![危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII](https://ebookstore.sony.jp/photo/BT00003156/BT000031565400800801_XLARGE.jpg)
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネロが凄腕のシリア総督コルブロに自死を命じて、元老院に国家の敵とされて自死してから、目まぐるしく、皇帝がガルバ→オトー→ヴィテリウス→ヴェスパシアヌスって変わる。 ヴェスパシアヌスは世襲制で皇帝の座を承継できるように整えて、死後、長男のティトゥスが皇帝になるんだけど、立て続けに起こった2度の天災の対応に忙殺されて、ティトゥスが亡くなっちゃう。民衆からも人気あってバランス取れた良い統治をする人だったらしい。 で、次男で弟のドミティアヌスが跡を継いで帝位に就くんだけど、この人は公共施設の改修工事やら新設やら、色々評価されることをした一方で、奥さんと姪との闇深そうな関係の拗れとか終身財務官に就任して元老院に警戒されたりだとか、まあ好かれない施策も多々打ち出したせいで、暗殺されてしかも記録抹殺刑に処されて、歴史上からいろんなことが消された。 そのあとはネルヴァっておじいちゃんが少しの期間皇帝になって、スペイン出身のトライアヌスが初めて属州出身の皇帝になった、ってところまでが書かれてる。
2投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ1.ガルバ 皇帝らしいことは何一つない、人身の読めない普通のおじいさん。 2.オトー 皇帝の座を巡り内乱が起こる。内乱を収めるためか、自死。 3.ヴィテリウス 権威と権力を持っていたが活用法を知らなかった。内戦に敗れ死亡。 4.帝国の辺境では ローマの内乱を好機と捉え、外乱が起こる。挙句の果てにガリア帝国まで建設される。結局鎮圧されるが、寛容で迎える。内乱の余波であることを自覚していた、自らの非を認めたが故の行動。 5.ヴェスパシアヌス 庶民的であり、身の丈にあった行動におさえている。皇帝法の成立により、元老院からの承認を得なくても皇帝が成立するようになった。コロッセウム建設。死ぬまでに、平和と秩序の回復とその維持を実現。 6.ティトゥス 有能ではあったが、災難続き(ヴェスヴィオ火山噴火など)に心身がまいったのか、早死。 7.ドミティニアヌス 皇帝統治を積極的に行う。恐怖政治になる。暗殺される。 8.ネルヴァ バランス感覚豊かなジェントルマン。 リスクを排除しようとするほど、リスクに足元を取られる危険も増大する。リスクがあれば緊張感を持つ。
0投稿日: 2022.04.21
powered by ブクログ20210516 ネロ帝の自死によってユリウスクラウディウス朝が崩壊してから、1年間にガルバ、オトー、フラヴィウス3人の皇帝が表れては消える内乱状態となる。 この混乱を収めたヴェスパニアウスはフラヴィウス朝を創設して、ティトゥス、ドミティアヌスへと続いていく。 ・ガルバ、オトー、フラヴィウスは皇帝になったあと、何をすれば平和と秩序を維持できるのか、のヴィジョンがなかった。ただ、配下の軍団兵に推挙され、その地位に目がくらんだ近視眼的な行動である。ヴェスパニアウスは、ムキニウスからの協力を取り付けると、フラヴィウス派との軍事対決への対処と、帝国における自分の役割で市民と軍団兵の支持につながるユダヤ戦役の双方に適切に対処する。 ・ヴェスパニアウスとティトゥスは壮年期まで皇帝を意識しなかったため、庶民的で民衆の支持も厚かった。ドミティアヌスは若くして帝位を意識し、告発による元老院のコントロールを公然と行ったことで反感を買った ☆プライドはよい仕事をするための必要条件ではないのかもしれない ・ドミティアヌスの構築した、ラインとドナウの上流地域の防衛線となる、リメスゲルマニクスはその後の皇帝たちも補強を重ね、方針を踏襲している ・ローマ繁栄の理由①インフラへの投資:街道、水道、会堂といった公共建築を地道に作り、補修し続けたことがローマ繁栄が長く続いた理由の一つ ・ローマ繁栄の理由②現実的、質実剛健の精神性:ギリシャ人のように空論をもてあそぶことを嫌い、安全と秩序の維持、食の保証を中心にした福祉の向上に価値観の中心においた ・ローマ繁栄の理由③高い公共心と市民、元老院、属州からのチェック機能:皇帝を始めとした有力者は公共建築を寄付することが求められた。カエサルは高い地位のものは低いものよりも行動が制限されるといい、共和政時代には元老院階級が最も戦争における死者を出した。 ・ローマ繁栄の理由④実力主義:公職を務めるものは属州統治や軍団勤務などの実務経験があることが求められた。実力主義に例外が多く混入すると、いつしかそれらのものが作る独自ルールが生まれるようになる。 実力とはなにか、を明確に定義することが重要
0投稿日: 2021.05.16
powered by ブクログネロ帝を自死に追い込んだまではいいが、ネロ帝にはこれはという跡継ぎがいなかった。ということで大混乱、2年の間に3人の皇帝が次々変わる状態に。でその混乱をなんとか収めて再建する話。
0投稿日: 2019.03.07
powered by ブクログローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。このころのローマはまだ元気です。
0投稿日: 2018.10.23混乱し皇帝は変われどローマは進む
ネロ帝が不適格と見なされて事実上の追放となった後、後を継いだガルバが失策を重ねた挙句に暗殺され内戦にまで発展。その混迷を収めて登極したのがヴェスパシアヌス帝。表紙の彫像も彼のものです。 そして彼の息子である、ティトスにドミティアヌスと、フラヴィウス家の皇帝が続き、華々しくはないが堅実な政策を推し進めて帝国を強化します。しかし、専制色を強めたドミティアヌス帝が反感を買って暗殺されてしまいます。その混乱をうまく収めたネルヴァ帝が後継者にトライアヌスを指名して死ぬまでがこの巻で扱われている内容です。 なんだか長くなっちゃいましたが、それほど長い時間ではありません。30年くらいでしょうか。それだけ混乱を重ねつつも、前に進むローマ人 の力強さがひしひしと伝わってきます。それが、塩野さんがこの巻で一番伝えたいことなんでしょう。 ドミティアヌスは、ゲルマニア防壁を作り防衛線の弱点を消し、ドナウ川流域の属州を改編して防衛力を高め、教育改革を実施し…と次の五賢帝時代へつながる政策を推し進めながら、結局暗殺されてしまうのは、人の心への配慮が足りなかったからという側面があります。 それが政治というものなのかもしれません。正しいばかりでは支持を得られない。支持を得るための入念な下準備を経てこそなされる事業もあるんですよね…ヴェスパシアヌス帝がそうであったように。 その辺も考えさせられる巻でした。
1投稿日: 2016.12.14
powered by ブクログ(2016.07.20読了)(2009.07.05購入) この本で扱われている期間は、紀元68年から98年までの30年ほどです。 この間に7名の皇帝が登場します。ガルバは、在位7か月。オトーは在位3か月。ヴィテリウスは、在位8か月。ヴェスパシアヌスは、在位9年6か月。ティトゥスは、在位2年3か月。ドミティアヌスは在位15年。ネルヴァは、在位1年4か月です。 落ち着いて統治できたのは、ヴェスパシアヌスとドミティアヌスの二人だけでしょうか。 皇帝ティトゥス在位中の79年夏にヴェスヴィオ火山の爆発によるポンペイやエルコラーノの埋没が起こっています。 ティトゥスとドミティアヌスは、ヴェスパシアヌスの息子たちです。親子三人による統治は、トータルで26年9か月に及びます。 皇位争いによる内戦が何回かありますが、ローマ帝国としては、比較的安定していた時期なのではないでしょうか。ローマ史を勉強したことはなかったので、この本に出てくる皇帝の名前には、馴染みのない方ばかりです。 【目次】 はじめに 第1章 皇帝ガルバ 第2章 皇帝オトー 第3章 皇帝ヴィテリウス 第4章 帝国の辺境では 第5章 皇帝ヴェスパシアヌス 第6章 皇帝ティトゥス 第7章 皇帝ドミティアヌス 第8章 皇帝ネルヴァ 〔付記〕一ローマ詩人の生と死 年表 参考文献 ●前線(26頁) ローマ帝国にとっての「前線」とは、ライン河とドナウ河とユーフラテス河につきる。 ●財政再建策(27頁) ガルバは、帝国の財政再建策でも誤りを犯した。その実行を宣言したまではよかったが、具体策となると失笑を買っただけであった。ネロが贈った金銭や物品を返せ、としたのである。ネロは贈物をするのが大好きではあったが、有力者や金持に贈ったのではない。ローマ社会では下層に属する、歌手や俳優や騎手や剣闘士に贈るのが好きだったのだ。 ●嫉妬(76頁) 嫉妬とは、相手に対して能力的に劣ることの無意識な表れに過ぎない ●皇帝の責務(86頁) ローマ皇帝の二大責務は、安全と食の保証である。安全とは、外敵に対する防衛に加え、帝国内の安定の維持もある。 ●戦闘の利点(107頁) 戦闘という人類がどうしても超越できない悪がもつ唯一の利点は、それに訴えることで、これまで解決できないでいた問題を一挙に解決できる点にある。圧勝でなければ意味をもたない理由もここにある。 ●神の介入(163頁) 古代のローマ人は、人間の担当分野である政治に神が介入してくるような政体を、考えたことさえもなかった ●小麦(198頁) 主食を輸入に頼るようになって以後の本国イタリアの必要量の三分の一は、エジプトからの輸入が占めている。 ●休日(238頁) ローマ人には日曜を休む習慣はなく、神々に捧げられた祝日が休日になる。 ローマ人にとっての休日は、神殿で神に祈りを捧げた後に、競技や闘技を楽しむものであったのだ。 ●医療と教育(241頁) 現代の福祉制度を知っている我々の考える国家による社会福祉には、医療と教育もまた欠かせないのではなかろうか。 ところが、ローマ人はこの二つは、国家の責務とは考えていなかったのである。 ●官邸の組織化(303頁) ドミティアヌスは、いわゆる「官邸」の組織化も断行した。皇帝に集中してくる大量な実務をさばく、秘書官システムの整備である。 ドミティアヌスは、秘書官の全員を、騎士階級から登用している。 ☆関連図書(既読) 「世界の歴史(2) ギリシアとローマ」村川堅太郎著、中公文庫、1974.11.10 「世界の歴史(5) ローマ帝国とキリスト教」弓削達著、河出文庫、1989.08.04 「ローマの歴史」I.モンタネッリ著、中公文庫、1979.01.10 「古代ローマ帝国の謎」阪本浩著、光文社文庫、1987.10.20 「ローマ散策」河島英昭著、岩波新書、2000.11.20 「ポンペイ・グラフィティ」本村凌二著、中公新書、1996.09.25 ☆塩野七生さんの本(既読) 「神の代理人」塩野七生著、中公文庫、1975.11.10 「黄金のローマ」塩野七生著、朝日文芸文庫、1995.01.01 「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」塩野七生著、新潮社、1992.07.07 「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」塩野七生著、新潮社、1993.08.07 「ローマ人の物語Ⅲ 勝者の混迷」塩野七生著、新潮社、1994.08.07 「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサルルビコン以前」塩野七生著、新潮社、1995.09.30 「ローマ人の物語Ⅴ ユリウス・カエサルルビコン以後」塩野七生著、新潮社、1996.03.30 「ローマ人の物語Ⅵ パクス・ロマーナ」塩野七生著、新潮社、1997.07.07 「ローマ人の物語Ⅶ 悪名高き皇帝たち」塩野七生著、新潮社、1998.09.30 「ローマ人への20の質問」塩野七生著、文春新書、2000.01.20 「ローマの街角から」塩野七生著、新潮社、2000.10.30 (2016年7月24日・記) (「MARC」データベースより) 繰り広げられる意味なき争い、無惨な三皇帝の末路。帝国再生のため、時代は「健全な常識人」を求めていた―。皇帝ネロの死にはじまってトライアヌスが登場するまでの三十年たらずの時代を描く。
0投稿日: 2016.07.24
powered by ブクログ有名どころの皇帝の巻が終わった途端読むペースが落ちたが、読みはじめれば読んだでやはり面白い。 ドミティアヌス帝の孤独に共感。治世後半のティベリウスも同じだが、皇帝としてやっていることはきちんとやっていてもっと評価されるべきなのに非業の最期を遂げる。。。唯一心を許せたのはユリアだったのか…。
0投稿日: 2014.11.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1年1冊のシリーズも西暦69年のネロ自死というローマの危機に始まり、軍人皇帝たちそしてヴェスチニアヌスによるフラビウス王朝の開始になりました。あまり知らなかった時代ですが、ボンベイの滅亡、ユダヤの反乱(マサダの砦)などで親しみのある時代でもあります。塩野さんの詳細な研究にはいつも圧倒されます。
0投稿日: 2013.08.24
powered by ブクログ繰り広げられる意味なき争い、無惨な三皇帝の末路。帝国再生のため、時代は「健全な常識人」を求めていた―。皇帝ネロの死にはじまってトライアヌスが登場するまでの三十年たらずの時代を描く。
0投稿日: 2012.09.10
powered by ブクログ文学的な歴史書、というところが面白いのだろうと思う。事実の積み上げではなく、筆者の推測、考えがところどころに色濃く出ていて、読んでいる方も楽しめる。 本書の対象の時代はわかりやすい英雄もいないし、血みどろの内戦もあり、史実の部分は少々読むのがつらい部分もあった。それでも、前世の皇帝のどういう政策を引き継いだかとか、後世の皇帝がどの政策を引き継いだか、あるいは引き継がなかったか、という点から対象者を評価しているところなどはとても面白かった。
1投稿日: 2012.03.15
powered by ブクログ第1巻から読みふけって、すっかりローマのファンになっている身としては、内乱で傷つけ合うローマを見るのはつらい。愚かな皇帝がいると、最初におかしくなってくるのは「信頼感」のようなものなのだろう。 ごたごたしている帝国を落ち着かせたのは「常識」であった、というのがおもしろい。ヴェシパシアヌスの、当たり前のことを当たり前にやっていくことで「信頼感」を取り戻していく動きに、とても共感した。 それにしても、その二人の息子たちも、その後を継いだネルヴァも、それぞれに一生懸命だったと思うのだ。読んでいると、どうも不運だったんだな、と感じてしまう。それと同時に、巨大な権力を持ち、なおかつ幸運に恵まれるというのは、奇跡的なものなんだなと思う。 カエサルとアウグストゥスのリレーは、やっぱりすごかったんだな。 2007/4/18
1投稿日: 2010.08.29
powered by ブクログ2010/03/06 皇帝オトーがわりと好き。 いまが絶頂期ならば、すでに衰退の影が見えているということか。ローマの国家観が滅びてしまったことを惜しんでいるのが伝わってくる。
0投稿日: 2010.03.06
powered by ブクログ普通の人ならさらりと飛ばしてしまうだろう時代を克明に、しかも「とはいえ面白いのよ」と描き出す著者の文章には脱帽。この人は本当によく人を見る力があるんだなと改めて思う。 でもこの巻は次の五賢帝の前座でしかない、と少し歴史を知っていれば思ってもしまうけれど。なんだかカエサルの時代が懐かしい。
0投稿日: 2009.09.24
powered by ブクログ第8巻は紀元68年、第6代皇帝ガルバから、紀元96年第12代皇帝ネルヴァの死まで。29年間に7人の皇帝が続く、内乱と混乱の日々、ヴェスヴィィオ火山の噴火によるポンペイの埋没もこの時期。 「まず持って人間には、自らが生きた時代の危機を、他のどの時代の危機よりも厳しいと感じてまう性向がある」 「政体が何であるかには関係なく統治者と被統治者の二分離は存続せざるを得ないのが現実」 「平凡な資質の持ち主は、本能的に、自分より優れた資質の持ち主を避ける」 「独裁体制の国家では、その国の持つ軍事力の真の存在理由は、国内の反対派を押さえることにあって、国外の敵から国民を守ることにはない」 「人間が人間を裏切るのは、恐怖よりも軽蔑によってである」 「戦闘という人類がどうしても超越できない悪が持つ唯一の利点は、それに訴えることで、これまで解決できないでいた問題を一挙に解決できる点にある。リーダーの第一条件は、自軍の兵士たちをコントロールする力量」 「自由と独立の二語・・・他者を支配下におくことを考えた民族で、この二語を旗印にかかげなかった民族は皆無である」 「他民族に長く支配された歴史を持つ民族は、精神の柔軟性が失われてかたくなになる。また、何に対してであろうと過敏に反応しやすい。そして、過酷な現実を生き抜く必要からも夢に頼る。ユダヤ教では救世主待望がそれに当たった」 「多神教の民族では、政治と宗教は分かれているのに反し、一神教の民族では、宗教が積極的に政治に介入してくる神権政体にならざるをいない」 「ユダヤ戦記(山本書店)・・・史書の傑作」 「ユダヤ戦役・・・純粋を至上の生き方と信ずる人にとって、不純ほど唾棄すべきものはない、純粋であればあるほど、少しの不純も許せなくなる」 「人間であることの宿命は、何かを成せば成したで、それによって起こる新しい問題に直面せざるをえない」 「トライアヌス・・・運命とは何が機縁で変わるか分からない、人間の運不運を幸運の女神に気まぐれの結果にしたがる人の気持ちもわからないではない」 「人間とはなぜか貴種には甘く、高貴な生まれでも育ちでもない人物が強権を振るおうものなら、ヒステリックなほどに反撥する傾向が強い」 「人間にとっての最上の幸運とは、自分のためにやったことが自分の属する共同体のためになること、私益と公益が合致すること」
0投稿日: 2008.10.23
powered by ブクログいつかうまくいかなくなることがわかっていてもその時点で必要な改革があり,これを読んで使命感を新たにした政治家がいたに違いない。
0投稿日: 2007.02.14
