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Ank : a mirroring ape
Ank : a mirroring ape
佐藤究/講談社
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総合評価

147件)
4.1
48
68
21
5
0
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    初めて読んだ、佐藤氏の作品。 帰省の旅で一気に読破。 読み応えのあった一冊。世にも恐ろしい暴動が、さまざまなアプローチから解き明かされていく行き詰まる展開。良かった^_^

    3
    投稿日: 2021.12.31
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    めでたく直木賞を受賞した『テスカポリトカ』がまぐれ当たりじゃなかったことがよく分かる凄い作品です。いやはや、全く自分の心に響かなかった『QJKJQ』を読んだのが遠い昔のことのようで、失礼ながら当時はイロモノ作家だと思っていたのですが、いい意味で予想を裏切られる形となったことをとても嬉しく思います。 2026年、人間が目の前の人間を殺すまで襲う「京都暴動」が突如発生、原因は高度な知能を持つ一頭のチンパンジーだった―――。まるで『QJKJQ』のぶっ飛んだ世界がリアリズム小説世界を乗っ取ったような装いで、分類するならパニックSF小説になるのでしょうが、膨大な生物科学の学説や理論に裏打ちされた設定が読者の知的好奇心をくすぐります。ともすれば蘊蓄となって物語のスピード感を損ないそうなところですが、挿話のインサートが上手く、文庫版で600ページ以上ある大作であるにもかかわらず、中盤まではあまり長さを感じませんでした。ラスト近辺で少し勢いが落ちたように感じられた点はやや気になりましたが、それでも躊躇せずに星5つを付けることができる、堂々たる作品だと思います。 この路線を続けていくのはなかなか大変な作業だろうと想像しますが、佐藤さんには今後も攻めた作品に挑み続けていって欲しいです。願わくばもう少し短いスパンで。

    2
    投稿日: 2021.12.12
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    内容関係ないけど、この表紙のおしゃれっぷり、こんな表紙の小説って今までほかにあったかな? なんかレディオヘッドっぽさを感じる。 話も結構おもろいけど、いささかメインの登場人物二人がヒロイックすぎるというか、ドラマチックすぎるかもと思ったが、それはたぶん私の好みに合わないだけか。 ほっといたら人類滅亡してもおかしくないような話なので、これくらいがいいのかな。

    2
    投稿日: 2021.12.08
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    人類の進化論と原因不明の暴動に陥る京都を絡めた壮大なストーリー。 読み応えもあって面白かった! 個人的な感想ですが、高野英明著「ジェノサイド」を彷彿とさせる作品でした。 南スーダンから保護したチンパンジーのアンクをめぐる研究の過程で何が起こったのかー? 人類学は興味深くて鏡像行為(ミラリング)と進化の関連性など、どこまでが現実でフィクションなのか境界がわからなくなってしまう。 純粋な探究心で向き合ってきた研究が、不測の事態を引き起こしてしまう。京都での暴動の描写は悪夢でしかない。 望の恐怖や焦燥、自責の念、後悔、不安、覚悟を感じて胸が苦しくなりました…。 悪夢のような事態を一体どう収束させるのか、最後までハラハラしながら読みました!

    2
    投稿日: 2021.12.03
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    冒頭の、衝撃的な事件から幕を開けるこの物語は、断片をたどりながら、新しい事実が次々と明るみになっていく。 京都「暴動(ライオット)」とも呼ばれた事件がどうして起こったのか。タイトルのAnkとは、a mirroring apeとは。 1人の小説家が書いたようには思えない、世界の広がり方と、生物学、言語学、哲学と多くの分野をまたぐこのSFの世界観は、読む人を圧倒するだけでなく、もし自分が小説家になることを目指していたら、諦めざるを得ないほどの衝撃を受けました。 登場人物の過去と現代を断片的に、交互に行きつ戻りつする構成は、最初は時系列にすればいいのに、と素直に思いましたが、読んでいるうちに、むしろこちらの方が伏線が見事に回収されていて、面白いと感じました。 AI研究という、未来を作る研究から撤退した、ダニエル・キュイ。そして、人類と類人猿との違いを研究し、人類進化の謎を解こうとする、鈴木望。彼らが出会ったきっかけはなんだったのか。そして、そこから「暴動」へとどう繋がっていったのか。 問に対する仮説が果たして正しいのか、そして結末がどうなるのか。500ページを超える長編にもかかわらず、まるで映画を見ているように、読み切った一冊でした。 次は、西加奈子さんの「夜が明ける」を読もうかと思います。・・・積み上げられた本は、いつ消化されるのだろうか。

    15
    投稿日: 2021.11.18
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    あらすじ 2026年に人同士が壮絶な殺し合いをする京都暴動(ライオット)が起こる。それは細菌、ウイルス、汚染物質が原因でなく、ゾンビのようなものでもない。ただ発端はアンクという一匹の実験動物(チンパンジー)だった。 佐藤究の良さは凄まじいリサーチ力とスケールのでかい戦闘シーン。この二つは高野和明の「ジェノサイド」級に面白かった。 進化論と人類学を専門家レベルまで掘り下げて、(無知の私には研究論文を読んでるように感じる。)すごい奥行きがあるのと同時に歴史都市である京都を舞台にした戦闘シーンが秀逸だった。 テスカトリポカもかなりの大作だったが、これはそれを凌ぐ作品。

    7
    投稿日: 2021.11.09
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    先日の直木賞受賞作『テスカトリポカ』でファンになり、旧作『QJKJQ』も最高に面白かったことから、さらに手を伸ばした旧作がこちら。 これもまたとんでもない世界観で驚愕させられてしまった。京都の研究施設を脱走した1匹のチンパンジーの叫び声によって突如、人間が暴徒化し、お互いを徒手空拳で殺し合い、結果として数万人の死者を出した”京都暴動(Kyoto Riot)”。 なぜこのチンパンジーの叫び声がこのような事態を引き起こしたのか。本書では”鏡”によって自己認識能力を獲得した霊長類の進化の仮説に基づき、とんでもなく暴力的かつ衒学的な世界が構築される。 読みながら、どこまでが科学で立証されたことで、どこからが著者による創作なのかがわからなくなり、混乱しつつもとにかく続きを読みたい、とページを繰る手が止まらないSFのお手本。しかし著者は寡作ということもあり、1作1作の重みが凄まじい。

    2
    投稿日: 2021.10.24
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    発送が凄い 事実に裏付けられた事柄とフィクションの融合の仕方が非常にうまくて、ありえないけど、本当の話であるかのように感じてしまう。コマ切れの切れ方が短すぎるせいで、現実に引き戻されがちなのが若干の欠点かな?

    0
    投稿日: 2021.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    分厚さに尻込みして長い間積読になっていましたが、受賞のニュースで思いだし手に取りました。 陳腐な表現ですみません。 すごいです。この作家さん。 冒頭から一気に引き込まれて、発生から終息までの描写と徐々に明らかになっていく計画の全貌。そして深い余韻が残るエピローグ。 ダニエル・キュイが語った、8分19秒の意味は鳥肌モノでした。 そして、物語で語られた、人を人足らしめるもの。 見たいけど見てはならないものなのかもしれない。ヤタノカガミの様に。

    9
    投稿日: 2021.10.15
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    書店でふとこの著者の本が並んでるのを見て買った一冊。著者も作品も知らなかった。 著者はミステリ作家らしいけど、これは大型SFパニックもの。マイケル・クライトンみたいな感じで、時間軸がバラバラの実録調の記述が前半は並べられていて謎の「京都暴動」発生までのあれこれが複数の視点から組み立てられていく。 「暴動」発生後は、映画みたいな大アクションシーンの連続。 事件の原因になっている「科学」の説明がちょっとアレなんですが、ストーリーは楽しめます。

    0
    投稿日: 2021.10.08
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    「なぜこうなったのか知りたい!」という欲求が常にあって、欲求を満たすためにページを捲る。そんな作品です。 所々難しいところもありますが、何故だか読むことは苦痛にならない…不思議です。

    3
    投稿日: 2021.09.16
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    ネタは面白かったし楽しく読めたが、端々に無理を感じるのと、後半話を展開させるのに都合の良い事が連発しておきた印象があり残念。

    0
    投稿日: 2021.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都暴動の文字に惹かれて購入。 馴染みのある地名が出て来て、リアルな様を想像できてしまい、読了後、御所のあたりを通った時に本の世界がそこにあるような感覚におちいった。 前半の時系列がバラバラの部分もすんなりと入ってきて、どんどんと読み進めていけた。

    0
    投稿日: 2021.09.07
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    うわぁ凄い... 裏表紙にある通り、まさに超弩級エンタメ小説。 謎の暴動の描写を挟み、過去と現在を行き来しながら人物の背景を描き、前提となる知識を読者に植えつける。 そして3章でついに京都暴動が起こる。 理性がなくなり、獣と化した人間たちの文字通り死に物狂いでの殺し合い。 バイオレンスの描写はそんなに多いわけではないが、それでも狂気が存分に伝わってくる。 だが、本書の最大の凄みはやはり4章で明かされる、"なぜ暴動が起こったのか"という点。 「人類はなぜ言語を手に入れたか」という壮大な謎までも科学的見地から解き明かしていく。 本物の研究者が見たらどう思うのかは定かではないが、少なくとも一般の読者は納得させられるだろう。 迫力あるサスペンス、壮大な謎への見事な仮説、そしてその裏にある丁寧な人物描写。 舞台となる街に「京都」を選んだことにも量り知れないほどのセンスを感じる。 最初から最後までどこを取っても面白い読み応えのある傑作。

    7
    投稿日: 2021.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★4.0佐藤究さん天才か。チンパンジーってほとんど人間と変わらないのか。人間の可能性とか秘密が解き明かされる感じが神秘的でワクワクした。鏡って、確かに不思議で、よく考えると怖い。 警告音で殺し合う理由。水面に写る自分を見ていて水に落ち、リーダーの猿が死んだ。それを見て、群れの仲間も水面に写る自分を敵だと思い、仲間に警告するため、声を発しだした そして、仲間の瞳に写る自分も敵に見えて殺し合った。 水、鏡、溺死、殺戮。を繰り返す。ゴリラやチンパンジーはゲノムの配列が暴走→制御となっているから、殺し合わない。

    0
    投稿日: 2021.09.05
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    2026年、京都大暴動!? テロ、ウィルス、化学物質でもゾンビでもないが、人が人を襲う謎の大暴動が起きる!? 原因は一匹のチンパンジー?? 霊長類研究者『鈴木望』を中心に物語は語られ、京都大暴動の前後を行ったり来たりする・・・ 本書を読んでアクビの秘密とチンパンジーとオランウータンには尻尾が無いことがわかりました! 少し賢くなった気になれる小説です♪

    6
    投稿日: 2021.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    原因が分かってて、後追いで考察と裏付けをしていく古畑任三郎型SF。「どういう事?!」ていうハラハラ感はないけど、上手いこと持っていったな、という感じ。小児にゲルストマンがあるとは知らなかった。

    0
    投稿日: 2021.08.26
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    高度な構成力で細心の注意を払いつつ組み上げられたストーリーで一気に読ませる(中盤の暴力描写が続いた部分は飽きたけど)。でも、謎の核心がアレは、ちょっと、というかかなり無理がある。あるんだけど、あんなに繊細に練り込まれた物語にぶっこまれると、あ、え、そうなのかも?????ってなる説得力があります。私は楽しめました。

    0
    投稿日: 2021.08.14
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    科学的な事実や根拠を広く調べられた上で描かれていると様々な描写から分かります。とても説得力のあるエンターテイメント作品になっています。

    0
    投稿日: 2021.07.24
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    着眼点がとんでもなく素晴らしい。 それをここまでのエンタメにして、一切中だるみなく描く技術は本当に素晴らしい。 大ファンになりました。

    0
    投稿日: 2021.07.16
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    一頭のチンパンジーによって引き起こされる“暴動”の描写が凄まじい。640頁もある長編。こういった作品にありがちな中弛みのようなものも一切なく、プロローグからエピローグまでずっとひきこまれっぱなしで、面白かった。

    0
    投稿日: 2021.07.04
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    様々なシーンが代わる代わる現れていく構成になにやら映画的な印象を受けた。 未曾有の大暴動の軸となる進化の秘密。 類人猿の生態、鏡、意識の起源。 物語の最後に唱えられた仮説がシンプルで美しくて意外性に満ちていて...。 当たり前に手にしている物が思いがけず人類の宝だったのか。 あらすじしか知らないから全然違うのかもだけど、表面的には貴志祐介の『天使の囀り』を下敷きにしてそうな感じ?? ただ、外から来たものではなく自分の内側に最初から備わっているものにスポットが当たるし もっと言えば進化という形で獲得した物、消失した物が主役になってる。興味深い。

    0
    投稿日: 2021.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    覚えている限り本格的なSF小説を読んだのはこれが始めてですが、もっと他のSF小説を読んでみたくなるくらい、読み応えがあってゾワゾワするようなリアルさを感じさせられるお話でした。 人間の起源は本当にこうだったんじゃないのか…?と思わせられるくらい、丁寧に科学的な説明がされた物語でした。

    0
    投稿日: 2021.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての佐藤究作品だがすぐに魅了された。 冗長的なところもなく、 ただ実際は望たち(場合によってはダニエルも)米国または中国などの超国家機関から操られていただけで、望やケイティはその陰謀を食い止めるために奔走するという設定の方がスッキリするような気がした。

    0
    投稿日: 2021.03.28
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    佐藤究 「 Ank 」 近未来SF小説? 600ページ一気読みの面白さ。近未来の身近さ、人類探究ロマン、暴動の残虐さ など 実と虚を行ったり来たりする パラレルワールドな展開。完成度が高く、全てのエピソードがつながる。最後まで面白かった 鏡像行為による進化論が どこまで 科学的に証明され、どこから空想なのか知りたい。 フランシスコデケベート の詩「お前の姿を見た者がまだ生きているなら、お前の話はすべて嘘。まだ死んでいないなら、お前の姿を見たはずがない。もう死んでいるなら、見たものを話すことなどできない」の意味も知りたい 自己鏡像認識能力こそ、われわれの意識を進化させる〜鏡を見る自分をさらに見る〜自分であり、自分でない〜内省的な意識を生み〜言語を生む

    2
    投稿日: 2021.03.21
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    2026年、京都で大暴動が起きる。鍵を握るのは一頭のチンパンジー。圧倒的な筆力で描かれる暴力(描写)。息をつかせぬ展開。学術的な知識。スリリングな読書体験でした。面白かった。村上龍やジェイムズ・エルロイを彷彿しました。

    0
    投稿日: 2021.03.17
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    いままで読んだことないタイプの本 バイオレンスシーンが苦手な私だが、それを上回るほど内容がとにかく面白いので最後まで読み切れた 今まで哲学的側面から人間とはなにか?という本はよく読んで考えたりもしていたが生物学的側面から考えるのも面白いなと思わせてくれた 大好きな作家さんの1人になる予感

    2
    投稿日: 2021.03.09
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    かなり学術的な内容が多かった。 ストーリーとしては複雑ではないけれど、良く読まなければ完全には理解できない内容だった。 人の感情の要素が少なく、と起こった出来事を詳細に描いた小説だった。 DNAや進化の過程、鏡や類人猿についてなどについて知ったので賢くなった気分になった。 もしかしたら、ヒトが知るべきではない事実を自然と世界が淘汰するために起こした事件だったのかな、とキュイの発言を読んで考えた。 アンクと望が未知の事実を抱えて沈むシーンが心に残った

    0
    投稿日: 2020.11.08
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    内容はもとより、現在時制で語られるドライな文体に惹きつけられて読み通した。よく知っている日本の風景がどこかエキゾチックに感じられたのも、海外文学の手ざわりに似たこの文体によるところが大きいかもしれない。特に前半は、膨大なデータが物語の論理を強化するという目的を超えていて、詩情のようなものすら感じた。科学的な記述がいつしかポエジーを醸すこの感じはリチャード・パワーズをちょっと彷彿とさせる。中盤から物語のエンタメ性が前景化してきて、多くの読者はこのへんからエンジンがかかってくるのかもしれないけど、僕個人としては“詩”が“実況”に変わっていってしまうように感じて、少し残念だった。とはいえ、これだけ多くのモチーフを一つの物語に結実させる手腕は本当にすごいです。

    7
    投稿日: 2020.09.02
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    チンパンジーに端を発する京都大暴動。時系列がかなり前後するけど、すごく読みやすい。ヒトの進化や遺伝子の話は難しいけれど。ページ数の割にどういう結末になるのかとあっという間に読めてしまった。 特に何が原因で凶暴化するのか分からない「未知のウイルス」(実際はウイルスではないけど)に対する恐怖感や対応というのは、今の状況に何か共通するものがあるような不思議な気分になった。

    4
    投稿日: 2020.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2026年、京都で原因不明の大暴動「京都暴動(キョート・ライオット)」が起きる。 突然人々は理性を無くし、目の前の人に襲い掛かる。それも、人間に本来備わっているはずの自己防衛本能を無視して互いに殺し合う。勝者はいない。 腕に折れた歯が残るほど深く咬みつき、髪を皮膚ごと引きちぎり、眼球に親指を突き立て、己の拳が砕けても殴り続ける。 霊長類研究者の「鈴木望」は過去にミラリング・エイプという学術論文を発表した。その論文は、全くと言っていいほど世間の注目を集めなかったが、世界的に有名なカウンセリング用AIの開発者であり投資家の「ダニエル・キュイ」の目に留まり、一緒に組まないか?と誘われる。そして、KMWP(京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト)のセンター長に抜擢され、最先端の霊長類研究を開始する。 KMWPセンターでは、研究のためチンパンジーを飼育しており、40頭の群れが暮らす温室ドームの他、9頭のエリートチンパンジーが暮らすアルファ棟、立体パズルを組み立てるほどの超エリート3頭が暮らすオメガ棟があり、オメガ棟には密猟者から保護された「ジュバC」(後に「アンク」に改名)が仲間入りすることになった。何故いきなりオメガ棟なのかというと、友好度は知能と比例するという考えから新入りの安全を考慮したことと、超エリートチンパンジーの反応を見るためでもあった。 アンクはパズルの部屋で、隣り合うスタッフと同じように正二十面体の立体パズルを完成させ、チンパンジー観察史上、類のない高度な同調行動=鏡像行為(ミラリング)を見せる。そこで望は、関係者3人しか知らない鏡の間(内側が全面鏡張りの部屋)にアンクを連れて行き、並のチンパンジーは理解できずに錯乱して心がおかしくなってしまう実験、鏡と仮面のテストを実施する。 実はKMWPは表向きの研究で、そこでは鈴木望の仮説を基に人類進化の謎を解き明かすという、鈴木望、ダニエル・キュイ、テレンス・ウェードの3人しか知らない秘密のプロジェクトが隠されていた。 鈴木望の仮説とは、鏡を見た時にこれは自分であって自分でないと理解する自己鏡像認識こそが我々の意識を進化させるというもの。 そして、人により近い進化を遂げた類人猿3種(チンパンジー、ボノボ、ゴリラ)のゲノムにだけあるStSat反復という配列が、鏡の理解と大きく関わっていると見なしており、人類の言語獲得、意識の形成の起源になっているという考え。 しかし、より進化しているはずの人類のゲノムには StSat反復が無いという矛盾。そこで望はこう考えた。 StSat反復の割合が増加し、ある閾値に辿り着き、その配列は残らず消えた、と。 つまり、KMWPで高度な知性を持つチンパンジーを育成し、鏡の部屋の実験によって自己鏡像認識の能力を高めることでStSat反復を増大していけば、 StSat反復が消滅=言語が使える知性を得られるかもしれないということ。 鏡と仮面のテストは、鏡像が自分であって自分でないという2つの認識を理解する必要があるが、アンクはそれをクリアする。 その後、望は疲労による体調不良でマンションの自宅へ帰るが、アンクはスタッフに連れられてオメガ棟プールの部屋の実験を見学する。その時地震が発生し、実験中のチンパンジー「リクター(オメガ棟のボス)」がプールに落ち、それを見ていたアンクは驚愕に目を見開き、本能の叫び声を上げた。 すると居合わせた人間たちの様子が一変。恐怖に駆られたアンクは逃げ出した。 望が地震の被害を確認するためにKMWPセンターに戻った時には、チンパンジーもスタッフも皆死んでいた。ウイルス感染や未知の病原体を疑い検査するが、検出なし。人間は人間同士、チンパンジーはチンパンジー同士で争った形跡があるが、センター内で飼っている鳥や犬は被害無し。同種間だけで行われた殺戮の原因が分からない。例外として、反射ガラスに頭部をぶつけて倒れているスタッフもいた。そして…アンクだけがいない。 アンクはKMWPセンターを出て牛松山へ。そこで野犬2匹に追われて負傷するが、何とか逃げ切る。 その後、時代劇の撮影所に迷い込み、撮影が中断。スタントマン4名が刺股を持ってアンクを追い詰めたところで、アンクは鳴く。 ー警戒音(アラームコール)ー 殺戮が始まる… TVでは小規模な暴動のようなものが発生しているというニュースが流れ、様々なデマが広がる。 薄明かりの中で恐怖に駆られたアンクは、仲間に危険を知らせるために本能の叫びを放ち続ける。自分のアラームコールが何を引き起こしているのかも知らぬまま。そして人が殺し合う。 被害者も加害者も無く、たとえ警察が出動してもアラームコールを聞いた時点で暴徒化。 産婦人科の病院では、殺し合う看護師たち、泣きわめく新生児たち、その別室で母親たち同士が理性を失い殺し合っている。 金閣寺周辺でも争いが起き、国籍も性別も関係無し。結婚記念で京都旅行に来ていた老夫婦の夫が妻の心臓を踏み潰し、母親がベビーカーに固定された愛する娘を殴り殺す。 更に、アラームコールを聞いたTVスタッフや視聴者も暴徒化してしまう。 先日、鈴木望にインタビューしたアメリカ人女性のサイエンスライター「ケイティ・メレンデス」も、ホテルでTVを点け、暴動現場を撮影しているローカル番組を観る。何かの鳴き声がしてTVカメラが落ちる。するとケイティも頭痛、そして理性を失い、室内の鏡に人間を見つけて突進するが、鏡文字で彫った胸のタトゥーに気づき、頭からの衝突を防いだ。気絶はしたが、タトゥーによって相手が鏡に映る自分だと認識して生き残った。 望は、アンクの首輪に取り付けてあるGPS発信器を追ってアンクを見つけるが、暴徒に襲われる。そこでアラームコールを聞いてしまう。 視界が歪んで殺意に飲み込まれそうになるが、DV親父の記憶が蘇る。実家にある大きな一枚鏡に映る殴られている自分を見ている自分。その記憶によって鏡を理解し、何故だか理性を取り戻した。 その後で、望は木を飛び移る少年と出会う。素晴らしい運動神経と暴徒化していない謎の少年。彼の名前は「内藤射干(シャガ)」、日本とベトナムのハーフで16歳。パルクールのプレイヤーで、英語も話せるというが、何故暴徒化しなかったのか。 その2人のもとににケイティが辿り着き、3人で京都暴動について話すことになり、そこでシャガは自分がゲルストマン症候群(左右障害)だと明かす。 3人が暴徒化から逃れた理由、ケイティはタトゥーで自分と鏡を認識、望は鏡への異常な執着(過去のトラウマ)のため、シャガは端から鏡も何もよく分からない。 人間は人間同士、チンパンジーはチンパンジー同士、小鳥や犬には影響がない…つまりこれは自己鏡像認識が関係している。 3人が京都市のアクアテラリウム専門店に身を潜めるように過ごしていると、京都市全域に厳格な外出禁止令が出され、帰ることができなくなる。 夜になり2人が眠った後、望はケイティに全てを託すため、レコーダーを取り出して自分の知っている全てを語る。 翌朝、シャガと2人きりでアンクを捕まえに行くと、GPS信号の方向に向かって行く陸上自衛隊の軽装甲機動車を見かける。 おそらく、国の対策本部が暴動発生地域の監視カメラに映る不自然なチンパンジーに気づき、KMWPセンターを調査してアンクのGPS信号の周波数を特定して追っているのだ。しかし、陸自はアラームコールの存在までを見抜いたのだろうか。 2人は陸自に見つからないように、アラームコールを聞かないように追跡する。 チンパンジーは水を恐れて絶対に泳がない生きもの。望の作戦通りシャガが鴨川までアンクを追い詰める。そして川岸の茂みから霊長類研究者の望がチンパンジーの長距離音声(パントフート)を叫ぶ。 追い込まれたアンクは、急いで仲間の声が聞こえた方向へ逃げると、望が現れる。 アンクは驚き、怒りの表情で宙に跳ねるが、望はその左腕を掴む。しかし恐れていたアラームコール。 耐えろ。錯乱に襲われながら、望は自分に言い聞かせる。耐えるしかない。 そして望はアンクを掴んだまま鴨川へ飛び込む。 気が付くと暴徒が投げた槍が望の左目を貫いていた。右手にはアンクの犬歯が深々と突き立てられている。薄れていく意識の中で、望は最後の力を振り絞って、潜る。もっと深い底へ。 古代の湿地。ゴリラ族とチンパンジー族とヒト族がまだ一つの生きもの(ロスト・エイプ族)だった頃、ロスト・エイプ族の王は、水面に映るものに興味を抱く。これはいったい、何なのか? ロスト・エイプ族の王、彼こそは鏡に執着した原始の類人猿、「アルファ・ミラリング・エイプ」だ。 群の王たる「アルファ・ミラリング・エイプ」は仲間を引き連れて森を抜け、水飲み場に出かける。王はじっと水面を見つめている。 森に帰りたくて不満の鳴き声を上げる仲間を、王は叫び声一つで黙らせる。 王はなおも水面を凝視し続ける。狩猟以外で集中を持続するという進化の壁を、王は打ち破ろうとしている。そして、泉に向かってゆっくりと両腕を差し出す。手首まで。肘まで。そしてさらに深く。 水に映る方も近づいてくる。いったい何が? 静けさを破って水が跳ね上がる。王の大きな体が泉へと落ちたのだ。転落した王は激しく腕をばたつかせ、飛沫を上げる。泳げない。 他のオスたちは悲鳴を上げる。 彼らが見たものは「水に映った自分に引きずり込まれる王」の姿だった。 恐怖に襲われるが、王を見捨てて逃げることもできない。王が悲鳴を上げながら水と戦っている。 パニックの中で、序列第二位のオスが水の中に未知の敵がいることに気づく。 仲間にアラームコールを発さなくてはならない。ワニ相手なら勝ち目は無いが、腕の長さも体の大きさも同じ相手なら戦える。 序列第二位のオスは雄叫びを上げる。王を奪われた群れのパニックは怒りに変わり、次々と水の中の相手に襲いかかる。そして王と同じように敵に引きずり込まれて泉へと落ちる。 どうにか這い上がった序列第四位のオスは、泉から逃れようとして、老いた別の一頭と鉢合わせになる。その一瞬目にしたものを彼は逃さない。老いた仲間の目の中を覗き込む。 敵はここにもいる。序列第四位のオスは、恐怖に凍りつく。おれたちを水に引きずり込んだ奴らだ。 アラームコールを叫び、老いた仲間を全力で殴りつける。敵はここにいる。おれたちのなかに。 溺死を免れた別のオスがアラームコールを耳にする。彼は近くにいるメスの頭を押さえつけ、目を覗き込む。そこに自分がいる。水の中にいたように。殺さなくては。殺せ。同じ種族が互いに殺し合う。 数百年後。 泉のほとりで滅びかけたロスト・エイプ族は、少しずつ数を増やして、かつてより大きな群れを形作っている。新たな「アルファ・ミラリング・エイプ」が王として君臨し、優れた知能で群れを導く。 王はある日、泉に映る自分の姿を見つめる。 大型類人猿が自己鏡像認識の能力を得た以上、必ず起こってしまうカタストロフィが、そこにある。 水、鏡、溺死、殺戮。 こうした悲劇のサイクルは、気の遠くなるほどの年月の中で、数限りなく繰り返された。 この運命は脳の奥底に刻まれ、親から子へ受け継がれていく。これが警戒音を生むメカニズム。 それは本能、生きるための呪いのようなものだ。 独特な表紙とタイトルに惹かれて購入したが、霊長類研究を軸にして、人類の進化の謎に迫りながら、現代における謎の感染拡大への対応をリアルに描いている圧巻の近代SFパニック小説だった。 本も分厚く642ページもあり、半分ほど読んで暴動の原因が掴めて、これからどうなるの?って時に、まだ300ページもあるのは嬉しい誤算だった。 作中で個人的に思ったことは、アンクの登場で猿の惑星創世記のシーザーを思い出したことと、鏡の間がまるで江戸川乱歩の鏡地獄(直方体版)みたいなこと、あとロスト・エイプの果てしないループが、まるで前前前世のPVみたいな世界観だと思った。 そして政府の対応や人々の反応が、現在のコロナウイルス感染拡大に通じるものがあるように感じた。報じられても、日常の歯車はそう簡単に止まりはしないということ。更に、自分たちでは何の解決案もなく、対応を指揮する立場にすら無いにも関わらず、対応の遅れを非難する電話が殺到して、回線が一時不通になってしまうことは、あり得る話だと思った。その共感できる状況説明に加え、実在する研究者や研究内容、京都の施設をうまく絡めてあるため、よりリアリティが増して、物語にのめり込んでしまった。 紹介された登場人物が、アラームコールによって次々と死んでいくのは斬新で、暴徒化が治まってパートナーが自分の手で殺されている状況はけっこう過激だが、仲間に知らせるために何も知らずにアラームコールを叫び続けるアンクも可哀想で切ない。 エビデンスは確立されていないが、あり得るかもしれないと思わせる言語と自己鏡像認識との関係。自分たちが過去に辿ってきた道を正確に説明できないのだから、人類全体が記憶喪失にあるといえる。我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか。非常に興味深いテーマだった。

    7
    投稿日: 2020.08.16
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    アンクって作品です。 デビュー2作目かな? すごい完成度でした。 読んで連想したのはJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」でした。 現生人類がどこから来たのかを探究するという点でアプローチもストーリーも結論も全く違いますが共通するテーマですね。 星を継ぐものはザ・SFと行った感じのワクワクする展開ですが、Ankは近年までの研究に基づく理論を武器に「なるほどねー!」と思わさせる展開を披露してくれました。 起きていることは突拍子もないですがリアリティのある理論で補強されていてグイグイ読めました。

    0
    投稿日: 2020.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み応えに満足。サピエンス全史やNHKの人類誕生シリーズの知識が残ってたのでより入り込むことができたと思う。

    2
    投稿日: 2020.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間同士が突然殺しあう理由に、人間の言語の進化が関わってるってのが、すごい考えだなーと思いました。アンクの逃走がちょっと長くて、暴動の表現が続くのはちょっとうんざりしました。

    0
    投稿日: 2020.03.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半はおもしろかった。類人猿研究所におけるチンパンジー実験や鏡像認知能力などなど。 後半は…シャガが出てきたあたりから、ラノベ?という感想。筆者はパルクールを実際見学しその業界の取材もされているし、パルクールを否定するつもりはないのですが… ゲノム配列の突然変異とか…SFも混じるのか… 望とアンクのトラウマもアンクの傷も結局話の繋がりがよくわからない。それぞれの鏡像認知能力に繋げているんだろうけど想像の範疇。突然登場したパルクール駆使のシャガのゲルストマン症候群ももっと掘り下げて知りたかった。 でもアニメ化されそう。続編とかも出そう。

    0
    投稿日: 2019.12.07
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    珍しいタイプのパニックもの。未知のウィルスみたいな設定を持ち出すわけでもなく、ロジカルにアカデミックに原因を説明。読み終わったあとは鏡像認知を調べたくなるたず。

    0
    投稿日: 2019.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チンパンジーに関する研究、どこまでが本当なんだろうか。筆者はかなりの量の文献を参考にしているらしく、研究内容には信憑性を感じた。 登場人物がサイエンティストだし、物語も極秘研究が中心だから必然的にそうした内容が多くなる訳だが、物語が間延びすることなく、トンデモ科学という雰囲気もなく、非常に魅力的なものになっていた。 多少の矛盾は踏み潰してしまうような、良い意味での強引さもあった。

    0
    投稿日: 2019.11.20
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    “暴動”に至る原因に微妙に納得のいかないところもありますが、単に、謎のウイルスによる感染とか言うよりは、いいかな。新しい視点ですしね。実際には、この様な事が、突如発現するとも思わないんですけどね? 意外に分厚い本の上に、過去と今を行ったり来たりすると言う形式なのにも関わらず、話のテンポが良く、一気に読み終わってしまいました。 面白かったです。

    0
    投稿日: 2019.11.12
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    京都暴動。その帯の一文で手に取ってみた作品。 読んでみて、この発想に驚かされたし、 何より小難しい問題を取り扱った問題なのだが 陳腐な小難しい言葉で飾られることなく、 テンポよく読める文章と構成、買ってものの1日で読了してしまった。 なるほど、こういった展開がまだ残されていたかと。 読み進めていくごとに唸るばかりであった。 まさに傑作。久しぶりにこんな作品と出会えた。

    1
    投稿日: 2019.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暴動に至るまでの経緯が、物語中盤まで帰納的に語られていく。 その原因は、ごく一部の専門的な科学者でも無い限り、一概に理解できるものでは無い。きっと、物語の世界の人間でも。フィクションなところは置いといて。 いわゆらSF系小説は、理解しにくいキーワードなりが出てきても、突き抜け感、突拍子もない発想から物語に引き込まれていくが、この物語はもともとあいまいで未知である類人猿の進化を題材に扱っている分、自己鏡像認識という言葉を頼りに、なにか、曖昧に、理解が進まず話が進んでいく。(作中なんども、そのサポートはしてくれるため、何回か読めばそんなことはないかも) ただ、物語のテンポは小気味よく、講釈もうまくまとめられているため、飽きずに読み応えはある。

    0
    投稿日: 2019.10.26
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    鏡をテーマにAI、人の進化、DNAまで絡み合う読み応え十分なSF。自分の場合、現実味とのバランス間隔が気になり、そこまで熱くなれなかったので惜しい感じがした。非コード領域といえど、DNAが外的要因で急に増幅したりというのは、、

    1
    投稿日: 2019.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時系列のカットバックが細か過ぎて読み辛いなとか、主人公のキャラがイマイチ鼻につくし相方が欧米美人というのもステレオタイプ極まるとか、2026年の描写にしてはデヴァイスが古臭くないかとか、なんだか序盤は個人的なツッコミどころが多くてそればかり気になっていたが、肝心要のプロットそのものはとても出来が良く、また着想も間違いなく秀でていて、特に半ばを超えて終盤に差し掛かる頃には一時中断するのももどかしいほどにのめり込まされた。 大型類人猿の自己鏡像認識能力をキーとして、そこからアラームコール、StSat反復、言語の獲得、果ては人類の進化の道筋を辿る過去への旅…と縦横に拡散してゆく思考が純粋に面白く、またちょっとだけ怪しくなる部分もあるにはあるが、小説上の科学としての論理もギリギリ保っているように思われる。 どうにも哀し過ぎるアンクの最期、そして望の運命もまた。

    0
    投稿日: 2019.10.16
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    待望の文庫化! 少し内容が難しい所もあったが、内容はとても面白く、ページをめくる手が止まらなかった。 ラストは切なく、こういう感じのSFもあるんだなと思った。 私のおすすめしたい1冊になりました。

    0
    投稿日: 2019.10.16
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    ひさびさに面白い小説に出会えた。 これは映像化してほしい。 本当の人工知能は未来にではなく、過去にその答えがある...

    0
    投稿日: 2019.10.11
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    話の性質上、描写がだいぶエグいところもある。 途中で投げ出したくなったけど、中盤から最後迄は早かった。 そして、切ない。

    0
    投稿日: 2019.10.11
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    やっと文庫化!待ってました! 人類の起源やら主人公の過去のトラウマやら暴動やら鏡の歴史やら進化のトリガーやら何やらかんやら詰め込んであって、それでも消化不良起こさせず面白かった!と万歳させてくれる小説だった。 次はまたQJKJQみたいなミステリー系書いてくれると嬉しいなあ、とか。

    0
    投稿日: 2019.09.27
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    「2026年」という近未来に設定された作中世界で、驚くべき禍々しい事態が生じてしまうという、SF仕立てな要素も入った物語だ。休日に立寄った書店で「何?これ…」と首を傾げながら、何となく求めた一冊であったのだが、そういう偶然が非常に好かった。紐解き始めてみれば、頁を繰る手が停まらなくなってしまう… <京都暴動>(キョートライオット)という「ゾンビでも現れて大惨事が?!」という噂が飛び交うようになる禍々しい事態が発生している状況が伝えられ、中心視点人物達が現れ、件の禍々しい事態の少し前から物語が起こり、出来事の舞台となる研究機関が立ち上げられて行く様子や、中心的視点人物の近い過去や遠い過去が明かされ、やがて禍々しい事態そのものの推移も描かれ、そして事態の収束後へと進む。少し「凝った構成??」というように思った。近未来の設定で、「そんな道具?今は無い?」という、少し先に実用化されるかもしれないようなモノの描写が些か在るのだが、「数年先」のようなことなので、全般に「現在…今年の或る日…」というような感覚ではある。 SF仕立てな要素を採り入れた、禍々しい事態の謎を解くという感じの軸に、色々な要素が絡まる。禍々しい事態の中での冒険譚のような調子でありながらも、随所に昨今の様々な事象を風刺しているかのような雰囲気も漂う。そして主要視点人物ということになる鈴木望やケイティ・メレンデスが「過去」を振り返るような場面では、何やら「人生」とか「自身が自身である理由」を考えるような面が在るのだが、全般としてはフィクション要素も入れた霊長類研究で、人間が自身や他の人間を認識するということや、言語を持つに至ったということのような「私達の根源」を考えるような面が在る。 何か、読後に深い余韻が残るような気がする小説…御薦め!!

    0
    投稿日: 2019.09.25