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しろいろの街の、その骨の体温の
しろいろの街の、その骨の体温の
村田沙耶香/朝日新聞出版
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総合評価

149件)
3.9
37
52
37
4
2
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ただ圧倒されました。 これほど読んでいる間中、息苦しさを覚える作品は初めて。 それでも、ページをめくる手が止まらず、 最後まで読むことが出来ました。 不遜と言ってもいいほどの自意識と、残酷で痛々しい小説。 振り返ってみると、私の時代にもグループの格付けのような空気は 何となくあったように思います。 なにより、”初恋”というにはあまりにこの二人の関係がつらい。 あんなに素直で純粋な伊吹が、なんだかかわいそうに思えて…。 村田紗耶香さん、はじめましての作家さんでしたが、つらい、息苦しいと感じながらも、最後まで読ませてしまうってすごい。 忘れられない一冊になりそうです。

    3
    投稿日: 2015.05.11
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    スクールカーストと思春期の危うい心のバランスを見事にあぶり出した作品。開発途上のままのニュータウンの閉塞感と思春期のクラス内カーストの閉塞感がものの見事にリンクしている。村田沙耶香は苦手なのが多かったけれどこれは素晴らしい。相変わらず性を書いてはいるけれど、その衝動が今作では良い方向に働いている。オススメ。2013/222

    1
    投稿日: 2015.04.08
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    伊吹、谷沢。 二人の関係性が危うく、脆く、儚く。 なんども何度も心臓が軋んで、涙をながしました。 歪んでる。 ものすごく歪んでる。

    2
    投稿日: 2015.04.07
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    「殺人出産」にドハマりしたので、こちらも読んでみました。うーん、女版桐島のようであり、「ツ、イ、ラ、ク」の主人公がそんなに魅力的じゃなかったらバージョンのようでもあり。 桐島は男目線だったから冷静に見れるけど、女子版はキッツい! 小学生~中学生時代のくだらない学校生活がすごくリアルに描かれていて、「うわあああ、忘れてたけど昔こうだった!二度と戻りたくない!大人で良かった!」「ここまでひどくなかったのは、私立に行ってたからかもしれない。。。うちの学区の公立中だったらこんなだったかも」などなど、恐怖感いっぱいで読みました。ところで背が低くて、無邪気で子どもっぽいところが人気の伊吹くんは、とっても魅力的かつよく意味がわからない謎キャラ。結佳の毒牙にかかるシーンはかわいそうの一言で、ラストシーンも全く感情移入できず。伊吹くん的にはトラウマになってないのかしら・・・。 さて「背が低くて子どもっぽくて魅力的な中学男子」というのはいまいちピンとこないので、読んだ人は、「はて?中学にいた○○くんみたいな感じかな?でもちょっと違うなー」と思いながら読むことでしょう。映画化するなら、誰が適任かなー。芸人系な気がするけど、思いつかないな。でも、地味キャラ女子が人気者男子に好かれるっていうのは、昔の少女漫画とかだったら鉄板なわけだけど、よく考えたら、 「そんなことになったら女子から総スカンでヤバい。全力で回避すべし!!」となって当たり前だよね。なんだか、少女漫画幻想がきれいにぶっとびました。そんなことには決してならないし、実現したらしたで面倒なのであります。昔の広瀬香美×大沢たかおとか、絢香×水嶋ヒロとか見てると、なんかイヤだもん。うらやましくないもん。 終わり方がいまいち納得いかなかった本作品ですが、舞台設定やキャラ設定は大好き。次は何を読もうかな♪

    1
    投稿日: 2015.04.05
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    「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙耶香 思春期小説。しろいろに混じる褐色。 結末がどうなるのか分からない、というある意味「青春」をそのまま写した青春小説。 残酷な、それでいてこれはああ、過ぎ去った思春期を語れる大人が書いた小説だというアンバランスさがよりいっそう生々しさを感じさせる。 小説の中身をレビューすることは多々あれど、小説が書かれた心境を思わされる小説はそうそうない。 作者の村田さんがどういった心境で本作を書かれたかは知り得ないですが、一読者としては直球ど真ん中に「本気」を感じた。そういう一冊です。 15歳より前の性的葛藤をまじまじと描いた小説として、今でも忘れません、福武書店のベストチョイスの『おばかさんに乾杯』(ウルフ・スタルク/石井登志子 訳)という本があります。 当時(まだ小学生だった)エロ本を読むような感覚だったのと共に、気持ち悪さや不安感を感じていたことを思い出します。 本当に、今なら分かる。自分を見ることが嫌だったんだなあと。 本作の主人公の結佳にはそういった感情移入をしながら読みました。 小中学生の一人称の小説としてはスマートに過ぎますが、小説そのものよりも作者の村田沙耶香さんの語りに惹き込まれる。 後半に進むに連れて醜く、また美しくなっていくので、加速的に一気読みでした。 思春期の自分から目を逸らしている女性におすすめ。 (5)

    1
    投稿日: 2015.03.25
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    何となくなんとなく、実体験では全く無いにしろ、新興地での学校で有るだろうなという生々しさく気持ち悪さも有るような部分も含め、リアルな感覚として受け止めて読めた。元々不安定な時期の登場人筒達の物語ってのもあって、後半の部分とかも違和感なく読み進められた。色々あったよねという記憶を蘇らせさせられる作品。

    1
    投稿日: 2015.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者の著書を読んだのは2作品目。 前回と違って、今回はちょっと気持ち悪い、が先に立った。 親世代だからかな、と。 とは言っても、ページをめくる手は止まらず、一気読み。 小学校、中学校時代のカースト制度は、はっきりしたものでなくても、何となくあったなと思い出す。 伊吹のような幸せさんばかりだったら、学校からそんなカースト制度やいじめのようなことはなくなるのではないかと思う。 最後の展開には、親世代として、不安が残った。 危うい感じで結ばれてしまった二人。 ずっと思い合っていたとは思うけれど、欲望のままな感じが危険すぎる気がする。 考えすぎかな~

    1
    投稿日: 2015.03.01
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    クラスでは目立たない存在の小4の結佳 お友達は好きだけど、学校は疲れる 冷めた目で現状を見ている女の子。 結佳は信子ちゃん、若葉ちゃんと仲良し 若葉ちゃんは話が面白くお洒落で人気があるので 女の子同士で取り合いされてしまうような子。 結佳が住むニュータウンは駅も駅前の広場も学校も真っ白 見慣れた道が、ある日どこかと繋がっていたり この前までなかった道が空き地の向こうに現れたりと 街はどんどん姿を変えるのに、この街に閉塞感を感じ 親しみを感じられないそれは学校も一緒。 週1回通っている習字教室で一緒の伊吹陽太と 仲良くなった結佳は自分より幼い考えの伊吹に 支配なのか、恋なのか分からないような行動を取ります 残酷なような気もしましたが、二人の関係が変わらぬまま 続いていくところは伊吹の幼さでもあり、いい子なんだと思う 結佳が中学生にあがると友達関係は一変します。 2年生になって、結佳、信子ちゃん、若葉ちゃん、伊吹は 一緒のクラスになりますが、若葉ちゃんと伊吹はクラスの リーダー格の子達がいる1番上のグループに 1番下のグループにいるのが信子ちゃん、結佳は下から2番目の グループでそれなりに安全な日々を過ごすことに。 しかし結佳の安全な日々が一変してしまいます 抱えるものの重さにつぶされそうだった結佳が 変わっていくところは、応援というより すごい・・・と思ってしまいました。 誰が上で誰が下かなんてないのに 中学生になるとシビアで暗黙の了解的な 雰囲気があったことを私も思い出します。 そんな中でも教室の中に優劣がある事を分かっていない 稀な子、幸せな鈍さを持つ伊吹は学校中の人気者に だから結佳の苛立ちや言葉にピンと来ない 伊吹からしたら結佳が抱えているもやもやしたものは とても小さく、どうしてそんな事を言うのか分からないだろうな クラス内のカーストや自分の存在価値、容姿に悩み 女の子から少女へと成長する過程はよく描かれていました 自分の中の嫌な部分、誰かと比べ周りから浮いていないか 気にしていた自分と・・読んでいてきついんですが引き込まれました。 しかし最後の展開はなくても良かったのではないかなと思います。

    1
    投稿日: 2015.02.24
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    誘拐犯は私なのかもしれなかった 彼だけが、何も知らずに、呑気にサッカーをしながら笑っている。恋をしてどんどん不自然になっていく私たちを嘲笑うかのように、自然体なままで。 傷ついたから、笑ってるんだよ!

    1
    投稿日: 2015.02.15
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    中学に行くようになると友達同士の上下関係やらグループやらいじめやらと嫌な人間関係を嫌でも経験しなくてはならなくなる。 努力して安定した居場所を見つける必要もある。 一部の何もしなくても強者でいられる人を除けば、皆、それなりに頑張っているんだと思う。 伊吹くんみたいなしあわせさんがクラスに数人いれば雰囲気も良くなるのに。

    1
    投稿日: 2015.01.29
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    ユリイカ推奨本。急拡大中の田舎っぽい新興住宅地に住む、結佳と若菜と信子は小学校の仲良し3人組。若菜は可愛くませた子で、信子は太り気味でセンスもいまいちだ。結佳はどうということもない普通の子?しかし結佳は習字教室で同級の小さな男子伊吹をおもちゃにしてキスをしたりする女子だ。中学に進学しクラスのヒエラルキーが確立すると、若菜はトップグループ、結佳は中位より下の地味真面目グループ、信子は最下層となり、伊吹は背も伸びクラスの人気者だ。しかし結佳の伊吹へのキス、というか彼の口内に舌を入れ唾液を舐める行為と言った方が的確な行為は続いている。しかもトップグループのリーダーは伊吹に多大な好意を抱いている。若菜が伊吹へ告白したことがばれて、最下層グループに堕ちたり(しかし女子はここまでしても一人でお昼を食べるのを恐れるのだろうか)、信子が上位組男子に無謀な告白をしたり、なかなかスキャンダラスな中学だ。しかも結佳は伊吹の家で強制フェラを敢行し精飲する。流石に伊吹との仲は気まずくなるが、ラストでは結局結ばれるのであった。女子中高生になれたら楽しいだろうと思うこともあったが、これほど大変な男子には判らぬ苦労があるなら、それはちょっと願い下げだなと思った。

    1
    投稿日: 2015.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    西加奈子さんが紹介していたので興味を持った。自分のどうしようもない感情や焦り。自分だけではないと安心感を感じてしまうと共に自分は特別な人間ではないと知らされてしまうような何かがある。少なかれど共感する部分があった。この本がこの年齢で読めたことがとても良かったと思う。

    2
    投稿日: 2015.01.17
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    「人工的」にすくすくと拡大成長する予定の街が成長を止めたとき歪な街ができた。その中で暮らす少女たちも健全に成長することが難しい。学内のヒエラルキーは思春期特有の自意識過剰さから?こういう格付けは大人社会でもそこかしこに見られるのでは?要するに、思春期のままの大人が多いってことかー。高度成長期以降の日本の街作りもメチャメチャだもんねー。

    1
    投稿日: 2015.01.07
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    生々しい。気持ち悪い。けれど懐かしい。学生のときは気楽でよかったよなとか思ってたけど、学生にもいろいろあったよなと、忘れていたこと思い出させる小説でした。

    3
    投稿日: 2014.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    王様のブランチで西加奈子さんが推薦されてて読みたくなりました。 続きが気になり一気に読みました。 今でいうスクールカースト的なのは学生時代あったなぁと。無難にやりすごそうとする当時の自分は確かに息苦しかった(そのことに気付いたのは社会人になってから。学生時代はその狭い世界しか知らないからそれが普通になっていた) 伊吹は小説だからこそ存在できるキャラクターな気がする。とてつもなく大人すぎて。現実だったら中学では結佳を変態扱いして、あっさり小川辺りと付き合ってしまいそう。 ただ本当に夢中になって読めた作品。 昔読んだ山田詠美の『放課後の音符』を思い出した。

    2
    投稿日: 2014.10.21
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    "学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。"帯文を読みながら、きらいだったとまではいえないまでも、好きだったことはあるのかなと思ったり。 読んでいて、鬼束ちひろの『流星群』の歌詞ががリフレイン。"呼ぶ声は いつだって 悲しみに変わるだけ こんなにも 醜い私を こんなにも 証明するだけ でも必要として"。傷口に抉る痛みが甘美とうそぶきたくなる小説。2日続けての傑作。

    1
    投稿日: 2014.06.05
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    主人公が中学生になったくらいから、 心理描写がグサグサきたが、それも同じような場面が 何度も何度も繰り返されてくると 正直クドくて、もう、お腹いっぱい。 もう少し短くて切れ味のよいものにしたら もっと評価はよかったでしょう。

    2
    投稿日: 2014.04.26
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    小説の結末で小説を判断してはいけない、ということを改めて感じさせてくれた小説。 数々のあり得ないシチュエーションはさておき、街の感じとか、人の感じとか、実感を持って浮かび上がってくるところはこの小説の魅力だと思う。 ニュータウンのスースーする感じ、めっちゃよくわかる。

    1
    投稿日: 2014.02.09
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    どういうきっかけかは忘れてしまったが、「読みたい本リスト」に入ってたのに気づいて図書館で借りて読んだ1冊。 中学校でのいじめの場面が詳細に表現されていたので、いじめをテーマとした本として読みたい本リストに入れていたのかもしれない。 教員として読むと大変胸の痛む内容だが、冷静に客観的に読むと、主人公のような人物に焦点を当ててのストーリー展開が自分にとってはとても新鮮だった。 前半の章ではさすがに読み続けるのをくじけそうになったが、後半の章に入ると一転してぐいぐいと惹きつられるように読み進めることができた。 あと、「ヒエラルキー」と表現せずに「身分制度」と表現しているところが、主人公が中学生たる所以だなとリアリティを感じることができた。 印象に残ったフレーズを 「見返すなんてばかみたいだな、と私は思った。見返すということは、相手と同じ価値観を共有するということだ。ピラミッドの存在を肯定するということだ」(p138) 「道徳の教科書に何度か書かれても、私たちは教室を支配する大きな力に逆らえない」(p220) 「身分制度の外側に突き落とされていた私は、まだその渦中にいる若葉ちゃんを見ると、ちょっとほっとした。もうこれ以上落ちることはない、ということは不思議と私を安心させた」(p240)

    1
    投稿日: 2013.12.31
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    まだ小5になりたてのとこまでしか読んでないので仮評価。 フラウ1位がきっかけで読む。正直期待し過ぎた。気持ち悪い。ニュータウンがどんなもんか体験してないので学期ごとにクラスに転入生10人とか想像つかない。最近の子は発育いいらしいけどこんなに小5とかでアレになってんのか。 読了 中学生になってからはどんどん読めた。思ってもみない展開だったけど救いがあってよかった。 しかしカースト上位の子達が子ども過ぎないかなぁ?上にいる子はクラスになんか興味持たずに学校の外で遊んでるイメージ。下位の子を嘲るヒマはないような気もする。 と、思ったけどパッとしない街だから遊ぶに遊べないのかな。 女の子グループで好きな人の部活終わりを待ってるのは私の中学生活を見てたんかい!というあるあるな光景。 お母さんの自分が醜いか可愛いかにしか見えない年頃というのが一番好きなセリフ。

    2
    投稿日: 2013.12.15
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    2013/12/7読了。 中学生の時のクラスでのヒエラルキーは、絶対的だった。 結佳と伊吹の関係は中学生になってからは変わってしまった。結佳のほうがヒエラルキーに敏感だからかもしれないけれど。 結佳の恋愛感情は中学生にしてはドロドロしている。欲望っていうイメージ。 無邪気な伊吹とのギャップがすごい。 結佳は容姿に自信がなくて 狭い教室のなかで自分の立ち位置をわきまえて必死に過ごしているけれど、 観察することで、自分が上だと意識する。 自意識過剰な年齢で みんなが通りすぎる年代。 結佳を見ていると苦しくなってきます。 それでも結佳は伊吹への気持ちは止められない。 自分を卑下しすぎて本質を見てくれている伊吹を大事にできない結佳が切なかった。 それでも結佳は、きちんと伊吹へ思いを伝えてちゃんと嫌われて進もうとする。 殻に閉じ籠っていた結佳が一歩踏み出した姿は清々しい。

    2
    投稿日: 2013.12.09
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    過去の自分を投影して胸が締めつけられたような作品。主人公の行動が唐突だなとたまに思ったが、これこそ子供から大人への成長段階だからということか。最近こういったカースト的な自分や同級生のランク付けした作品が増えてきたような。

    1
    投稿日: 2013.10.02
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    小学生だった結佳と伊吹が成長していく過程と学校での生活を絡み合わせた話だ.女子の上下関係を赤裸々に描写しているが、いじめの原点が見え隠れしているようで、読んでいて少し嫌な気持ちになった.実際の小中学校もこんな状態なんだろうが、あまりよい傾向とは言えないと思う.最後の場面で結佳と伊吹がきちんと会話できるようになったのが彼らの成長なんだと感じた.

    2
    投稿日: 2013.09.27
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    私は嫌いという言葉が好きなのかもしれなかった。この言葉を口にしていると、自分がどんどん鮮明になっていく気がする。 14 私たちは、エピソードをくれた男の子と簡単に恋に落ちてしまう。111 お手軽に恋に落ちてしまうわりに、それはすぐに宗教になる。111

    1
    投稿日: 2013.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思えば、スクールカーストを経験したのは、もう40年前になるのか。 小学校高学年から中学まで続くそれは、時代は変わっても、不変のものなんだなぁ。 各女子グループの評価と、女子の個人ランキングが、壁に貼られたりしてたこともあった。(マメな男子がいたのだ) 今にして思えば、社会に出る練習だったとしか思わないけど、ローティーンの少女のまだ小さな胸を、痛めるに十分な酷なものだった。 上位者にとって、それはいつか打ち砕かれて自分の胸を刺すガラスの勲章であり、下位者にとっては、自分を捕える檻はいつまでも変化ないように思える。 最後の展開は、意外ではあったが、あり得ない展開ではない。 現実って意外と(この年頃の性って)こういうもんだよな…と、50歳になるとしみじみ解ったりする(爆) そして大人になっても、快活な男は自分の世界を持つ女に惚れるし、静かな女は思ったより自分の肉体の熱をストレートに表現する。 それでも、P263 「でも、好きって言いたくなかったの。それよりもっと好きだったから」 「そっか」 というやりとりで、素直に涙する私は、純なばぁさんだ。

    1
    投稿日: 2013.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学校の中、クラスの女子は自然にされたレベル分けで、ランクが付けられている。 思い出してしまった、自分のこと。小学校の時だったが、自分でも低ランクの自覚はあった、高ランクの女子は、着ているものも、髪形も洗練され、多くの人に囲まれていた。 あの時の光景が蘇るようで、心が痛かったが結佳がどうなるのかが気になり、最後まで読んだ。少しだけ救われた気がしたが、現実とは違うと思った。

    1
    投稿日: 2013.09.02
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    小学生から中学生への女の子の序列など、一度は女の子であった私には痛いほどよくわかります。 でも、う~ん・・・・最近はこの女子の世界を上手に描く作家も増えているので、もっとストーリー的に魅力がほしかったと思います。

    1
    投稿日: 2013.09.01
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    新興住宅地に住む女の子の小学生高学年から中学生までの性と自意識を巡る物語。中途半端に開発された土地と中途半端にもならない自分を嫌悪しながら学生生活を送る。主人公が好きな男子に小池徹平を思い浮かべてしまうほど、人物描写に長け感情移入をしてしまった。

    1
    投稿日: 2013.08.28
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    「桐島」以降なのだろうか、学校における「カースト」制度を表に出した小説が目立つようになってきたのは。 本書の主人公・結佳は中学で下の上くらいのカーストに属している。場所はニュータウン。小学生のころはすさまじい勢いで開発が進んでいたが、中学のころには開発がストップ。結佳も小学生のころは人気者の若葉ちゃんなどと仲良く遊んでいたが、中学では話もしなくなっている。 街がきらいだという結佳は、きっとそこに自分の停滞感を見てしまっているのだろう。 そういったもやもや感が恋愛にも映し出される。好きな男の子の伊吹は、小学生時代は単なる無邪気な子だったが、中学では無邪気さは失われないものの、女子にも人気でカーストで言えば上。違うカーストだから、好きだということも表に出せない。 著者はそういった鬱々とした感じを描くのがとてもうまい。最後に救いがある話でよかった。

    1
    投稿日: 2013.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館にて。 フラウ文芸大賞の大賞をとった作品。予約したらすぐきた。 小学校中学年から中学生に至るあのころって、一番残酷な時期なのかもしれない。人づきあいが未熟なのにランク分けが始まり、ぎこちない頃。 好きな相手の特別になりたい。でも自分に自信がないから、違う形での特別になるしかなかったし、他の方法を知らなかった。辛かったろうなと思う。女の子たちのグループの描写もまさにそのとおりで、自分のことを思い返しても怖かったなと思う。 ラスト、そう来るか、と思った大人の展開だった。純粋だけど鈍感な伊吹が途中じれったかったから、彼が結佳の気持ちを読みとって、関係がこんなふうに進展することは本当はありえないだろう。でも、女の子にとっては理想の結末だと思う。この先二人が付きあったりすることがないとしてもこれはきっとハッピーエンドだ。 この物語を読んでいて、浅野いにおの「うみべの女の子」を思い出した。10代半ばの幼い性、自意識の物語は痛々しく、生々しい。

    1
    投稿日: 2013.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいて、思春期のあの混沌としたヒリヒリ感が、巧みに描かれていた。 ただ、後半の結佳の行為は逸脱しすぎ。 幸せさんはすごく魅力的は上位に位置する男子だからこそ、結佳とはあーならないよなぁと、思ってしまった。

    1
    投稿日: 2013.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    放課後に好きな人の姿を見るだけとか手を振るためだけの「出待ち」とか、確かにやったなぁと懐かしくちょっとキュンとしました。 思えば遠くに来たものだ(笑)   スクールカーストを独特の関係性から焙り出したこの小説。 痛い、けれどぐいぐいと読まされてしまいます。それぞれのキャラクターも みんな立っていて文章に力を感じます。何か賞を取られましたよね。確か。今の中学生や高校生が読んだらどう感じるのだろう。すごく興味があります。薦めてみたいですね。 タイトルが秀逸だと思います。注目の作家さんがまた増えましたね。

    2
    投稿日: 2013.08.06
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    主人公と同じ、ランク下の女の子として共感して読むと、辛い でも最後で救われる 息子ができたら読んでほしいかな、

    1
    投稿日: 2013.07.25
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    小学校から中学校にかけての「イケてない」女子の気持ちのあり方を描く物語。粘ついた心の揺れや、どうしようもない身分の違いなど、子供時代の残酷さをまざまざと見せつけられる。決して読後感のいい小説ではないけれど、文章は濃密で、じわじわと心にしみるものがあった。

    1
    投稿日: 2013.07.05
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    30年ほど前に教室にいた私にも、覚えのある教室の中の身分のランク・・・これを痛烈に感じ、それを支える自分ごと拒否している主人公を、作者はどこへもっていくのか。。。 いつしかひきこまれて、そして、読み終わった。

    1
    投稿日: 2013.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今年の三島賞受賞作。  女性作家版スクールカースト。「桐島、部活やめるってよ」と違って、小学校の頃からの5年あまりの関係性を描いている。 こうやって、共学の小中学校のヒエラルキーを俯瞰的かつ繊細な女子目線で描かれると、とても新鮮で発見が多い。しかし、やっぱり僕には、この主人公の早熟すぎる他人への視線や、好きな男子に対する支配的な欲望を「理解」できないばかりでなく「懐疑」をおぼえてしまった。少なくとも自分はこのような女性に会ったことがない。それは、自分の対人関係が狭いだけなのだろうか?  女性作家の描く「色彩」や、自分の肉体を感情に溶け込ませる能力に関しては、川上未映子の文章に対して感じた美しさと同様の種類のものを作者にも覚えた。女性は全身で感じ、呼吸している。自分の骨が壊れたり軋んだり成長が止まったり・・・僕には無縁だが、男性が自分の肉体に対して感情的に自覚的なのは、せいぜいそのマッチョさぐらいではないか?と思ったりした。官能性の性差、みたいなものをふと考えてしまった。

    4
    投稿日: 2013.06.11
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    タイトルと表紙に何故かずっと惹かれてた。 三島由紀夫賞を受賞したと知って読んでみる事にした。 小学生から中学生にかけての複雑な思春期時代。 結佳の矢吹への歪んだ思い。おもちゃにしたいなんて。 そのままもてあそばれる矢吹も幼かったが、 さすがに中学生になって、そうもいかなくなる。 冷めた結佳の思考が少し恐ろしかった。 自分でもどうにも出来なかったのだろうが。 大人すぎる考えに体がついていかなかったのかな。 いや、その逆なのかもしれない。 不思議な女の子だ。

    2
    投稿日: 2013.06.03
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    村田沙耶香はいやらしい。人間関係、そこに渦巻く感情の醜さ、肉体そのものの醜さ。そんな人間の醜さを丁寧に丁寧に描き出していく。「気持ち悪い」小説であるが、それと同じくらい「美しい」。結末の神々しさは川上未映子『ヘヴン』を思い出した。

    1
    投稿日: 2013.05.28
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    第二十六回三島由紀夫賞受賞作。「女の子」から思春期の「少女」に成長して行く女子の変化とその年頃のもやもや感、鬱積する感情、まだ大人になりきれない未熟で残酷でそれでいてどこか純粋な心模様を表現している。今よく聞く「スクールカースト」のようなクラスメイトたちの関係は私が思春期の頃はこのように顕著ではなかった。しかし時代は変われど常に女子には友人でありながらライバルでもあるクラスメイトとの人間関係、すべてに対して鬱々とした感情、自分への劣等感を持つ時期ーー思春期ーーというものがあるのだと思った。 著者は開発途上のニュータウンという登場人物たちの環境と感情を絡ませながら、少女の感情を綴っていく。思春期のもやもやとした感情はなかなか表現しにくいものだが、著者は驚くほど的確に言葉で表現し、小説していると感心する。女性でなくては書けない小説だ。

    1
    投稿日: 2013.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中までは良かった。 正直胸が苦しくなり、泣けてくるほどだった。 「あの頃」特有の感情、と言いますかね。 自分を取り巻く全てがぶっ壊れてしまえばいいと思いながら、それを「誰かがやってくれる」のを無意識に待ってしまう狡さとか。 自分の全てが醜く感じられたり、傍観者であろうとする姿勢とか。 体の中に渦巻くコントロールしきれない「黒」とか。 まぁ、もろもろ。 でも最後がいただけない。 内容ではない。 救いはあっていい。 表現の仕方っつうかな……。 セックスを音楽、てどうなの? 恋する気持ちを吐瀉物とまで書いてくれてるのに、セックス、オナニーが、音楽とか、神秘的な儀式とか。 そこだけが肌に合わず、気持ちがスッと冷めてしまった。 自分や他人の体と向き合うのは素晴らしいと思う。 でもそれは、情けなくて、しょうもなくて、みっともない、馬鹿げていて愛しいものなんではないかと個人的には感ぜられる。 信子ちゃんを「美しい」と思った主人公が、ただ単に綺麗綺麗な表現でそれをするのが、なんか違うんでないかい、と。 滑稽でカッコ悪い、そのものとして受け止めて。でも尚! なーんてなってくれてたら良かったなぁと、思いました。 まぁ、作者の個性なのかな。 仕方ないか。

    1
    投稿日: 2013.04.17
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    作者と、題名に惹かれて手にした本。 中学生の性と自意識を、的確にとらえていると思う。 新しい街の白さが、骨の白さと重なり合う感覚は、映像的な印象を残す。

    1
    投稿日: 2013.03.27
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    ベッドタウンとして開発が進む東京都下のニュータウン。同じような一戸建てが建ち並び、団地が広がるその向こうには、まだまだ工事現場のような荒地の風景が広がっている。次から次へとやってくる転校生の流入で、季節ごとに規模が大きくなる小学校。そこでクラスメイトとなった少女と少年のその後が、痛く鋭く描かれる。 小学4年生の時点でも、その後に亀裂を生む格差意識や優劣の感情の種は心の中に埋め込まれていたのだ、、、 作品途中からは出だしのストーリーから4年後、中学2年のクラスで起きるグループの上下関係といじめなど、自意識過剰な中学2年生たちの日常が主人公女子の目から描かれる。 自らの美醜にこだわる自己嫌悪が外へ向かうとき、内部で発する熱はいびつな形でかつての「おもちゃ」へと向かうのだった。

    1
    投稿日: 2013.03.05
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    見事に少女の心を書ききっている。圧巻だった。 そのあまりのリアリティに自分の子供時代の思いと主人公の結佳の気持ちがないまぜになって、読めば読むほど苦しくなる。 辛い辛い小説だった。 誰もがきっと経験したことがあるのではないだろうか。 子供は決して無邪気で純粋なんかじゃない。 幼いなりに、いや幼いからこそその未熟さから、残酷になるのだ。 小さな世界でぐらぐらと危うい自分の居場所を必死に守るために、他人を傷つける。その痛みに気付かないふりをする。 結佳と正反対の性格を持つ幼馴染の伊吹は、まるで太陽のような存在。結佳の心の描き方から見ると、純真無垢に過ぎる気もするがここまで突き抜けた存在ではないと物語が成り立たないのだろう。 これも作者の意図するところか。 現実の小学生、中学生は結佳のように冷静な行動なんかできないし、毎日を過ごすのに必死になっていると思う。 ましてや伊吹のように救いとなる存在なんていない子供たちが大半だろうと思う。 でも伊吹じゃなくてもいい、小説でも、音楽でも、アイドルでもなんだっていい。自らを肯定し未来へと進んでいく勇気を何処かで見つけてくれることを願ってやまない。

    9
    投稿日: 2013.02.02
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    綿矢りさ『蹴りたい背中』に似ていると思ったが、こちらの方が性的に生々しい。主人公の機微がよく描かれていると思う。読みやすいけど読み応えがあった。

    1
    投稿日: 2012.12.19
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    女がよめば自分の中学時代を思い出す。 どこにでもあるような女の子の世界。 主人公の女の子の隠されたわがままさや攻撃的な感じに好感が持てた。 文章にくせもなく読みやすくてさらさらと読めた。

    1
    投稿日: 2012.11.25
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    読んで気持ちがいい話ではない。 むしろキモチガワルイ! だけど読んでしまう。そしてムカムカしてキモチワルイ。 なぜか?お話的には思春期のころのあの意味の分からない“上”“下”のグループとか、性的なあれこれなんだけど、 大人になった今でも同じ感覚を思うことが多々あるから。 そして書かれていることの気持ち悪さは 自分にも当てはまる気持ち悪さだから、 読んでしまうのだ。 ムカムカするのは図星だからだ。 そして思う。 ちっとも変わってなくて、相変わらずイヤなヤツだな、あたしって。 でもそれを自覚していることが、 そして同じ想いを共有している人がいることに なんだかほっとするのだ。 この気持ち悪い感覚をこうも的確に、 そして多彩な言葉で綴る作者の表現力にただただ脱帽。 積極的に“いい本だよ”とは薦めがたいけど 私は好きな一冊。

    1
    投稿日: 2012.11.10
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    「伊吹は私のおもちゃなんだから。」 なんて言いつつ同級生の男の子に無理やりディープキスする小学4年生女子の図は、結構すごい。 でもそれを「異常」だと切り捨てられないのは、自分でもどうして良いかわからない行き場のない感情をそういう形でしか表せない彼女の姿があまりにも切実で、胸に迫ってくるから。 学校では人気者の男子・伊吹と、目立たない女子・結佳。 でも陰では彼女が彼に命令して、支配している。クラスで地位のある子がない子を言い様に扱うのならわかるけど、それが逆っていうのが興味深い。 キスの仕方さえわからないのに、ひたすら彼の唇を無理やり奪う。ぶつけようのない気持ちが、伊吹を独占したい気持ちが、どんどん捻れて歪んでいく。 ただ伊吹が健全過ぎるのが、気になる。 どこまでもまっすぐで、正しくて。健全過ぎて、何だか少しうそ臭い。 あれだけ結佳に散々色々されたにも関わらず、まったく彼の人格形成に影響を及ぼしてないなんておかしい。 二人の関係のどこかで、彼にも壊れて欲しかったなぁ。 「『伊吹は私のおもちゃだもん。だから、いつ触ってもいいの。そうじゃないとだめなの』 私は掠れた声で言いながら、伊吹の制服のシャツに手を伸ばし、その裾を握りしめた。 『おれのこと嫌いなの?好きなの?』 『だいっ嫌い』 呟いた私は、そのまま伊吹を引き寄せようとした。伊吹の力は強くて、今までみたいに簡単にこちらに吸い寄せることはできなかった。 『じゃ、駄目だよ』 伊吹はもう私の思い通りになる小さな男の子ではない。子供の頃は身体だけは自由にできたのに、それもできなくなっていく。 私は伊吹の熱に触れられない指を、骨が痛むまで強く握りしめた。」

    1
    投稿日: 2012.11.06
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    書評家藤田香織さんのオススメ本は外れが少ないんだけど、そのツイート見て買い、読み終えたけどなんかずっしり疲れて痛くてすごい良かった。 スクールカースト題材の話って結構あるけど、その中でもなんというか、特別な感じ。 ちょっとくらくらする。表現出来ない。 いい年してもまだ、カースト意識しまくりの自意識過剰なわたしが20年後にこれ読んだらどう思うんだろうなぁ

    1
    投稿日: 2012.10.14
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    村田沙耶香さんの本はすべて読んでて、全部好きです。新刊出るたび一番面白い作品が更新されて、今作はなかでも(私的TOP3はタダイマトビラ、マウス、ギンイロノウタ)さらに好きにな作品だ。村田さんの作品すべてに統一するテーマは性。そして大きく分けると純文学とYAになる。これはYAにあたる。 小学校と中学校の二部作に分かれる。 初潮が訪れる女の子が増えていく年頃。ニュータウンに暮らす谷沢結佳は種類の違う女の子三人組。若葉はおしゃれでおとなびている。信子はぽっちゃりでダサい。幼いながらも女子特有のひみつごっこや、確執はあり、そんなのにうんざりするなか結佳は習字教室で伊吹陽太と会話が増えるようになる。 伊吹は小柄で子供、女子から男としてみられない嫌味のない人気者。幼いながらも性に敏感な結佳は伊吹に舌を絡めたキスをする、何度も。うぶで純粋な伊吹にはそれがなんなのか分からない。 場面が変わり中学校。 結佳は初めて伊吹と同じクラスになる。若葉と信子とも同じクラスになる。クラスの中のカースト制度は立派に確立されており、伊吹は上位グループの一員で小柄だけどサッカー部の副部長とあり女子から男として見られる人気者。結佳は下から二番目のグループ。若葉は一番派手なグループ。そして信子は一番下の地位。 結佳とは伊吹に無理やり、自分のものであるという証拠を残すように唇を重ね続ける。それがなにかわかる年頃であり、関係は変わりながらも続いてて、伊吹を独占したくて、けれどランクが違うことを意識してしまう結佳と、そうではない伊吹は思うようにはいかない。さらに性に目覚め、目まぐるしい中学校生活で-- ほんと息苦しくなった。 わたしはそういう下位にはいなかったけれど、痛いくらいに分かるなにかがあって、伊吹が真っ直ぐで、痛いくらいに正し過ぎて、涙を抑えることができなかった。こういうヒーローはいるんだよね、どこにでも。伊吹はヒーローだ、間違いなく。純真無垢な残酷すぎるヒーロー。クラスにカースト制度があることにも気付かず、どんな人にも優しく分け隔てない伊吹の態度は残酷すぎる。みんな伊吹を好きになるのはあたりまえだ。 うまく説明できないのがもどかしいけど、ずっと手元に残しておきたい一冊。人間関係とか格差とか、そういう周りの評価を気にしてしまう、または気にした過去のあるひとにはぐわっと掴まれるのでは。 今年刊行された小説で一番は同じ著者のタダイマトビラだと思ってたけど、これも素晴らしいなぁ。これから村田沙耶香さんどんな風に進化していくんだろうか。怖い。怖いけど楽しみ。もっと驚かせて脅かせて欲しい。

    2
    投稿日: 2012.10.10