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幻影の星
幻影の星
白石一文/文藝春秋
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総合評価

23件)
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    何作目かの白石一文さんの作品 書評を見る限り、これが彼の骨頂なんだとは思うが、おー、、そういう感じねという驚き(何か謎が明確に紐解かれていくのかしら?)と思いながら読み進めていたため若干思っていたのとは違ったが面白かった

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    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・バーバリーのコートが故郷のバス停でなぜか発見されるところから始まる話。 ・過去にも、どうも1回読んでいた記憶があるが、内容が曖昧だった。 ・今回も歯痛があったので、しっかり集中して読めず、内容がイマイチ頭に入ってこなかった。 ・2012年1月の発刊。主人公の内省がふんだんに作中に盛り込まれるタイプの作品。 ・文庫解説の榎本正樹さんの文章がよかった。 ・再読度:中。

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    投稿日: 2025.08.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さいきんこの人の本をよく読んでいたので、長崎という言葉に惹かれて選んでみたらまあ諫早でびっくりしたわ。あの街でいちばんすきな場所は本明川だった。雨で増水した本明川を見るのがだいすきだった。 正直話はよく解らないけれど、主人公の考え方や人との関わり方、休日の過ごし方がすきだなと思った。 「結局、その人がいてもいなくてもいいかどうかは、どうしてもいてほしいって言ってくれる相手がいるかどうかで決まるのかもね」

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    投稿日: 2022.04.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (2013年5月に書いた感想です) この頃の白石一文さんは、震災や原発事故、火山の噴火などに絡め、この世(いのち)の無常さを書くことが多いのかな? この物語もそんな感じ。 あくせく生きても、結局100年後にはみんな死んでるし、大地震みたいな自分ではどうしようもないことで、あっさり死んでしまうことだってある。 生に執着してもむなしいものだ…。 この物語では特に、「時間」について特殊なとらえ方をしている。 時間(過去・現在・未来)なんて、人間が作り出した幻想みたいなもので、現在の自分以外のモノはしょせんイリュージョン。 そんなことを考える主人公は、あるとき存在するはずのないものを受け取る。 それは未来の自分からのメッセージ?SDカードのデータを分析してみると、どう考えても、未来の出来事を示唆している…。 同じとき、同じような体験をしている女性がいて、二人の過去と現在、未来が最後に交差する。 とってもよくできた、不思議な小説。 未来の自分からメッセージがとどく、というと、SF小説みたいだけど、あくまでいつもながらの白石一文ワールドは崩さず、不思議な出来事なんだけど現実として受け入れ、「そんなこともあるかも」と思わせられちゃうところがすごい。 けっこう「時間」のとらえ方が理屈っぽく、時系列的にも難しいので、あんまり真剣に読むと疲れるけど、深く考えずに「そんなものかも」と思いながら読んでいいかも。 表紙に白い犬がえがかれているけど、物語中にちょこっと出てくる犬が鍵です。

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    投稿日: 2021.09.17
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    最近はまっている白石さん。 かなり期待して読み始めましたが、最後まで共感や理解が追いつかないこともあって、少し落胆気味です。 しかし、本書は非常に抽象的かつ身近な事柄をテーマとしているため、はっきりとした答えや結末を出さず、筆者の一つの“考え”を紹介していると解釈すると、興味深い部分もありました。 時間とは人間が便宜上作った道具であり、存在しないものである、と言う考えが印象に残りました。

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    投稿日: 2020.04.01
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    長崎市諫早市いさはやし ほんみょう本明川 めいめい銘々適当に飲み始める イリュージョン 中洲の旗艦店 デキャンティング 重度の子宮内膜炎を患っていて 過去の姿の連なり 既に無くなったものの集積 江戸川橋 神楽坂 書籍取次大手のトーハン 逆転式一方通行 ひるがれい昼餉ひるげ 都電荒川線に乗って早稲田と三ノ輪橋の間を往復したり イタリアの小都市トリエステ たききぎ薪焙煎の上質なエスプレッソ 世界平和はナマコとともに ゾウの時からネズミの時間 肺の動きは、その動物の心拍を基準にすると、四倍の時間がかかっている。つまり心臓の拍動を時計の振り子とみなすなら、肺の時間は、どの動物でも心臓時計四拍分なのである。 とう薹が立っている 梅枝母智夫ウメガエモチオ 梅ヶ枝餅 巨大隕石 直径四〇〇キロ 秩父ワインの醸造所 委託生産 昵懇の間柄 それこそ女性のオルガスムスを何倍にもしたような生涯ただ一度きりの陶酔が死の瞬間訪れてくれるのならば 芋焼酎の赤兎馬 つまみは蕗味噌 ゆうげ夕餉 細工は流々りゅうりゅう 非嫡出子ひちゃくしゅつし 彼は女性のアナルにしか興味が持てない異常性欲者なのだ 愛犬のルルド クリーム色のポメラニアン 女は誕生に生命の意味を見出すが、男は死の中にこそ、その意味を読み取ろうと欲する。男は人間存在の終わりの為に生き、オンナは始まりの為に生きる。男は愛する女に一緒に死んで欲しいと希い、女は愛する男に一緒に生きて欲しいと希う。 何もかも死に対する抵抗として存在している 松本清張 敵愾心を糧に刻苦勉励 音羽通り 講談社ビル 鳩山会館 至極当たり前の感想 大塚警察署 椿山荘の冠木門かぶきもん フォーシーズンズホテル ルルドの洞窟 また別のレプリカ 平和公園での一齣 こぬか小糠雨が降る彦国橋 閉経した雌が子育てに参加できるかがどうかが一番大きくて 放射能の「ホルミシス効果」 或る世代 玉置浩二の曲名から拝借 太宰府天満宮 菅原道真 とびうめ飛梅伝説 シュミレーション=思考実験装置としての小説の機能がフルに活かされた作品である タナトロジー死生学 直線的で計量可能な時間意識からの飛翔こそを

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    投稿日: 2019.04.12
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    【あらすじ】 熊沢武夫が東京で買ったネーム入りのコートが、故郷・長崎で発見された。だが武夫の部屋のクローゼットには、新品のコートがかかったまま。なぜ、全く同じコートがこの世に二つ存在するのか?謎を追いかける武夫の前に、ある女性の存在が浮かび上がる。3・11後の世界を舞台に、生きることの実相を描く。 【感想】

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    投稿日: 2018.06.21
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    私にとって好きな作家ベスト3に入る白石さんの作品。 今回はなかなか共感できないまま読了。 緻密な風景描写は変わらず、私の好きな部分でもあるけれど、時間や空間のとらえ方や「イリュージョン」「レプリカ」などの言葉で表現される概念のようなものがよくわからなかった。 これまで読んだ作品の中にもある、ちょっと不思議な出来事のからくりや、実はそういうことだったんだという結末などを期待しすぎたのかもしれない。 解説にもあった、未曽有の大災害を作家がどうとらえるかによって、作品の中での表現に違いが出てくるという点。 私は災害を物語の中でも事実として挿入する白石さんの作風が好きで、白石さんの感じ方(主人公などの登場人物)に共感する部分が多い。 また、ほかの作品も読んでみようと思う。

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    投稿日: 2018.06.13
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    東日本大震災を経て変化した人生観を描いた作品だと思うのですが、あまり関係ないと思える描写が多く、かつパラレルワールドでもない不思議な要素も加わって、何がポイントなのか理解できなかった。 相変わらず白石作品は難解で、なのについ読んでしまうところが魅力なのか。

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    投稿日: 2018.03.14
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    死生観、生きている今と死んだ世界 この世界観がずっと漂ったお話 何となくこの世界観の中にいることは 心地よく感じた

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    投稿日: 2017.09.09
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    始まりの数ページで続きがとっても気になり、読み始めました。 途中、「女性側のあの人があの人だと思ってたのに違った!」ていうのがあった。 「今過去未来」の考え方など 長文のところは飛ばし読みしてしまった。。 そこが大事なんだろうなと思います。。

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    投稿日: 2017.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    川は、三途の川とかがあるように、時空をつなげるものなのかもしれない。橋を渡るルルドは、その案内役だったのかな。 そして子供の頃、原爆で亡くなった人たちに、できることなら、この水をあげたいと言った主人公の優しさが、二人をつなげたんだろうな。 白石さんの作品としては不思議さが一番濃厚な作品。堪能しました。

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    投稿日: 2017.02.11
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    白石さんの本は現実的でもあり、現実的ではないところもあり、完全に理解できないけど好き。 博多弁も好き。 理由はなく直感。 九州に行ったことがないのに、惹かれるのは前世の影響かもしれない。

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    投稿日: 2016.07.03
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    久しぶり本著者の作品が読みたくなり手に取る。 やはり独特の文体。自分の信条、考えをこれでもかという風に出してくる。小説の広げ方にもこんな方法が有るのだなあと思う。 未来から来たとしか思えない自分のレインコートと出合い、「時」を考える話。 東日本大震災も一つのテーマになっている。放射能の問題、生まれてくるこの健康を考え、四国に引っ越そうとする妻、仕事を辞めることができない夫。生まれてきた子が、受ける影響はどんなにだろう?それが何十年後ではないと分からない怖さ。

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    投稿日: 2015.06.30
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    【装幀・デザイン】 大久保明子 ケッソクヒデキ 【あらすじ】 熊沢武夫が東京で買ったネーム入りのコートが、故郷・長崎で発見された。だが武夫の部屋のクローゼットには、新品のコートがかかったまま。なぜ、全く同じコートがこの世に二つ存在するのか? 謎を追いかける武夫の前に、ある女性の存在が浮かび上がる。3・11後の世界を舞台に、生きることの実相を描く。

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    投稿日: 2015.02.26
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    うーん、白石一文のこういう哲学っぽいのはあまり好きじゃないため、なんだかなぁだった。最初の入りから終わりがどうなるかと、思って読み始めたがうーん…。

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    投稿日: 2015.01.12
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    今までの白石さんの雰囲気とは異なる内容だった。 震災直後に執筆されたようで、原発事故に対する著者の意見も垣間見えた気がした。

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    投稿日: 2014.12.10
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    これまでいくつもの白石さんの作品を読んできたが、これは私には合わなかったかな。難しい。 話の展開が多すぎて整理するのが大変だった。 途中にでてくる他の著者やその作品の話が思いの外長過ぎた感もする。

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    投稿日: 2014.12.10
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    事象と自分とに距離がある以上、何かを知覚するということは、その事象の過去の影を自身の中に複製するということである。 時間とはそういった複製の秩序だった流れのことをいうのかもしれない。だとすると私達が決して自由になれない時間というものは、何処にもなく、未来も過去もそして現在も全てはここにあるのかもしれない。 そんなメッセージを運命や恋愛、それから1枚のレインコートをテーマにした小説を通すことで伝えてくれる。

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    投稿日: 2014.11.23
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    【謎のコートが導く時間と生命の物語】見つかるはずのない場所で見つかった「ぼくのコート」の謎を追う武夫は、やがてこの世界の秘密に触れる。3・11後の新境地!

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    投稿日: 2014.10.17
  • 時空の流れと運命を考える

    買ったばかりのコートと,まったく同じだが着古され泥にまみれたコートが故郷で見つかることから運命の歯車が動き出す。これは時空を超えた運命なのか・・・。全く交わらなかった2人の線が交わる終末に向けて物語が展開されていきます。つっこみどころは満載ですが,いろいろ考えるきっかけにはなると思います。ほとんどの作品を読んでいる作家なので,少し甘めの評価です。

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    投稿日: 2014.10.15
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    白石一文の主人公は高学歴エリートが多いが、本作の主人公は長崎諫早出身の高卒アルバイトから契約社員を経て都心の高層ビルで働くサラリーンマンとなった。時空を超えた事象を軸に物語は展開。いつもながら読みやすい文体で休みをつかわず平日の夜2日で読了。ネタばれは避けるが、本書に出てくるような幼い(若い)ころの出会いに時空を超えて何かを届けるようなことができたり働きかけができたらなというノスタルジーは誰の心にも響くあるはず。イリュージョンで4ポイント。

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    投稿日: 2014.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりの白石作品。 難しかったー。時間の概念というか、哲学的で考えながら読まないとついていけない。 でも、人はいずれ死んでいくとか、過去の光を見て音を聞いているわけだから自分の存在も過去であるとか、ああなるほど・・・とも思った。 所々に現れる、心に残る描写はやっぱり白石作品でさすがだな~と思った。 しかし、武夫のコートやるり子のケータイの謎がのちのち解けるのかしらと思っていたら、特に何もなかった・・・。謎というか、本人たちで処理されたという結末だった。そこを待っていただけに、ちょっとだけ物足りなかった。

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    投稿日: 2014.09.17