転生者の男爵令嬢は出てくるが、主人公のルルリーアはそうではない。が、これがとんでもない天然、お転婆、引き寄せ体質の強烈なお嬢様。その親友の美少女令嬢サラも化けもん臭い。そこへ我が道を行く騎士団長が絡んで大騒動。テンポがよくて痛快。

主人公ルルリーア視点で、劣等生ではあるが平凡な伯爵令嬢が婚約破棄騒動に巻き込まれるストーリーだが…。 他者視点だとなんかやたらとトラブルを拾って来る規格外令嬢。 親友と云われる伯爵令嬢サラも何やら得体がしれない感じで、騎士団長ライオネルを始め人外クラスの登場人物だらけ。

いかにも乙女ゲームな世界で、ヒロインでも悪役令嬢でも転生者でもない主人公ルルリーア。 本来ならただの脇役であったろう彼女が、攻略対象であろうイケメンたちの注目を浴びるようになるという展開自体は乙女ゲーム小説的だが、キャラたちのノリがなぜか熱血系だったり。 空気を読まない主人公以外のところでは、けっこう深刻な話のようだが、そこは今のところほんのちらっとしか出てこない。 世界設定は陳腐な感じもするが、キャラクターがみんな妙な方向に濃いので、だんだんクセになるというか、意外に面白い読後感。