
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
45歳独身の水樹が大好きな服飾の仕事を失いそうになり、その道に進むきっかけになる高校時代の恩師を訪ね、過去を振り返る。 水樹の子ども時代は懐かしく尊い思い出でもあるが、苦しんだ記憶でもある。貧しさといじめは幼い彼女ではどうすることもできないことだった。ただそこにはいつも信也がいた。体育祭のリレーの場面、カメムシの場面、自転車にイタズラされる場面など、どの過去を見ても優しい信也がいるから、それを思い出している水樹と同じ目線で熱い想いを持ちながら読める。 現在と過去を行き来しながら物語は進むが、過去にはいつも信也がいて、現在にはいない。この構造は読者に時の残酷さを刻む。どんな人の中にも同じように過去の大切な人が多かれ少なかれいるはずで、読みながらその人達のことを懐かしく思い出すことになる。あの頃の甘い思い出も、苦い思い出も共に共有できたこと、そのこと自体が自分とその人だけの宝物である。覚えていてくれているといいな、なんて考えてしまうこと誰にでもあるだろう。 高校時代の恩師である遠子先生のように、多少強引でもその人の将来のことを考えて全力でサポートできるような人になりたい。嫌われてもいいという覚悟で。
8投稿日: 2026.02.05
powered by ブクログ小さい頃の話とかちょっと自分と重なる部分もあったりして なかなか痛いというか苦しいというか だけどところどころ優しくて最後は今読めてよかったなと思った。
1投稿日: 2026.01.26
powered by ブクログ生い立ち 環境 親 先生 友だち お金 理解者 教育 職業 たくさんのものが その人をつくる。 今の自分は 自分だけの力ではなくつくられてきたんだなぁと。 描写が素晴らしく言葉が的確で 重くて熱く 愛に溢れた小説。
2投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログ仕事さがしの話かと最初に思ってたがそういう感じの本ではなかった、けど、おもしろかったし感動した リレーのバトンつなぎや、手紙などがよかった
1投稿日: 2026.01.22
powered by ブクログやるせなさやもどかしさや辛さや居心地の悪さや…そんなものを感じながら読み進むうちに、じわじわと未来へ続く善いものが感じられ、温かい気持ちになりました。一気に読み切りました。読んでよかった。
1投稿日: 2026.01.18
powered by ブクログ生まれた家の環境が良いとは言えず、学校でもはじかれたり。きつい環境の中でも誰を恨むでもなく受け入れてどうにか生きていく水樹の強さに心打たれました。 正浩がただただ残念ですがタイプの違う信也が体を張って悠也や水樹を守っていくのがいい。 皆やりたいことをやっていくという意味では あの時の苦労も報われていくようで、心が温まります。 恩師に感謝ですね。
8投稿日: 2025.12.22
powered by ブクログ読了後にじんわり心が温かくなるのを感じてます。 水樹の向こうに自分の子供の頃が思い出される。 連絡先は知ってるけど、きっと連絡することはない幼なじみは今ごろどうしてるだろうかと何度も思いました。 水樹、信也、慶吾、悠人、どうしようもない環境の苦しさにどれほど辛く逃げ出したかっただろう。 しかしもがきながらも一筋の心の柱はブレる事なく成長していく様に見えない力をもらえた気がする。 物語に大きなうねりはない。 でも静かに心に響きました。
21投稿日: 2025.12.16
powered by ブクログ再読。 裕福とは言えない生活、ヤングケアラー、いじめなど逆境に負けず前を向き必死に生きて、自分の居場所を掴み取っている姿に感動しました。人生に少しだけ希望を持てるような気がします。 信也の水樹を思う気持ちにもこころが苦しくなりました。サドルをわざと外して水樹を励ましていたと知った時はやられました。「ミは水樹のミ」ってすごく愛おしい歌詞ですね。 手のひらの音符というタイトルが心に沁みます。
2投稿日: 2025.12.16
powered by ブクログ読んで良かったです。 私の子どもには発達障害がありますが、子どもを悠人に重ね、信也を親である私に重ねて読んでいました。 信也が悠人を大切に大切にして撒いてきた種(愛情)が、悠人の未来を作りました。 私も発達障害の子どもを育てるのは心が折れそうになることがありますが、信也と悠人、水樹の関係性を心にずっとおいて、未来を信じて生きていこうと思いました。 本当に素敵な本でした。
13投稿日: 2025.12.11
powered by ブクログ『金の角持つ子どもたち』以来の藤岡さん。『金の角持つ子どもたち』も一生忘れない本になって、これから時々読み返すだろうなと思ってたけど、、、超えてきました。私としては『手のひらの音符』の方がささった。主人公が同年代の女性ってのもあるかもしれないけど、不器用な子達が一生懸命大人になっていった姿に感動しました。図書館で借りたけど、買って手元におきたい本。 京都旅行に持って行ってんだけど、舞台が京都でビックリ。
14投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログ45歳。自分の来し方と行く先を 見つめる。 長年続けてきた服飾デザインの仕事が、突然事業閉鎖に。 女子トークから始まり、軽い内容かと思いきや、主人公水樹の人生は幼少期から甘いものではなかった。 幼い頃、貧しい団地生活の中、同じ団地に住む正浩、信也、悠人の3兄弟とは、家族同然に過ごしてきた。 同級生の憲吾、恩師の遠子との再会をきっかけに、27年間の空白を経て、水樹は信也と再会する。信也のことが好きだという気持ちをしっかりと自覚して。 その再会の場面は描かれず、読者にラストは委ねられる。 結果がどうであれ、 自分の過去、周りの人達の過去、 今の自分、将来の自分、これだけしっかり 深く理解できていたら、それだけで十分だと思った。 藤岡陽子さんの経歴が、生きてきた年月が、小説を作り上げているんだな。 45歳。人生の折り返し地点。自分の人生の終わりも見えてくる。水樹の気持ち、手に取るようにわかる。その歳になって初めて自分の親の気持ちや状況が理解できたりする。 心に強く響いたフレーズ (記憶を頼りにしてるので正確ではない) 1、人は3つの層からできている。 生まれついた性格、環境で形成される性格、努力して身につけた人格。 2.リレーのバトンは気持ちをつなぐんだ。 3.人にはそれぞれの戦い方があるんだ。 小説として、現在から過去に遡り、また現在に戻る構成が良かった。 登場人物、ひとりひとりの輪郭が際立っていて、ドラマのように情景が浮かんだ。 文学部出身、記者、司法事務、タンザニア留学、看護師、と様々な経験に裏打ちられた。無駄のないリアルな筆致が良い。 今、藤岡陽子さんブームであと4冊積んである。楽しみ。大好きな作家さんだ。
17投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ出会いは鮮明に覚えているのに、別れはいつの間にかで後から気付く。 人と会ってその時が最後なんて考えもしない。 世の中はそんな別れが多くて、むしろお互い最後だとわかる別れはほんのひと握りだと感じた。 最後がいつ来るかわからないからこそ、人との出会いや家族、友人を大切にしたいと思った。
1投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ子どもの頃の友達の家族のことって、どのくらい知っていただろう。ほとんど全く知らないのが普通じゃないだろうか。中学生になってから知り合った異性の同級生なら、なおさら。 登場人物のそれぞれは、一見おしゃれな女子だったりイケメンだったりスポーツマンだったりするのだけど、それぞれが家族に何か背負っていて。 正浩くん、ええ子すぎる… そして、小学生が自分たちと違う子を見つけた時のえげつなさ… 高校生の恩師のありがたさ… いつも藤岡陽子さんの本の中に勇気付けられる言葉を拾うのだけど、 ドッジボールでボールを受けられずに怯えるせいでいじめられる弟の悠人に正浩が言う台詞。ボールを受けなくていいから、相手を見ながら走って逃げろ。 『これが悠人の闘い方や。人によって闘い方はそれぞれ違うんや。だから、自分の闘い方を探して実行したらええねん』 その言葉が、弟たちと水樹の人生を後年切り開いていく。
1投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログそれぞれが苦しくても必死に前を向き進んでいくまたたまに立ち止まりそうになっても友達が助けてくれるそんな青春時代や大人になってからの苦悩などを丁寧に描いていて私もじんわり心があったかくなるような作品でした
1投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ昭和の時代、京都の団地で育った幼なじみたちの人生。 貧しくても淡々とそれを受け止めて生きている。 夢なんて考えたこともない。生きるのに精いっぱいだから… でも、誰かが気づいてくれたら。背中を押してくれたら。話を聞いてくれたら。そこからの人生は全然違うものになる可能性がある。そんな誰かに出会えるかどうかが運命の分かれ道なのだろう。 登場人物がみな、苦しい現実の中でも前を向いて進もうとする姿に感動した。良い本に出会えてよかった。
4投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログやっぱり天職がある人は強い。本筋とは関係ないが、「センスは才能だけじゃない」という言葉に少し救われた。悲しみや苦しみの中から光が見える終わり方でよかったなと思う。
0投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログまだバブル前の昭和の時代。貧乏やその他の問題や、色々と生きづらい中で子供達は多くを望むことを諦めて行く。 でもそんな中、手を差し伸べてくれる大人や友人、大切な人。人間は如何に人に助けられて生きているかを思い出させてくれる。 遠く離れてしまっていても、本当に大切な人は何処かで繋がってるんやなぁ。
2投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ樹木に比べれば人の人生なんて短い。 「いまこの瞬間にある本当の心を大切にしなければ、なんのために生きているのかわからなくなってしまう」 本当の心を大切にして、それが叶わなくても後悔はしない。 水樹と信也はやむを得ない事情で遠回りしたが、いつまでも自分の中の真実を大切にしていた。そして家族を護り続けた。それだけにクライマックスが嬉しい。水樹が旧友との再会で、自分のやりたいことを投げ出さなかったことも嬉しい。 人はこれが最後の別れになると気付かずに出会いと別れを繰り返す。 ずっとこの時間が続くという錯覚を取り払って生活しなくては。そんな思いが強まった。
98投稿日: 2025.04.04
powered by ブクログ初読みの作家さん。 アパレル業に勤める水樹の会社が、突然服飾関係の撤退に。 水樹がアパレル界へ進むきっかけとなった高校時代の回想シーンと共に物語が展開していく。 家庭の問題で思うようにいかない時に支えてくれた遠子先生。 友人やその兄弟との温かくも切ない関係。 今や日本の製品は海外工場での格安な製品に取って代わられ、コストのかかる国産の商品が消えつつあるご時世。 でも私たちが「日本は負け」の意識を持ってしまうと、後世にもそのバトンを引き継いでしまう事になる。 遠子先生の遺した「自分の本当の気持ちを大切にすること」を、私も忘れずにいなくてはと感じた。
3投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログいろいろな状況に置かれたそれぞれの人生がある。 過去に囚われて前に進めなかったり、家族に縛られて思うように身動きできなかったり。 それでも時は止まることなく刻まれる。 そんな1人の女性を取り巻くヒューマンドラマなんだと思う。 初めて手に取った作者の作品 心が温かくなる1冊だった
2投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログ家族と夢中になれるものがテーマの一冊。なんか朝ドラみたいだった。 過去を丁寧に振り返りながら、ヒロインが奮闘していく、幼なじみや家族も一緒に頑張る部分が共通しているのかも。 私も水樹みたいに人生をかけて夢中になれるものがほしい。そう強く思った。
2投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログ最初から最後まで、しみじみと泣けます。大人になっても、昔好きだった人を思い続ける物語。家族を愛し、他人を受け入れる大切さを説く。藤岡さんが描く、受容性のある京都もまた魅力。素晴らしい小説です。
27投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログ再読 「きのうのオレンジ」読了後、同じ作家さんの作品が本棚にあることに気がつき読み直した。 テーマはやはり「家族」。 子供のころの家族との大切な思い出(とても辛く苦しいことが多いけれど)を胸に未来へと歩む彼らが、どうか明るくあたたかな光りに溢れますように。
2投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログ人生って色々 水樹、信也、憲吾 それぞれが生きてきた人生を知るにつれて、その人が抱えているものはわからないのもだなと気づかせてくれた 著者の作品は、物語りに引き込まれて一気に読んでいた
2投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ不自然に、強引に、感動話を無理やり組み立ててるようで、途中からしらけてしまった。 完璧な小学生を作り出しては事故で死なせたり、、、 似たようなリレーのエピソードとか、、、
3投稿日: 2025.02.10
powered by ブクログやさしくて、つよいひとが出てくる小説。 要領よくいきたくなる毎日やけど、そうじゃなくて心の清潔さというか人の本質に目を向けて生きていきたいなと思える話だった。
3投稿日: 2025.01.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
以前読んだのを読み直した。人の人生って色々あるよね。色々あるけど、めげずに頑張ろうと思える作品。これ読むと私は子供の時のほほんと暮らしてたなぁと思う。
3投稿日: 2024.12.21
powered by ブクログ藤岡陽子さんの作品はじわじわと読み手の心を揺さぶっていく力があると思う。何気ない登場人物のことばだったり置かれている状況に共感を覚えて所々懐かしさを感じる。
11投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ泣きそうになった〜。感動ポイントを簡潔に書こうとするとチープになってしまいそうだからあえて書かないけど本当に良かった。
5投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ最近、藤岡陽子さんにはまりつつある笑 今回は『手のひらの音符』 現在進行形の今を時間軸の主軸として、過去を回想する物語は多いが、本作は過去の回想が主軸になっている。 デザイナーとして働き方の転機に立たされている水樹が、恩師の入院見舞いに帰省したのをキッカケに、過去の記憶が甦る。 裕福とは言えないながらも団地で支え合って 生きてきた幼少期 とりわけ幼馴染の森嶋三兄弟のこと。 連絡が途絶えてしまった過去への回想から、 恩師に背中を押してもらった進路の選択。 複雑な家庭環境を抱えながら懸命に生きてきた さなかの大切な人との死別。 物語の背景には苛めや発達障害、貧富の差といった問題が見え隠れする。 自立して大人になった今から過去を回想することは、否応なく社会が小さくなっていくため家族との深かった濃度を想起させる。そして、水樹の中で確かにそこにあったものが、再び意思を持って動き出す。 派手さはないけれど、ただそこにあるありふれた日常だからこそ、共感ポイントが多い作品だった。 タイトル『手のひらの音符』の意味が読後しっとりと胸に広がる。 ただ、何度か目頭が熱くなったが、肝心なシーンの描写が省略されて場面切替されることが多く、欲しがりな私には少し物足りなさを感じた。 これは読者の豊かな感受性で想像して下さいってことなのか?いっそのこと涙腺崩壊する位に心を揺さぶって欲しいんですが・・・ というわけで消化不良のため星4だったが、とても心温かく勇気付けられる作品だった。
31投稿日: 2024.09.09
powered by ブクログ服飾業界のこと、発達障害のこと、バブルくらいの不安定な経済状況など様々な要素が含まれているのに、混乱することなく読了後にすっきりとする素晴らしい小説だと思います。登場人物みんな共通して、うまくいかなくても諦めずに歩みを進めるという姿勢が感じられ、自分もがんばろうと思えるお話でした。
9投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ題名から想像していた内容ではなかったけれど、逆にこんな素敵な題名をつけられることが凄い。 幼馴染って永遠の憧れ
5投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログ再読。数年前書店で「良い小説は読むと幸せな気分になれます!こんな素晴らしい小説めったにお目にかかれません!」という帯に惹かれて購読したのが前回。 今回は藤岡陽子先生の作品として認識した上で読ませていただきました。 現在から幼少期への邂逅。 運命のガチャに翻弄されながら懸命に生きていこうとする主人公と幼馴染がお互い大切に思う気持ちが満ちていく時間に、欠けてしまった時の長さが合わさる様に描かれてます。 再読なので、読んでいくうちにところどころ思い出したりもしましたが、前回の読了時より藤岡作品を読んできた今回の方が心に沁みました。 帯に書いてある通りです。 本当に素敵な小説でした。
71投稿日: 2024.07.05
powered by ブクログ藤岡陽子さん、最近ちょこちょこと読んでいましたが、とても好きです。 服飾系産業の未来だったり、団地の付き合いだったり、発達障害とその兄弟についてだったり、色んな要素が入っているけどスッキリしていて、なんとなくずっと色の濃い青春の香りがするようなお話。 親がそこまで子どもに時間をかけられない家庭の方が兄弟仲は良い気がする。 "ミは水樹のミ"なんて、誰かの支えになれるような人生、憧れる。
138投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログ大好きな藤岡陽子さんの大好きな作品。時々、読み返したくなる。 決して明るいストーリーではないのに、いつもとても心に響き、励まされ、温かい気持ちになる。そして、自分の生き方と未来を考えさせられる。
5投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログ「人にはそれぞれの闘い方がある」って 良い言葉だなぁ。 ただの綺麗ごとではなく 真摯に生きるって大事だし そう信じたい。
2投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログとても爽やかな感じのするお話しでした。 子供時分の辛い思い出と現在が上手く繋がっていて、この後どう展開するのかと物語に引き込まれました。
3投稿日: 2024.06.04
powered by ブクログ人生の頑張り方を教えてくれる、そんな素敵な本でした。 毎度、藤岡先生のお話は温かい気持ちになるなと思いました。 しかし前回読んだ本も服飾関係のお話で読了感も似ていたので、読むタイミングを間違えたな思いました。とはいえ、藤岡先生の作品を読んだ事がない人にはおすすめします。
4投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログ藤岡陽子さんの作品を手に取るのは初めて。ブクログの諸先輩から啓発されることは多々ありますが、藤岡さんとの出会いも皆さんのおかげです。 アパレル業界でデザイナーをしている45歳、独身の女性が職を失いそうになるところから物語は始まります。 日本におけるアパレル業界の、バブル時代から現在に至るまでの厳しい状況を背景にストーリーはスタートしました。 主人公は旧友からの突然の知らせで高校の恩師が病床にあることを知り京都まで見舞いに行くことになる。そこから一気に幼少期から高校を卒業する頃までの回想により、主人公の人生を振り返ることになります。一気に昭和の時代へタイムスリップするかのようでした。 回想の中心となる時代はバブルの前後。場所は京都の東向島が中心。時代や場所が私自身の経験と少しだけ近いこともあり、なんとなく懐かしい感じがしてくる(私は大阪人でしたが)。藤岡さんの描かれる当時の風景や人の感情がリアルに迫ってきました。一箇所、感情移入しすぎて先が読めなくなってしまった部分もあり、決して明るく温かいだけの作品ではありませんでしたが、それは藤岡さんの筆力なのかもしれません。 最後の方は一気読み。少し心が前向きになりエンディング。 私には「手のひらの音符」という作品名が繊細にしなやかに伝わってくるような読後感が残りました。 藤岡さんの別の作品にもトライしてみます。
40投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログ藤岡陽子さんの作品を読んだのは、本書『手のひらの音符』が初めてですが、大好きな作家さんとなりました。 これからも、藤岡さんの作品を読み進めることは間違いありません。 そう思わせるほど、本書はただ面白いだけではなく(読み始めてから、ほぼノンストップで読み終えました)、共感できることや深く感銘を受けること、更に、考えさせられることが丁寧に描かれており、とても心に残る作品でした。 物語としては、主人公の水樹と信也(同じ団地に住む幼馴染で、保育園から高校まで同じ)の関係が主ですが、それぞれの家族や同級生、高校の恩師も含めた様々な出来事が、仕事上の悩みを抱えている45歳になった現在の水樹の視点から、過去に遡って展開されていきます。 とりわけ、「粋」という表現がピッタリな信也(の生き方)と、そんな信也を、(高校卒業から27年間音信不通であったにも関わらず)ずっと想っていた水樹には心打たれ、二人に幸あれと願わない読者はいないでしょう。 *ドは努力のド、レは練習のレ、ミは水樹のミ という信也が作った歌詞がまたいいですね! 信也の水樹への想いが溢れていますし、 『手のひらの音符』というタイトルが響きます。 最後に、本書の解説が、残念ながら昨年鬼籍に入られた「北上次郎」さんであったことは予期せぬ喜びでした。 また、その中で、本書が藤岡さんのベスト(2016年7月時点)であると書かれていたことは、我が意を得たりでした。
37投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めての藤岡陽子さんの本。 どんな話か知らずに読み始めました。回想シーンはちょっと重くて辛くなる内容だったが、とても読みやすい文章で続きが気になり、久しぶりに夜更かしして一気読みしました。 最後はハッピーエンドでよかった!ハッピーエンドの小説は、ご都合主義的な展開も多いが、このお話はご都合主義感はなく、それも良かったです。
4投稿日: 2024.04.23
powered by ブクログ藤岡さんの作品はやっぱりいいです。 人間像の厚みがすごくて、あっという間に引き込まれ、あっという間に読了してしまいました。 服飾デザイナーとして頑張ってきた水樹が 勤める会社の服飾系撤退と大きな岐路に立たされ これからの人生に思い悩んでいる時 学生の頃のクラスメイト堂林からの連絡が、 故郷を思わせ、 子供の頃の回想に入っていくのですが、 子供の頃、いろいろな苦労を背負いながら 必死に、助け合って過ごしている 水樹とその兄 徹 それから信也の兄の正浩、弟の悠人が貧しいながらもその環境の中で 濃く強く生きていく様子に何度も何度も 心震わせ、暗い気持ちにもなりました。 後半は、 それぞれの強い思いや彼らに関わり後押した大人たちに励まされ夢に向かう姿や、辛かった過去があったからこその人生に救われる思いがしました。 夢は、育った環境によって諦めることなく、 遠回りしても向かって行くことで近くなっていくものだなぁと あらためて思いました。 素敵なお話でした。
34投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ団地に住む兄弟たち、水樹と徹、正浩と信也と悠人。その描き方が昭和の懐かしい感じだなぁと思いながら読み進む。それぞれの人生は決して楽では無く、辛く厳しく悩みも多かったのだろう、それでも頑張って生き抜いてきた主人公たちの成長に心を打たれ感動した。 こんなに純粋な気持ちで人と接することが無かったなあとか、いろいろなことに対して一途な気持ちが大事だとか。自分の人生も振り返って考えたくなるような気持ちになった。
13投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログ図書室で見つけ何気なく手に取った本。回想シーンで共感できるところもあれば、物語自体が最終的などう行き着くのか楽しみな気持ちもあり、最後まで一気に読み進められた。家族、恋愛、仕事、進路に悩み奮闘する人たちに読んでほしい作品です。
3投稿日: 2024.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物それぞれの生き様に、心が震わされた。 一つ一つのエピソードを、じっくりと読み返して噛み締めてみたくなる作品だった。 出会えて嬉しい。 学生の頃、弟がいじめられている現場に遭遇し、兄として弟を守った信也。 年下に手を上げたら犯罪だと自分勝手な大人たちが詰め寄ったとき、自分の為に側で一緒に戦ってくれた水樹を、どんなに心強く感じただろう。 その時の気持ちのまま、信也が変わらず水樹を思っていてくれたらと、願わずにはいられない。
4投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログ読むのが苦しくなってしまうような場面もありましたが 遠回りでも、人とは違うルートだとしても 辿り着く未来があるということが散りばめられている作品だなと思いました。
3投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログなぜ今まで自分のアンテナに藤岡陽子は引っかかってこなかったのか?そのことを真剣に反省したくなるほどの筆力だった。圧倒的だ。 真実は常に更新され、本当の善も悪も単純ではない。 娘の進路変更に伴う母の思いは涙腺が決壊した。そして、登場人物が一筋縄では括れず、唸らせられる。 服飾業界を巡って、理想と現実、諦めと情熱の葛藤の描き方も見事だ。
2投稿日: 2024.02.26
powered by ブクログ「金の角持つ子供たち」ですっかりファンになってしまった藤岡さん! 次はどれを読もうかとかと迷いながら手にした一冊! すごい!すごく良かった! 瀬尾水樹、45歳独身、大切に愛してきたデザイナーという仕事を手離さなければならないのか…そんな中自分の恩師の入院の知らせが…お見舞いの為帰省する水樹に幼少期からの懐かしく温かい記憶が蘇る。 小さい頃から見えない絆でずっとお互いを思い合ってきた水樹と信也がなんとも切なく素敵で温かい! 離れていてもずっとお互いの気持ちの中で大切にしてきた記憶、想い…繋がっていた事に心が鷲掴みされた。 会えなくても離れていてもずっと大切に思える人…素敵だなぁ。 ますます藤岡陽子さんのファンになってしまった! 他の小説も、もっと読もう!
19投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログ「金の角持つ子供たち」でこの作家に興味を持ち、私と同世代の働く女性が主人公なので選んだこちら。 現在進行形の物語と、幼少期から高校卒業までの回想が繰り返されて、2つの物語が同時進行している感覚で、どうなるのかが気になり、一気に読み終えてしまった。 辛いことの多かった幼少期だけれど、温かさも懐かしさもあり惹き込まれる語り口で、ますます藤岡陽子さんの他の本も読みたくなった。
3投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログ藤岡陽子さんの本にはいつも温かさを感じます。じんと心に残る言葉が素直にすーーっと身体に沁みてきます。人と人とが触れ合ってどうやって優しさを伝え合っていくのか、そしてお互いが支え合って生きているんだなってヒントを与えてくれます。おすすめです。
4投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ藤岡陽子さんの小説はいつも私の琴線に触れるんです。同じ団地で家族のように育った瀬尾兄妹と森嶋三兄弟。末っ子の悠人をいじめっ子から守る次男信也。悠人がいなくなったと聞き必死に探す長男正浩。この2つの場面が泣けて泣けて…。そして、居場所がわからなくなっていた信也の事をずっと心の中で待ち続けていた瀬尾水樹。水樹の恩師である遠子先生や同級生だった憲吾など水樹と信也を良く知る人たちにも色々なドラマがあって中身が濃いですね。大人になった悠人にも胸が熱くなりました。 諦めない気持ちって大事ですね。境遇とか年齢を気にしてやりたい事を諦めようとしている人たちには特に読んで欲しい小説です。
8投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログ家族愛、友情、恋愛、いろんな関係がもつれ合いながら昔の感情をふりかえる。 思い出には気持ちも絡んでいて今を動かすこともできるんだな。 人の言葉や言動が自分に与えるプラスになることは大切にしよう、!
3投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ藤岡陽子さん 初読み。 本トモ(本のレビューする友人)さんが何人もオススメされていた。評価のよかった作品はなくて、こちらを取ってみた。 バブル期に団地住まいだった女性の半生。 デザイナーとしてやってきたが、40代半ばで会社の業績によりファッション分野から撤退すると告げられる… なかなかの苦労人で、子どものころは団地住まい、父はギャンブル、蒸発…。 彼女の現在と楽しくも悲しかった子ども時代の記憶が交互に語られる。 子ども時代になんとなく気がついた、道を挟んだ向こうは戸建ての裕福な暮らし。こちら側の団地は狭く、生活する人もなにか訳ありそうな、、。 幼なじみだった信也たち三兄弟。この家庭も父親が亡くなり生活に苦労する。 そういう世帯同士が助け合う時代だった。 (ざっくりネタバレあります) 女性の仕事や生き方がテーマかと思いきや、なかなかに詰めこみすぎた作品だった。 女性の仕事、昔の貧困生活、周囲から浮く子ども(今でいう発達障害)、子どものイジメ、ヤングケアラー、身内の死、恩師との出会い、、 半分以上が幼なじみや同級生との過去の話で、現在の時間が進まないのがもどかしい。 てんこ盛りな話もうまく纏めているけれど、もう少し膨らみがほしい(仕事の話のほうがサブ話題だった)。 子どもの頃の辛い立場から大人になったら自立して、 水樹、信也、悠人(信也の弟)が各自でそれなりの道を開いている(一種の成功?勝ち組?になっている)のも出来すぎ…な気がする、、 …辛口になってしまったが、少し後の時代を同じような境遇で生きてきた者には、夢物語だよね〜と思えてしまった。 どれだけ心の支えになった人でも、自分から積極的に連絡を取らなくては音信不通になってしまう。 心にずっと引っかかっていても、行動を起こさなければ大切な人は思い出のなかのまま… それを痛感させるラストは素敵だった。
16投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログすごく感動。事実上のクビ宣告されてしまったデザイナーが主人公なので、ファッション業界のお仕事モノかと思いきや、全くそうではなくてヒューマンドラマ系。泣きそうになる場面が多々ある。
2投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログ主人公の水樹は勤め先の事業の撤退により、人生の見つめ直しを始める。 何故自分はデザイナーになったのか。 それを辿ると幼馴染との思い出や教師の言葉に繋がる。 「自分自身の闘い方で勝つ」幼馴染の兄はそう教えてくれた。 「気持ちは周りに伝染する。自分の順位は関係なく、ただ全力でバトンを繋げ。」幼馴染はそう周りを鼓舞していた。 物語に散りばめられた、一人ひとりの言葉や考え方が心に染みる物語。
2投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログ大切なもの大切な時間を思い出した時にまだ手が届くのであれば幸せです。 いいかげんにしていたわけではないけれども気がついた時はもう遠い過去の事になり終わってしまったでは悲しい。 この小説のようにもう一度自分が大切にしていた場所や人達に再会出来たら大変な日々もまた頑張ろうと思えるのではないかと。 物語に出てくる皆が今何をしているのか続編、読んでみたいです。
23投稿日: 2023.10.21
powered by ブクログ最後は一気に読みたくなります。 自分の人生に色濃く影響を与えてくれた大切な人たちの中にも今はなんとなく疎遠になってしまっている人たちがいます。 会わない時間が長い人ほど連絡が取りづらくなってしまう気持ちがとても身に染みました。 それでも、わたしは自分の想いや感謝の気持ちはきちんと会って伝えたいと思います。 今年に入ってからは、ずっと会いたいと思っていた人たちに偶然会える機会に恵まれています。 自分の本当の気持ちに正直に生きてよいことを優しく肯定してくれる作品です。
2投稿日: 2023.10.11
powered by ブクログ高度成長期の昭和の時代に、主人公と主要の登場人物が幼い頃、団地に住んでいた頃の回想を織り交ぜながら、自分の奥底に眠る真なる思いを引き出していく45歳の女性のお話し。私自身も生まれてから高校を卒業するまで団地で暮らしていたので、自分の過去もフラッシュバックしました。世間体や年齢等で自分が本当に思っている事って分からないままでいる事が多いけど、この作品を読んでもう一度自分に問うてみようと思いました。好きな事を仕事にできるのって覚悟がいるけど、素晴らしい!幼なじみとの関係も胸が熱くなるものがありました。
3投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログ著者初読み。かなり好みの著者に出会いました。感動、大河、そして、え〜〜!という謎解き。激しいけど優しい筆致。読後感最高!この著者、ファンになりました。
1投稿日: 2023.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多くのブグ友さんが絶賛していたので、お取り寄せ。自分では探しきれなかった本でした。ありがとうございます! 医療に関して詳しいなと思っていたら看護師の資格もお持ちとのこと。 うっかり夜中に手をつけて一気に最後まで読んでしまい、頭が冴えて眠れなくなってしまった。貧困、事故、いじめ、暴力、闘病生活など逆境のてんこ盛りなのはどうかも思ったが、登場人物が魅力的なのと、文体に惹きつけられた。登場人物たちの言葉足らずで損な役回りが多すぎて、背中を押したくなったりつっこみを入れながら、どこで救いの手が現れるのかとお預けが長い状態。高校生の時にハギレを縫い合わせて水樹が作った服はきっと素敵。文中に示された『手捺染』という伝統技法を調べてみた。素敵! https://journal.thebecos.com/nassen-syokunin/ 特質を活かした仕事をしている悠人への、「胸の前で手を合わせ、音を出さずに拍手』、私も一緒にしてみた。水樹の企画と健吾の立ち上げた工場の将来、信也のレース展開、願いがかないますように。
25投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログいわた書店の1万円企画で届いた小説。 きっかけがあって自分の人生を振り返って前に進んでいく話。 色んな登場人物の色んな背景が詰め込みまくられてるのでお腹いっぱいにはなるけどハッピーエンドなのでよし
0投稿日: 2023.08.18
powered by ブクログ音楽に関係あるのかなと思ったら アレ?? 人と人との心の繋がりが微妙に絡み合っていて、でも思いやりの気持ちは大切に描かれていて切ない気持ちになりました。でも、皆が目標に向かって進めたようでよかったです。
0投稿日: 2023.08.17
powered by ブクログ表紙やタイトルから 音楽物かと思って手に取ったが いい意味で裏切られた。 音楽関係ない! でもとてもいい読後感。 団地でともに育った主人公と もう一つの家族。 昭和の時代の懐かしい風景も思い浮かぶ。 昔はこんなかんじだったなと思わせる。 解説にもあったみたいに お仕事小説になるのかと思わせる流れも少しあったけど その部分もおもしろかったし 家族や生き方を描いていて 胸を打つセリフもいくつか。
0投稿日: 2023.08.14
powered by ブクログ古本屋で、5冊100円とかいう訳のわからないセールをしていたので買った小説 よかった。 こんな出会いがあるから、古本屋さんはやめられない。 何度か泣きそうになった。 登場人物は全員好きやしかっこよかった。 読みやすさも含めて、もっとみんなに知られててもいいんじゃないかと思うくらい、個人的に好きな話 いろんな背景を抱えつつも、登場人物全員が、爽やかに前向きに生きてる感じが好き
0投稿日: 2023.08.09
powered by ブクログデザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物語! これが本当の幼なじみだろうなぁ~と思えるいい話だった。にやけるような未来も欲しかったがこの物足りなさが良いのか。
4投稿日: 2023.07.27
powered by ブクログ初読みの作家さん。 読み始めてすぐに、あれ?ここ? すぐ近くの地域がモデルになってて、小説というよりドキュメンタリーを追っている気持ちで一気読みしました。
0投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログ貧しさや障害を抱えながらも幼馴染の三兄弟と明るく生きた子ども時代。仕事に打ち込んだ20-30代。仕事の危機と共に過去に改めて立ち戻り、新たに出会う40代。せつなさ、悲しさと、優しい希望を感じるお話でした。過去に向き合って乗り越えることが、自分にはできているのかな。
1投稿日: 2023.07.05
powered by ブクログ1万円選書で出会った本。風景の描写が美しかった。サドルのはなしがぐっとくる。 最近、いろいろ○歳だから、、と自分に勝手に制限をかけてしまいがちだが、そんなことはせず、自分の思うままに自分の人生を満喫したいと思った。
2投稿日: 2023.06.28
powered by ブクログ幼なじみの3兄弟と主人公の兄妹が幼少期から40代になるまでの話。 すっかり感情移入してしまって、どっぷり浸かってしまった。面白い。 最近、こういうストーリーの本をよく読んでる気がする。そしていつも思うのが、「もっとコミュニケーションを取れば良いのに」 でもそれがもどかしく、いいスパイスになって物語が面白くなってるんだからしょうがない。 いつも「自分の時はしっかりコミュニケーションを取ろう」と思って読み終わるけど、しばらくすると忘れます。
143投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログ頭の中で想像しながら読んでいると、グレーがかったり水色になったり、オレンジになったりとすごく感情が移ろいで行く本だなと思いました。 ちょっと最初、私には読みづらい著者さんかなと思ったけど、どんどんと汲み込まれました。 登場人物の人となりがすぐに伝わり、心を打たれる人生観を持っている人が多く読んでいてあたたかく、その人の強さを感じられる本です。 「生まれながらに持っている性質。そして、その性質に、環境や経験が影響して性格を作る。さらに年を重ねていくと、性格を人格で覆うことができるようになる。人格は、学びながら獲得していく。」 と書かれているところがありますが、その一貫の流れがよく書かれていると思います。 何気なく毎日を過ごしているけど、そこに何か大事なものがあると気づかせてくれた大切な本になりました。
6投稿日: 2023.06.14
powered by ブクログなんだかんだ、幼馴染みにの絆みたいなものって、普通の友達とはちょっと違うのかなって、主人公を応援したくなりました。あたたかい作品。
8投稿日: 2023.06.14
powered by ブクログ久しぶりの一般小説。堪能しました。何度も目頭が熱くなって、何だ、歳のせいか? ということも度々あったよ。いい小説でした。
3投稿日: 2023.06.09
powered by ブクログ幼いころ特有の不安定さと、色々な経験をして俯瞰した大人になり現実を受け入れてしまっている様が交互に絶妙に描かれてて引き込まれた 振り返れば小中高生って何かしらの漠然とした不安を常に抱えてたしいま思えば何に悩んでたんやろ?て思うけどあの時はあの時ですごい必死やったなあ あれ、これ私だけなんかな 昨日これ読み始めて散歩した以外はほぼずっとこの本の前におってんけど就寝時間が過ぎたころにクライマックスが始まりかけてしまい泣く泣く寝て今日にまわしました なにも予定がなくただ1冊の本をゆっくり読み切れる日がたまにあればそれだけでしあわせやし よ〜く周りを見て歩けば意外と誰かに手入れされたきれいな花があってそれもかなりしあわせなことやねえ、とおもいました
6投稿日: 2023.05.17
powered by ブクログ感じることも沢山あるし、読後感もすごく良い。読む人によって印象に残るシーンが違う気がしました。個人的には父とのエピソードが好きでした。「諦めるって気持ちは、周りの人間に伝染するんだ」という言葉も素敵!
1投稿日: 2023.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大人になって振り返ると 自分が子どもだったときの環境がどうだったか 客観的に分かるけれど 子どもにはその世界が全てだから そこで生きていくしかないし そもそもいいも悪いも考えることも あまりない 主人公は決して恵まれた生活環境であったわけではないが それなりに楽しく過ごし 大人になった それまでに出会った大切な人たちと また会える機会を得たことで 自分を変えることができるのだろう 過去が現在の自分を形成していることを思うと いずれ過去となる現在を 大切に生きたい
9投稿日: 2023.03.18
powered by ブクログ決して幸せいっぱい、順風満帆ではなかった幼少期から10代、母に背中を押され飛び出した東京での自分の人生。 でも心の中には子供時代を支え合った幼なじみとその兄弟がずっといた。幼なじみの輪郭を確かめるように過去を回想し、自分の気持ちを確かめていく。 純愛、家族、人と人との繋がりの物語。 泣きました。
2投稿日: 2023.03.16
powered by ブクログ現在と過去を行き来しながら進む、デザイナーの水樹と幼馴染みの兄弟の物語。 それぞれにつらい過去を過ごして離れ離れになりながらも、お互いが想い合っていて、再会できて本当によかった。
1投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログ何でこの人の作品は、こんなに切なくて愛おしくて、それでいて温かいんだろうか。 みんな子供の頃の真っ直ぐさを持ち続けて、しっかりと今を生きようとしている。 自分も頑張らなくてはと思うと同時に、人間捨てたもんじゃないと思える。 色んな意味で自分の人生を見つめ直させられるわ。
0投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
P117 ドはどりょくのド、レはれんしゅうのレ、ミはみずきのミ、ファはファイトのファ... そこに水樹が入るのは、すごくいい。 そこから一気に物語に引き込まれる。題名からして、音楽の話かなと思った。この歌が出てくるころには、あ...音楽の話じゃない。これは後からどういう風に生きてくるんだ?とドキドキしながら読み進める。 P307 どんなに遅れてもいいから全力で走ってこい。半周遅れでも一周遅れでもいい。必死に走ってバトンを渡せ、って。そしたら自分も全力で走れるから。 (中略) バトンを渡した先に何があるかは分からない、諦めるな。受けとる側にとってはバトンをもらう順位よりも、どんな気持ちでそのバトンが渡されたか、その方が重要なんだって。 P322 「だって彼しかいなかったから」 「お父さんしかいなかった」 お父さんを選んだ自分の人生に後悔はしていない 最後に、父親を受け入れた母親も長男の、なんで?って思ったら、お母さんが受け入れたからなんだね。そしてお父さんはお母さんを見つけったって、そう思える娘も素敵。 p323 虚しいというのは何も為さないことではなくって、幸せな時間を生きてきたと思えないことだから。 (中略) 他人からすれば不完全な人生だと思えるかもしれないけれど、私にとってはこれよりほかにない人生だったの。 そう思える人生を歩みたい。 最後に遠子先生が、 「だから、瀬尾さんも、自分の本当の気持ちを大切にすること」 といったことで、この物語のすべてなんじゃないかとすら思えてくる。 P330 諦めない心の先に何かがあるかもしれない
4投稿日: 2022.12.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大きく見ると恋愛ものなのかもしれないけどほとんどは人間ドラマ。 京都とか東京が舞台で、アパレルにまつわる話だけど、ほとんどは人間ドラマ。 昔の、子どもから見た日本の雰囲気がすごく懐かしくて。 自分も団地っ子だったそういえば。 貧しさや家庭環境アピールの小説って最近めっきり読んでなかったから、 実際その頃(70~80年代かな?)ってそういう人達が今よりもずっと多かったんだろうなと考えさせられた。 バブルに家族や周りが翻弄されたりとか、 学生の時にバブルで華やかなバイトをしたりとか、 郷愁に駆られる方々多そう。 この言い回し好き。 「いつも遊んでいた児童公園は、両手にすっぽりと収まりそうなくらい小さく感じられ、遊んでも遊んでも満足することのなかった当時の膨らんだ気持ちを、この公園が包みきっていたことが信じられない。」 この台詞シビレタ。 「(陸上のリレーで)諦めるって気持ちは、周りの人間に伝染するんだ。(中略)バトンを渡した先に何があるかはわからない、諦めるな。受け取る側にとっては、バトンをもらう時の順位よりも、どんな気持ちでそのバトンが渡されたか、その方が重要なんだって」 「(中略)今の日本は、昔のような右肩上がりの状態ではないかもしれない。でもだからといっておれたちの世代が走ることをやめると、次の世代はもう走る気を完全になくすんじゃないか。」 ホントそう。マジでそう。 自分がロスジェネだからって上の世代や時代のせいにしてやる気無くしたら下の世代に悪影響!
8投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
京都弁や岡山弁?で語られてる部分が好き。 子供時代の5人をもっと沢山観ていたいと思った。 そのせいか、先生と憲吾の関係にはちょっと違和感。 けどラスト、会えて本当に良かった!
5投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログ主人公・水樹は、29歳の時ファストファッションを目指し始めた会社を辞して、デザイナーとして今の服飾メーカーに転職した。十六年を経て、会社が服飾から撤退すると告げられる。 未婚の彼女は、これからを考える。そんな時、高校の同級生から、恩師の病気の連絡が入る。久しぶりに帰郷した彼女は、高校から幼少期まで思い出を遡っていく。 ここに至るまで、彼女を支えてくれた友人達。貧しく生活するだけで精一杯だった団地生活。そこで助け合っていた同級生家族。何故か連絡先さえわからない彼ら。 過去の思い出の中に、今が描かれていきます。 辛い記憶が多くても、今の拠り所となる過去。 子供は時間をかけて大人になる、そう言った少年達が、時間をかけて築いたものに感銘します。45歳は、まだこれからね。
53投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログ初作家さんです。 楽しかったこと、苦しかったこと、友達を傷つけたかもしれないこと。幼馴染は元気かな?...自分の学生時代ことをたくさん思い出させてくれる作品でした。 辛い出来事も多かったけれど、ラストは感動でした。長い間想い続けられる人がいるっていいな。 感動より、辛い出来事の方が多く印象に残ってしまったところが、個人的に少しマイナス点でした。
8投稿日: 2022.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネタバレも含みますので、ご注意を。 主人公は40すぎの瀬尾水樹。東京で服飾デザイナーとして働くも、その服飾部門から手を引くと社長に告げられる。 ちょうどその頃、高校3年のときの同級生、憲吾から連絡があり、担任だった先生が体調を悪くされ、もしかしたら来年まで持たないと。 京都で過ごした高校まで。小学生の時の近所の兄弟と遊んだこと。その兄弟たちの思い出。 入院中の先生との会話と、今の水樹の進路を決めてくれた先生との思い出。 主人公は母親が内職でバービー人形の服を作っていたため、それを手伝うことから自分の服を作ったりして服飾に興味もつも、高校を卒業したらすぐに就職しないといけない。それを、服飾に興味あるなら専門学校で専門的な事を身に着けて就職すればいいと勧めてくれる。 憲吾は現在京都の呉服産業で培った技術を生かして新しいことを始められないか考えている。 それを水樹に手助けしてほしいと。 そこから水樹が自分で立ち上がっていく様子と、ずっと会えなかった近所の兄弟との再会。 ラストのシーンは印象的でした。
3投稿日: 2022.08.28
powered by ブクログ2人のピュアで一途な思いが すれ違ったり重なったりして 切なくて、もどかしかった 自分をずっと支えてくれる幼馴染とか 憧れるなぁって思った どんな環境で育ったとしても 自分が情熱を持って取り組めるなにかを見つけた人って かっこいいなと思う 自分は自分の戦い方を見つけていきたい
2投稿日: 2022.08.26
powered by ブクログ東京で夢を叶えてデザイナーとして働く瀬尾水樹は 高校時代の恩師が病気との連絡を受けて地元である 京都に帰郷する。 余命幾ばくもない恩師、連絡をくれた学級委員長憲吾との再会。 懐かしい記憶に思いを馳せる水樹には忘れられない幼馴染の三兄弟がいて… いつも一緒だったあの頃の思い出にもう。゚(゚´ω`゚)゚。 最近ユルユルの涙腺ですがホント切ない。 先が気になって読む手も止まらず寝不足です。 藤岡陽子さんの作品は切ないけど必ずハッピーエンドってわかってるけど(/ _ ; ) 皆んなよく頑張ったね! わたしも頑張るよ〜! そんな素敵な作品でした(^ ^)
18投稿日: 2022.08.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて読む作家さんでしたが、すごく良かった。途中からうるうるしっぱなしで、ラストシーンの手紙を読んで、分かってはいるのに涙腺崩壊。 主人公と、同じ団地に住んでいた森嶋三兄弟のエピソードを中心に過去と現在のシーンが入れ替わり立ち替わり出てくるのだが、読みづらくなく、スッと頭に入ってくる。 信也は、これが最後の会話になるかもしれないと分かっていて、水樹にシューズ入れの直しを頼んだんだなとか、東京の専門学校まで水樹に会いに行ったのに、自分とは別世界の煌びやかな人たちを見て会う勇気がなくなってしまうところとか、年を重ねるごとに、自分は会いたいって思ってるけど相手は迷惑かもしれないって思いが強くなるところとか、切なすぎて、共感できて、胸が痛くなった。 水樹は専門学校で自分に想いを寄せてくれる圭とのエピソードがすごく好き。圭の真っ直ぐで誠実な人柄が好きすぎる。自分をこんなに好きになってくれる人を好きになれないなんて、自分はどうかしている。って思う水樹もばかまじめで好き。 人の人生は短く、離ればなれになったり一生会えなくなったりするかもしれない。何が起こるかわからないのだから、今、この瞬間の本当の気持ちを大切にしなくてはいけない。そう思った。
3投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログ主人公は仕事が大好きな45歳独身で自分から見るとまだ先の未来の話だし感情移入しにくいと不安に思ったが過去の回想シーンで幼い頃から現代までの水樹の生きてきた環境や出会いにすぐに身近な存在のように読みいってしまった。 そして読み進めていくうちに最初は水樹と同じように仕方がないとかしょうがないとか諦めがちな気持ちだったが登場人物たちに自分自身が励ませるような自然と勇気をもらえる、自信が出るような気持ちになりました。 一途さと勇気と前向きさを思い出したい人には是非読んでほしいと思います!
0投稿日: 2022.06.16
powered by ブクログストーリー自体に起伏は乏しく、どちらかというと地味な話だ。なのに、なぜ、ずっと目が潤みっぱなしなのだろう。始めから終わりまで温シップのようにじんわりと心に来るものがあった。上京し仕事一筋の45歳女性、水樹はある日恩師の入院を同級生から知らされる。お見舞いへと故郷に帰る道中、昔の自分を思い出す。水樹の現在と過去の回想録。自分が何に感動しているのかうまく言えない。時代背景は自分の一回りぐらい上なのだがノスタルジーを感じられるところなのだろうか。エピソードの一つ一つが沁みる。人の数だけ人生あり。良作でした。
5投稿日: 2022.06.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文章は読みやすいし、それぞれ魅力のある登場人物が出てくる。 けど、せっかくの魅力ある人達なのに貧乏、交通事故、病死、精神疾患、発達障害、いじめ、夜逃げって設定が乗ってくるせいで途中うんざりしてしまった。フラグ立てすぎだし、そのくせ最後まとまるのも何だかなーで全く感動できず。
0投稿日: 2022.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初ページめくってざっと目を通して、アパレル系だ!楽しそう!と思ってなんの前情報もなく読み始めたら最終的にはアパレル系とかではなく、もっともっと深い、人との繋がりのお話でした。真也も瑞希も悠ちゃんも正浩も徹もみんな好きだなぁ。最後真也と再会してからもっと二人の関係を見ていたかった!
0投稿日: 2022.06.03
powered by ブクログ幼い頃の事を思い出す時の、心がぎゅっとなる感覚を思い出した。 選べない家庭環境の中で、それでも幼なじみ同士支え合いながら過ごす子供達が健気で何度も切なくなった。 弟がいじめられた時、いじめた子供の親達に信也が囲まれたシーン。弟を必死に守る信也の強さに感動した。 大人になって少しでも報われることがあって欲しいと願いながら読みました。
0投稿日: 2022.05.21
powered by ブクログ「デザイナーの水樹は」という背表紙にある紹介文の文頭を見て、「都会のキャリアを積んだ女性が自分探しをする話」と勝手に思い込んでいたら嬉しい裏切りで深く面白かった。困難を抱える家庭に暮らす幼なじみ同士が互いに思いやりながら成長し、離れて…。 ヤングケアラーの問題も絡みながら、沢山の困難があるけど前を向いていける読後感。
6投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ人生、無駄なことはないんだ。この本を読んで思ったこと。恵まれない家庭環境も、悲しいすれ違いも、偶然の出会いも、みんなみんな。生まれつきの障害や愛する人の死さえも生きる力になり得る。人は思ったより強いものだ。人生最後の時に、いい人生だったと思えればそれが何より幸せ。それを目標にしようと思った。この本に出会えて良かった。
4投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ作品についても著者についても全く知らなかった。ノーチェックだった・・・。職場のパートさんが貸してくれて、いつも通りお昼休みに読みだして、これはいけないと思った。泣くやつやん、と。 もっと人気になっていい作品だと思った。名作やん、と思った。え?有名なのかしら?私が知らなかっただけ? 「昔、好きだった人のことを、”今、どうしてるんだろう”と思い出す人へ!!」みたいなキャッチコピーだったけれど、そんな浅い物語じゃない。もっと幾重にも層が重なるよるな物語だった。 40代独身の水樹は、デザイナーとして働く会社で、服飾業から撤退することを知らされ、そこから物語が動いていく。今と過去を行き来する形で話が進んでいくのだけれど、昔のところはもうずっと胸が締め付けられる思いで読んだ。なんならずっと泣いたり、目に涙をためて読んでいたような気がする。 昭和(と括り付けたら少し乱暴だろうか)の時代ならではの団地の雰囲気、住むところで貧富の差が明確にわかってしまうようなあの感じ、わかるようでわからないけど、なんとなく、「あぁ、そんな時代だったな」と思ってしまうような懐かしさがあった。今の若い子には伝わらないであろう懐かしさ。バブルがはじけるってそういうことだったのか、と少しわかった気がする。 団地で育った水樹は、ひとつ下の階に住む森嶋三兄弟とともに幼少期を過ごしていたのだけれど、ひとつひとつのエピソードが臨場感にあふれ、人間の機微が素晴らしく丁寧に描かれている。著者の素晴らしい筆力のせいか、重厚な物語のせいか、水樹の過去の経験ひとつひとつに、なんて素晴らしい子たちなんだろうと、辛さ哀しさの中でも胸が熱くなった。実際、彼らの発する言葉は素晴らしいものばかりだった。正浩にしろ、信也にしろ、憲吾にしろ、彼らの年齢の時に、私はこんな言葉を発せられるほどの人間だったか、彼らのような行動をとれるほどの人間だったか、と情けなく思うほど。幼少期の苦労はその人を厚くすると思う。苦労なんてできればしたくないと思ってしまうけれど、人は苦労や悲観からその人格が厚く豊かなものになっていくのだと思った。 水樹たちの恩師、遠子先生もよかった。 あんなにお世話になったのに、あんなに親しくしていたのに、今は疎遠になってしまった、という経験は誰しもが持っていると思う、ある程度の年齢になれば。人生そんなもんとも思うし、運命のようなものがあるのであればまた会えるんじゃないかと思ったりもする。疎遠になったことにも訳があるのだろうとさえ思う。それでも、ふと思い出してしまうもので、それにしても水樹のこれは重くて。悪い意味ではなく、重く深くて。 たくさんの種類の感動がある作品だった。登場人物の諦めない姿勢にも、それぞれの戦い方にも、勇気をもらえた。もっともっとたくさんの人に知ってもらいたいと思う作品だった。
20投稿日: 2022.04.20
powered by ブクログ主人公の水樹は45歳で自分の職を失うかもしれないという岐路に立たされる。 45歳という年齢は私にとって遠いようで近い。 たからこそ、今読めてよかったと思う。 現代と過去の記憶が交錯するように物語が進んでいく。 水樹が住む団地は決して裕福な家庭が住むようなところではないけれど、家族ぐるみの付き合いのある幼馴染の森嶋家との関係はかけがえのないものだった。三兄弟それぞれに個性的で、家族想いで、お互いを守ろうとする芯の強さ。それでも突然会えなくなる日がやってくる。 過去の記憶が自分を支えてくれることは本当にたくさんあるけれど、水樹の場合、現在進行形で好きなものへの想いを絶やすことがなかったから、ずっと忘れなかったから、こんな結末に出逢えたのだと思う。
0投稿日: 2022.04.15
powered by ブクログ最後の方、読むのが止められなくて寝るのも惜しまず最後まで一気に読んだ。 読んだ後、電気を消して枕に頭を沈めると、涙が後から後から出てきて枕を濡らした。 余韻を噛みしめながら眠りについた。至福なとき。 なんとなくもっと軽いポップな恋愛モノかと思いきや、人生のひきこもごも、いろんなことが詰まった素晴らしい小説だった。 人生には自分にはどうしようもない問題に直面するけど、腐らず諦めず真摯に向き合い頑張ろうと思えた。その思いが次の世代につながっていくんだな。
12投稿日: 2022.04.04
powered by ブクログ初めてこの人の作品を読む。 45歳になった主人公水樹の半生をたどる物語。 東京でデザイナーとして働いてきた瀬尾水樹。 ところが、会社の方針で、アパレル部門から撤退し、身の振り方を考えなくてはならない立場に陥る。 高校の同級生、堂林憲吾からの連絡で、高3の担任だった遠子先生の見舞いに、故郷の京都に帰ったことをきっかけに、過去を振り返っていく。 同じ団地の森嶋家の三人の男の子たち。 水樹と兄の徹5人で、兄弟のように、支えあって過ごしてきた。 主人公はおそらく、昭和40年代前半に生まれた世代かな。 自分の幼時に体験した雰囲気を思わせて、ちょっと懐かしくなった。 それぞれの人物の状況は険しい。 瀬尾家も、森嶋家も、裕福ではない。 バブルでも恩恵を受けるというより、振り回され、割を食う立場に置かれた人々。 ギャンブル狂いの夫を持つ君子は、内職をしながら必死に水樹と兄の徹を育てている。 そんな母を見て育つ水樹には、進学なんて考えることもできない。 森嶋家も、父が病でなくなる。 父の代わりに家族を支えている、人柄もすぐれた長男正浩は、大人になることなく交通事故で死ぬ。 能力にも容姿にも人柄にも恵まれた憲吾も、実は父から見捨てられた精神病の母をたった一人で支えている。 こうした人々の生活を、丁寧に描いていく。 自分には、とてもリアリティを感じられる。 40代半ばに差し掛かった彼ら、彼女を、作者はあたたかく遇しているように感じられる。 その年齢でも、新しい試みを始めていこうとする憲吾と水樹を応援したくなってくる。 特に、水樹の母、君子がいい。 水樹は、経済的事情から進学を最初からあきらめ、母に相談することもしない。 君子は夢や希望を追うなど考えもできない状況で生きてきた人ながら、娘を励まして道を開いてやろうとする。 そして、上京する娘を誇らしく思っている。 担任の遠子先生といい、こうやって人を後押ししてあげられる人がいて、心が温かくなる。
1投稿日: 2022.04.03
powered by ブクログどんな人も皆心の内に抱えてるものがある。それを抱えてつつも自分の信じる道を歩んでいく…というストーリー。 不条理なことも多く辛くなる小説だが、登場人物たちが現実にしがみついて精一杯生きようとする様は心にどっしりきた。
2投稿日: 2022.03.17
powered by ブクログ人と人の繋がりとエピソードが面白く お互いが思い合っていた時代あって それはずっと続いている 温かい物語に引き込まれました。
2投稿日: 2022.02.24
