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デミアン(新潮文庫)
デミアン(新潮文庫)
ヘルマン・ヘッセ、高橋健二/新潮社
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総合評価

228件)
4.0
76
71
41
13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分自身に達することこそが、人間の真の目的であるという主張に感動した。この世には自分を偽りながら生きて、自分がわからなくなっている人々が沢山いる。そんな時、孤独が自分と向き合うきっかけになり、ひとを成長させるのかもしれない。 また、幼少期のシンクレールが二つの世界を持っているという場面にすごく共感できた。家庭と学校とでは世界が全く違うんだよな。

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    弱みを握られて怯えるあたりはすごく心情や情景が分かりやすかった。デミアンが登場してよりこの小説に惹かれた気がする。主人公シンクレールが彼や、彼の母に惹かれる気持ちはよく分かる。デミアンとの出会いのお陰で彼は彼自身の心の闇と光と向き合えた、そんな青春〜成年へ〜なドイツ文学。

    0
    投稿日: 2025.09.20
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    p96までで断念。 デミアンが出て来たところくらいから述べられる、物事に対する考えが、少し面倒だなあと思ってしまい読みにくく。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    ■参加者の感想をピックアップ■ ・とにかく難解。ヘルマン・ヘッセ自身も学校が合わず不登校と転校を繰り返したそうなので、ほぼ彼の思春期の自伝だと思う。 ・ヨーロッパやロシア文学にある、意味がなさそうな内容が延々と続く、ともすれば抒情詩のような話だった。 ・精神病者の書いた文章のようで、読んでいくとどんどん自分の精神も狂っていきそうで読み進めるのに苦労した。 ・主人公のシンクレールが悩む内容はほぼ理解できなかったが、「自分はこんな崇高な悩みを持っている。お前らとは違う」という見下した目線が、アーティストによくある態度だと思った。 ■読書会後の私的感想■ なぜこんな難解な話を課題にしてしまったのか、次からはウェブのおすすめだけに頼らずきちんとあらすじといくつかの感想を調べてから課題を選ぼう!と決意させてくれた作品でした笑 途中読みの私と、流し読みの森さんという、あまり読み込めていない2人での会でしたがそれでも色々興味深い考察ができたのでシェアしますね。 ヘルマン・ヘッセはカミュやプルーストと同時代の作家で、他の作家と同じく第一次世界大戦を経験して大変なショックを受けたそうです。(参考までに、第一次世界大戦は、大量殺戮兵器が初めて使用され、戦場以外にも戦火が及ぶという、今までの古き良き(?)戦争像を悪い意味で根底から覆す戦争だったそうです)このままでは人類は滅びてしまうのではないかというほどの絶望がはびこる中、感性の強い作家たちはこぞって哲学的な、神とは?人とは?人生の意味とは?個とは?などという、人の内面を掘り下げていくような話を書いて行ったのだと思われます。悲劇的な時代にこの様な暗い話が流行るのは意外でしたが、人間存在の根源を問われる時代だったのでしょう。そこに、普段意識しないような個人の内面を言語化して、更に他人に伝わるような文章にする能力のある作家が評価されたのではとの推測でした。参考までに、フランスの作家、プルーストの「失われた時を求めて」も似たような内容だそうです。 課題本の「デミアン」も、作者自身を投影したような主人公のシンクレール君が、他人を見下しつつ、たまに尊敬に値するデミアンや他の登場人物に影響を受けつつ、宗教と神、世界と個人などという答えのない問題に頭悩ませる作品でした。話の本筋が全く無く(しかもタイトルのデミアン君は一章が終わるといなくなってしまう!)とにかく読み進めるのが難しかったです。同じ哲学的小説でも「デミアン」に比べれば、「ペスト」はかなり易しいですね笑 個人的な感想としては、青少年にありがちな「俺はちょっと違うぜ」という態度が上手に書かれてると思いました。崇高な悩みを持ちそれが故に他人を見下す感のあるシンクレール君がですが、性格の繊細さ故に自分の理想に向かい突き進むことができません。そのため、他人を見下すけれども、自分の理想をもちそこへ迷わず進んでいけるような友達には一層強く惹かれてしまう、という二面性の葛藤が、うーん!あるある!となりましたね。 ■参加人数■ ・ 2人 ■今月の課題本■ ・「デミアン」(ヘルマン・ヘッセ 著) ■開催日時■ 2021年5月

    0
    投稿日: 2025.09.05
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    文学国語の問題集にあって、気になって読んだ。 後半になるにつれて難しい言葉は増えるが共感できる内容が多かった。 人間関係、考え方の差異など私達が生きる中で通る道を別の視点から追体験できる本。

    0
    投稿日: 2025.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼年時代に属していたのは道徳的で明るい、アベルの世界。クローマーはそれと対照的な闇の世界にシンクレールを引き込むが、本当の意味で対照的なのは、そのクローマーからシンクレールを救ったデミアンの、カインの世界なのか。 デミアンの神は、善と悪を併せ持つ神。道徳的でないものを排除するのではなく、清濁併呑のアプラクサス。平和に道徳的に生きるアベルと違い、カインは来たるべきものに備え、必要とあらば平和から人々を追い出す準備をしていた。そのカインのしるしをもつ者は、新しいもの、孤立したもの、来たるべきものを自然に受け入れる準備がある。その準備とは「私たちのめいめいがまったく自分自身になり、自分の中に働いている自然の芽ばえを完全に正しく遇し、その心にかなうように生き、不確実な未来がもたらすいっさいのものに対して、準備をしておくようにすること」 最初は、道徳的な明るい世界しか知らなかった少年が、そうではない別の世界を知って、価値観の葛藤を経て(つまり思春期反抗期を超えて)世界を広げ、成長する話かと思った。生まれ出ようとする鳥は世界である卵を破壊するために戦うように。でも最後は、自分が自分として生きることができるように、っていう話なのかな?と思った。自分らしく、ということは、いわゆるよくない面も含めて自分として受け入れることで、そこがデミアンの世界、アプラクサスとつながる? エヴァ夫人は結局何を象徴してるのか? 最後にシンクレールは自分の中にデミアンを見るようになるけど、つまりデミアンはシンクレールの闇の部分だったってこと?(デミアンはデーモンと同根らしい。) 人間は人間になりつつある存在。自分になりつつある状態。シンクレールは最後にデミアンを回収して、明暗併せ持つ自分になっていったのだろうか。 カインのしるしをもつもの、の意味がわからない。特殊な人々の話になっちゃうから。

    1
    投稿日: 2025.08.05
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    Demian Hermann Hesse, 1919 ヘッセの「デミアン」は誰もが聞いたことのある一冊、意外と短いので同じような少年、青年にも読んでほしい。読みたかった。 じっくり、急がず成長する。100年経っても普遍的な物語。

    0
    投稿日: 2025.08.04
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    10歳の少年シンクレールが、明るく正しい父母の世界と、漠然と憧れていた暗い悪の世界、この明暗2つの世界を揺れ動きながら、年長の友人デミアンとの出会いにより自我を求めていく成長過程を描いた小説でした。 正直なところ、翻訳された文章に手こずり、私には少々難解な小説となってしまいました。結局ストーリーを追うばかりで、シンクレールやデミアンの心の動きをつぶさに感じとることが出来ませんでした。明暗2つの世界、自我の確立など、哲学的な内容であったにも関わらず、翻訳が原文の直訳なのか原文に書かれているであろう比喩的表現の翻訳が読み難く、内容が十分に伝わってこないのは残念でした。テーマは誰もが成長期に経験する内面的な苦悩を描いたそれなりに興味深いものだったとは思うのですが、遺憾ながら翻訳された文章の理解に苦労しました。 また、おそらく宗教的なものが作品に影響していると思うのですが、その予備知識があれば少しは理解の手助けになったのかなと思います。 例えば、「カインのしるし」について。旧約聖書のカインとアベルの話は知っていましたが、それでもデミアンの指摘とカインのしるしの本来の意味とどう関係するのか理解できませんでした。そして、「明暗2つの世界」について。信仰する宗教の教義に則した行動しているときが明るい善の世界、教義に反した行動をしているときが暗い悪の世界、ということかと思いましたが、信仰するその宗教のことがわからないと、2つの世界あるいは各々を半分の世界と表現するほど大袈裟なものなのかと思ってしまいました。 善と悪と2つの世界を経験することは、成長過程で普通のことだと思いますが、育った環境のせいなのか、普通のこととは考えられず自己確立への成長過程にあるシンクレールの深層心理が比喩的表現をまじえて描れていたのなら、翻訳された文章からそれを読み取れなかったのは残念です。 この小説を賞賛する多くの人たちが、この翻訳された文章を十分に理解されているのだと思うと、私の読解力不足を嘆くばかりです。 さて、読んでいていちばん心に残ったのは、牧師を目指した音楽家ビストーリウスがシンクレールを励ました次の言葉です。 「きみはときどき自分をふうがわりだと考え、たいていの人たちと違った道を歩んでいる自分を非難する。そんなことは忘れなければいけない。火を見つめたまえ、雲を見つめたまえ。予感がやって来て、きみの魂の中の声が語り始めたら、それにまかせきるがいい。それが先生やおとうさんや、いずれの神の心にかなうか、お気に召すかなんて問わないことだ。」 これには、ちょっと心に感じるところがありました。 長い間にわたって読み継がれてきた素晴らしい小説なのですから、私の読解力不足は棚に上げてしまいますが、もっと分かりやすく読みやすい翻訳本が出ることを望みます。

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    ヘルマン・ヘッセの青春小説。 主人公のシンクレールが、同級生のデミアンとの出会いをきっかけに、自己の内面と向き合い葛藤しながら、真の自己を発見し成長していく物語。 子どもの世界は単純だ。明るい「善」の世界、暗い「悪」の世界の二つの世界しかなかった。でも、大人になると世界はもっと包括的になっていく。善と悪を内に有する世界に。 結局は、自分自身と向き合って、答えを見つけていくしかないということ。正しいことなんて本当はなくて、あるとしたら自分の中にあるだけなんだ。 哲学的な小説だった。思春期の頃に読みたかったなぁ。

    61
    投稿日: 2025.07.11
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    こんなにも心を動かす本は稀で、 古典と呼ばれるような一冊からどれだけ未知に触れたのか、 若いうち、発育の真っ只中でこの本に触れられて本当に良かったと思える本だった、 少なくとも個人的には。 シンクレアの魂の成長というものを俯瞰して眺めたその中で、 自分の道に従う人生を知った、道からは逃れられないという残酷さも。

    8
    投稿日: 2025.06.12
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    裕福で光しかない世界に産まれた少年が密かに闇に憧れを抱く。嘘の悪さ自慢をしたらシンクレールに脅されて1時不幸に陥ったが転校生の年長者で神学校にいながらも聖書の内容を先生が教えるものと反した解釈をする不思議なデミアンに救われた。その後主人公はデミアンに惹かれっぱなしだったがある日デミアンが思考の深みに入った時から話さなくなり高校生になった。高校生になってから主人公は酒を飲んだり途中デミアンと出会ったもずっと堕落していたが途中自分にとって神と言えるような少女を見つけ絵を描き神と名付けピアノ奏者に出会い別れてからまた元に戻った。その頃にデミアンと再開し、デミアンの母と出会えた。母は主人公が信仰してた絵の女性そのものだった。そこからゆるやかに3人の生活が始まるがある日デミアンがまた深みに入りその数日後に戦争が始まることになる。シンクレールももちろん徴兵されて弱った状態で爆撃にあい土の中で暫く放置されていた。テントに帰り治療を受けていると隣にデミアンがいて母がデミアンにしてくれたキスを新クレールにもしてくれたが寝て起きるとデミアンではなく知らない兵士だった。 一つ一つの描写が綺麗で、導く者、導かれるもの、悪と善の対比、デミアンの神聖さ、読心術、爆撃の時の幻覚、読んでて楽しい。最後はシンクレールの幻覚でデミアンもシンクレールも死んでしまったのかな。

    1
    投稿日: 2025.05.29
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    音楽は道徳的でないから好きだ。そして、神と悪魔を兼ね備える神が私には必要だ。そうシンクレールは言う。 シンクレールは、幼少期から、明るい世界と暗い世界を行ったり来たりしながら自己について葛藤し悩み苦しんでいた。そんな時出会った、少し大人びたデミアンによって少しずつ導かれていく。時にはデミアンを離れ、堕落しながらも、心のどこかにデミアンがいた。 鳥は、殻を破り外に出ようとしている。その絵をシンクレールは描いた。誰なのかわからない愛する人の絵を、何度も書き直し、その絵は少女ベアトリーチェにも見え、デミアンの母にも見え、デミアンにも見え、シンクレール自分自身にも見えた。 結末を読んで、デミアンはシンクレールにとって鏡のような存在だったんじゃないかなと思った。デミアンとの対話を通じて、自分自身と話してたんだ。 誰かの存在を通してしか、自分自身はみることができないから、だから安心するのだと思う。シンクレールも、クナウエルという臆病な少年と接する時は、デミアンのような役割を果たすようになる。でも、デミアンの前だと、クナウエルと同じような態度に戻ってしまうのだ。ぼくをみつけてくれたの?って。やりとりがオーバーラップしていた。そして、デミアンの母の登場。 「そうです。人は自分の夢を見いださねばなりません。そうすれば道は容易になります。でも、たえず続く夢というものはありません。どんな夢でも新しい夢に代わられます。どんな夢でも固執しようとしてはなりません」 ここが、いちばん刺さった。デミアンの母が、シンクレールに言った言葉だ。 上手くいくかわからないけれど、自分自身の夢を生きようと思った。この本を読んで、なんだかふしぎと、背中を押された。 もがきながら生きて、ひとは少しずつ夢を新しい電池に交換しながら、原動力に、報われない、でも理想だけは失いたくなくて。信念とか、ゆずれないものが、あって。 この本は、職場のベテランおばあさんにおすすめされた本。「むかしはね、この本を読んで、青年は強くなったものよ」と。 なにか、行動したくなる本だった。

    1
    投稿日: 2025.05.24
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    時代背景や国は違うものの、青少年が自己について葛藤する姿には、エネルギーや焦燥感のようなものが混じった何とも言えない気分にさせられる。

    0
    投稿日: 2025.04.08
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    かなり哲学的であり、宗教的でもあった。集中して読む必要がある。自分にはやや難しく感じたので、数年後また読みたい。ヘッセの描く思春期の少年の葛藤や苦難がやはり好きだと思った また、ヘッセ自身はこんなにも自己と向き合っていたのかと驚かされる。

    0
    投稿日: 2025.03.28
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    『われわれは互いに理解する事はできる。しかし、めいめいは自分自身しか解き明かすことができない。』 本書を読んだ動機はアニメ「Ave Mujica」で主人公の豊川祥子が、社会の歯車に狂わされ、選択を迫られた際に本書を読んでいた描写が存在したからです。 本書では、はしがきに書かれている、冒頭に書いた一文が全てを物語っています。『アプラクサス』という神、すなわち自分自身の心に存在する意志に従え、さすれば何事にも覚悟を持って挑めるだろう、というところでしょうか。 キリスト教圏の絶対的な世界で、密かに神は居ない、自身の内から湧き出る衝動こそが従うべきものだという反キリスト思想に目覚めた主人公シンクレールの物語で、多くの物語が聖書から引用されます。(偶然キリスト教についてある程度知見を持っていたのでついていけましたが、何も知らないと度々調べることになりそうです) 物語が進む中で、シンクレールはデミアンとピストーリウスという友人と出会い、その中で内なる意志である『アプラクサス』を知るに至ります。この境地に至った人のみぞ知る『アプラクサス』という存在が神秘的かつ異端にならなければ知ることの無いワードという中二感溢れる存在でとてもわくわくしました。 『鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという』 そして、内なる衝動を知り、それに従うことはそれ即ち形骸化した社会の変化を望み、また時代の変遷における覚悟を持ち得ることだと知り、最後には時代の転換点である戦争に赴くところで物語は終わります。 自身を知ることが社会を知ることに繋がり、そしてそれを変える覚悟を持つものこそが、時代を進めるにふさわしい。とても力になる話で大変面白かったです。 最後に余談ですが、冒頭で述べたAve Mujicaのキャッチフレーズは『信じられるのは、我が身ひとつ。』 苦しい時こそ、自分を信じて覚悟を持つことが世界を変える為のきっかけとなるのです。

    1
    投稿日: 2025.03.23
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    宗教的、哲学的でだいぶ難しかった。でも所謂哲学書を読むよりは、小説なのでトライしやすいかもしれない。私は主人公みたいに色々深く考えるタイプではないんだなと思った笑

    0
    投稿日: 2025.02.21
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     自分の理解の範疇を超えた意見を受け止められるような人間でありたいし、過去に幸福や逃げ場を探し続けるのはやめようとも思った。  文章については、直訳が多いのか比喩が多いのか、私の読解力が足りない故か、まわりくどく分かりにくく感じてしまった。翻訳者のバイアスがかからないように訳すのも素敵だけれど、翻訳者の解釈も混じった文章も魅力的なのになと思った。

    0
    投稿日: 2025.02.05
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    少年から青年へと成長する過程での宗教的・哲学的葛藤が、非常に精緻に描かれた作品。主人公の内面を深く掘り下げる心理描写と、彼に影響を与える人物たちの台詞が、全編の大部分を占めている。哲学的で難解な内容ではあるものの、薄い文庫本なので意外とすんなりと読めた。簡単な哲学書を一冊読破した気分になれるので、知的な「お得感」を求める読者にはお薦めしたい。 ただ、凡人の私からすると、主人公に強いシンパシーを感じることはなかった。ここまで自分の内面に向き合い、深く掘り下げる人間がいるのかと興味深く読み終えた。

    1
    投稿日: 2024.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カインやアプラクサスなど、宗教に関する言葉はあまり理解できなかった。しかし明るい善の世界、暗い悪の世界の狭間でどう自己を突き詰め、生きていくかが大切だと本作を通じて理解はできた気がする。 「鳥は卵の中を〜」などの名台詞が多くあったが、理想は選ばず、運命は用意して待つものだということをデミアンが語っているシーンがお気に入り。

    1
    投稿日: 2024.11.13
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    難しい作品だった。 もう少し私の内側が成熟した時に読んだら、 また見方が変わるかもしれないな、とおもった作品

    1
    投稿日: 2024.11.06
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    ここ最近で1番面白会小説だった…。 自分が何となく考えていた理想の生き方をシンクレールに示してもらった気がする。 シンクレールもピストーリウスもクナウエルも俺だ。 あとでちゃんと感想書く。

    1
    投稿日: 2024.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感想と言われると難しい、宗教というか、信仰というか自分の信じるものに傾倒する主人公の心情をつぶさに描いている。

    0
    投稿日: 2024.09.03
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    感想を書くのが難しい。哲学書寄りだが、小説の域を超えていないのがこの作品の魅力のように感じる。やはり少年時代特有の複雑な心情を描き出すのが抜群にうまい。読者は主人公と一緒にそれをなぞりつつ、各物語を共に体験し、共に考えることで、一緒に成長しているような気分になってくる。そういったさまざまな自己形成の段階を重ね、最後は生きていくことに対して一つの自信、指標のようなものを得られる。これは小説の読書体験として不思議で、そこがとてもユニークで魅力的に感じた。 どうしてこんなに巧いんだと、恐ろしく感じるくらい繊細かつ的確な心理描写で、没入感がすごい。

    0
    投稿日: 2024.08.13
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    いや難しい!! 前半くらいまでは分かりやすく読めた。 安全な場所にいた主人公が急に外の世界に連れ出される過程が良かった。 しかしピアノ弾きがでてきたあたりから急に宗教談義など話が抽象的に… 最後の方はよく分からない超能力みたいなのも出てきたような。殆ど分からなくなってしまった。キリスト教などの理解が足りないのかも知れないが話が高尚すぎて諦めてしまった。またいつかじっくり読みたい。

    1
    投稿日: 2024.05.08
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    ◆岩波書店/デミアン https://www.iwanami.co.jp/book/b247769.html

    0
    投稿日: 2024.04.22
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    【2024年72冊目】 恐れから不良少年であるクローマーに対して嘘をついてしまった10歳のシンクレールは、彼からの脅しを受け、精神的に病むほど追い詰めてしまう。そんなシンクレールを救ったのは年上の級友、デミアンだった。その後のシンクレールの人生はデミアンと共に過ぎて行く。 難しかった…外国の小説って翻訳されてる言葉がしっくり入ってくるか入ってこないかで結構明暗がわかれると思うんですけど、この話は残念ながら入ってこなくて、途中から小説じゃなくて宗教、もしくは哲学書を読んでいるという風に自分を納得させるなどしました。 教養小説というジャンルにわけられるようなのですが、こっちの教養がなくてついていくのに必死でした。青年の葛藤を小難しく描いているような感じ…?デミアン好きの方にはこんな表現の仕方して本当に申し訳ないんですけど、なにせ宗教的な知識も乏しいのでダメでした。 この小説読む前に、この知識は入れといてね!みたいな指示書が欲しい(?)高尚だったな〜。 物語を楽しむ小説ではないことが確かです。多分、私が小説に求めている「物語への没入感」とか「登場人物の緻密な心理描写」とか「話の面白さ」と合致してないのが要因だったんだろうなぁ。

    1
    投稿日: 2024.04.02
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    第一次世界大戦に巻き込まれていく中、母国ドイツに対して反戦を訴えたことで社会的な批判を浴びたヘルマン・ヘッセ。初めて、自己の内面の追求というテーマに正面から取り組み、自身の罪に悩めるシンクレールに、罪を悪か善かで二分すること以外の選択肢を与える存在としての友人デミアンが、人生を通して関わってくる。夢の分析に傾倒していたヘッセの思考がよく反映されており、デミアンに似た女性、エヴァ夫人との現実での体験は超体験として新鮮に映っている。当時のヨーロッパの青年に大きな影響を与えたとされる短編小説。

    1
    投稿日: 2024.01.03
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    二面的な価値観の葛藤にゆれつつ自己の運命を求め行く姿のなんと究極的なことか。デミアンとの出会いから生徒時代の終わりまでが特に興味深い。

    0
    投稿日: 2023.12.24
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    中学3年生のとき、父に手渡されたヘッセの『デミアン』。それからずっと、もうほんとうにずっと、私はデミアンの面影を追いかけている。 文庫は父から引き継ぎ、わたしの本棚にある。高校1年、2年、3年、大学1年…毎年読み返した。(父がそう読んでいて、年々感じることが変化していった、と言っていたから) 本当に大好きな小説。もろてをあげておすすめ!大大おすすめ!というのはなんだか違うかもしれないけれど、もしこれを読んでくださっているあなたが国語の教科書に載っていた『少年の日の思い出』に魅了されたのなら、ぜひ読んでほしいです。 わたしの方は、そこからウテナを見て(お察し…) サンタ本

    4
    投稿日: 2023.12.10
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    心を病んでいた時に読んだので心苦しくなる場面も多々ありましたが、デミアンの言葉やシンクレールの移り変わる心情が所々で私の救いになりました。 また読みたいな。

    0
    投稿日: 2023.11.23
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    読了(...と言って良いのだろうか) 物語の展開というよりも、登場人物たちの思想が複雑で想像力を求めてくる。集中して読まないとすぐに置いてけぼり...。私にはとても難解でした。 ですが、著者の他の作品も読みたくなるような不思議な魅力があります。 再読&他の著作も読みたいです!

    10
    投稿日: 2023.11.13
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    ヘッセの本はあらかた読んだが、個人的にはこの作品が一番引きが強かった。 見栄のためにホラ話をしたのがきっかけで秘密を抱えたシンクレール少年は、デミアンという転校生に助けられる。そのデミアンとの接近が、シンクレールの自立と自己の深淵を覗き込む動きを間接的に手助けし、彼は思想的にも成長していく。 最後の方は少しスピリチュアルすぎる感もあるが、だからこそタイトルが「デミアン」なのだ、という感じのある印象的な終わり方。

    2
    投稿日: 2023.09.09
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    少年シンクレールはクローマーに悩まされていたところを、学友のデミアンに助けられる。 デミアンから新たな考え方を教示されたシンクレールは、自分自身と自分を取り巻く世界について深く考えるようになる。 難しかった。デミアンとデミアンの母はシンクレールの生きる世界に彼と同じように実在する人間なのだろうか? 自分にとってのデミアンは一体何(誰)だろう、と考えてみるのも面白いかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.05.27
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    前半は幼少期の承認欲求から生まれる、大人になってみればなんでもないような、いわゆる「黒歴史」からの偶然の脱却。そこからズルズルと「自分とは」を現代人とは異なるアプローチで追求していく。他と交わっては離れ交わっては離れ、追い求めては突き放し、読者誰にでも通ずるようで、どこか気持ちの悪い不思議な作品。途中何度も読みながらぼーっとしていかんいかんと思い直しながら読んだけど、実際読み方はあれくらいがちょうどいいかもしれません。

    0
    投稿日: 2023.03.13
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    つらい 後半になるにつれどんどん辛い 読み終わりこのドヨンとした気持ち また読み返した時はどんな気持ちになるのだろうか

    0
    投稿日: 2023.02.19
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    デミアンはエーミールの生涯をかけての理想とする人物で、遂には理想を果たせたか、果たせなかったかは分からない。 物語で、デミアンに出会ってからそれ以降はずっと理想を貫くことに邁進し、如何なる障壁があろうとも極めて禁欲的に、自らの理想をベースとして物事を対処していた。 だが、序盤に書いてあるが理想に向かって一途に向かうのは非常に困難だと語っている。 デミアンに出会った直後は幸福だっただろうが、デミアンを理想に生きているエーミールは理知的で感情的になることはなく、修行をしている過程を見ているようだった。 「理想」この言葉は心の枷となり、自らを縛り付ける罰のようであると同時に、憧れや希望を抱き、理想に向かい専一に努力する勇気を与えてくれる。 この本を読んだ所感としてまず挙がったのが、「理想を貫くことは幸福に繋がらないのでは。」ということだ。 理想というのは内面の話であり、現実的に捉えると自分のやっていることに利益があるかと問われたら無駄と感じる。「こんな風になりたい」と思ったところで、感情で満足感を得るようなモノに一体なんの価値があるのだろうか。 理想というものは意識的に掲げるのではなく、自らの行動を分析し、無意識的に好んでいる物事に関して考えることにより、自然と見えてくるモノであると思う。 理想は自己啓発本を読んで「よし、これから頑張ろう!」と意気込んでその通りに行動していくのと一緒だ。 ここでの問題点は、刹那的なモノに対して信頼を置いてしまうということだ。 昨日の自分が明日と同じ感情で過ごしているか。表面上の理由だけでは努力をするに値しない、と行動を起こせないだろう。 感情は信頼できない。理想を掲げて進む行為は重荷にしかならないだろう。 2023.1/26 「ぼくたちはしゃべりすぎる」……「利口なおしゃぺりなんかまったく無価値だ。まったく無価値だ。自分自身から離れるだけだ。自分自身から離れるのは罪だ。人はカメのように自分自身の中に完全にもぐり込まなければならない」 「アブラクサスは、神でも悪魔でもある神だった」 「音楽は、いたって道徳的でない」 「火を見つめたまえ、雲を見つめたまえ。予感がやって来て、きみの魂の中の声が語り始めたら、それにまかせきるがいい。」 「われわれ自身の中に宿っているものを憎んでいるのだ。われわれ自身の中にないものは、われわれを興奮させはしない」 「だれでも孤独のつらさをいかほどか感じなければならない。もっともたいていの人はそれに耐えることができないで、すぐにまたこそこそとはいこんで行くのだが。」 喪章 カインの物語 回教徒 温床 不染懐胎 小心翼々 ノヴァーリス一巻 拝火教 デミアンとはダイモーンであるのだ。 火を眺めよう…… 2023.5/3

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    投稿日: 2023.01.26
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    同じ著者の『車輪の下』が、なかなかおもしろかったので、本作も読んでみましたが、こちらはちょっと難しいところも多かったです。 前半部分のシンクレールの葛藤は、とても共感できて良かったです。 複雑な内面の話になってくると、理解が追いつきませんでした。

    3
    投稿日: 2023.01.22
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    難しい。信仰、相反するもの、心眼の話。俺には少し早かった、、 序盤の善の世界、悪の世界の二つの世界があって、シンクレアの善の世界が圧排されてる表現好きだった。

    0
    投稿日: 2022.07.26
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    善悪、明暗、自他。 二元的に背反するものを超越した先に真理を追い求め、自我を懸命に模索する少年とその葛藤が、印象に残った。 宗教、哲学の色が強く、難解な箇所も多いが、再読したいと思える作品。

    2
    投稿日: 2022.05.06
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     何度読み返してみても自我の引き裂かれる体験をおぼえる怪作です。  基調は近代ドイツ的でありながら洋の東西を横断する思想遍歴の目まぐるしさに肌がひりつくような感覚すらあります。  デミアンというイデオローグ人格はシンクレールの内側から発生したのかも、と言ってしまうとなんだか『ファイト・クラブ』のタイラー・ダーデンのようですね。

    1
    投稿日: 2022.05.01
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    われわれが一度きりの人間以上のものでないとしたら、われわれのだれもが一発の銃丸で実際に完全に葬り去られうるのだとしたら、物語を話すことなんか、なんの意味も持たないだろう。しかし、すべての人間は、彼自身であるばかりでなく、一度きりの、まったく特殊な、だれの場合にも世界のさまざまな現象が、ただ一度だけ二度とはない仕方で交錯するところの、重要な、顕著の点なのだ。だから、すべての人間の物語は、重要で不滅で神聖なのだ。だから、すべての人間は、とにかく生きていて、自然の意志を実現している限り、驚きと注目とに値する。すべての人の中で、精神が形となり、生物が悩み、救世主がはりつけにされているのだ。 すべての人間の生活は、自己自身への道であり、一つの道の試みであり、一つのささやかな道の暗示である。どんな人もかつて完全に彼自身ではなかった。しかし、めいめい自分自身になろうと努めている。ある人はもうろうと、ある人はより明るく。

    0
    投稿日: 2022.02.13
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    なんかめっちゃ好きだった。 後半全然意味わかんなかったからいつかもう一回読みたい。 全人類にすすめて感想をききたい。

    0
    投稿日: 2022.02.13
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    デミアンなる教祖要素ある少年が、自我の固まっていない主人公シンクレールを、共にオカルトアブラクサス教へ導こうとしてるとしか思わなかった。 しかもシンクレールのデミアン母への劣情をも利用して。親子で誘導。

    0
    投稿日: 2022.01.05
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    確か高校の時に初めて読み、大学の頃に2回目を読んだので今回が3回目。少し距離を取って読めたと思う。 学生の頃は多分まさに自分もしるしを持った芸術家なんだと思って読んでいた気がする。 大人になるとそうは思えなくなるところがある。

    2
    投稿日: 2021.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長い間、積読になっていたものを読んだ。 本書は、幼年期から始まる私(シンクレール)の物語で、大人(青年?)になった彼自身が、過去を振り返っているような表現がされている。 物語の序盤は、幼いシンクレールからみたその当時の世界と、その受容の在り方の説明が繊細で、解説者が「ヘッセの書いたもので最も優れたもの」と評している通り、美しいと感じた。小説がすすんでいくにつれ、どんどん物語の抽象度が増していくのだが、この時点では、一つ一つのシンクレールの言動を丁寧に解説してくれている印象だった。また、この序盤は、両親に代表される「善」の家庭と、そうでない「悪」の対立する(と、シンクレールが考えている)世界を描いているが、悪童に付け入られて面倒なことになってしまうエピソードは、オーソドックスであり、かつやはり普遍的な、誰しもが通過する時期を表現していると思われた。 そして、デミアンが登場し、彼は聖書のカインとアベルをめぐる挿話の別な解釈をしてみせる。というより、別な解釈ができる、ということを示す。あわせて、「善」だけをrepresentする神はおかしい、「悪」もまた「黙殺」されずに、崇拝の対象となるべきだ、という。 以降、デミアンとシンクレールとは一度物理的に連絡が途絶えてしまうことになり、シンクレールは非行に走ったり、かと思えば絵を描くことに熱中したりと、物語の輪郭はおぼろげになっていく。けれど、序盤の整った物語の進行より、後半にかけて、シンクレールが迷い彷徨していく様のほうが、本書を特徴づけていると思われた。つまり、シンクレールはひたすら「自己自身への道」を進んでいる。それは何か特定の教義や信仰、既存の職業とか学問に囚われずに、「自分の中からひとりで出てこようとしたもの」に忠実に生きようとする姿勢をいう(と、私は考えた)。一見して、怠けたいときに酒浸りになったり、放校寸前で今度は清貧さを取り戻したりと、単に自分勝手に生きているに過ぎないと思われるかもしれない。けれど、シンクレールは何となく何者かになる、ということをあえて選択しなかったともいえる。ひたすら内省的に、本当に自分の思っていること、自分がそうであるところのものを追求するというのは、容易ではない。ただ、一方で最終的にシンクレールもデミアンも、勃発した戦争という波に乗っているように思える。自分が何かを深く自省するところまでは、理解はできそうにも思ったが、本書の運命論的な要素はどう理解したらよいのかが難しかった。 例えばシンクレールはよく夢を見たり、また、インスピレーションによって描いた絵が、デミアンや、デミアンの母とよく似ており、また彼らとも再開を果たすというのは、解説にもあったように、心理学などの影響があったのかもしれないが、少し都合主義的にも感じてしまった。 このように、既存の概念や大衆的なものの見方を批判的にとらえ、本来の自分とは何かを考察する姿勢は、内向的な自分の考えにもとてもあっていると感じた。その一方で、そうは言っても、自己完結するだけではなく、時に周囲を巻き込んだ積極的な自己変革の行動のほうが、やはり小説の題材としては面白いのだと思うし、翻って、現実の私はそうした言動ができないので、そう言ってはおこがましいのかもしれないが、自分自身の限界というか弱さのようなものを、読んでいて感じることがあった。

    1
    投稿日: 2021.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼少期から思春期、青年期と成長する過程での自己との向き合い方や自我の探究が繊細に表現された名著。自己認識は全て自分自身と対峙し、対話し、断絶することと思い続けること学び、苦難を乗り越えることにより辿りつくもの。つまり、ストーリーは全てシンクレールのインナーコンフリクトだったのではというのが25年ぶりくらいに読んだ感想。(デミアンなんてそもそも存在しない…とか?) そしてバンタンの花様年華やwingsシリーズと照らし合わせてみても、各々が対峙すべき相手や乗り越えなければならないトラウマはあるものの、結局は自分と向き合い、自分を理解し、自分が変わらない限り世界は動かない、というメッセージだと理解。アプラクス、エヴァ、ハイタカの絵、それをデミアンに送るシンクレール、「いい子でいなければいけない抑圧」に起因する様々な変化…。花様年華とwings short filmsを思い返すとますます深い沼に足を取られる。もう一度読み直してもっと詳細に花様年華との関連性を分析したい。

    1
    投稿日: 2021.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼少期から思春期、青年期と成長する過程での自己との向き合い方や自我の探究が繊細に表現された名著。自己認識は全て自分自身と対峙し、対話し、断絶することと思い続けること学び、苦難を乗り越えることにより辿りつくもの。つまり、ストーリーは全てシンクレールのインナーコンフリクトだったのではというのが私の考察。(デミアンなんて存在しない…?)

    0
    投稿日: 2021.08.08
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    ウワ難儀 でも家柄も仕事も信仰もあらゆるものは自分にただ付随しているだけ 運命を自分以外の事象に見出すのではなく自分の中に運命を見出してそれを生き抜くこと 自分にとっての最善を絶えず考えていきたいと思わせてくれる本だった シンクレールは賢く純粋で時として愚か 彼が善にも悪にも簡単に揺れ動き 心を波立たせる姿が やけに共感できてしんどい場面もあった

    1
    投稿日: 2021.07.23
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    主人公の少年シンクレールが自らを導いてくれるデミアンという少年に出会い、自我を確立していく話。善と悪の間を揺れながら葛藤する心の柔らかい少年時代を描いた前半は、『車輪の下』の主人公を重ね合わせた部分があった。中盤からは、神の啓示のようなものを受けたり、生きるよすがを探し求め自己との対話を深めていく哲学的な語りの様相を強めていく。幸福や使命、運命といったものを外界に求めがちだが、それらは自分の中にすでに宿っている。もがき苦しみながらも探しつづけなさいということを諭してくれているような作品だった。

    32
    投稿日: 2021.07.05
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    難しい。まだ一回しか読んでないからか。分かったふりをさせてくれない内容。自分を見失うな、と言われてる気もするし、なるようにしかならない、という悟りを聞かされてる気もする。途中からは極端に哲学的で抽象的な内容になるので、そうやすやすと理解できないのも仕方ないのかも。結局、デミアンやその母は主人公の想像、妄想、夢でしかないのか?きっとそうなんだろうけど、やけにリアリティもある。まあ、小説の解釈なんて読む人の自由だろう。

    2
    投稿日: 2021.03.29
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    2021年12冊目  ヘッセの作品は文学として完成されたものなので抵抗なく読めるし、主人公は皆確固とした「自己」があり、他の登場人物や環境の変化によって揺さぶりをかけられる。本作そのぶよぶよとした感覚を存分に味わうことができて楽しかった。

    0
    投稿日: 2021.02.07
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    シンクレールが明暗の世界で様々な障害にあい内面に秘める葛藤や苦悩を繰り返し、自己追求をする物語です なかなか哲学的かつ抽象的な表現が多かったため理解するのに苦労しましたね 友人のデミアンは神秘的でミステリアスな雰囲気があり良い意味でも悪い意味でもシンクレールの人生に多大な影響を及ぼしていたと思います 読み終えた感想としては、運命を受け入れあるがままにに生きようと思いました

    2
    投稿日: 2021.01.30
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    およそ15年ぶりに再読。話の内容はすっかり忘れていて、少年から青年になる過程の葛藤の表現かと思いきや、後半にかけて人間社会への批判精神がますます激しく迷いの無いものになっていき、想像を超えたところに着地している。まさしく解説にあるとおり、世界大戦中の執筆であることが背景にあるということで納得。デミアンもDaemonから来ているということで、車輪の下のハイルナーのような、少年を引っ張ってくれる早熟な友人というシンボルに留まらない。

    0
    投稿日: 2021.01.27
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    いわゆる古典を久しぶりに読んだ。思ってたよりすんなり読めたし、納得する部分とか共感する部分が多かったことにびっくりした。

    0
    投稿日: 2021.01.16
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    1917年。 ヘルマン・ヘッセ作。 少年が様々な人と出会い影響を受けながら、人生の意味を問うお話。 『車輪の下』みたいな学生物語の前半と、宗教などを絡めて哲学的な後半で構成されている。 この頃ヘッセ氏は心理療法や夢判断に傾倒していたらしく、そんな描写も多い。 学生が酒飲んで居酒屋で騒ぐという描写が沢山出てくるのだが、100年前から今まで同じようなことが繰り返されてきたと思うと感慨深い。 前半はさらっと読めるけど、後半はややこしいし、他人が見た夢を延々と描写されてもつまらなくて、退屈で死にそうでした。 読み終えるのにかなりの時間を要するので、2時間くらいの映画にして頂きたいです。

    0
    投稿日: 2020.12.19
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    読んでいる最中ずっとしんどかった。主人公シンクレールの懊悩には、共感できる部分もそうでない部分もあったのだけど、これは書いてるヘッセ自身がしんどかったんじゃないかなあ、と思った。 若い頃の、自分が自分じゃない感じ、身の置き所のない不安感、自分をめちゃくちゃに汚したいけど神聖でもありたい感じ、が一文一文から伝わってきて、情緒がめちゃくちゃになった。しんどい。 理解しきれてない部分が多いけど、このしんどさをもう一回味わうなら、再読はしないかも...。

    2
    投稿日: 2020.09.19
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    非常に深い本だった。少年が成長していく過程を描く小節。途中で出会う人物がどれも非常に深い。宗教観と哲学的に深い本だった。終盤に戦争、時代的に第一次世界大戦を指している、を皮肉として間接的に批判している。自己追求が今作の主軸であり、なかなか良かった。

    2
    投稿日: 2020.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという」(本文より) シンクレール少年が、善性と悪性の混在する世界で悩み苦しみながら自己確立していく成長物語。 その道中には導き手としてさまな人物が現れるが、あくまで彼らは導き手であって、道を掴むのはその人個人の孤独な路である。善悪に揺さ振られながら、自分自身を掴もうともがく姿が描かれる。 少しずつ苦しみながらも成長していくシンクレールに対し、デミアンは最初から最後まで変わることなく、導き手として完成した存在として現れるのが面白い。同年代であるにも関わらず、デミアンはシンクレールにとっての超越した伝道師であり道標だ。 そのうちシンクレールが描く絵画にはデミアンとシンクレールが入り混じった存在として見えるなど、度々統合を示唆する描写が出てくるが、ついにラストではデミアンはシンクレールの中に譲渡される。 思春期に読んでいたら影響を受けただろう作品。じっくりと解釈を呑み込んだ上でまた読み返したい。 

    0
    投稿日: 2020.08.13
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    難しい。あんまり深読みしてないけど全体的に今の相対主義と対峙する考え方なのかなという印象。 人は人との関係性において思考が決まるのです!関係性大事!とかいう某人材会社の思想に対抗する形。 自分を見つめ直す、禅のような考え。 どちらも大事だね。 43/100

    1
    投稿日: 2020.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    鳥は生まれようとして卵の殻を破らなければならない。 卵の殻を破るために、すなわち自我を自覚しそれに従って行動するために、ひいては停滞した世界を革命するためには何かを失わなければならない。 新生するためには古いものは打ち滅ぼされねばならないのだ。 最後にデミアンが亡くなって、それを自分の中に内包することができたシンクレールは、そうしてようやく卵の殻を破り、自我の確固たるところを見つめることができるようになったのだろう。 これから彼はきっと、外的な圧力ではなくその我の導きに従って生きていくことができる。 言い回しが独特で難しいが面白いので2周したい

    0
    投稿日: 2020.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『人間として生きる』とは何かに苦悩する主人公、シンクレールがそれを悟り理解するまでの話。 同じ悩める青年でもゲーテの「若きウェルテルの悩み」のような恋の悩みに比べて、個人的に好感が持てた。 この物語の中で『人間として生きる』とはどういうことを指しているかというと、『人は自己の内面にあるものを追及してこそ人になる。他の誰かや慣習や法律に真実を求めるのではなく、全て自分で考え行動し、その責任をとらなくてはならない。全ては己の中にある』という、ちょっとアドラー心理学にも似た哲学的な考えなのである。 全体を通してそういうどことなく説教くさい部分もあるのだが、ただ、ヘルマン・ヘッセの書き方がとても抒情的なので、それも気にならずスンナリ読めると思う。 ちなみに読んでいて個人的にソワソワしたのは、主人公シンクレールと幼少期からの友人デミアンの関係がどことなくBLっぽいところ。 個人的ソワソワシーン①主人公がいじめっ子にいじめられる夢の中で、いつの間にかいじめっ子がデミアンが変わっていて彼にそうされるのは不思議と喜んで受け入れられた、と独白するシーン。 個人的ソワソワシーン②主人公が自分の理想の女性の似顔絵を描いているうちに、だんだんデミアンの顔に変わってくるシーン。 こんな感じでちょいちょいそういう場面が挟まれるので、お好きな人にはたまらないという感じ。 あと面白かったのは、ヘッセはキリスト教圏の人なのに宗教に対してとてもドライな意見というか、客観的な意見を描いているのも意外で、現代人的には受け入れやすかった。(当時、問題とならなかったのか、ちょっと気になった) この作品を読んで主人公シンクレールと同じように考えさせられたのは、私も含め、とかく多くの人は外部からの情報や圧力によって流されるままに自分の考えや行動を決定しがちなのだれど、自分の頭で考えて自分の責任で行動するということが、私が『私という人間』として生きることだということ。 大人が読んでも面白いけれど、高校生くらいの年齢で、特に同調圧力が嫌いな人や空気が読めないと言われちゃう人が読むと勇気をもらえるかもしれない。 最後に☆3つの理由だが、特に大きな盛り上がりや事件があるわけでもなく、最初から最後まで主人公の内省をずっと追っていく話で、いわゆるエンタメ作品ではなく万人受けはしないと思ったからである。でも、上記の考え方が嫌いじゃないという人やブロマンス、少女マンガ好きにはオススメだ。

    0
    投稿日: 2020.05.17
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    やっと読み終わった......。1年ぐらいかかったかな、2週間に1度思い出して読むような感じだったけど、1ページ1ページが重くて、うーんうーんと考えながら読んでた。 「自分自身を探さなくてはいけない」というヘッセのメッセージ(と私は受け取りました)が、ぐるんぐるん心の中でリフレインしている...。 私の人生のテーマだな!これからも少しずつヘッセの作品読んでいくぞ〜。

    4
    投稿日: 2020.03.09
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    人間は、自己の真の姿を求めるものだ。精神性が確立されていない少年期ならば、なおさらであろう。 主人公のシンクレールは、明るい世界と暗い世界を行き来しながら、真の己の姿を問う。清らかさを求めるときもあれば、堕落に身を委ねることもある。 明も暗も、両方ともその人の内なのだと私は思う。私は明と暗を行き来する過程こそが、人生の分厚さになると感じた。その分厚さをもって、シンクレールはありとあらゆるものは自己から発せられることを知るのである。 最後に私自身、シンクレールに言いたいことがある。 「お前さん、ちぃとばかし変態をこじらせすぎじゃあないのかね?」

    3
    投稿日: 2020.02.13
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    おすすめされて頂いた、ヘッセの小説。 とても哲学に満ちていて、感じることも多い内容だったのだけど、感想を言葉にしようと思ってもなかなか難しい。 物語の当初は10歳の少年だったシンクレールが、独特な考えを持つデミアンと知り合い彼から大きな影響を受け、善と悪、明と暗など対になっている境地を行き来しながら、自己を追求していく。 揺れ動きやすい思春期にデミアンのような少年に出逢ってしまったら、思慮深い人間ならば恐らくほとんどが心酔に近い感覚で影響を受けてしまうだろう。 でもシンクレールは影響を受けつつも反発するような気持ちもあったから、彼なりの自己の追求が出来たのだと思う。 後半3分の1あたりは、ヘッセの思想に飲み込まれるような感覚があった。これは読まなければ分からないとは思うけれど。 キリスト教の知識も多少はあったほうが、きっとさらに深く読むことが出来ると思う。 ラストは哀しいながらも希望がある。 大人になっても自己の追求というのは終わらない。死ぬまで終わらないのかもしれない。考え悩みながら進むというのは、きっと希望に満ちているのだと思った。

    10
    投稿日: 2020.01.31
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    生涯の一冊になりました。 「肝要なのは 、任意な運命ではなくて 、自己の運命を見いだし 、それを完全にくじけずに生きぬくことだった 」 この一節に救われたような気持ちになりました。この作品は様々な萌えどころもありますが、人生の「指導者」になってくれる良書です。進路や人生に迷った時、何度も読み直したい名作。

    1
    投稿日: 2019.05.13
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    10代の頃に「車輪の下」を読み、これでヘッセは完了と思っていた。 「デミアン」という作品があるのを知ったのは、社会人になってから。悪魔的な友人に惹かれる話らしいと知ったが、まあ、若い時分に読む本だと思っていた。 でも今、読まないと、一生読めないだろうと、遅ればせながら手をだしてみた。 思っていたのと随分違っていたなあ。 カインの子供たちの〝しるし〟って何のことだ。アンチ・キリストをカインのしるしとしているんだろうか。 中間部でのピストーリウスからの導きは、拝火教、グノーシスやアブラクサス、ヴェダ教(リグ・ヴェーダのこと?)。つまり、キリスト教でなければ、何でもありなのか? 終盤のダミアンとその母、エヴァ夫人の示したものに具体性のあるものは何もない。つまり神秘主義なんだろうか。 主人公シンクレールの気持ちに同調できなかった。ヘッセだから読ませられる部分はあるけど、他の作家が書いたらトンデモ本じゃないかな。

    1
    投稿日: 2019.04.27
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    そういうわけで、ヘッセが読みたくなって、だってドイツ。ホルガーヒラーにヘッセな週末。 つまらなく読めば世界系小説のはしり。 ・われわれはたがいに理解することはできる。しかし、めいめいは自分自身しか解き明かすことができない。 ・われわれ自身の中にないものは、われわれを興奮させはしない

    0
    投稿日: 2018.11.24
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    前半は「車輪の下」を彷彿とさせておもしろかったけど、いかんせん後半は観念的というか抽象的というか、ちょっとわかりづらい。心理学の影響とか戦争の登場とか、時代的な影響ももちろんあり。 前半のスクールデイズは太宰治、後半のキリスト教→仏教、東洋的な価値変換ではサリンジャーを思い出したりした。

    0
    投稿日: 2018.10.10
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    「車輪の下」も内面を描いていたが自然も描かれていたのでほっとするところがあったが、「デミアン」はより深く内へ内へと入っていき息がつまりそうになった。前期と後期の境目の作品。難しい。戦争が大きく影響したようだ。

    0
    投稿日: 2018.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中2の時に読んで、すごくはまった作品。久しぶりに読んだ。よく中2で読んだよなぁと思った(^_^;)そして当時のような衝撃的感動を感じられなくなったことに、年月の流れを感じた。

    0
    投稿日: 2018.05.03
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    もう一度時間をかけて読んでみたい。 読みながら考えたことと、まとめ。 (感想は内容をよりよく理解しないと、難しそう。) 戦争の話が最後出てくる。ヘッセはこの作品を第一次世界大戦中に執筆したということで、その臨場感は生々しい。いかに今の幸せが、平和な世の中、社会が、不安定なものの上に成り立っているのか、まずは知っておく必要がある。そこから自分自身のあり方ができてくる。 物事を深く考える機会が減っている。大量に流れ行く情報を流し読みしているだけ。どちらを突き詰めて行くのが人生として面白いのか?また深く考える機会が減ったのは時代性なのか?それとも今も昔も人によりけりという変わらぬことなのか?少なくとも自分はどうしたいのか?それこそが大切というのはこの本の内容でもある気はしている。 この本が書かれたのは1919年。現代の自己啓発系ビジネス書にも出てくるような内容が多く見受けられるので、当時のある一定の層の人たちには自己啓発的な影響もあったのではないかと思う。 簡潔に、まとめてみる。 街には面白いことが沢山ある。が、心のままに生きた時に幸せと感じることはどこにある?実はここにある。幸せは万全か?いや実は不安定なものの上にある。ではどうする?

    0
    投稿日: 2018.04.15
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    ヘルマン・ヘッセは初読了。正しく平和にありたいと願いながらも、見栄や功名心から不正を働くこと。表向きは熱心な信者でありながら本心では価値を信じていないこと。友好と無関心の同居など、二律背反な心の揺れ動きを描いた物語。こういうことあるよなと共感しつつ、いまひとつ物語にのめり込めないのは時代が違い過ぎるせいか、宗教への理解が足りないからなのか。

    1
    投稿日: 2018.03.19
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    この作品の中にはまた会いに来たいと思う人がたくさん出てくる。そう感じるそう思える作品だった。よさを要約するのは難しい。ただ、強い共感のような小説に本来期待していたようなものがここにはあったと思う。前提が必要なのか、タイミングがあるのかはよくわからない。ひとつは青臭さを自覚している人にとってはきっといい読書になるんじゃないかなと思う。素晴らしい作品だった。

    0
    投稿日: 2017.12.18
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    高校生から浪人時代にヘルマンヘッセを読む。愛する友人との出会い・経験を通じて自分の存在について捉えていく。

    0
    投稿日: 2017.08.20
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    ファンタジーのようでいて、宗教色も強くて、でも読みづらくもない。内面的な戦いを経て大人になる(というか置き場をみつける)話で、久々に充実した読書をした気分。 青春小説なのに青臭くないのは、性を持て余して恋に悩まないからかしら。

    0
    投稿日: 2016.11.16
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    鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。卵は世界だ。 この言葉がすごく印象的で、この本を物語っている言葉でもあるなぁと思った。 レビューや周りの評価を見て、どんなものかと興味本意で読んでみた本作。 端書きから正直何を書いているのかわからなかったけど、とりあえず借りてしまったものだから読んでみようと挑戦。 宗教や、キリストの話が出てきてもよくはわからなかったけど、シンクレールの恐怖に私もすっかり感情移入してしまって気づいたらすらすらと読めてた。 自分を理解できるものは自分しかいない。 自己と向き合うことの大切さを学びました。

    0
    投稿日: 2016.07.31
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    すごく面白かった。特に、シンクレールが不良少年と不幸な事件を起こす辺りから友人のデミアンに救われるまでの序盤が秀逸だった。この序盤によって、小説に引き込まれ、帰ってこれなくなり一気読みしてしまった。 個人的にグノーシス主義に関心があったため、グノーシス主義的な宗教に関する主人公たちの問答も興味深く読むことができ、面白かった。特に、伝統的なキリスト教が明るい世界についてしか論じてくれず、異端的な思想に染まっていく点が楽しかった。いずれにせよ、思春期の中にいて、明暗の二つの世界の中で揺れ動くのは主題を身近に感じさせるのに役立っていたと思う。 小難しい内省的な話でも退屈せずに読めたのは上記の個人的な関心事の他にも、シンクレール、デミアン、ピストーリウス、エヴァ夫人、みな魅力的で素敵な登場人物ばかりなのも理由だと思う。特にエヴァ夫人は高貴で心惹かれた。 ただ最後少し現実世界に話が移ったのは個人的に残念だった。

    0
    投稿日: 2016.07.24
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    Das Leben jedes Menschen ist einWeg zu sich selberhin. 人生とは、自分自身へと向かう道である。 人生最大にして最高の本。 ヘルマンヘッセ自身もこの作品で化身を遂げ、真の意味での叙事詩人となった。 自らの人生と重ねたシンクレールとデミアンの存在。相反するものの同時存在には一度世界が壊れるのを経験しなければならない。運命は乗っ取ることができる。その意思力を身につけさえすれば。 神であり同時に悪魔でもある神の名はアプラクサス。卵(世界)から出て新たな世界となる神の誕生。

    2
    投稿日: 2016.06.11
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    リア充になり切れない大学生、全国のキョロ充達に読んでもらいたい一冊。背伸びして付き合っている友達と毎晩飲み会を開いて「うぇーーーいwwww」を連呼している君も、高校時代を黒歴史として、かつて大切にしていたものに無理をして唾を吐きかけていないだろうか??

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    投稿日: 2016.03.27
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    悟りを開いたよこの少年。 この感受性に触れて、喜びが湧き出でて誰かと分かち合いたいのだが、いないことに気がつくがそれでもいい。

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    投稿日: 2016.03.13
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    揺れ動く自我、自己の模索が運命への従順であるならば、運命とは何なのか?固執から魂の解放、それは拘らないことと何が違うのか?ダミアンは一体何者?また、彼の母であるエヴァ夫人の超越たる振る舞いや言動の所作は何を暗示しているのか?さっぱり分からない。ヘッセに見えている世界の一端も、覗くことができない。圧倒的なのか、倒錯的なのか。

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    投稿日: 2016.02.11
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    戦争近くの時に書かれた本で、世界が混沌へ陥るところを主人公と周りの環境でうまく表していると思った。自らは自らで導け、というのが読み終わった直後の感想

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    投稿日: 2016.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校時代に読んだ。「車輪の下」よりは、読み易かった。この本も、その頃読んだので、残念ながら、ほとんど覚えていないが、こういうものが純文学なのだと思った。 こころを描く小説があるという事を知った。 もう一度読んでみたい。

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    投稿日: 2015.04.03
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    「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。」 p.136 「彼は愛して、それによって自分自身を見いだした。これに反し、大多数の人は愛して、それによって自分を失うのである。」 p.223 全ての事の発端となる、幼少期の罪。 シンクレールはそれ以降、世界との関わり方を変えざるを得なかったが、遅かれ早かれ、彼はそうなっていただろう。 幼少期の人間にとっては自分の周辺が世界の全てであり、それ故シンクレールは小さな罪、小さな悪から逃れることができなかった。 この物語は、デミアンとの出会いを契機に、シンクレールが長い時間をかけて生まれ、自分自身を見いだす物語である。 そういう意味で、多くの人が本書を「思春期に出会いたい本」に挙げるのも頷ける。

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    投稿日: 2015.03.31
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    今までの経験では一、二を争う苦しい読書だったが、得るものも多かったように思う。主人公の苦しみに共感するような、否、作中の言葉を借りるのならば「自分自身の中に影を見出すような」読書だった。物語の初めは、私のように人と人のドロドロした関係が苦手なものにとっては読み難いかもしれない。けれど読み進めていくうちにそれが「真に必要」だったことがわかってくるように感じる。ただ終わり方に一抹の疑問を覚えた。シンクレールの魂の結実がこれで成ったとは思えないからだ。ただこれは個人の、ただの一読感想である。

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    投稿日: 2015.03.16
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    戦争で傷ついた中でデミアンと言う名の自分に出会う場面が、とても印象的。美しく、妖しい雰囲気を纏って心の中に刻み込まれている。 まさに自己探求の物語だった。

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    投稿日: 2015.03.09
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    “私は、自分の中からひとりで出てこようとしたところのものを生きてみようと欲したにすぎない。なぜそれがそんなに困難だったのか。”(序文および本文p.143から引用) ありのままに生きること、自分に与えられた役割を徹底して演じ切ること。誰もがそうしたいと願いながらなかなか果たせない。なぜか。自分という人間の正体がわからないから。自分に与えられた役割が何であるかがわからないから。 10歳の少年シンクレール(主人公)が青年になるまでの過程の、要所要所に登場して助言をくれるデミアン。少年とは思えない、超越した物言いには神々しさすら覚える。 聖書に登場する「カインとアベル」の新しい解釈、神でも悪魔でもある神アプラクサス、新しい宗教を創造しようと苦心する音楽家。……このような概念は、キリスト教世界では今日でもめまいのするような刺激的なものであるに違いない。それをおよそ100年も前に発表したヘッセはすごい。

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    投稿日: 2015.01.27
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    人生の道標のように、時折現れるデミアン、そして夢の女である、デミアンの母。このふたりは事あるごとに近づいてはふと遠ざかり、人生において何を選ぶかを考えさせられる。

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    投稿日: 2015.01.21
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    主人公のシンクレールは、不良少年からその場逃れの嘘をついてしまったがために窮地に陥る。その危機を救ったのが不思議な少年、デミアン。 ヘッセはこの作品以降に哲学的な作品を増やしたらしい。 シンクレールは何度も道を踏み外しそうになるが、デミアンや、通りすがりの女性によって、正しい道へと戻ってゆく。 そう、これは正しく明るい世界と、悪くて暗い世界を行き来する人間の物語とも言えるだろう。

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    投稿日: 2014.12.08
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     1919年発表、ヘッセ著。少年シンクレールは悪童クローマーに弱みを握られて精神的に追い詰められていくが、謎の少年デミアンによって救われる。デミアンはカインとアベルの神話に象徴される明暗二つの世界について語り、以後シンクレールはそれらの世界の間で揺れ、悩み苦しむことになる。  詩的な精神小説といった内容だった。  前半部分はクローマーやデミアンのキャラクター性がぐいぐいストーリーを引っ張っていくので、割と読みやすい。「いじめ」や「二元論への否定」などの内容も普遍的で分かりやすく、少年だった自分を思い出し、悲しいような懐かしいような気分になった。  だがどこかデミアンが優秀すぎるというか、人間味が感じられず、しかも要所要所で都合よく登場するものだから、人形のような印象を私は抱いたのだ。その印象引きずりつつ読み進めていくと、音楽家が登場したあたりからある予感がよぎり、デミアンの母が登場した時点で確信にいたった。  おそらくデミアンを筆頭とするこれらの、含蓄深い発言をする登場人物達は、シンクレールの影それ自体なのだろう。そういう意味で、この小説は最初から最後まで「自己探求」を貫いている。むしろそれしかないと言ってもいいだろう。キリスト教への批判といったテーマもあるのかもしれないが、私には、ヘッセがあくまで道具として「キリスト教批判」を使い、どうやったら若々しい衝動を保ったまま真理に辿り着けるのか、と悩み苦しんでいる様子が思い浮かぶ。終盤、戦争の描写が妙にあっさりしているのも、戦争自体が良いとか悪いとかそんなことには興味が湧かない、と示しているかのようだ(そしてその特徴こそ、ヘッセが詩人であるゆえんに違いない)。  デミアンがどこかに消えてしまうラストシーンを読むと、実のところデミアンなど初めからいなかったのではないかとすら、私には思えてくる。

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    投稿日: 2014.10.13
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    「私はヘッセの、一生懸命悩んでいるところは好きだな」 …最近読んだ本に関してたわいもなくお喋りしていた時に、友人が言った。 私自身ヘッセは好きだが、「少年の日の思い出」「車輪の下」「メルヒェン」「シッダールタ」しか読んだことが無かった。 そこで久しぶりに、ヘッセの小説の中でも評判の高い「デミアン」を読んでみようと思い立つ。 結果、これまで読んだどのヘッセの小説よりも、読むのに苦労した。 電車の中でこの物語を読みながら、何度まどろみ、眠りに落ちたか… ただ、面白くて考えさせられることは変わらず、 落ち込んでいる時に読むと元気になれたこともあった。 また「デミアン」を読んでみて、これまで個人的に読んだことのあるヘッセの小説を思い出させるような箇所が幾つかあった。 以下、その覚え書き。 ・愛されることのはなし …p10 愛すること、愛されること (「アウグスツス」) ・蝶(蛾)のはなし 少年は、蝶を採ってはピンに刺し眺めるのだろう。 (「少年の日の思い出」) ・自己への没頭のはなし …p99など 私自身、"内へ内へ籠り過ぎ"とご指摘いただいたことがあるのだが、 ・川のはなし …p16 ヘッセは川が好きか? (「車輪の下」「シッダールタ」「詩人」) ・父のはなし、母のはなし ヘッセの書く"父""母"からは、いつもある1つの印象を受ける。 (「苦しい道」「アヤメ」) ・愛のはなし …p142 動物的な暗い衝動、敬虔に精神化された崇拝、愛はその両者でありそれ以上なのだ。 (中勘助「犬」 性欲と愛のはなしを思い出す) ・火のはなし …p155 キラキラと輝く天使の群 (「アウグスツス」の暖炉) ・夢のはなし …p160 「メルヒェン」の中にも、世界大戦で精神的に不安定だった時期に書かれた短篇があった。夢現つ。 (「夢から夢へ」) 最後に引用ー ー私は、自分の中からひとりで出てこようとしたところのものを生きてみようと欲したにすぎない。なぜそれがそんなに困難だったのか。

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    投稿日: 2014.10.05
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    ヘッセの作品は初。 こんなに本に熱中したことってあったかな… まるで本の世界に入り込んだかのよう。私がジンクレールになっていた。ベアトーリチェ、ピストーリウス、エーヴァ夫人も全て最終的にはデミアンに繋がっていた。哲学的な表現が多く、おや?と思うところや、なるほどな、と感心したり…うーん、私もうっかりデミアンに翻弄されてしまった!そしてなんだかこれは…衆道に近い何かを感じるんだが…^_^ 私が読んだのがかなり古いものだったので(昭和46年のものだった!)ジンクレール→シンクレール、アブラクサス→アプラクサス、デーミアン→デミアンなど、海外文学は翻訳家によって若干ではあるが異なっていたりするので、今度は是非、新装版を読んでみたいとも思う。

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    投稿日: 2014.09.24
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    自分の中の殻を壊して飛び出したいと思う思春期の若者であった頃に出会えて良かった。この本がスタートでありキッカケだった人も多いのでは?

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    投稿日: 2014.09.16
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    ヘッセと「悪魔」を由来した表題の名称ということから勝手なあれこれを予期しながら読んでいたが、ラスト1章までくると、なんと愛おしい物語であるか、と感動してしまった。古いヨーロッパ特有の、宗教の概念に守られた明るい世界と、そこには属さない暗な世界のあいだで移行していく少年の精神。しかし、それは悪魔的なものの暗示ではなく、むしろ日本の古来からの思想にひょっとすると似ているのかもしれない…と思っているうちに日本人が登場したのには驚いた。   いまだからこそ読むべき、と思われる箇所はいくつもあった。集団に関するデミアンの叙述は今も昔も変わらない。

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    投稿日: 2014.09.07
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    昔の本で、こんなに心理学というか、夢だとかを取り上げてるなんて、あるんだろうけど、すごく面白かった。惹きつける魅力、だとか夢が暗示だとか。ちょうど、フロイトの夢診断、精神分析を読もうとしてただけに、なんだか面白かったし、最後の所がまさに。時代背景が伺える。そんな風に無意識に刺激を求める人々が、戦争を惹きつけるのか。

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    投稿日: 2014.07.16
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    かぐや姫で、千田さんがかつて読んだ本。 世界大戦・無意識の発見・精神分析など、当時をうまく織り交ぜながらも、探求していることは二千年近く前から変わっていない。 存在という抗いえない運命の前に、内から発せられる声の前に、人間は従うよりほかない。ここに歴史の力があるのだと思う。歴史は自分自身だということの。 自己実現とはなりたい自分になることではない。こうとしかなりえない自分の運命を知ることに他ならない。ユングがいうところのものはこうなのだと思う。 デミアンはどこかにいるのではなく、自分自身のうちに在る。出会えること、そのこと自体がそもそもの奇跡である。一期一会、ご縁の不思議。何かを亡くすことは、確かに悲しいことのように見えるが、変化の避けられないこの世界で、同じ時間を共有できたこと、そのことに感謝できる。

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    投稿日: 2014.03.15
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    何とも魅力的な本です!! 一文一文がとても詩的で美しく、ウットリしてしまう程でした。 「その頃私は盲のようにかけまわっていた。 あらしが私の中で騒いでいた。一歩一歩が危険だった。 今までのすべての道が流れ込み没している深い暗黒よりほか、 何も目の前に見えなかった。」 すっかり自分を見失っているシンクレールの心情を、 的確に言い表しているこの文章に、思わず舌を巻きました。 まだ幼いシンクレール少年は、ひとつの小さな嘘によって、 両親の庇護下にある生活から、地獄へと突き落とされます。 そんな彼を救ったのが、少し年上の少年デミアン。 デミアンの何もかもを見透かしたような大人びた言動。 その存在自体が神秘的で、私もシンクレール同様すっかり虜です(笑) 自分を見失った少年が、徐々に自己を確立していく。 思春期をすっかり過ぎてしまった自分にも、 心の奥底にまでズッシリと響くような素敵な作品でした。

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    投稿日: 2014.03.08
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    10歳の少年であった主人公・シンクレールは、ふと付いた嘘をきっかけに悪童クローマーから脅迫されるようになる。友人デミアンはシンクレールの苦境に気付き、助けてくれる。それをきっかけに交流を持つようになる2人。“明るい”世界しか知らなかったシンクレールは、デミアンによって“暗い”世界を知ることになる。シンクレールは明暗二つの世界を自分の意識と重ね合わせながら成長していく。 明るい世界と暗い世界、正義と悪、発展と衰退、秩序と混沌-シンクレールは二つの世界を行き来しながら、自己を確立していく。序盤は一個人の成長録、以降は宗教的・哲学的な内容だった。 ~memo~ 第一次世界大戦中の1919年に発表。元々は偽名で発表された作品。

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    投稿日: 2014.01.16
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    キリスト教の成立の歴史というかツギハギの歴史(未だにツギハギしてますが・・)を知らないとただの退屈で小難しい青春小説になるので、もし高校生とかが読むなら調べてから読むと良いかも。 キリスト教社会で育った若者が読んだらひっくり返るくらいびっくりすると思う。

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    投稿日: 2013.11.23
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    最初の方の少年期の回顧録は「これは、またいつものヘッセか…」という展開で、正直この手のヘッセはもういいよってなった。しかし、デミアンとの再会から物語が大きく動き始めた。宗教色がかなり色濃く出ていて、やや難解。ダンテの『神曲』を読みたくなった。解説を読んでから読んだ方がわかりやすいかも。いずれにせよこの作品がヘッセ転換期の作品であるということは間違いない。2012/324

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    投稿日: 2013.11.17