
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本推理作家協会短編部門受賞作。日常の中で起きるミステリだけれど、最初にヒントがあるが、最後までなかなか本筋が見えない、卓越した面白さで楽しい。 「迷い箱」 前科があるために生活ができない人を受け入れる施設を開いている設楽結子と、利用者の一人碓井の話。 無骨で律儀な碓井の就職が決まらない、結子はいつもの頼みごとに少し気がとがめながら、幼馴染の工場に世話する。 盗癖があり、その上ごみあさりが趣味の佐藤は拾ってきたテレビを碓井の餞別代りにする。この佐藤、脇役だが味がある。部屋に溜め込んでいるごみに耐えかねて結子は佐藤に言う。「とにかく、部屋を今すぐ片付けるの」「分かりましたよ。・・・・でもなぁ」「何よ」「いざ捨てるとなると、なんかもったいなくて、決心がつかないんですよね」すると、いきなり碓井が口を開いた。 「この前、社長が言っていた。捨てるのに迷ったら、迷い箱に入れる。そしたら五.六日で捨てられる」 碓井は終業時から後に二三日不審な行動をして、川に飛び込んだ。 どこをうろついてなぜ死んだか。 彼が服役することになった罪の重みも悲しい。 「迷い箱」という言葉に象徴されるような、碓井の生き方と、結子という名前まで何かを意図したような、暖かい話がいい 「899」 消防士が恋した女性の家が延焼している。そこには赤ん坊がいたはず。赤ん坊を育てながら働いている彼女は、子供を家においてあっただろうか。 相棒の笠間と跳び込んだ育児室には、隅々まで見たが赤ん坊の姿はなかった。どの部屋にも気配がなかった が、笠間が思いがけなく、いなかったはずの赤ん坊を救助してくる。笠間は男の子をなくして、それが大きな心の傷になっていた。彼は炊事当番の日、辛口好きの消防士たちに甘いカレーを作る。笠間が赤ん坊を救出した経緯、相棒になった恋する消防士の心理や、周りの消防士とのつながりも暖かい、結末はなんだかほろりとする。秀逸のミステリ。 「傍聞き」 母子家庭の母、羽角啓子と、娘の葉月との心理戦というか、親子喧嘩がそもそも話のメインで、面白い。 啓子は刑事である。仕事から帰る途中だった、なぜか近所のうちが騒がしい。「イアキ」に会ったというのだ。人がいるのに盗みに入るのを「居空き」と言う。被害にあったのは独り暮らしの老女フサノの家で、苗字が啓子と同じ「羽角」だった。逃げていく男は目の下に大きな傷があったという。まさか自分が手錠をかけた男の横崎か?近所に居るとしたら、薄気味悪い。しかしフサノのことも気になる、老人の孤独死の現場に、三,四回は出向いているし。 また娘からのはがきが郵便受けに入っていた、親子はまたしてもバトル中。娘は言いたいことをはがきに書いて投函する。「時間差攻撃よ」 といっている。そして何日か無言のバトルが続く。 同じ苗字のおばあちゃんのところに間違って配達されたことがある。恥さらしである。「郵便屋さんが悪いのよ」「悪いのはあんたの字でしょう、番地の9を7みたいに書くから」娘は小さいころはフサノのうちで世話になっていたからイアキ事件はもっと心配してもいいはず。通り魔事件も起きて啓子の仕事は忙しいのだ。 だが横崎が留置されて名指しで面会を求めているという。彼はそこで重大なことを伝える。それは「漏れ聞かせ」だったのか。タイミングよくというか僥倖に恵まれ、窃盗犯も逮捕される。 親子はまたもとの生活に戻ったが、まだ葉月のはがきはフサノを介して届いていた。啓子は思う、娘は「漏れ聞き効果を狙ったのだ」大雑把に言うけれど。読まなければ味わえない伏線、巧緻に張り巡らされた言葉の網が、「傍聞き」と言うテーマの通りキーワードになっている。 「迷走」 救急隊員の蓮川は救急要請で義父になる予定の室伏隊長と、初めで仕事をすることになった。 倒れたのは副検事の葛井だった。蓮川の婚約者で室伏の娘を、車椅子生活に追いやった車を運転していた検事。 受け入れ先はどこも医師が手一杯ですぐには空かず、走り続けている。乗っている葛井は命令口調で一人の医師を呼び出すように言う。葛井が不起訴になった事故、その事故の担当医師、ここにもつながりがあったのか。事故報告書に手加減を加えたのか。しかしその医師も出先のため役に立たず、車は走り続ける。 一度は病院の駐車場に近づきまた付近を走り回る。サイレンを鳴らして。 住民の苦情が届き始める。隊長はつないだままの携帯を蓮川に渡し、聞き続けるように命令する。患者の容態は少しずつ悪化している。病院から受け入れの連絡を受けた後もなぜ車は走り続けるのか。蓮川に音のない携帯を聞かせ続けるのは。 落ちは、すばらしい。 表題の「傍聞き」もいいが、この「迷走」を一位にしたい。トリックは思いもつかない方法で、新鮮だ。 すべて作品に、初期の段階で手がかりがある。情景描写だったり心理描写だったり、話の流れにうまく滑り込ませている。最後まで読んで、そうだったのか、と気持ちよい興奮を感じる。
1投稿日: 2026.02.09
powered by ブクログ短編ミステリーの名人だと思ってる長岡弘樹さんの名著。 日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞した表題作「傍聞き」を読みたくて購入しましたがもちろん他もよくて大満足の一冊です。 「傍聞き」という明確なタイトルなのにびっくりしてひっくり返るとか私アホなん?って思ったけど解説読んで有栖川有栖さんの選評の抜粋を読んで安心した!私がアホじゃなくて長岡さんが優れてるんだよね。良かったです笑 短編好きな方で未読の方はぜひ!
2投稿日: 2025.08.24
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救急、刑事、消防といった堅い職業の第一線で起こる、人情のやり取りにまつわる短編集。 全話とも「序盤にほのめかした些細なうんちくが事件解決の伏線になる」という展開で、統一感を感じる一方でやや単調な印象がある。ハッピーエンドながらどこか陰を持った話が多く、でもそれが人間味だといえるようにも思う。
1投稿日: 2025.05.23
powered by ブクログ人間ドラマも謎も素晴らしい。短い物語なのに、こんなにも濃密。これぞ、短編ミステリの醍醐味と言える作品集だった。 物語の要素が極限まで削ぎ落とされて洗練されており、とても読み易かった。 尚且つ、収録作のどれもが技巧を技巧と思わせない自然な筆致で書かれている。 はっきり「これが伏線だな」と分かっていても、騙されてしまうのが心地良かった。 お気に入りは「迷走」。 救急車内の緊迫感に手に汗握った。 「傍聞き」はシリーズ化されているみたいなので読んでみたいなと思った。
22投稿日: 2025.05.13
powered by ブクログ没入するのにページ数はいらない。 短いフレーズの連続に仕込まれた数々の断片が、時には予想外のピースとなって、小気味良いほどにはまっていく。 冷静な筆でサッと感情を揺さぶる短編ミステリーたちのおかげで、肩の凝らない読書となった。 ちょっとクセになりそうな予感がする。
2投稿日: 2025.04.23
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1話目の「迷走」だけどこかで読んでいた 救急車の話 「傍聞き」は警察。面白い。2つの謎。 「899」は消防士。トルクレンチを隠す 「迷い箱」は保護司 細かな伏線が多い印象。やはり表題作の出来がいい
1投稿日: 2024.12.24
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自分が捻くれているからなんだろうけど、どうしても「それはちがうんじゃないかい?」と納得ができない展開で。物語としてすごくいいんだと思うんだけどわたしの思慮不足ってことです。
0投稿日: 2024.12.11
powered by ブクログ主人公は電車通勤する おばさん刑事。 もうすぐ中学生になる 娘と二人暮らし。 この娘の菜月ちゃんが いい仕事します♪ コソ泥と娘とどっちが 大事なの?─ これ仕事で留守がちな 母親への抗議のようで 実は違うんです。 ヒントはタイトルにも なってる『傍聞き』 菜月ちゃんはその台詞 を本当は誰に聞かせた かったのか? 真意を知ったとき胸の 内にじんわり温かさが 広がる、 ハートウォーミングな お話です。 ところで世の夫はこの 技術を学んで妻に応用 すべしかな。 妻が聞耳をたてられる 距離で妻への褒め言葉 を友人や子どもに話す。 直接言われても嬉しい けど偶然聞こえた会話 のなかで褒められたら、 あ、本当にそう思って くれてるんだ♡となる。 わざとらしいのはダメ だし悪用も禁止ですよ (笑 前回読んだのは十年前。 あらためて読むとこの 作品よくできてますね。
104投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログ連作短編ではない4編の短編集。 1.迷走-救急隊員 2.傍聞き-女性刑事 3.866-消防士 4.迷い箱-更生保護施設 施設長 の人間ドラマを描いた作品です。 どの作品も人情味あふれ、何故かほっとする結末の話で読後感が良く非常に読みやすい作品です。 流石、短編小説の巧者が書かれただけの事はある内容でした。
1投稿日: 2024.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編はどの話もサクサク読めた。 ただ読んでいて、場面が切り替わる時がよく意味がわからないところがいくつかあり、何度か読み返した。 本の題名にもなってる「傍聞き」は内容も面白かった。 また本当にそれで終わったのかというゾクゾク感も残る。
0投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログ様々な職業を描いた短編集。職業人としての生き方の中で、派手な展開が無くてもそれぞれが胸に響く作品だった。「迷い箱」が良かった。
1投稿日: 2024.01.22
powered by ブクログ※ 迷走 傍聞き 899 迷い箱 以上短編4作 どの話も長さを感じさせない十分な読み応え。 いずれの話もテンポ良く話が進みながら、 そこかしこに自然な様子で緻密な伏線が 張られていて、長編小説ようなしっかりした 満足感を感じました。 『傍聞き』 刑事の羽角啓子と娘の菜月の続編(前編) 引き続に読んでいきたい物語。 『迷走』 作中の登場人物を含めて、一読者の自身も しっかり巻き込まれていく感が楽しかったです。
15投稿日: 2023.11.04
powered by ブクログ次回の読書会課題図書。 短編のミステリが4作、 表題作は08年日本推理作家協会賞短編部門受賞しているらしい。 短編ミステリは連作だと何作か読んだことがあったけど、完全単独の短編ミステリはあんまり読んだことなかったかも。 まず基本的に、めっちゃ読みやすい。 短編、しかもミステリだから謎の提示から読者が納得できるオチに至るまで、限られたページ数で書くのは凄くスキルがいることだろう。物語の背景をつらつら淡々と説明するわけでもなく、こちらの興味をひきながら自然に物語の世界へ導入する手腕、そしてそこここに散りばめられた伏線を短期間で回収していく構成力は本当に素晴らしいと思った。 ただ、個人的にはどの登場人物のことも好きになれなかった。 共感できないのもそうだけど、単純に、どの登場人物にたいしてもいい印象を持てなかったのだ。 特に「899」の主人公とその同僚。 あとは表題「傍聞き」の主人公の娘。 1番最初の「迷走」の義父もそうだな。 ある程度はしょうがないけど、 ちょっとその人たちの「行動」が、 物語に起きる「謎」のためにですよね感が強すぎて、 そんな回りくどいスタンドプレー現実にする人、いる?? でもまあ小説だしな…とも思いながら、 ただひたすら読みながらイライラした。 そして構成やアイデアは凄いな、と思うけど、結果的にはあまり好きじゃなかったな、という感想に落ち着く。 やっぱり自分の好みの傾向としては、テクニックやアイデア重視が不自然に目についてしまう短編より、登場人物に共感したり、親しみがわいてくる連作短編や、じっくり気長く物語を読ませる長編のほうなんだろうなと思った。 …まあ今後もっと凄い短編に出会えたら、この傾向も変わるかもしれんけど。
1投稿日: 2023.10.29
powered by ブクログ短編とはいえ、ミステリーの要素だけでなくどの話も人と人との物語もあり短い中にと読み応えのある内容だった。
1投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんとなくノスタルジーを感じるような短編集でした。心理描写も巧みで消防の話は意識しない人間の嫌なところが出ていると思いました。
1投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログどんどん悪い方に考えてしまう心情と、 多くは語らないけれど、しっかりとした想いに基づいた行動のすれ違い。 そこが繋がったときに生まれる納得感。 ミステリであり、人情小説。なるほどなと思いました。
2投稿日: 2023.08.24
powered by ブクログ短編4作品収録 作品それぞれに職業の異なる人が主人公 短編だけどいずれも中身の濃い内容で楽しめました
14投稿日: 2023.05.08
powered by ブクログまさに“現場”で戦う人間のドラマという作品で、どの話もボリューム感とストーリーの重量感が程良かった。ただどのエピソードも同じ世界観の短編集だったため、4つのエピソードを通しての伏線回収を期待しながら読んでしまったのは失敗だった。 「迷走」が1番好きだった。★5。 最後の「迷い箱」は伏線の振りが丁寧すぎて話の半分あたりで真相が読めてしまい、もう少し雑にしても良かったのではと感じた。途中から、主人公の勘の悪さがなんだか作者の意図的な感じがしてモヤモヤしてしまった。
2投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログ短編集の中で、かなり面白いほうだと思いました。展開の予想ができないなか、最後に伏線が回収されていく様はスッキリします。最後はスッキリ、ほっこりした気持ちで読み終えることができる良いお話でした。
3投稿日: 2023.04.18
powered by ブクログ今まで読んできた短編の中でもかなり面白い部類に入りました。 最小限のページ数なのに伏線が綺麗に回収されまくっていて、読んでいて気持ちよかったです。
3投稿日: 2023.04.17
powered by ブクログミステリー短編4話 どの話も最後はほっこりした気持ちで終われる イヤじゃないミステリー 特に「傍聞き」は、短い話なのに、いくつも謎ポイントが出てきて、最後には全部すっきり回収される 仕事人間の母とだいぶしっかりした娘のキャラクターとその2人の関係性も好き 読みやすいのに軽すぎない 暗い気持ちにもならない 安心して読める一冊でした
3投稿日: 2023.03.25
powered by ブクログ傍聞き(かたえぎき) かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。 確かに、直接聞くより効果あるかも? 例えが間違ってるかもしれんけど、本人に直接褒めるのも良いけど、それより周りの人に言って、また聞きする方がより嬉しい(説得力がある) ここでは、女刑事さんの娘が、その手法を利用する。でも、こんなの娘から言われるとツラい。 狙いが違ったとこにあるのが分かった瞬間、ホッとする。 何も殺人事件だけが、刑事の仕事ではないからね。 この作品をメインに、自分を犠牲にしても他人を助ける職業の人(消防士とか)のミステリー4編! なかなか、読み易く面白い(^_^)v
51投稿日: 2023.01.27
powered by ブクログ何かで紹介されていた。賞を受賞しているということなので、読んでみた。「教場」の著者だということを後で知った。 警察や消防などの仕事に就いている人たちが主人公の短編集。他の登場人物の不可解な行動の謎が解き明かされるというミステリー要素がある。 まずは、警察や消防の職員が自宅近くに配属されるのは有り得ないので、近所で起きた事件を捜査するとか、近所の火事を消火に行くとかが違和感があり過ぎて、話に入り込めない。どの話も大した謎でもないし、短編で話は拡がらないし、イマイチだった。
3投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
4つの短編で構成されるミステリー。どの作品にも僅かな謎や違和感が散りばめられており、それらの要素を回収しながら、でも終わりでは(イヤミスのようではなく)少しほっとさせてくれるストーリー。 【迷走】 救急隊員隊長の室伏と、同じチームの隊員蓮井が主人公。蓮井の婚約相手かつ室伏の娘を車で撥ねた加害者の元検察官が刺傷を負い、彼を病院に搬送するというのが全体の流れだが、室伏の謎の言動と行動により、なかなか病院に送り届けることができない。ここまでで「私怨に取りつかれた救急隊員」という嫌な筋書きを最初は想像したが、「携帯電話を耳にあてながらサイレン音を鳴らし続ける」という行動から室伏の狙いとオチが少し読めたのは良かった。 怨恨や個人的感情、更には病院の規則や規定を抜きに、何よりも人の命を優先するという芯の強さに心打たれる作品。 【傍聞き】 タイトルの傍聞きがテーマとなる物語であり表題作。 主人公は女刑事の羽角啓子だが、娘の菜月も物語の重要な担い手である。 話は近所の老婆宅で起きた空き巣事件から始まる。しかし、同時期に発生していた通り魔殺人事件を連日担当していた啓子は、心身共に消耗した状態が続いていた。加えて娘の不可解な言動に悩まされる日々が続く。 話が進む中で、実は空き巣事件の容疑者が、我が家に危害をもたらしかねない人間であったことがわかり、読み手もハラハラさせられる展開となるのだが、こちらはあっさりと解決。 意外だったのは娘の不可解な言動に隠された意図であり、遠回しながら一人の老婆を労ろうとする純粋な心持ちに涙腺が緩んだ。 結果的にほっこりハッピーエンドで終わったのはいいが、未解決のままである通り魔事件のことを考えてしまうのは野暮かもしれない。 【899】 消防士として働く諸上が物語の語り手。 諸上は隣家のシングルマザーである新村に恋心を抱いていたが、なかなか一歩を踏み出すことができない。 そんな中、新村の隣家の老人が火事を起こし、諸上は同僚の笠間•石崎と共に消火活動及び延焼した新村宅に取り残されてしまった新村の一人娘あいりの救出に奔走する、というのが大まかな流れ。 しかし、諸上は自分が惚れている女の生活臭やそれによる雑念によってあいりの捜索に手こずり、結果同僚である笠間によってあいりは救出される形となる。 仕事に私情を挟んでしまったことを諸上は心から悔やむのだが、諸上があいりを発見することができなかったのには理由があった。 当然、あいりを救出した笠間が物語の大きなキーとなっている。しかし、彼の犯した過ち自体が自分の身の回りに起きた悲劇や、無責任な親に対する怒りというある種の信念から生まれた行動であることがなんとも皮肉で責めがたい。自分が諸上の立場でも彼の味方になることができたかどうか、とてもわからない。 【迷い箱】 迷い箱とは造語で、捨てるかどうか迷っているものを一時的にとっておく箱のこと。この迷い箱の解釈が物語の大きな鍵になっている。 更生保護施設の施設長を務めている設楽結子が主人公。 結子は刑務所から出てきた元受刑者の身寄りを一時保護し、更生や就職に向けた支援をするための活動を続けていた。しかし、変わらない元受刑者の素行等に嫌気が差し、半ば職を辞める覚悟をしていたところだった。 作中には碓井という過失致死罪に問われた元受刑者(かつキーパーソン)が登場するのだが、この碓井がテレビを使い、テレビに映っていた主人公を心の中という迷い箱に留めようとしていたのが印象的であった。自分の行動に意味を見いだせずいた主人公も、ちゃんと元受刑者の心に寄り添えていたのである。そこから彼女がこれからも仕事を続けていこうという決心をしたところで物語は幕を閉じる。 巻末作品にふさわしい、主人公の新たな出発を予期させる爽やかな終わり方だった。
1投稿日: 2022.10.17
powered by ブクログ短編集であるが、ミステリーの面白さが詰め込まれており面白かった。特に最後の『迷走』では隊長である室伏の行動の不可解に何の意味があるのかが気になりスピード感が増した。
0投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
4編共に中々奥深い展開からなされている。最後に大きなどんでん返しはないものの序盤からのちょっとした引っかかりをしっかり回収してくれる展開はさすがだと思う。 他の作品も読み進めて、もう少しこの作者の事を知っていきたいと思う。
0投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログ2008年に日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作含む4編収録の短編集。 それぞれの作品に登場する人物の職業はバラバラ。救急隊員、女性刑事とその娘、消防士、元受刑者。どの作品も不可解な行動が描かれているが、その行動にはそれぞれに奥深いドラマがあって心地よい読後感を残す。ミステリーではあるが、それ以上に人間ドラマが印象に残る作品集である。
0投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログずっと前から気にはなってたけど短編ということで敬遠してた一冊。横山秀夫的なのを予想してたけど全く違って、主人公も警官や消防士など様々で、それぞれキャラクターが見事に魅力的。というか短く削ぎ落とした文章の中で魅力を感じさせる技術がすごい。 やっぱり長編が読みたくなるな。3.9
0投稿日: 2022.05.21
powered by ブクログどの作品も完成度の高いミステリー短編。表題作はもちろん、『迷走』も伏線回収の妙が光る。短編であるからこそ、全ての描写に無駄がない。サラッと読めるがそれ以上の満足感だった。
0投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログ救急隊員、刑事、消防士、更生保護施設職員。主人公は人命に関わる職業。予想のつかない展開。余韻を残す終わり方。 迷走:救急車の不可解な迷走/傍聞き:漏れ聞き効果を最大限利用した警察小説/899=要救助者
7投稿日: 2022.02.02
powered by ブクログ期待して読んだせいか自分にはあまり合わない印象で終わった。特殊の職業を垣間見えたという点では面白かったけど想像力が必要で難しい描写もあった。
1投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログ『プロフェッショナルだって、人間だもの』 救急隊員、刑事、消防士、更生保護施設長を主人公にした4編の短編集。それぞれ、その道のプロだが、プロ意識と人としての弱さの葛藤の中で、難題を解決していく。長岡さん初読みだったが、人情溢れるミステリーに惹き込まれた!
1投稿日: 2021.11.13
powered by ブクログ職業柄か、各編の主人公皆真面目だ。 巻頭作と表題作はミステリとしても楽しめたし、ストンと腑に落ちた。
1投稿日: 2021.10.12
powered by ブクログ救急隊員、刑事、消防士、更生施設長。身近ではないが、いつも世の中を静かに支えてくれている人たち。そんな人たちも帰れば子供と喧嘩ぐらいするし、恋もする。失敗することだってある。理不尽なことで傷付いたりも。悩みや辛さ、苦しさはそれぞれでも、仕事に家族に真っ直ぐ向き合う姿がかっこいい。誰かの心の支えとなっている4人が羨ましくもある。 自分の職業に誇りを持つって案外難しかったりする。私もいつ辞めようと思いながら毎日出勤している。大多数の人がそんな風に淡々と日々を乗り越えてるのではないかとも思う。でも、何かもう少し自分に出来ることがないか探してみたくなった。嫌なことがあっても、大きな失敗をしても、筋が通っていればきっと大丈夫。ほっとするような、背筋が伸びるようなそんな本。
9投稿日: 2021.07.16
powered by ブクログ確かに買って読んだおぼえはあるが、記憶には残っていない。 つまらなかったわけでもない。 ただ……なんだろう? 読み返したいと思うほど、鮮烈な何かを与えてくれなかったのだろうな。 傍聞き、という単語の意味を理解しただけ。 短編で読みやすかったし、私には合わなかっただけかな。
4投稿日: 2021.07.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編でさくってよめるから好き だけど短編だからそこまで深くはないおち。 迷走 娘を車で轢いた男の弁護士が刺され、たらい回しにすると思いきやその人と轢いた男の両方を助ける 途中までえっどういうこと?ってはてながいっぱいだったけれど最後にはきれいすっきり解決した。 かたえぎき お母さんの手をわずらわせている、困らせていると思いきやお母さんのために、おばあさんのためにしていたことだった。子供はなんだかんだお母さんをとても心配しているし、大切に思っているんだよね 人づてに聞いた方が直接聞くより信じやすい これは何かで聞いたことある 私は人に何かを話す時、何とからしいよ、って誰かが言ってた気がするっとかってよくいうけど、自分に相手を納得させる自信がないし、間違ってた時も自分に責任がないし、自然とそううまくやるようになったのかな ずるい女だ 899 なくしたものがすぐに見つかるとまたなくしてしまうからわざと隠しておいて少しそのものの大事さをわからせる、こらしめる これが、伏線だったのね 確かに人間は失ったもの、なくしたもの、手に入れられないものを貴重と考えて欲しがる ないものねだりな生き物だ
0投稿日: 2021.04.20
powered by ブクログ短編4つそれぞれ読み終わった後に、ふわっと温かい気持ちになれた。 「傍聞き」の啓子「迷い箱」の結子「899」の諸上「迷走」の室伏 それぞれ悩み、迷いながらも一本筋が通っていて、それが温かい結末につながる。 ベストではないかもしれないけれどベターな生き方で、そんなふうに私もなれたらいいなと思った。
4投稿日: 2021.04.02
powered by ブクログ友人に薦められて読みました。 読みやすい短編集だった。 ただあっと驚くような感じではなく淡々と進んで行く感じ? もう少し驚きが欲しかったかな。
0投稿日: 2021.03.29
powered by ブクログ巧いのかもしれないけれど、響いてくるものはなかった。いや、巧いんだろうけれどもね。なんかパズルを読んでるみたいな感じ。
0投稿日: 2021.03.28
powered by ブクログ緋色の残響の羽角親子を読みたくて、買いましたが、他の作品も長岡さんらしさ満載。。本当に短編がうまいですね。しかし、菜月ちゃんは小学生とはおもえない。。そして、迷い箱は結局どうなったのかが知りたくてしょうがないです。。
0投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ謎が分かって良い話にしたかったんだろうけど 最初から説明せーやとそれは良い話にはなんねーだろってのしか無くて残念
1投稿日: 2020.12.07
powered by ブクログ短編のお話4作品。 どの話も、物語がスっと頭の中に入ってきて、読んでいてとても心地が良かった。 物語の内容も面白く、あっという間に読んでしまった。
4投稿日: 2020.09.10
powered by ブクログ四つの短編 面白くてあっという間に読んでしまう どの話も せめて中編くらいのボリュームで なんなら長編で じっくり読ませてもらえる形で出会いたかった 面白いのに 物足りない気がしてしまって残念 いや これくらい 潔いからこそ 面白いのか 次は長編も読んでみよう
0投稿日: 2020.08.16
powered by ブクログいい短編だと思うが、何故かわたしはあまり好きになれなかった。 解説までが回りくどいかなのか、もやもやする。 他の作品のような、心拍数の上がるような緊張感のある作品の方が、この方らしいと思う。
1投稿日: 2020.07.03
powered by ブクログずっと積読した本。 薄いのに…。 読みはじめれば短編なのでスラスラと読みやすい物語でした。面白かったです。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ傍聞きとは、漏れ聞き効果、信じさせたい情報を別の人に喋って、それを聞かせること。 ドラマ化されているようですね。 刑事の自宅裏手に住む老女が居空き窃盗事件に遭い、刑事が以前捕まえた窃盗の常習犯が逮捕・拘留される。容疑者から刑事に面会の申し込みがあり、容疑者は自分は犯人ではない、真犯人を知っていると訴える。真犯人は誰か?の問いには知っている、近々逮捕されるとだけ……… 他、3篇も長岡弘樹らしい、緻密なシナリオが読後感を満たしてくれます(^^)
0投稿日: 2020.04.27
powered by ブクログミステリだけれどドラマ的な短編集。 最後に救われるので読後感は良い。 個人的に横山秀夫著書の短編集と雰囲気は似ていて読みやすいと感じた。
1投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログ刑事の母と娘。それぞれが、考えさせられる内容だったけど、短編集であったという間に読み終わってちょっと物足りないかな。
3投稿日: 2020.03.12
powered by ブクログ12 教場で気になって読んだけど、 まあこれは大衆にうける本だな~って感想。 面白いけど、淡々と読み終わった。 読書苦手な人にはおすすめ!読みやすいから。 2020.02.22
4投稿日: 2020.02.27
powered by ブクログ3.8命の大切さをモチーフにした4つの短編。4つの職業から見える命のあり方。微かな希望がともる最後の話が好き。
1投稿日: 2020.01.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分のオススメは表題にもある傍聞き。 さりげなくその言葉についての話題がでたら次にその言葉通りの場面が起こり、 その場面の緊張感も読んでいて伝わってきて良かった。 そしてオチにも傍聞きのトリックが使われていて思わずなるほど!となった。
1投稿日: 2019.12.19
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。
2投稿日: 2019.10.29
powered by ブクログ種明かし的な説明の部分があるのが興ざめ。説明するのではなく、展開の中でわからせてほしい。 「教場」のような研ぎ澄まされた緊張感を読みたい。
1投稿日: 2019.07.28
powered by ブクログとても秀逸な短編集。 アマゾンさんが勝手に何度もオススメしてきたので本屋さんで見つけたときに買った本。 迷走する救急車、刑事の母と娘の話、消防士、更生保護施設の施設長とバラパラなお話だけど、それぞれ短くても濃い感じのする話だった。 迷走については、そこまで黙ってやらなくても、と思ってしまうけど、男のロマン?的なものもあるのでしょうか。 迷い箱は、ただただ施設長の話を最後まで観たかったのでは?と思ったり。 読み終わってから、ああでもないこうでもないと想像させてくれるのが良いんじゃないかと思います。
4投稿日: 2019.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価は4. 内容(BOOKデーターベース) 患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。
1投稿日: 2019.07.03
powered by ブクログたった50ページずつの連作ではない短編作品なのにどれもとても中身が濃いのに驚かされました。謎解きミステリとしてはそれほど凝った謎ではありませんがその裏に表に見え隠れする人間模様が秀逸でひとつ読むたびに溜息をつきました。そしてこれだけ濃いのにとても読みやすいのもびっくりです。取材をほとんどせずに書かれているのが逆に読者には余計なものがなく読みやすくなっているのかもしれません。4編すべてはずれ無し。でも好みで言ったら「迷走」かな。最初だからインパクトが強かったのもあるかもしれませんが。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ迷走 救急隊員の物語だが、救う側、救われる側の双方に複雑な背景。搬送先の病院が、急患を受け付けると 言っているのに、何故か病院の周囲を走り続ける救急車、最後に総ての疑問が氷解。 救急隊隊長室伏。室伏の娘佳奈と結婚予定の隊員蓮川。佳奈は持病持ちの医師増原の車に轢かれ下半身部髄、 それを隠蔽しようと弁護士葛井。チンピラに刺された葛井運搬中に電話中の増原も倒れた事を察知した室伏は、 携帯電話と救急車の音を元に増原も救う。 傍聞き 女刑事、羽角啓子と娘の菜月の親子の物語。近所で起こった窃盗事件と通り魔事件、窃盗犯とされた横崎から 羽角への面会依頼。面会で同席した警官が犯人。葉月も文句を葉書で啓子に送ったのは窃盗被害者の老婆に 宛てたものだった。 「それが漏れ聞き効果なの。どうしても信じさせたい情報は、別の人に喋って、それを聞かせるのがコツ」 899 消防士諸上、笠間が火災現場に残された赤子を捜索するが、中々見つけ出せない。笠間が見つけるが、虐待を する母に対して愛情を思い出させるようにわざといったん隠したのだった。 迷い箱 更生保護施設を営む中年女性結子。泥酔状態で自転車で女生徒を殺した事で、自殺願望に陥った碓井。 結子TV出演の1週間は思いとどまらせたが、結局自殺を選ぶ。 「迷い箱の中身は、一日一回でいいから、目に触れるようにする。そうして数日も経てば、捨てる決心がつく」
1投稿日: 2019.05.13
powered by ブクログ読みやすい短編ミステリ。 解説にも書かれているように、結末を読めば確かに「なるほど」と思う。真相に迫るキーワードが惜しげもなく散りばめられている。 でも何か物足りないのは何故だろう?個人的にもう少し暗い雰囲気が好きだからかもしれない。あとは登場人物の心情が描かれている部分に共感というか納得感が得られなかったからかな。
1投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログブックオフでたまたま手に取った本ですが大当たりでした。4編とも面白かった。 そう言えば『道具箱はささやく』も面白かったなぁ。 もう次に読む本も仕入れてます。楽しみ!
2投稿日: 2019.03.20
powered by ブクログ迷走 仇となる相手を搬送することになる救命士。蓮川が私怨をぶつける中、室伏の救急車を病院近くで走らせ続けるといった不可解な行動は、読み手である私をも迷走に導いた。責任を部下に与えないよう、言葉少なに職務を遂行する室伏は隊員の鑑である。最後、患者に助かってくれと願う、蓮川の祈りが良かった。 傍聞き 漏れ聞き効果なるものがあるらしい。会話を第三者に聞かせると、その情報はあたかも真実のように聞こえるとのことだ。確かにそうだと思った。嘘の情報を聞かせるのは悪意か、正義か、はたまた少しの優しさなのか。作者の意図は漏れ聞いていたにもかかわらず、うまく落とされてしまった。 899 「要救助者あり」誰もが何かを抱えている。そんなことを考えさせられた。救われるべき人はたくさんいるのだ。 迷い箱 捨てられないものがあるなら、迷い箱へ。結果的に捨てることになったとしても、即断ではなく迷える余地があるということなのだろう。心の中に留めておくべき大切な物、大事な人は時間をかけて見極めなければならないと感じた。 四篇ともに、行動の理由が分かれば「なるほど」と、腑に落ちる作品だった。
1投稿日: 2019.03.09
powered by ブクログうーん、読みやすくはあったがオチの軽さと仕組みありきのストーリ立てにちょっとがっかり。 どの登場人物にも共感できぬままあっさりと話は終わり、それなら短編にしなくてよかったのではと思うほど。
1投稿日: 2019.03.05
powered by ブクログ「迷走」救急救命士 「傍聞き」警察官 「899」消防士 「迷い箱」更生保護施設運営者 短編だけど、それぞれがミステリと時事問題と人間関係が融合してて、それぞれが短編とは思えないくらいのボリュームの話。
1投稿日: 2019.02.06
powered by ブクログ短編ミステリー作家として脚光を浴びた長岡弘樹氏。帯に書かれた、この20年で最高の傑作!仕掛けと感動…、というワーディングに惹かれ読む。タイトルの'傍(かたえ)聞き'は、伝えたい内容を本人に直接話さず、本人が聞こえるよう第三者に話すことで間接的に伝える意で、女性刑事と娘が事件と並行した親子の葛藤の中で、最後の意外なオチに意表を突かれる。他に3編収録されている。'迷走'は、救急車に乗る救命士が、妙な因縁のケガ人を搬送先に届けず迷走するが、その理由に二重の救命を見出す。'899'は消防士の隠語で要救助者を指し、私情に惑わされながら、思いも寄らない事実に驚かされる。'迷い箱'は、更生施設の退所者の謎の行動がタイトルにつながり、しっとりとした後味で、一番気に入った。いずれの作品も、現実感を持った社会性のあるストーリーが、ヒューマンタッチな仕上がりになっていて爽やか。
1投稿日: 2018.11.16
powered by ブクログ密度が濃く読後感さわやかな短編ミステリー。忙しい時期の勤めからの帰路に読むのにぴったりである。女性刑事の娘、窃盗犯とされた前科者の意外な思惑。表題作がいちばんよかった。
1投稿日: 2018.10.18
powered by ブクログ短編集。主人公の職業がそれぞれ救急隊員、消防隊員、警察官、保護司など公務員に近い仕事のひとたちの物語。短編なので無駄な要素はあまりないが、貼られた複線が綺麗にまとまっていくのは読んでいて心地よい。 迷走する救急車、火事現場で見つからない赤ちゃん、お礼参りに警戒する刑事、出所者の四日間の行動などいろいろな謎があり、真相を知りたくなる内容。短編なので短時間で読める。 それぞれの職業の描写がリアルに感じられるため、相当な取材をしてるのだろうと思っていた。しかし、あとがきを読むと全部想像で書いているそうだ。
4投稿日: 2018.06.27
powered by ブクログ面白かったです。4編の短編集で、消防士、刑事などが主人公のミステリーです。それぞれ50ページほどなのに中身がギュッと詰まった感じで無駄のない話の展開です。長々とうんちくを語られたり遠まわしなものよりもずっと好感がもて、読み終わりもスッキリします。 自分が思ってた方向と違う結末にたどり着いたとしても、そうだったのか、なるほどと思わされます。 ブックレビューではあまり評価がよくないようでしたが、私には久々に出会った”人に薦めたくなる本”です。 表題の「傍聞き(かたえぎき)」が特によかったです。 長岡弘樹さんの他の作品も読みたくなり「教場」も注文しました。
1投稿日: 2018.06.22
powered by ブクログどこが面白いのか、と言われれば上手く答えることが出来ないが、ページを捲る手が止まらない一冊でした。 いつも読みはじめるときは、物語の中に入れるように気を遣って読むんですが、傍聞きは違いました。 スッと始まって、どんどん話に引き込まれて、最後にはなるほどっ!っと思わされてしまいました。 単純にミステリーを楽しめる一冊です。 娘が小説を読めるようになったら、薦めてみたい。
2投稿日: 2018.06.19
powered by ブクログ長らく読書の友となり、楽しませてくれてた 佐伯泰英の文庫本シリーズ物をほぼ読み終え、 途方に暮れて読書好きがオススメするサイトを探すと 出てきたのがこの本。 これは短編集で、しかもミステリー仕立て。 事件もの、警察もの、などが多いのだが この短編集の特徴は、人間の心の交錯を描く なんとも愛情感じる人間ドラマが主軸。 短い文章ながら読み終えると、ホッとするとともに 暖かい感情に委ねられた安心感が。 あっという間に一冊を読み終えられるボリューム感もおすすめ。
1投稿日: 2018.04.23
powered by ブクログ4編からなる短編集でさらりと読めた。 読みやすかったけどなんだかどの登場人物にも共感できなかった。 色々言いたいことがあってでも直接伝えずに遠回しに伝えるってのもあるだろうとは思うけど、それにしても何にも言わなすぎじゃない? こんなに何にも伝えずにいいから黙っていう事聞けみたいな感じで振り回されて後から実はこういう事だったんだよ。なんて言われてもなんだか納得いかなくてモヤモヤしたものが残るよね。どんな正しい事しててもこんな人が周りにいたら関わりたくないなぁと思いました。
1投稿日: 2017.12.31
powered by ブクログ双葉文庫のミスフェアで「きっと騙される」っていう触れ込みで売ってあった本作品だが、「騙される」ってほどではなかった。どの話も最後にほっこりする(4作品目はちょっと悲しいけど)。きれいにまとまっていて、甲乙つけがたいが、個人的には『迷走』が一番好きだ。
1投稿日: 2017.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2017.9.12 読了 短編集だが基本的に悪人は出てこず、他人を思いやる話ばかりでオチがわかると"なるほど!"となる。作者の"人間の無意識な行動の裏にある心理がわかったとき「なるほど!」と思い、小説にしたくなる"との話に納得。
1投稿日: 2017.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本推理作家協会賞短編部門受賞で、かつ「この20年で最高傑作」的な帯だったので、最初からハードル上がりまくりで読んだので、ん?と思うが、作品としては普通に面白かった。救急隊員の謎の行動が意外な展開になる「迷走」、娘の行動に悩む女性刑事の物語で、表題ともなった「傍聞き」、元受刑者と施設の職員との心温まる物語「迷い箱」、そして子どもを失くした消防士とその先輩職員の物語「899」。やや作り込みすぎの感もなくはないが、いずれもハートフルな内容で、後味すっきりの内容。ただ、事前のハードル上げすぎ。
1投稿日: 2017.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
*患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編* お見事としか言いようがない。短編なのに、ここまで読ませるとは。ヒューマンドラマの真骨頂を見た気分。さらっと読み進めるよりも、1編1編じっくり味わいながら読むのがお勧め。余韻まで楽しみたい。
2投稿日: 2017.06.30
powered by ブクログ先日、偶然、「傍聞き」のドラマを見て、原作も読んで見たくなりました。 「迷走」「傍聞き」「899」「迷い箱」の4編収録の短編集。 全て、良い意味で、読者の予想を裏切るストーリー。 短編小説で、これができる作家さんって、すごいと思います。
1投稿日: 2017.06.24
powered by ブクログう、うまい!隙がない!という感じの短編集。 ヒューマンドラマとミステリ、どちらにもがっちり食い込んでいる面白さ! 救急隊員、女性刑事、消防士、更生保護施設の施設長と、それぞれに特殊な仕事場を舞台に、主人公の苦闘と周囲の人々とのドラマが描かれる。 ひとりの人間としての悩みも、職業上の葛藤も、最後には不思議と澄明な結末につながっていく。 それはたぶん、どの物語の主人公も、もがきながらも人として恥じるところのない自分であろうとし、裏切の苦さを知っていても人を信じる事を選んでいるからだろう。 長岡弘樹の初読は『教場』だったので、人間のダークサイドをえぐる作風かと思っていた。ちょっと修正。 読了後、背すじがぐっと伸びるような気持ち良さ。 ほんわかした物語にも癒されるけれど、こういう物語にふれると、うまくいかない事だらけでも、自分ももうひと頑張り、もう少しだけやってみるか…と思ったりする。
4投稿日: 2017.06.09
powered by ブクログ「かたえぎき」と読むそうです。 4本の短編ミステリーとなっていて、それぞれの主人公がまたちょっと特殊です。 救急隊員が主人公の「迷走」 女性刑事が主人公の「傍聞き」 消防士が主人公の「899」 更生保護施設の中年女性が主人公の「迷い箱」 それぞれの現場で登場人物がとる不可解な行動の謎解きをベースに、その登場人物と主人公のヒューマンドラマにもなっています。 「迷走」では、救急車が受け入れ先の病院に向かわず、その病院近辺でぐるぐる迷走します。なぜ、救急隊員は迷走させるのか? 「傍聞き」では、泥棒の容疑者が女性刑事に面会を求める不可解な行動。なぜ、面会を求めるのか?以前、その容疑者を逮捕していることから、逆恨みされているのでは?と恐れてている女性刑事。そして、その女性刑事の娘。伏線がいっぱいある中で、傍聞きをテーマに真相がスパッと明らかになるところがすごいです。 「899」では火災現場で要救助者の赤ん坊をようやく発見し、事なきを得ておきながらも、退職を求める消防士。いったい、その現場で何が起きたのか? 「迷い箱」では、自殺傾向がある元受刑者が就職先から逃亡。その元受刑者は何をしたかったのか? 謎解き+ヒューマンドラマということで好きな構成です。 とりわけ、表題にもなっている「傍聞き」についてはミスリードを誘う展開で、さらに女性刑事と娘の微妙な関係が最後にほんわかと終わるところがとてもよいです。 さすが受賞している作品です。 ただ、ほかの作品では、設定とそのストーリ展開にはちょっと無理があるのも事実。その不可解な行動が本当に必要かぁ?って思うところもあります(笑) とはいえ、とても楽しめた作品でした。 文庫本で薄いのであっという間に読みきっちゃいます。 通勤のお供に最適
2投稿日: 2017.05.21ストーリー上のモヤモヤ感ではなく、作品へのモヤモヤ感
2008年に受賞ということで手に取ってみた、短編4話。 推理、と言えるほどの話はなく、 どれも人間の優しさを書いてあります。 しかし、表題作については「ランドセル背負った子供がこんなことするか?」と大いに疑問ですし、 【899】については「犯罪じゃないか?」と、 ストーリーに納得できず。
10投稿日: 2017.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
お初の作家さんの短編集。とても読み易かったです。文章の雰囲気が何処と無く浅田次郎に似てる気がする。各短編の主人公が救急救命士や消防士等あまり身近にない職業だったのが新鮮でした。
1投稿日: 2017.04.10良品
初めて聞く「傍聞き」という言葉につられて読んだ。 短編集だが、緊迫感を生み出す設定の面白さがあり 人間模様がうまく絡み読み応えがある。 話の展開に首を傾げるところもあるが、ミステリー人情話として良作が揃っている。
1投稿日: 2017.02.17
powered by ブクログかたえぎき、と読むのですね。 赤い刻印を先に読んでしまったのですが、遡ってこちらも。 4編入っていましたが、どれも読後感が良く面白かったです。
2投稿日: 2017.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
消防官、刑事、保護司を主人公とした4つの短編。 人のために尽くす職業に就いた者の、「矜持」にかかわる話といえる。 4編どれもが、登場人物の不可解な行動がミステリーの核となっている。その不可解な行動の奥にある心理。それを知った後には、小さな感動がある。 特に、表題作。「傍聞き」とは傍らにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。そうやって漏れ聞いた言葉は、相手から直接伝えられた言葉より信用されやすいという「漏れ聞き効果」をうまく使った結果に思わずぞくっとした。 短編であり、読みやすいのだけれど、一つ一つの完成度が高い。どれもが続編を長篇で読んでみたくなった。
2投稿日: 2017.01.03
powered by ブクログミステリ系の話が4つ入ってる短編集。話の先が読めてしまう感じらあったけど、まぁ話の内容が面白かったから許す。暇つぶしにオススメ
2投稿日: 2016.11.22
powered by ブクログ娘の不可解な行動に悩む女性刑事が我が子の意図に心動かされる「傍聞き」。 元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。 女性の自宅を鎮火中に消防士のとった行為が意想外な「899」。 患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。 巧妙な伏線と人間ドラマを見事に融合させた4編。
1投稿日: 2016.11.17
powered by ブクログ短編4つ。長岡弘樹さんの本は以前「教場」を読んだくらいだが、かなり良かった。(4つのうち2つは泣いた) 推理作家協会賞を取った本らしいが。あれ?推理小説だったっけ?物凄いヒューマンドラマって感じがしたが。 特に最後の「迷い箱」は展開がバレバレだったのにもかかわらず、ぐっときたなあ。うん、この作家さん、お気に入りにいれておこう!
2投稿日: 2016.10.06
powered by ブクログ20160717 初めて読んでみた。どの短編もきっちりまとまっている。少し重いテーマなのが読んでいて解放感に繋がらないところがある。すべてキチンと解決して売るのだが何かスッキリしない気がしてしまう。
1投稿日: 2016.07.17
powered by ブクログ短編4編。「赤い刻印」の主人公が初登場した表題作は日本推理作家協会賞短編部門を受賞したと言うことなので期待して読んだのですが、ちょっと肩すかしを喰らいました。「まず仕掛けありき」的な不自然さに違和感たっぷり。他の作品も特に語るべきものなし
1投稿日: 2016.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
さくっと読めるのに各編の構成がしっかりしていて結末はどれも大満足。え?そういうこと?と毎回驚かされた。結末に向けての強引さが全く感じられないところも魅力的。普段短編はあまり読まないのだけれど、これを機に手に取ろうかなと思い始めた。
1投稿日: 2016.04.22
powered by ブクログ2008年日本推理作家協会賞短編部門受賞作。良く見かけていたので気まぐれに手に取りましたが、推理小説で有りながら普通のヒューマンドラマとしてとても良く出来ていて、結末で毎回「あ、そういえば推理小説だった」と気づいてその度に感心させられるというとても理想的な短編集でした。 どれも人を救う、助ける職業の人々が関わった人間の不可解な言動で振り回されるが、その理由が明らかにされると胸にポツリと温かい明かりが灯るようないい小説でした。たまには短編もいいですね。
1投稿日: 2016.03.31
powered by ブクログ短編ミステリー集。ムダな箇所が一切ない。が、わざとらしいフリがないのに、気がついたら術中にハマっている。警察小説のような、人情小説のような、それどころか、実際ありそうなノンフィクション的要素もある、なんとも不思議な作品だった。 ボリューム少なくサクッと、でもしっかりとミステリを味わいたい方におすすめです。
1投稿日: 2016.02.25
powered by ブクログ収録されている4編のどれもが傑作の短編ミステリ集。ミステリとしての斬れ味はもちろんのこと、職業小説・人情小説としても抜群である。 読みやすい文章で、ハラハラドキドキして最後は泣ける。これぞエンターテイメントの極意。
4投稿日: 2016.01.25
powered by ブクログ4編から成る短編集。それぞれの主人公が、ありがちな探偵とか刑事ではないから、その点でも興味深い。職業独特の言い回しとか、ならではの視点とかも出てきて、飽きずに楽しめる。って書きながら、個人的に一番印象に残ったのは、職業柄馴染み深い、救急搬送の話だったりしますが。
1投稿日: 2016.01.19
powered by ブクログ推理短編小説です。『迷走』『傍聞き』『899』『迷い箱』の4つが入っています。 『傍聞き』で2008年日本推理作家協会賞短編部門受賞と背表紙にあったため読んでみました。 全ての作品が面白いというわけではありませんでした。しかしながら救急救命士や警察官や消防士等が主人公として登場し、彼らの職業柄持っている知識を使いつつ話が展開していくのは、なかなか面白いと思いました。 特に『迷走』は救急救命士の義理の親子と怪我人とのやり取りが、読み手のドキドキ感を煽る感じがしました。 短編だからか、終わりがなんとなく物足りなく感じました。
1投稿日: 2015.08.30
powered by ブクログ2015年8月24日読了。2012年の日本推理作家協会賞を圧倒的1位で獲得したという短編集。救命士・警察官・消防士などの専門的職業にあるプロフェッショナルのとった不可解な行動の理由が解明されたとき、そこにある家族愛などの人間的感情に気づかされる、という構成はどれもテクニカルで無駄がなく、かつなかなかに心揺さぶられるもの。表題作もいいが「消防士の決死の救命活動」に複数の人の思いを絡めた「899」がいくつものちょっとした「逆転」が織り込まれていて読後感もよく、個人的にはベスト。
1投稿日: 2015.08.25
powered by ブクログ古本で購入。 「日本推理作家協会賞 短編部門 受賞作」 「『おすすめ文庫王国』2012 本の雑誌増刊 国内ミステリー部門 ダントツの第1位!」 というような惹句を目にして、さてどんなものだろう…と読んでみたが、うーん。 何と言うか、「イマドキのミステリー」という感じ。 誰しもに事情があり、人には言えない秘密があり、交錯する人間関係があり…それでもラストはどこか心があたたまる。 そういう“イマドキ”っぽさがちょっと合わなかった。
1投稿日: 2015.08.01
powered by ブクログこの作家の作品は初めて読みました。短編ですがなかなか面白かった。表題作でもある「傍え聞き」はなかなかお見事なオチでした。ミステリだけど人情味あふれる人達が沢山でてくるちょっと心温まる作品です。
1投稿日: 2015.07.24
powered by ブクログ初めての作家だし普通だとなかなか手に取らない類の本。日本推理作家協会賞短編部門の受賞作という帯を見て。かなり薄い本だし1日。どれもちょっと暗いし、少しドキドキする感じだが読み終わるとほっとする。短編だけに無駄な所はなく、タイトルも含めて作品だと改めて思った。傍聞きという言葉は初めて聞いたが、その心づもりをしていても展開が読めず、なかなかよく考えられてる。1本という感じ。
1投稿日: 2015.07.09
powered by ブクログ小粒ミステリーの短編集。 本当にこの作者が長編を書いてくれたら、と期待してしまうが・・・さらっと短く描いてこその面白さなのかもしれない。
1投稿日: 2015.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
4編の短編集。それぞれがひとひねりされた作品で、一つの話で十分長編が書けるのではないかと思いました。 もう少し読みたいなと思わせるくらいで終わらせる潔さもテクなのかなと思ったり・・・。 ミステリーな要素もちりばめられているので、謎を解くような気持ちで読み進めつつ、「迷走」ではまさか増原が倒れていてそれを探すために救急車を走らせ続けていたとは思わずびっくりしましたし、逆に「迷い箱」では途中からテレビで結子を見るために碓井が電気屋や居酒屋を歩き回っているんだろうな、と途中で気づき主人公の鈍さにイライラしました。
1投稿日: 2015.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
帯がけっこう主張してきたので期待して読んだが、 薄い本にもかかわらず最後まで読み切るのに苦労した。 私には合わなかった。 短編が何話か入っているのだが、 どの話も設定が細かい、複雑。 長編並みの設定の複雑さなのに短編に押し込んでるから物語に入りきる前に強引に終わる感じ。 主人公たちも自分勝手だし、独りよがりな印象を受けたので感情移入など全くできなかった。
4投稿日: 2015.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
長岡弘樹の初読み。 文句なしに面白かった。 短編ミステリは本来、あまり好きな方ではないが……、本作は、文字通りに傑作短編集と言えよう。 個人的には、最終編「迷い箱」こそ“まあまあ”に留まったけれど、他3編は、間違いない面白さ。 「迷走」で緩んだ涙腺が、表題作「傍聞き」で決壊……(苦笑)。 後味爽やかな「899」の、3本だけで締め括られていたなら、きっと満点をつけただろう。 ★4つ、9ポイント半。 2015.04.25.古。 ……巻末解説者の談「作中の記述のほぼ全てがトリックに関係しているのに、そういう人工性(わざとらしさ)を読者にまったく感じさせない。」に、心から納得。 そういう人工性をひしひしと感じてしまう人気作家を読んで間もないため、余計に感じ入ってしまった。 ※その作家の作品、決してけなしているわけではないです。“手放しでは好きになれない作風”にもかかわらず、なぜかけっこうな数、読んでます。
2投稿日: 2015.04.25
