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The Indifference Engine
The Indifference Engine
伊藤計劃/早川書房
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総合評価

143件)
3.9
31
59
33
1
1
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    『虐殺器官』から随分と空いてしまった。 伊藤計劃のストーリーは彼が踠いているように思えて苦しくなってしまう。 The Indifference Engine ルワンダの歴史を感じさせる。 From the Nothing,With Love. 何を読まされているのだろう…からラストが素晴らしい。 『俺』と『お前』が憎み合うから戦争が起こるんじゃない。 戦争するために『俺』なんてものは存在するんだ

    0
    投稿日: 2025.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったー 人間っていったい何なんだろうな……と思わせられるような話がたくさんあった 特に心に残ったのは表題作の『The Indifference Engine』と『セカイ、蛮族、ぼく。』、それから『From the Nothing, With Love.』。 一つ目は少年兵だということがわかってからずっと心が重くて、その暗さがよかった。 蛮族の話は勢いがすごくて笑ってしまった。 あと写本の話は何となく007をイメージしてるのかな、と思ったけど解説を見る限りそうではなさそうだったな… どれもこれも人間の本能とか根元に関わる部分を揺さぶられる話で、やっぱ伊藤計劃好きだなーと思いました。

    1
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後は『屍者の帝国』だったが、フランケンシュタイン、ホームズ、吸血鬼ドラキュラなどが下敷きとなった作品で好みの題材だしこの先も超面白そうなのに絶筆なのが本当に本当に残念!!! 『セカイ、蛮族、ぼく。』は冒頭から食パンをくわえて走ってくるというコミカルな女性が、僕にぶつかってきて転倒したので犯した。という2度見するスタートから始まり、本編中でもう一人強姦する。 好きでやってるわけじゃない、蛮族という血に従ってるんだ、などと、今の時代では問題アリな作品だが、依頼されて同人誌に寄稿した作品だという説明で少しは納得できた笑 著者作品はそこまで書かなくても良いんじゃないか?と突っ込みたい女性の性・強姦描写が度々あるのだけが素直に好きになれないところ。戦争というものはそうゆうものだというのは分かるのだが、作品内にわざわざ複数回登場させなくてもな、などと女読者である私は思ってしまうのである。 この作品を読んだ後に次の『A.T.D:Automatic Death ⬛︎ EPISODE : 0』という作品を読んでしまうと、は〜女ってやつは男主体の世界では所詮、お涙頂戴の飾り物ってわけね、などと思ってしまう。(創作的に) 『The indifference Engine』 虐殺器官のスピンオフ作品で、ウィリアムズも登場する。戦争に使われる子供、戦争は終わった、といわれても自分の中ではまだ続いている戦争。これまた脳いじりが登場し、顔を見ても敵か味方か、種族の判別がつかないようにされる。 『From the Nothing, With Love.』 ミステリー要素が強く、クリスティネタも登場する。最初はいつにも増して堅苦しい語り口調の主人公だなと読みずらさを感じていたが、理由に納得である。落ちがラヴクラフトっぽくて好き。

    16
    投稿日: 2025.08.22
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    私をわたしと認識しているワタシは私なのか? 答えの出ない問いを自分の貧弱な脳味噌で捏ねくり回し、考えるのに疲れたら、蛮族くんにアックスを頭蓋に振りおろしてもらえる素敵な小説です。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    生誕50周年記念限定カバー版。 この強烈に作品を理解りたいという感覚をもたらしてくれる数ある作家の内の一人。これが愛するということ、カリスマということか。 変な話、夭折の作家というのは、もう続きが見られない、新たな境地を辿れないからこそ、数少ない断片の希少性が上がるわけで、亡くなって良かったなんて全く思わないが、渇望の度合いは他の比じゃないんだよな。

    6
    投稿日: 2025.06.24
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    もともと『ハーモニー』が好きで、SNSで紹介されているのをきっかけに手に取った一冊。正直、SNSで見かける絶賛ほどの期待値には届かなかったけど、普通に面白い。短編集ということもありテンポもよく、一気に読み進められる構成になっている。 なかでも印象的だったのは、伊藤計劃氏の過去作とつながりを感じられる点。直接的な続編ではないものの、世界観や設定がリンクしているような作品がいくつかあって、ファンにはニヤリとできる仕掛けが随所に散りばめられている。時系列や設定の裏側に想像を巡らせながら読むのが楽しい。 伊藤計劃作品をすでに読んでいる人にはより深く楽しめる構成だし、初めて読む人にも短編としてサクッと入れる入口として悪くない。重厚なテーマ性を期待しすぎると肩透かしかもしれないけど、テンポの良いSF短編集としては十分楽しめた。

    7
    投稿日: 2025.05.17
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    やっぱ伊藤計劃ですわ!とニコニコせずにはいられない素敵な短編集だった。現実世界に対する皮肉が込められた視点、それでいて悲観的ではないユーモアに富んだ描写、世界観に説得力を持たせるSF的なディテールといった具合に、伊藤計劃らしさを余さず感じられる作品だと感じた。 「The Indifference Engine」 上記の3要素が最も色濃く感じられたのがこの短編。虐殺器官とハーモニーを読んでからしばらく時間が空いていたが、一気に伊藤計劃ワールドに引き戻される感覚だった。俺は今伊藤計劃を読んでいるんだ〜!みたいな。極々身近なものとして暴力を振るい振るわれる主人公は、エリスンの少年と犬を彷彿とさせる。 「セカイ、蛮族、僕。」 初めの一文の唐突さと勢いに3度見してしまった。また委員長のベタベタなツンデレ長台詞の後速攻で犯してるのも大笑いした。こういうSF(?)もいいよね、めっちゃ楽しい。 「From the Nothing, With Love」 書き出しの意味が終盤に理解できるところや意識というテーマがハーモニーに共通していた。人間のようなAIについて扱う作品は多々あるが、AI(というのも正確ではないが)のような人間という側面から物語を描くのはさすが。手紙の下りでタイトルの意味が分かった時にはオシャレ〜!これ書くのかっけえ〜!と天井を仰いでしまった

    0
    投稿日: 2025.04.15
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    10年以上ぶりの伊藤計劃、今の時代に読んでも全く色褪せてなくてすごかった。とにかく面白い。 表面的にはスパイ物、あるいは戦争物でいかにもオタクが描きそうなストーリーだが、なぜか伊藤計劃の文章は登場人物の生き様から強烈なメッセージを感じた。どの短編も題材や設定が違えど、生きるとは何か、をどうしてこうも考えされてしまうのだろう。

    0
    投稿日: 2025.03.06
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    【2025年12冊目】 若くしてこの世を去った伊藤計劃の短編集。9作からなる本著には2つのコミックと6つの小説と1つの解説が含まれている。「虐殺器官」と「ハーモニー」を通ったならば必ず手に取りたい一作。 最初の「女王陛下の所有物」の文言から痺れました。というか、絵まで描けるなんて多才が過ぎませんか、びっくり通り越してちょっと引いちゃう、やば過ぎる。 いずれの物語も短編ですが、伊藤計劃さんの魅力やある種の怖さがぎゅっと詰まっていて、読み終わりたくないなぁなんで思いながらの読了でした。 表題作が一番心に残りましたが、あまりにも短い「セカイ、蛮族、ぼく。」も強烈なインパクトを残してきます。 彼は間違いなく天才でした。過去形でかたらなければならないのが本当に悲しい。

    0
    投稿日: 2025.02.09
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    伊藤計劃、大好きな作家で、出ているものは読みきったと思っていたのに、手元にないことに気づき買いました。表題作は、昨年見た100分で名著のローティが着目していたルワンダの大虐殺と、その後をSF的視点で描く。人の憎み方、戦争の起こし方は、ローティが指摘した「あいつは僕とは違う」というものの見方を想起させ、それが小説として迫力あるものになっている。では、違いを失ったら戦争は起きないか、という問を伊藤計劃は立てている。多様性ということが言われる少し前に書かれた小説は、今日でも考えさせられる存在。 解説で「次にプロジェクトを受け継ぐのは、本書を読むあなた」と書かれていて、この文は確かに読んだ覚えがあるんだよな。そういうけど、やっぱり伊藤計劃にプロジェクトの続きを書いてほしかったと思ってしまいます。

    0
    投稿日: 2025.01.08
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    単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。 その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

    0
    投稿日: 2023.07.14
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    虐殺器官やハーモニーに対する補完作品や、メタルギアソリッドやある有名映画のオマージュ作品かな? From the nothing, with love.が、伊藤計劃の他の作品とも違ったまた独特の世界観のある作品で、なかなかな着眼点に基づくSF作品で特に良かったです。

    0
    投稿日: 2022.11.18
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    著者の恥部を覗き見ているような感覚。 虐殺器官や、ハーモニーの前身。学生時代に書いた漫画など。所々チープな場面はあれど、天才の片鱗は十二分に感じられる。 ただ、メタルギアソリッドを知らないと物語に入り込めない短編もあり、読むのに骨が折れた。さすがにこの為だけにゲームはできない。

    0
    投稿日: 2022.07.30
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    愛、とかつて呼ばれたもの。最初は確かに愛だったもの。それは年経るごとに変質し、かつての性的な情熱や孤独を癒やして欲しいという狂おしいまでの欲求を喪って、生活のリズムに、共に生きるためのアルゴリズムへと変化してゆく。愛が最終的に行き着く先、愛の究極とは、相手の痕跡を生活に刻むこと。愛する者のパターンを、互いが自身の人生に繰り込むことなのだ。

    0
    投稿日: 2021.05.04
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    伊藤計劃の世界観が詰まった短編集。人間とはというテーマでリアルかつ残酷に物語を描いている。おそらく、もっと深く詳細なテーマがあり、今の自分では読み取れ切れないのが残念。虐殺器官、ハーモニーを再読したくなった。

    0
    投稿日: 2021.03.12
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    虐殺器官との繋がりもあり、面白かった。 自分は、この中では『the indifference engine 』が一番面白かった。虐殺器官と比べてみることができ、また、「戦争が終わっても、本当の意味での戦争は終わっていない」というのがとても印象的だったからだ。 その他の作品で、読みづらいものや難しいものもあったが全体的にとても面白かったと思う。 衝撃的だった作品は、『セカイ、蛮族、ぼく』だ。冒頭から凄かった。曲がり角でぶつかる、漫画、ゲームで定番のシチュエーションで、伊藤計劃さんらしくないと思ったが、その後で納得(というか圧倒された)した。長さは短いが、内容が深かった。 『屍者の帝国』の冒頭も収録されていた。面白かったので、今度本編を読んでみようと思った。

    0
    投稿日: 2020.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「虐殺器官」などの長編を思わせるキーワードがちらほら。書いた時期とか、元の作品とかを知らないので、むむむ…となるところも多いのですが… この方の、ひらがなの使い方が好き。 書いてある内容は殺伐としているのに、なんとなくやわらかく感じてしまうし、心地いい。 読んでいるうちに、「身体」というのはただの「うつわ」なのだと思わされる…ような気がする。

    0
    投稿日: 2020.11.19
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    プロパティ所有物 デフォルト初期状態 コンフィグレーション設定値 小銃弾の硝煙 薪のような人間の腕も、裸に剥かれた死体もないことだ。 戦争は終わっていない。僕自身が戦争なのだ。 その屍体の数はアメリカ合衆国の責任のもと正当化されるのだ あまりに抹香臭くて 鼻梁の中央めがけ 人類の弔鐘となった最後のキノコ雲を見つめる 細雨さいう 深奥しんおう 古強者ふるつわもの 天国の周縁 民間の艦船 勝鬨をあげろ 僕の野蛮は発動させるべき閾値に既に達しつつあるというのに 矛盾の針先 眼窩の空洞 冷笑家シニシスト テムズの川面 じょうさい城砦 神の子の顕現 隔壁のコンクリート はいえつ拝謁を賜った あらわれる顕れる 八十万人ものツチ族が、同じ言葉を話すフツ族によって虐殺された。 映画『ホテル・ルワンダ』 ただし但し書き いはつ衣鉢を継ぐと目される創り手達が

    0
    投稿日: 2020.04.06
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    伊藤計劃の短編やコミックの原作を務めた作品を集めた作品集。『虐殺器官』で描かれた戦争や悲劇に対する考察や、『ハーモニー』で描かれた意識、自由意志などそれぞれの作品に補完の関係があり、呼応している。「007」シリーズや「メタルギア」シリーズに対するオマージュの作品もあり、伊藤計劃の作品は自身の作品群の枠を拡張し、メディアの形式を超えて遺伝子が引き継がれているのだと感じた。

    3
    投稿日: 2020.03.10
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    "虐殺器官"ですっかり魅せられ、ハマってしまった伊藤計劃の読了二作目。これもまたすごかった。表題作は虐殺器官のミクロを描いているとも考えられる内容で、痛みはわかるけど痛くないマスキングのところで改めて思い出した。あとHeaven scapeでも冒頭の"後頭部にぱっくりとひらく紅い花"やナノマシンの描写は虐殺器官に通ずるものを感じた(ナノマシンは万物理論でも見かけた気がする??)。本書の後ろ三部は"私"というテーマでどこか繋がっているような感じがして、特に"from nothing, with love"は正直前半はわけが分からなくてなんだこれ。と思ったけど、終盤タイトルの意味が分かったときには息が止まりそうにびりびりきた。話のトリックとして面白かったのはもちろんだけど、この作での"意識"の捉え方や作品全般での人の頭の中については見えている景色が本当に違うと思う。数は少ない伊藤計劃全作に丁寧に触れたい。あと屍者の帝国もすごく惹かれた。

    2
    投稿日: 2019.12.04
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    「虐殺器官」「ハーモニー」著者のSF短編集。 短い作品ですが「セカイ、蛮族、ぼく。」の情け容赦ない塩梅が秀逸。 「the indifference engine」は認識とは何か訳が分からなくなる。 化学物質によっていくらでも変えられてしまう儚いものなのですか? SFの世界に引き込まれる良質な短編集でした。

    0
    投稿日: 2019.05.24
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    二度目の読了 From the Nothing, With Loveはやはり名作だった。彼が自分の寿命を常に考えていたからこその話だと思う。意識とは自分とは、それを短編に落とし込んで、綺麗にミステリに仕上げている。 なぜあんなに早く亡くなってしまったんだと、作品を読むたびに、涙が止まらない。 もっとあなたの作品が読みたかった。 次はハーモニーを読み直そうと思う。

    0
    投稿日: 2019.03.09
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    "短編集、The Indefference Engineという表題の作品が強烈な印象を残す。 ホテルルワンダの世界そのまま。 007への愛情あふれる作品もいくつかある。 最後に収録されている「屍者の帝国」は最近別の作家の手を経て発売された。"

    0
    投稿日: 2018.10.28
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    007好きの人にぜひお勧めしたい。本書の著者にこそ継承"する価値があったと思うのに、もう彼は失われてしまった。流れを引き継ぐ人々がたくさんいるということは喜ぶべきことだけれども、それとこれとはまた別の話。"

    0
    投稿日: 2018.03.03
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     書籍というきちんとした形でまとめられていなかった作品を集めた作品集。  6つの短編に、2つの劇画、1つの他の作品の解説、という構成になっている。  やはり6編の短編はどれも極上。 「セカイ、蛮族、ぼく。」という短編だけは少し毛色が違っているが、残りはどれも伊藤計劃らしさが漂ってくる作品となっている。  きっちりと論理立てされており、だからといって息苦しさを感じさせることもなく、読むものを良質のエンターテインメントへと誘ってくれる。  最後の「屍者の帝国」のみ未完(遺稿でもある)。   のちに円城塔が後を引き継いで完成させているが、購入してはいるがまだ未読(評判はあまり芳しくないようだが……)。  どの作品も面白いのだが、やはり一番強く心に残ったのは「本当に惜しい才能を失ってしまった。もっと彼の作品を読んでみたかった」という残念な気持ち。  特に未完に終わっている「屍者の帝国」の「これから先、どんな展開が待っているんだろう」と期待に胸を躍らさせてくれる内容を読んでしまうと、本当に残念でならない。

    0
    投稿日: 2018.01.04
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    引き寄せられるような疾走感と、たっぷりの皮肉と、途方もない退廃と、途轍もない喪失感。 そういったものたちが、残されていった。 その先がないことが、とても、寂しい。

    1
    投稿日: 2017.11.29
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    高校時代に読んだ。虐殺器官のスピンオフとかが収録されていた気がする。あと蛮族の話ははちゃめちゃな設定なのにラストが感傷的で何とも言えない気持ちになった記憶がある

    0
    投稿日: 2017.10.11
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    夭折の天才、伊藤計劃の遺稿を含む短編集。同人誌に掲載した試作や未完の作品が多く、「お試し」感の強いラインナップで、一読しての印象は「なんか中途半端だなー」というのが正直なところ。 ただし、完結している作品ももちろん収録されてまして、この完成度が恐ろしく高いです。「虐殺器官」と同じ世界線にある表題作はもちろんのこと、鴨的には「From the Nothing, with Love」が衝撃的な出来。ぱっと見はあの世界的に有名なスパイ・アクション映画のパスティーシュで、なんでこの映画が題材なんだよ!と心の中で突っ込みながら読み進めたわけですが、これがちゃんとSFしていて、しかもいかにも伊藤計劃らしい深堀りした思索が静かに展開されていて、短編にも関わらずお腹いっぱいな読み応え。 うーん、鴨の全く個人的な感触ですが、伊藤計劃は短編向きの作家だったんじゃないのかな、という気がします。 長編は一通り読みました。スゴく面白かったんだけど、正直かなりリダンダントな印象を受けて、読後感は今ひとつでした。今にして思うと、鴨は伊藤計劃作品に「フツーのSF」を求め過ぎていたのかもしれません。先日師匠が初めて伊藤計劃作品を読んで、「村上春樹っぽいね」と評しておりました。正にその通りで、SFとして読む前に、この人の作品は「物語」なんでしょうね。歳を重ねて円熟した伊藤計劃がもし作品を世に出したら、どれほどの傑作になったんだろう、と今更ながらに思います。惜しい才能を無くしたなー。

    1
    投稿日: 2017.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    渡り鳥のようなものだ。リーダーはいないが、単純なふるまいをする個々の要素の巨大な集合が、結果的に統制された、複雑なふるまいを発現するのだ。 いかなる政治とも、いかなる権力とも、無縁に暮らす力を村人たちに与えようと。彼らを武装させ、彼らに闘う訓練を施し、いかなる種類の政治からも守ってみせると。アウターヘブン。自由。 セカイ、蛮族、ぼく。 自分自身であることが極限に達すれば、もはや意識は必要ない。 →確かにこれはうなずける。実際毎日同じ電車に乗って通勤すると、例え違う目的地に行こうとしても、意識してないと勝手にいつも通りの電車に乗ったりする。そういう意味で、意識の前にある程度脳が判断を下してるのは納得できる。 また、毎日同じ生活を送ってると、意識する時間が減るから、いつの間にかとんでもない長期間が経ってたりする。それは友達と遊んでる時間とかもそう。

    0
    投稿日: 2017.07.09
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    民族間での争いは突如終わりを告げ 戦争に全てを奪われた少年兵が 今度は戦争すらも奪われ、公平であることを押し付けられる。 でも敵も戦場も消え去ったわけじゃない。 他者を否定し合う心の戦争、価値観の戦争はまだ終わりが見えない。 その他、虐殺器官のプロトタイプ的スナッチャーパロディや ビッグボスとグレイフォックスについてのあれこれを描いたMGSパロディ、 映画のたびにキャストが変わるジェームズボンドをネタにした007パロディなど 意識という機能、自分という機能がテーマの短篇群。

    0
    投稿日: 2017.02.08
  • 作者が長命でさえあったなら…。

    私たちは、伊藤計劃のセンスオブワンダーと独特の暗く狂気に満たされた21世紀の日本SFの極端を覗き見ることができたのかもしれません。 近代以降、全ての哲学者、表現家にとって問題となるのは一神教下のプレディスティネーション上における自由意志の存在の有無についてです。 伊藤計劃はこの点に非常に深く切り込んで一定の回答を得ながら、平易勝つスリリングに物語を紡げる非常に稀有な作家だったのでしょう。 感銘を受ける作品がいくつかあると思います。 短編ゆえのこなれないパロディも作者が死んでしまった今となっては厳しく評価する必要もないでしょう。 短命にもかかわらず輝いた一個の才能に! 星5つ。

    6
    投稿日: 2016.11.30
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    羊水の中で溺れてるみたいな気持ち悪さがありながらも、「かぁぁぁぁっこいい!!!」と唸りたくなる、劇場感。死がすぐ側まで、いやそれどころか内側まで、入り込んできているのに、まるで生まれ変わりの準備をしているみたいな安心感を感じるというか。中毒性高い。もっと生きてもっと多くの作品を残してもらいたかった…。表題作のThe Indifference Engineが一番好き。争うために歴史がいる。人を殺して死ねと教えたお前らが助け合えとのたまう。じょおおおおおだんじゃない!という不条理はそこらじゅうに転がっている。

    0
    投稿日: 2016.09.27
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    夭折の作家伊藤計劃。その短編群がコンパクトかつ網羅的な形で読める本書。SF評論家、岡和田晃の解説も加わり、ノイタミナの劇場アニメ企画「Project itoh」から伊藤計劃に興味を持った初心者でもマニアックな部分を分かりやすく覗くことができると思われる。今年、満を持して公開される映画「虐殺器官」をより楽しみたいのなら、原作と合わせて読むと良いかもしれない。

    0
    投稿日: 2016.03.01
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    表題作と007の話が面白かった。 表題作は今のシリアと照らし合わせて。 007はメタを作品構造として取り込んだ質の良いオマージュ。 他の作品はオリジナルの影響から抜け出しきれてない感じ。執筆順がどうなっているか分からないけど、作風のオリジナリティ獲得の軌跡として読むと面白い? この先にハーモニーや虐殺器官があるわけで、その2点をつないだ延長線上に必ずあるはずだった傑作を読めないのが本当に惜しい。

    0
    投稿日: 2016.02.27
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    伊藤計劃さんの『虐殺器官』を読んだ時の興奮を今も憶えている。 続く、『ハーモニー』の緊迫感も忘れない。 本書は、その伊藤計劃さんの短・中編集で、『虐殺器官』の世界観を現す作品も含まれる。もちろん既視感がつきまといはするが、この既視感が無いと本書は楽しめないと思う。 最近、書店に行けば必ず伊藤計劃さんのコーナーが確保されており、嬉しく思うが、ご本人が亡くなっているので、伊藤計劃作品をめぐる評論合戦になってしまうのが少し寂しい。

    0
    投稿日: 2016.02.07
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    『The Indifference Engine』 圧倒的に生々しくグロテスク。読んでいてつらいけれど引き込まれる。部族対立による戦争が終わり、平和のために部族間の差異を認識できなくなる脳処置を受ける少年兵。そんな方法で憎悪は、戦争は止められるのか。 『セカイ、蛮族、ぼく。』 コミカルで妙にインパクトがある短編。冒頭から笑う。 『From the Nothing, With Love.』 これも凄みがある。英国の凄腕スパイの人格が死後も他人の脳に移植され引き継がれ代々活躍している。悍ましい技術によりコピーされる『私』は、任務の中で自身の意識への疑いを深めていく。コピーの繰り返しにより、スパイとしての行動様式と振る舞いこそ主になり自身の意識が不要になっていくというのは面白い。

    0
    投稿日: 2015.08.16
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    一見して「ありえない」世界を作り出し、それを「ありえる(かもしれない)」と思わせることができるもの。SFというジャンルを仮にこのように定義するならば、伊藤計劃は、SFがもつ威力を思い知るのにもっとも適した作家のひとりだと思う。 「嘘ではない。だがな、お前が教えられてきたのは、戦争が始まってからSDAがまとめた歴史ではあるんだ。戦うには歴史が必要だ。俺たちが戦う拠り所となり、奴らと俺らとを隔てるのに必要な歴史がな」 「戦争のために、嘘の歴史を作ったんだろ」 たとえばこれは、表題作の中のやりとり。 小説で描かれるものを何でもかんでも現実世界と結びつけようとするのは野暮な読み方かもしれないけれど、この台詞に、いまの自分たちはまったく思い当たりがないとは言えない。この小説の「ありえない」世界と、いまの自分たちが生きる現実世界は、まったく関係がないとはもちろん言えない。 この小説にはいちいち微細に描写した残酷表現が無数にある。倫理的に、どうしたって目を背けたくなるような表現がある。まさに「ありえない」と言いたくなるような。でも、残念ながら、この小説で描かれる世界は現実に「ありえる」のだろう。それも意外とすぐ近くにあるのかもしれない。 …とかなんとか、いろいろ考えることのできるSFらしいSF。

    0
    投稿日: 2015.05.31
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    短編の色んなところに長編の要素。 from the nothing, with loveで出てくる博士がアクロイド博士、会話で出てくるアガサクリスティーににやり。

    0
    投稿日: 2015.03.07
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    『女王陛下の所有物』で007の解釈にヤラレタ!!という感じになります。 難解なものもありますが、どれもこの世代の感覚が研ぎ澄まされた結晶とも言うべき短編集です。 つくづく早世されたのが惜しい方だと思います。

    0
    投稿日: 2015.03.07
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    表題作The Indifference Engine と From the Nothing,With Love は面白かった。しかし虐殺器官とハーモニーに比べると、全体的に文章表現が劣っていると感じた。ちょっとテーマや構成に凝りすぎているのと、ここまで難解だとだいぶ読者が絞られるだろうなあという印象。

    0
    投稿日: 2015.02.07
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    ボンドとスナッチャーと グレイフォックスと蛮族とワトソンと。 コジプロ作品に関係する2つはどちらも興味深く、特にスナッチャーは面白かった。先に虐殺器官を読んだので、読み比べる楽しさもあった。 蛮族の短編は文章を怒りと憎しみを感じる程にまたそれが面白いなと感じた。 ボンドの話としては伊藤計劃らしさというものがチラチラと垣間見れ、個人的には凄く好きだ。 屍者の帝国は、すべて読んでから感想を書こう。 楽しみだ。

    0
    投稿日: 2014.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「女王陛下の所有物」★★★ 「The Indifference Engine」★★★★ 「Heavenscape」 「フォックスの葬送」 「セカイ、蛮族、ぼく。」★★★★★ 「Automatic Death ■episode 0」★★★ 「From the Nothing with Love」★★★★★ 「屍者の帝国」

    0
    投稿日: 2014.11.25
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    【印象】 アフリカ少年兵への戦後の処置、精神的不死のイギリス諜報員、他。 意識、認識等について。 【類別】 小説。漫画も少量。短編集です。 SF。 【構成等】 一部に仕掛けを持つ作品があります。 【表現】 語彙には多少の専門的用語が含まれます。 【備考】 未完の作品や長編の元となった作品、共作も収録されています。

    0
    投稿日: 2014.08.28
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    「The Indifferent Engine」「From Nothing, with Love」「屍者の帝国」が良かった

    0
    投稿日: 2014.07.17
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    2014年7月2日読了。未完のまま絶筆となり後に円城塔が完成させた『屍者の帝国』を含む、伊藤計劃の短編集。『虐殺器官』の骨格となったと思しき短編や、小島秀夫監督のゲーム『スナッチャー』『メタルギアソリッド』などに影響を受けた短編なども収録されており、取り留めないながら著者の思考の過程をなぞれるような作品集で大変興味深く読めた。この人の描く、現在よりももう少しテクノロジーと戦争がありふれたものとなった世界は、ひょっとしたらもうすでに現実のものになっているのかもしれない。洗脳され兵士となった少年を淡々と描く冒頭の短編から、どうにもやりきれない気分で満たされる・・・。

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    投稿日: 2014.07.02
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    伊藤計劃の原石というか原点というかそういう感じの短編がおさまった作品集。あれはこれを研ぎなおした作品なのか。と、ニヤニヤしながら読んだ話はさておき。 個人的なお気に入りは007をモチーフにしたFrom The Nothing...。007はそういうコンテンツとしてあってもいいんじゃないかと錯覚してしまった。もうこれはぜひともダニボンで映像化してほしい。のも、さておき。 そこはかとなく漂う「死」のにおい。死ぬために生きている、生かされている人たちの物語。な、印象。

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    投稿日: 2014.06.20
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    フィクショナルからリアルヘ。 伊藤計劃の名を目にすると、胸が辛くなる。 若くして死した伝説。 遺したリアル。 伊藤は戦場を多く描いた。 今の世界は戦争にあふれている。 それを語り部のように。 SFの戦いというフィクショナルから、さらにリアルへ。 その戦いは世界を撃った。 そして、戦った男は若くして逝った。 文体は乾いている。 情感は捨てられる。 そこにリアルだからこその、滲み出る思いがある。 バーチャルを日常としながら、今そこにある明日を描き、 伊藤は諦念の上澄みとしての命を語った。 突きつけられる問い。 お前は生きているか。

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    投稿日: 2014.04.28
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    短編集。ハーモニーの映画化がちょうど発表になったけど、ハーモニー上映前に「セカイ 蛮族 ぼく」を短編として上映してほしいなあ、なんて思った。一本目が一番好きだな。

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    投稿日: 2014.03.23
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    やっぱ伊藤計劃には生きてて欲しかったな― 彼の描くディストピアが好きです。 今の世から考えたらどうにもおかしいのに、そこでは当然とされるディストピア。 概念を一ついじるだけでこうもおかしな世界になる。 それを描けるのが一番の魅力です。 ディストピアと自我の関係を描いた作品もっと読みたいです。

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    投稿日: 2014.02.26
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    伊藤計劃の短編集。『屍者の帝国(冒頭部分)』目当てで買ったのだけど、他の短編もよかった。伊藤計劃の漫画が読めたのは予想外。漫画もよかった。

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    投稿日: 2014.02.10
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    「あなたがたが崇める、商品を売り買いできる自由ではない。まして、階級からの自由とか労働者の自由とかそういうものでもない。あなたがたには皮肉に聞こえるだろうが、私の言う自由は、羊皮紙に独立宣言を書き刻んだ建国の父たちが言ったような意味での自由、あるいはバクーニンがすべての権力を否定した意味での自由だ。もっと根源的なところから叫び、求められる意味での。」 バクーニンと言えば『社会主義なき自由は、特権であり、不正であるが、他方、自由なき社会主義は、隷従であり、野獣性である。』という言葉があるけど、ちゃんと読んだことないな。久しぶりに読むかなぁ〜。

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    投稿日: 2014.01.26
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    「The Indifference Engine」と「From Nothing, With Love」が圧倒的。特に「From Nothing~」は他の伊藤計劃作品のテーマの凝縮版とも言えるのでは? 長編で気になった文章の癖みたいなものも、短編では気にならない。ところで、「脳は体の行動を後付で認識する」という学説は、本当なのかな?

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    投稿日: 2014.01.18
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    虐殺器官のスピンオフである「The Indifference Engine」と、007シリーズを独自の視点で書いた(と思われる)「From the Nothing, With Love」がお気に入り。 最初のページから、これが読みたかったんだよ!!となった。 屍者の帝国読んで見よかな

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    投稿日: 2014.01.17
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    伊藤さんの作品は遠い戦争が少し身近になる気がする。 短編集で、作品につながるアイディアが散りばめられていた。 もっと読みたかった・・・。

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    投稿日: 2014.01.02
  • 『虐殺器官』から『屍者の帝国』までのエッセンスが凝縮。

    表題作『The Indifference Engine』はルワンダ虐殺と少年兵問題を題材にした『虐殺器官』につながる一篇。その他にも、「007」や「メタルギアソリッド」などを元ネタにした短編小説、漫画が収録されていますが、どれも円城塔が書き繋いだ『屍者の帝国』と共通したイメージが感じられ、出所はこのあたりからかと思われます。 もう新作は読めないんだなと思うとさびしいですが、いかに伊藤計劃が多才な作家だったのかということを思い知らされる一冊です。

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    投稿日: 2013.11.23
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    表題作は面白く読めた。 戦争は恐ろしく残酷で絶対あってはならないものある、 というのは戦争が無い場所で生きている人間の身勝手な 希望であり妄想の押しつけでしかないかもしれない。 少年にとって、「終わらさせられた戦争」はまだ終わっていなかった。

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    投稿日: 2013.11.11
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    伊藤 計劃 遺稿集から創作をまとめたものだそうな。 読めば読むほど、早世なさったのが惜しくてたまらない。 これを読む限り、007をモティーフにした長編とか考えてたな。 ああ読みたかったですよ……

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    投稿日: 2013.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんか、難しかったな〜。 でも、刺激的です。この人は。 あの超有名 諜報部員の新解釈なんてスゴイ!

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    投稿日: 2013.08.05
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    伊藤計劃の短篇集。「虐殺器官」の前身となった作品や、スピンオフ、さらに漫画も収録されている。 個人的には「虐殺器官」のスピンオフである表題作「The Indifference Engine」が特に面白かった。これは紛争地帯に生まれた少年兵を描いたもの。「虐殺器官」では主人公がどちらかと言えば前提として受け入れていたものを、こちらでは逆に忌避すべきものとして描いている。 また、この作品の中でも社会システムに対する皮肉のようなものが埋め込まれている。一律統制の弊害や、新たな概念の受容の是非など、機械的であり感情的でもある人間社会にスポットライトが当てられている。 「虐殺器官」を読んでからの方が絶対に楽しめる一冊。

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    投稿日: 2013.06.25
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    短編集なわけですが。 虐殺器官の別バージョン(少しだけ)とかサイドストーリーとか。 伊藤さんの書いた文章が好き。

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    投稿日: 2013.06.17
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    伊藤節爆発、長編ニ作に連なる内容が多く面白かった。あと、007トリビュートが素晴らしい、オンハーマジェステイック。屍者の帝国も読まないとなぁ、ほとんど円城塔だけど。

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    投稿日: 2013.06.08
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    「虐殺器官」「ハーモニー」「屍者の帝国」の元となるスケッチ、という印象。しかし、違う結末を思わせる。

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    投稿日: 2013.06.07
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    〃From the Nothing, With Love〃〃フォックスの葬送〃が特に好き。 もっと読みたかったな・・・・。

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    投稿日: 2013.05.26
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    早逝の作家伊藤計劃氏の短編集。 SFってあまり得意ではないけれども、表題作はSFを超えた戦争の悲惨さと平和へのメッセージが込められていたような気がした。さらに本屋大賞にノミネートされた「屍者の帝国」の未完成冒頭部分があり、その続きを円城塔さんがどう完成させたのかが気になった。そっちも読んでみよう。

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    投稿日: 2013.05.25
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    伊藤計劃の007シリーズと小島秀夫作品への愛に溢れた作品集。「Heavenspace」「フォックスの葬送」は、「メタルギアソリッドシリーズ」や「スナッチャー」のオマージュであるが、その作品のデティールを掘り下げて物語に深みをもたせることに関しては、本当に上手いなあと感じた。「女王陛下の所有物」「From the Nothing, With Love.」では、まさか、007シリーズのそんな所に着目して、それをSFに再解釈するとは、と驚いた。作品はそれぞれ単独でも読めるが、それぞれの元となった作品を知っていると更に面白く読めると思う。

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    投稿日: 2013.05.06
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    図書館で。 虐殺機関を読んだ後だとどうしてもちょっと物足りないカンジがします。そして大量殺人が多すぎませんか?この方の作品は。それが今の世界の現実だ、と言うことが言いたいならば仕方ないかもしれませんが。(Bowling for Columbineみたいに?)表題作は興味深いなあと思いながら読んだのですがゲームの話はイマイチ良くわからなかったです。世界観がわからないからなのかな。思想教育を施していない外国人に思想犯の処刑を行わせる意図がよくわからなかったので。少し時間を置いてから他の長編を読んでみたいと思います。

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    投稿日: 2013.05.06
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    表題作がすごかった 残虐なシーンも多々あるけれど この状況をどう思う?っていう問題提起と 深い憂いを感じられると思う 星4つでもいいんだけど やっぱり虐殺器官とハーモニーほどの衝撃はなかったので この作家だから、あえての星3つ

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    投稿日: 2013.04.19
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    「わたしはその名前を生ききった。ザ•ジョイとしての生を」 「国が、時代がそれを奪うというのなら、土足で踏みにじって幸福の初夜権を行使すると横暴に怒鳴り散らすのなら、私は全力で抗おう。抗って死のう、そう決意したんだよ」

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    投稿日: 2013.04.09
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    表題作と「From the Nothing, With Love」が特に素晴らしい。 「フォックスの葬送」も良いのだけれど、メタルギアやってないとあまり楽しめない。上の二つだけでも読む価値はある。

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    投稿日: 2013.03.18
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    うーむ、どうもしっくりこない。 なんというか、さらっと記述しているようでいてくどくどした印象を受ける文章が多いのだ。 しかし、「虐殺器官」や「ハーモニー」よりも以前に書かれた短編ということで、納得。 以下、収められている短編。 「女王陛下の所有物」、「The Indifference Engine」、「Heavenscape」、「フォックスの葬送」、「世界、蛮族、ぼく。」、「A.T.D: Automatic Death」、「From the Nothing, With Love」、「解説」、「屍者の帝国」以上9編。 007を題材とした「女王陛下…」や「From the Nothing,… 」は発想がおもしろい。 また絶筆となった「屍者の帝国」は、さすがに作風もこなれており、続きが読みたくなってしまう。

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    投稿日: 2013.03.12
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    伊藤計劃の短編集 「女王陛下の所有物」 「The indifference engine」 「Heavenscape」 「フォックスの葬送」 「セカイ・蛮族・ぼく。」 「A.T.D」 「From the Nothing, With Love.」 「屍者の帝国」  全て伊藤計劃っぽい雰囲気が満載。 「The indifference engine」と「フォックスの葬送」が特に良かった。

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    投稿日: 2013.02.28
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    私的ゼロ年代日本SFベスト3に入る傑作「虐殺器官」の作者 伊藤計劃の没後に編集された短編集。ルワンダ内戦をモチーフにナノテクノロジーを絡めた表題作や、メタルギアソリッド世界を題材にした作品等、圧倒的な世界観を持った作品を収録。とにかく凄い!面白い!

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    投稿日: 2013.02.09
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    引用した『The Indifference Engine』以外にも 伊藤計劃氏の小説には 書き出しが印象的なものが多い。 ” まず、わたしの仕事から説明せねばなるまい。  必要なのは、何をおいてもまず、屍体だ。  ~『屍者の帝国』~” ” 泥に深く穿たれたトラックの轍に、ちいさな女の子が顔を突っこんでいるのが見えた。  まるでアリスのように、轍のなかに広がる不思議の国へ入っていこうとしているふうにも見えたけれど、その後頭部はぱっくりと紅く花ひらいて、頭蓋の中身を空に曝している。  それから十フィートと離れていないところに、こんどは少年が横たわっていた。背中から入った弾丸は、少年の体内でさんざん跳ね回ったあと、へその近くから出ていこうと決めたようだった。ぱっくりひらいた腹からはみ出た腸が、二時間前まで降っていた雨に洗われて、ピンク色にてらてらと光っている。かすかに開いたくちびるから、少しつき出た可愛らしい前歯がのぞいていた。まるでなにか言い残したことがあるとでもいうように。  ~長編『虐殺器官』の基となった『Heavenscape』~” 長編を読んでからになると 今作は寄せ集めの習作(デッサン)に近い。 漫画も書く多才な人だとは知らなかった。 お約束の、繰り返しは嫌い。 そんな自分でも 007を観てないことが悔やみたくなる。 新しい発見。けれども もう新作が読むことができないのは悲しい。

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    投稿日: 2013.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Project Itohの最終作。なかなかにやりたい放題の短編集で楽しかった。最後の『From nothing, with love』が実にいい味を出している。死や意識といったものがテーマとなっていたのは、これが遺作であることと無関係ではあるまい。これでもう読めないというのが惜しい。本当に。

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    投稿日: 2013.01.27
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    気になってた作家さん。 なんという才能か、と圧倒的な筆力の前にひれ伏す思いです。 シュールで現実的で冷徹でありながらユニーク。ミニマムかつマキシム。 大風呂敷広げた書き出しから個人の内面まで掘り下げる書き方が得意なようですが、その手法にはちっとも無駄がなく、昨今ありきたりにあふれまくっている安直な外連味がなく、普遍的であり、でも異端でもあり、と…なんだろう。通常成り立たないはずの両極端の形容詞が成立してしまう不思議さ。 こんな人が夭逝してしまうなんて…惜しいという一言だけでは言い切れないくらい惜しい。 本の感想にはなってないですが、読み終わった今混乱してます。ほんとにすごい。

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    投稿日: 2012.12.02
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    From the Nothing, With Love. がイイネ。007シリーズが好きだから面白く感じたのかも知れないけれど。 屍者の帝国は実に楽しそうな、あぁそう来るんだと聞いちゃうような設定。 虐殺器官、ハーモニーときて次の解が提示されるかもという期待を持ってしまう。未完で絶筆というのが残念。 引き継いだ円城塔の屍者の帝国を買って読むべきかなぁ

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    投稿日: 2012.10.29
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    9編もの短編が詰まった本書。 表題作 Indifference Engine は例によって暗鬱たる気分になるが、現代の問題を切り取った佳作。 個人的なお気に入りは、虐殺器官やハーモニーへの流れを汲む、ただまた違った世界観を描いた「女王陛下の所有物」〜「From the Nothing, with Love」へと続くSFスパイもの。ワクテカがとまらない。

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    投稿日: 2012.10.24
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    伊藤氏の初期短編を中心とした作品集です。膨大なバックグランドがあって初めてあれほどの完成品が現れるのだということが当たり前のことながらわかりますσ(^_^;)

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    投稿日: 2012.10.23
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    「意識とは何か、自我とは何か」 という表題が作品を貫く。 私たちが今現在認識している世界は意識が創造した夢にすぎないかもしれないのだ。 円城塔が「死者の帝国」を引き継ぎ書き上げると宣言したが、 私にとっては彼の難解な文体は少し苦手なので読みたいか微妙なところ。 伊藤計劃の作品は、彼よりはやわらかめな文学的表現もしつつ、論理的哲学的に構築された表現もあり、文章を呑みこめるか呑みこめないかの絶妙なラインをついてくるところがよい。 科学と哲学は表裏一体。SF作品を咀嚼しているとよく感じる。 この2つの思想は記っても切り離すことができない。

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    投稿日: 2012.10.15
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    短編集。屍者の帝国を読むにあたり予習も兼ねて読んでみた。 自己とか無意識とか、そういう思想に挑戦する姿勢が好き。円城さんもにた感じの姿勢を感じるのだけど、得意な手法は違う気がしていて、解説でやっぱりそう 思ったけど、果たして「帝国」はどうか。楽しみになってきた。 オマージュからのファン・フィクションは芸術の母か。

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    投稿日: 2012.10.13
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    短編&コミック。 寄せ集め感は否めないが、表題作とFrom the Nothing,With Loveは面白かった。内面への切込み方や主人公の思考などが堪らなく面白い。ハーモニーでも描かれていた「意識」、そしてリベットの実験で証明された無意識の行動。この作品だけでも読む理由がある。 屍者の帝国は冒頭部のみの未完作。円城塔が仕上げた作品を是非読んでみたい。

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    投稿日: 2012.10.12
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    読み応え有る短編&コミック。 また繰り返し読みたくなるモノばかり。 007て余り見た事が無いのですが、これを機に 色々見てみようと。

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    投稿日: 2012.10.11
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    印象に残った表題作とFrom the Nothing, With Love. は科学に基づく哲学のような話。 本当に考えさせられる。 違いを生むものはなんだ。 意識ってなんだ。 ほんとにすごいよ。

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    投稿日: 2012.10.04
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    何が人間を定義しているか?といった、哲学的な根源の問いを内包しながら、ストーリーは荒唐無稽に計算されて押し進められていく。二重にも三重にも楽しめる短編集と漫画2編。解説は円城塔の世界も色濃く醸し出していた。屍者の帝国の完成を見たかった。

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    投稿日: 2012.10.02
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    おもしろい短編とちょっと入り込めない短編といろいろ。 屍者の帝国の冒頭を読んでいると、(まだ読んでないけど)円城塔との合作とはまた違った彼だけの「屍者の帝国」を読みたいなぁと思った。もっともっと彼の作品が読みたかったよ!

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    投稿日: 2012.09.22
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    円城塔よりずいぶんストーリーテラーなんだなあと感じた。 たとえて言うなら村上春樹のように固有名詞を頻発し、 自らと同じもしくはそれ以上の知識水準を読み手にあからさまに要求してくる。 これが固有名詞でなく専門用語だと円城塔に近いけれど、 いずれにせよ円城と伊藤は作風においては似ていなかったんだなあということが、 わかってよかった。

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    投稿日: 2012.09.19
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    「短編集」というよりは、これらの短編を経て発表された長編(『虐殺器官』『ハーモニー』『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』)に繋がる「習作集」といった印象を強く感じました。これから伊藤計劃という作家に触れてみよう。という人がまず最初に読む入門書というよりは、長編を読み、その上でハマった人が伊藤計劃を研究、またはより深い理解を得るために読む。そういった楽しみ方が、本書には合うかと思います。

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    投稿日: 2012.09.17
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    伊藤氏の短編を読むのは初めてなのですが、さすがに粒ぞろいの作品が揃っています。 「虐殺器官」、「ハーモニー」のスピンアウトと呼べるような作品、ゲームの「メタル・ギア・ソリッド」に繋がるもの、「007シリーズ」を題材にしたもの、そして遺稿となった「屍者の帝国」のプロローグと、伊藤氏の作品の傾向が網羅的に理解できる構成になっています。 円城塔氏が完成させた「屍者の帝国」もそうですが、伊藤氏の作品はいずれも「意識」とは何か?という問題意識に貫かれているように思います。 「意識」とは何なのか?伊藤氏の作品を読みながら、そんなことをじっくり考えてみるのも良いかもしれません。

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    投稿日: 2012.09.12
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    読み終えてなお話の10分の1も理解出来てない…。恥ずかしい話だけど。やっぱ軍事用語とか横文字はまだ慣れん。ただ、戦争に重きを置いてる「the indifference engine」「フォックスの葬送」は私に大きなシコリを残していった(そのくらい衝撃度が高い)。そのシコリが伊藤計劃氏の場合、異質だなぁと思う。平和になるにはどうするか?そのやり方がかわってる。今回はフランクのいう自由がそれ。イコール完全武装。どこまでも行き着く先は戦争。 呑気に暮らしてる俺が平和になる方法を今考える。死んだら何処に行くのか考えるくらい果てしない。左に行こうが右に行こうが変わらねぇよ、そんな気がする。勝手なもんやな。 きっと読んで無駄にはならない。ホントにこれ小説か、と疑いたくなる。 まぁ短編集なので、ぎゅっと詰め込んだ作品になってるから、濃いような薄いような感じ。だが大満足でごさいます。

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    投稿日: 2012.09.04
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    伊藤計劃の短篇集。収録作それぞれは物足りなさがあるんだけど、一度伊藤計劃が好きになってしまったらその作品に触れることが出来るだけで幸せな気分になる。作者にとっては失礼な感想かもしれないが。

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    投稿日: 2012.09.03
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    やーーっと読み終わった!(時間差ありの複数併読派)非常に面白かったのだが、恥ずかしながら007シリーズ全然観てないので多分半分くらい損している気がする。それでも「From the Nothing,With Love」は特にぞくぞくしながら拝読。本当に、円城さんが書き継ぐ『屍者の帝国』も楽しみだなー。でも私は円城さんの作品は特に大森望&豊崎由美両氏の解説がないとうまく読めない人間なので、この導入から面白そうなオーラ全開の続きとしてしっかり楽しめるか今から不安。そういえば『虐殺器官』読んだのも夏だったなー。つくづく夭逝が惜しまれる作家だと感じる。楠本まき『乾からびた胎児』の主人公である作家の形容に「研ぎ澄まされた言語感覚!」てのが出てくるんだけど、自分の中で伊藤さんはそれに最も近いイメージの作家。

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    投稿日: 2012.08.26
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    頭おかしくなりそうになるのと、同時に読みながら頭の回転がメチャメチャ速くなる。 どれも好きなんだけどなかでもお気に入りは From The Nothing, With Love. かな。

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    投稿日: 2012.08.15
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    作者である故伊藤 計劃の作品が好きかどうかで評価が分かれると思う作品。表題作以外は、単なる短編集として読むには物足りなさが残る。 しかし、それでも作者を気に入った自分にとっては、作品に出会えたことに対する感謝が強いです。

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    投稿日: 2012.08.12
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    短編いずれも自己があやふやな印象で、でも確かにここに出てくる人たちみたいに特別な処置を受けてない自分もそうなのかもしれないといと思いはじめると、ちょっと嬉しい。脳みそと体と意識とがバラバラになればいいのにな~。この作者が描くはずだった世界をもっと見たかった。

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    投稿日: 2012.08.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊藤計画3冊目。虐殺計画、ハーモニーと最高だったので、期待して買いましたが、今回はちと期待はずれ。短編より長編が向いている…というよりは遺稿を集めたものだからなのかな。どうも不完全燃焼な感じなのです。 というわけで、短編集なので目次を挙げます。 目次 女王陛下の所有物;On Her Majesty’s Secret Property The Indifference Engine Heavenscape フォックスの葬送 セカイ、蛮族、ぼく。 A.T.D:Automatic Death■EPISODE:0―NO DISTANCE,BUT INTERFACE From the Nothing,With Love. 屍者の帝国 意識は後付で行動を追認しているに過ぎない 本書で気になったのはこの言葉てです。1980年代に行われた実験で判明したことで、「私たち人間の何らかの行動をしようという意志は行動した後に生じていた」という実験結果が元ネタです。 脳と意識 このネタを元に人格が転写されたものとしての007をうまく繋ぎ合わせます。この繋ぎ方はさすがという見事というか。本書の一番の見所だと思います。 未完の作品 本書の最後には、未完の作品「屍者の帝国」が掲載されています。霊素の発見と利用。大英帝国の諜報員。大国の争い。このあと、どう展開するのが気になって仕方ありません。急逝されたのが本当に悔しいです。 意識と戦争がテーマ 本書の掲載作品のいくつかでもそうですが、他作においても、伊藤計画という作家は「意識と戦争」について多くを書いているように思います。 ハーモニーの最後然り。本作のFrom the Nothing,With Love.然り。 意識とは何なのか。戦争とは何なのか。条件付けによる意識。環境によって変わる意識。機能としての意識。産物としての意識。現象としての意識。「私たちが当然のように思っている「意識」なんてものは実は思った以上に儚くて簡単に左右されるものかもしれない。例えば、戦争のような極限状況では特に。」この作家はそんなメッセージを投げかけているように思うのです。 病気になってから執筆したからでなのでしょうか。生きているということ=意識があるということをテーマにしたのは。僕にはそう思えるのです。 寄せ集め感があるのは長編の完成度が高いから そんな希代の作家・伊藤計画さんですが、やはり本書は寄せ集め感が強いです。マンガを挿入したり装丁を凝ってみたり(虐殺計画の黒とハーモニーの白の中間であるグレー一色です)しても、遺稿や短編を寄せ集めたんだなーと感じてしまいます。 それほど長編の完成度が高いのだと思いますが、読書体験としては不完全燃焼なのです。くそー、何で亡くなってしまっんだ!!

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    投稿日: 2012.08.02
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    円城塔が引き継いでいる「屍者の帝国」は別に、故伊藤計劃が最後に残したであろう短編集。 民族対立による虐殺を国連や大国の介入により終結した国で、それでも憎しみを捨てることができない元少年兵の物語である、本のタイトルにもなっている「The Indifference Engine」は「虐殺器官」のスピンオフ短編で秀逸。 その他007シリーズをオマージュした作品、MGS3のスピンオフ、「意識」を擬人化した物語、そして円城塔が引き継いだ、8月に発売予定の「屍者の帝国」の冒頭部分などを収録。 一般の価値観に対しての問いかけに、納得できなければその世界ごと無くしてしまう。 「虐殺器官」をはじめそんな作品を残してくれた。 伊藤計劃の作品を読み終える度に毎回思うが、この人の作品を読めないのは本当に残念だ。

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    投稿日: 2012.07.22
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    007のオマージュは面白い。 「セカイは、ぼくを、ぼくがそうありたいようには決してさせてはくれない」 でも、それを足掻こうとする話ばかりが書かれている。 筆者である伊藤計劃が死という避けられない不条理にあらがって、創作を望み続けたからこその作品ばかりだと思う。 ただただもっと彼の作品を読みたかったと思うばかりだ。

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    投稿日: 2012.07.18
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    伊東計劃の短編集。 どれもこれも読み応え十分。でも★4つなのはまだまだ続きが読みたかったから。それぞれ独立したテーマでありながら、それでいて一貫した何かを感じさせるところがすごい。特にお気に入りは『女王陛下の所有物』と『From the Nothing,With Love.』の二つ。007シリーズへのオマージュという短編の2つだが、短いのに圧倒的な世界観を感じさせるところがさすが。 他の2編と違う感じの『屍者の帝国』が未完なのが本当に惜しい。続きを補完して刊行されるようだから楽しみにしたい。

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    投稿日: 2012.07.10
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    虐殺器官、ハーモニーの衝撃を期待して読むとちょっとふぬけるけど、やっぱり哲学を感じる軸と言葉の凄みは変わらない。もっともっと長編を読みたかったなぁ…と切ない気持ちになる。

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    投稿日: 2012.07.09
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    映画007のオマージュやゲームのノベライズ(?)などなど、へぇ、こんなのもあるのか、と新鮮で、しかも純粋に面白かった。短編集だし、気楽に暗いSFを読めてよかった。

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    投稿日: 2012.06.28