名分を振りかざしてモラトリアムを謳歌した永山という男の人生が綴られている。 カリスマ性がありみんなの憧れの先輩だった飯島、金魚の糞のように芸術を語る同い年の仲野、自分と付き合っていると思っていたのに実は飯島に恋をしていためぐみ、世を達観しつつ将来はお笑い芸人になりたいという奥。 大学時代の永山の脇を固めるメンバーはそれぞれ個性的で、憎たらしくもほとばしるような魅力があった。 屁の音の集めたBGMが流れる展覧会はシュールすぎてマジで笑った。 芸術に焦がれ芸術に打ちのめされ、大勢の中から何者かにならんともがく彼らの姿はいかにも青臭くて良かった。 大人になってからのシーンで、芸人・影島がナカノタイチに食ってかかるメールは辛辣すぎて残酷すぎて、狂気の沙汰。まるでクライマックスかと思うぐらいの迫力。(まさか又吉本人も芸人やりながら世間に対してこんなこと思ってんの……?と思ったらちょっと怖くなった。) 「美大で芸術じゃなくて、美大そのものを研究していた美大生はナカノタイチだけじゃないか。」 あとは永山と影島がバーで語り合うシーンも好き。この二人の関係性にはじんわりあたたかいものが胸に広がってくる。熱く真剣に議論したかと思えば軽口を叩いたり。ライバルであり良き友であり、こんな相手がいたらきっと夢を諦めそうになっても頑張れるんだろうなと思う。 「うん、だから、いまが尊いと最近おもうようになった。ほとんどの時間を忘れてしまうから。その過ぎていく時間に自分がなにを感じていたのかさえ忘れてしまうかもしれへん。それが、たまらなく怖くて、たまらなく嬉しい。いまという時間のなかで自分が自在であることに、ようやく気づいた。こんな長いひとり言をくさすのは簡単やろうけど、自分にみえているものを疑うのがむずかしいのもほんま」 「少なくとも俺は、頭大丈夫?とか言わへんから安心して」 「ちょっと言うたんちゃう?」 永山が故郷の沖縄にもどって、父親を始めとする親族やご近所さんにエッセイの受賞をお祝いしてもらうラストシーンは、唐突に思えたけど、でもこのシーンこそがこの小説の肝だったんだなって分かった。 >人間が何者かである必要などないという無自覚な強さを自分は両親から譲り受けることはできなかった。卑屈になっているわけではない。その証拠に長年付き合ってきた焦燥は霧散して穏やかな心地でいる。気分がよいのはいまだけかもしれない。この先、失敗することもあるだろう。のんきに浮かれていた自分を恥ずかしく感じるかもしれない。だが、ちゃんと人間の顔をして生活を続ける人間を見た。自分は人間が拙い。特別な意味や含みなどない。そのままの言葉として自分は人間が拙い。だけど、それでもいい。 もうなんか以前みたいに、読んでいるときの"芸人のピース又吉直樹が書いた小説"という大前提が私の中からは完全に消えたみたい。

    1
    投稿日: 2019.11.02
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    小説っぽかったのは前半の回想部分だけで、あとは、フィクションの形をとった随筆という雰囲気でした。気取った表現を使えば、狂想曲的な作品、というべきかな。あえて実験的にこのような形をとったのか、だらだらと続けたらこうなってしまったのかはわかりませんが、あまり好みではありませんでした。

    3
    投稿日: 2019.11.02
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    又吉が2人いて、又吉の思考をぶつけ合っている本だった。デビュー作の火花よりもさらに又吉感が出ている。こんな小説書いてしまったら、次の小説書けるのかな。書きたいこと全て書いてしまったんじゃないかな。そんなことを思わせる。傑作。

    4
    投稿日: 2019.11.01
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    又吉直樹さんの小説は、3冊とも読みました。文章を読み解く能力が弱いのか。内容に入り込めはしませんでした。苦しんでいる人間ばかりが登場しているような、そんな印象です。それと、どの作品に共通ですが、登場人物に作者自身を投影しているような気がしてなりません。このように作品を書き続けいると、作者自身が消耗してしまうのではないかと思います。

    5
    投稿日: 2019.10.31
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    面白かった! コント時代から著者のファンですが、今作は前作の二段階くらい文章の綿密さ、言葉の豊富さが際立ってます。 一見、大人しく見える著者ですが、抱えてる憎悪が凄まじいもので、誰もが持つ痛みとか触れて欲しくないところを読者と著者が刺し違えて血をだらだら流すような作品でした。 痛かった…色んなところが…。 又吉氏の視線の広さ、思慮深さがより鮮明になっていると感じました。 きっと苦戦して書いたのだろう、そりゃあ楽には書けないけど、ある時にふと見せる登場人物たちの繊細さが愛おしく、ふと見せる憎悪が怖かったです。 ですが、その毒も心地よく一気読みでした。

    2
    投稿日: 2019.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    沖縄までの物語が、私には重くて仕方なかった。皆がそれぞれ苦しんでいる気がして、誰一人として幸せな人がいなかったように思えた。最後、沖縄以降は少し家族を感じてほっとできたけれど・・・感想が難しい。

    1
    投稿日: 2019.10.28
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    人間 又吉直樹 2019 10/1 初版 2019 10/26 読了 純粋で泡立っていて 何かが生まれて何かが消えていくような 想いや時間が入り混じって 今が目の前にある。 きっと全てが一生懸命で 人間であることは儚くて美しい。 弱いのか強いのか良くわからんけど 又吉直樹 もっと読みたくなる作家だ。

    3
    投稿日: 2019.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    苦しいねぇ。又吉さんは小説を書くことでとことん自分を苦しめているんじゃないのか。苦しむために小説を書き、小説を書くことでまた自分自身が苦しむ。その苦しみそのものが自分の存在意義みたいな。 「今の私のやってることって何の意味があるの」とか「私の存在意義って」とか「私は何者なの」とか「私がやるべきことは」とか、ていうか、そもそも「私」ってという、ある時期だれもが通る関門であり、問いでもある。 それを見つけるためにもがいたり苦しんだりして、自分自身やそばにいる誰かを傷つける。 痛いなぁ。痛いし辛い。傷つきたくないからそういう問いから目をそらせ、納得した振りでたいていの人はオトナになっていく。 だけどそれができない、自分自身で何かを生み出そうとする人たちにとってそれはもっと激しくもっと濃く深い痛みなのだろう。 芸術、という世界で何かを作りだそうとする若者たちの中にある羨望や嫉妬、そして憎悪はある意味、創作への熱源として有効なのかもしれないけれど、それをうまく扱えない、いなせない不器用さが読み手の心のどこかにある「小さい自分」を刺激してくる。 その流れでの、終盤の沖縄での時間のゆるさや血縁者や近所の人との不思議な共鳴、父親との関係、何気ないやりとりのおかしみや温かみやわずらわしさが不思議と心地いい。 繊細なのに攻撃的で不器用で内省的な主人公が全身傷だらけになりながらも歩き続ける姿に、ざわつく緊張感とほのかな安堵感を覚えた。

    3
    投稿日: 2019.10.16
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    主人公、永山のもとに届いたあるメール。 そのメールをきっかけに過去、大学時代の出来事を振りかえり、年を経た永山が気付いたこととは? 深い! これが又吉直樹の考える人間か。 登場人物からして、まるで、又吉直樹という人間を内側と外側から見ているような感覚。 自意識、自己嫌悪、惰性、才能、常識、嫉妬、平気なふり。 と人間味溢れる本書。 「なんで平均的な人物を演じなあかんの?」 この言葉が響く。 人間は 生きてくのは、難しいな。

    1
    投稿日: 2019.10.15
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    この本は、付箋だらけの聖書だ。 昔のブログの中で「中村文則さんの新刊が出続ける限り生きていようと思う」と又吉さんは仰っていたが、そっくりそのまま同じことを思っている。私は又吉さんの新刊が出続ける限り生きていようと思う。 又吉さんの文章は優しい。ぼんやりとした不安を掴まえて、誰でもわかる口語に変換して、私たちのそれぞれの目線の高さまで降りて、放してくれる。そういうことやったんか、と、私たちを安心させてくれる。 又吉さんの文章は厳しい。それで、お前はどうするん?という命題を、毎回容赦なく突きつけてくる。 芸術は誰のものなのか?芸術が世俗を意識したとき、それは芸術たりえるのだろうか? 自己表現に自分なりの意味を持たせたとき、それは尊重されるべきだろうか? あるいは、評価されるに値する根拠とは何だろうか? そのようなことを考えることに意味はあるのかもないのかもわからない。が、伝わらないことを知っているということを知っているなどという、どうしようもない自意識の罪を贖うことを何度でも赦し、罰を引き受けることを何度でも赦し、燭台の灯火のように手元を照らしてくれる、これは聖書だ。

    7
    投稿日: 2019.10.14
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    2019年10月12日読了。 ⚫️裸体画とか素晴らしいものもあるとおもいますし ただそこに性的な官能が容易に入ってくると それこそ誰かに対してのサービスのように感じられると いうか、いい喩えが思いつかないんですけど、一人称で 書かれた小説って、語り手は現実での覚醒している状態 の常識にのっとって行動していたはずなのに、そこだけ 急に馬鹿になるというか、設定が緩くなる不自然さをほ とんどの人が疑問を持たず了承していることがよく理解 できないんです。語り手の心が乱れていたり、心神喪失 状態なら平然と語ることもあるかもしれないけれど それなら最初からそういう語り手を用意してくれないと 混乱してしまうんです。飲み屋で性的な自己体験を得意 気に語る奴は嫌いやし、ナイーブな想い出なのに克明に 語る奴も嫌いなんで。心象風景だけが描かれていると か、当事者ではない他者の視点ならまだわかるんですけ ど。そうじゃないなら、性的な行為そのものが道具にさ れているように感じるし、アンチテーゼとして語られる こともあなじようにいやで。あくまでも容易に 型とし ての性的なことが描かれることがいやなだけで、個人の 抱えきれない問題を作品化することとか、ほとんど自傷 行為に近い表現であるなら鑑賞する側も覚悟を持って受 け止めるべきやとはおもいますけど。 ⚫️他者からの評価を聞くと不安になるけれど、すぐにそれ をはね返したくなる。面倒なら観なくていい。力がなく て観ることのできない子供は力をつけてから鑑賞するか 誰かの力を借りればいい。鑑賞する側が一切ストレスを 感じず誰にでも平等に作品がひらかれているという状態 は嘘なのだ。一見すると平等に感じるかもしれないけ ど、鑑賞する側の意見が区別なく平等に扱われてしまう ことを拒絶できないならば、作品に辿り着くまでの過程 で自分の肉体の強度や思考を可視化させなければならな い。人は作品を鑑賞するということが自分と作品との関 係であるということをすぐに忘れてしまうから。 ⚫️(飯島とめぐみの関係を知って)   この痛みは、どういった種類の痛みなのだろう。 もしかすると、ただの個人的な趣味ではないのか。 性的な興奮などと呼べる大層なものでもなくて、笑える 話をわざわざ自ら進んで痛がってみるという自己演出が かった苦しみにすぎないのではないか。これは自分の特 技と呼べるかもしれない。目の前で狂態を演じる二体の 人間を見下したうえで、彼らに馬鹿にされた自分を存分 に笑い、ある程度の時間が過ぎたら記憶に蓋をして それで完了してしまう記憶。理屈ではわかっている。 ⚫️感傷に流されるのは本質的じゃないらしい。本質的じゃ ないなんて視点持ってる奴は永遠に本質を捉えることな んてできないと思うけど。動物的な本能に一定の距離を 保っているかぎり、永遠にそいつらは本質から二歩遅れ た地点で「爆発に巻き込まれなくてよかったね」とか、 「爆発ってきれいだね」などと言って、当事者にはなり えない。内側から景色を見ることがかなわない。 ⚫️「想像力と優しさが欠落した奴は例外を認めず ただの豚」 ⚫️P266 ⚫️自分が把握している自身の記憶なんてものは、やはりほ んの一部分でしかなく、おなじ人生であったとしても、 どの点と点をむすぶかによって、それぞれ喜びに満ちた 物語にも暗澹(あんたん)たる物語にもなり得るのかも しれないと思った。

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    投稿日: 2019.10.12
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    生放送対談で注目10/10発売 初の長編小説!何者かになろうとあがいた季節の果てで、 かつての若者達を待ち受けていたものとは?

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    投稿日: 2019.10.08