
総合評価
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powered by ブクログ読み応えがありました。面白かったです。 絶望的な状況でも冷静さを失わず、かと言って必ず帰ろう、帰れるといった信念があるわけでもなく、あるがままを受け入れて生きるために工夫していく。これはすごいことだと思いました。その精神力もすごいですが、宗教というか仏様にすがることで精神を保つ。すがるものがあったのが冷静さを保てた要因だと思うと、宗教というのも意義あるものだと感じます。心の支えは極限において絶対必要なものだと思いました。
0投稿日: 2026.01.31
powered by ブクログ多くの人がレビューしている通り、13年間岩山の無人島で過ごし続けた長平という男性の物語である。自分が思ったこととしては、人間は規則正しい生活だったり、太陽を浴びて生活することや体を動かしておくことというのは生存において非常に重要だということです。体調崩す人たちの大半は生きることに希望を失ったりとか、生活に対してやる気を見出せなかったりとか、無理にでも体を動かそうという気持ちが沸き起こらない人たちからだったので、そこはすごく興味深く読ませてもらいました。あとは何度も何度も失敗して、最終的にそこに行き着くのかということと、生還するまでの過程が本当にすごいなと純粋に思いました。吉村昭さんの詳細な記録を物語に発展させる力、そして読む我々を奮い立たせるような筆致には本当に感動しました。
16投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログ江戸時代に無人島に漂流して生還するという。。しかも実話。え?江戸時代にそんなことが!?どうやって生還したんだ?と興味津々で手に取った。 島鳥(伊豆諸島)という岩だらけの火山島に12年間サバイバル。樹木も湧き水もない。食べるものは貝などやアホウドリ(渡り鳥だから期間限定)のみ。最初の数年間は孤独との闘いでもある。 いやいやいや、アホウドリを生で食べ続けるとかちょっと無理なんだが・・・生死の選択を迫られたら最初は人間何でもやれそうだが、生への執着がよほどでないと、ここまで長期間がんばれない気がする。まず神経の細い人は生き残れなさそう。現代人は誰でも無理そう。 その後、何回か同じように漂流してきた人たちとチームを組んで、知恵を絞って生還するとうムネアツ展開。後半は一気読みでした。これが実話というのが本当に凄まじい。 (2年ほど前に読んで記録したままにしていましたが、この本は紹介したい!と思い感想を残しました。)
22投稿日: 2026.01.16
powered by ブクログ語り口が淡々としていることで、却って長平の心境を想像してしまう。彼が島で過ごした月日を思うと呆然とする。
1投稿日: 2026.01.11
powered by ブクログポインティがおすすめしていたため拝読 最初は厳しいかもと思っていたが、島に漂着してからはおもしろく読み進められた。 長平の自分を律する心とリーダーシップすごい 諦めない気持ちは大事だと学ぶ一方で、自分は自殺しちゃうんだろうなとも思う。
1投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実話だと知っていて読んだが、それでも驚いた。 ただ脱出を目指すだけでない、みんなで酒を造るなどの生活感あふれる描写が良かった。 この作者さんのほかの作品も…と思わせてくれる1冊。
1投稿日: 2026.01.02
powered by ブクログ長平の生きるための知恵、工夫、行動力、胆力、精神力は本当に凄い。 評価が高いわりに本の面白さとしては普通だったけど、こんな過酷な状況で生き抜いたと人がいると思うと、努力次第でどんな事でもできるのかもしれない。
1投稿日: 2025.12.27
powered by ブクログこれが実話なのだから驚きだ 大昔から鳥島には漂流者が流れ着き、大半の人が亡くなってしまったんだな 長平たちが仲間の年長者を労い尊厳を守る姿がこんな極限の状態なのにすごい事だなと思う 究極のサバイバル 長平の精神力と行動力が凄い 生きる力が凄かった 流木を10年以上集めて船を作る それがどれほど大変なことが、読んで震えた 一番怖かったのは、無事故郷の土佐へ帰った長平に1人だけ帰ってきたから冷たくされたり、陰口を言われたり、、、長平の苦労を知ってる読者からすれば悲しい
4投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログはああ、、とんでもなく面白い本に出会ってしまった。 実話なのが信じられない。 凍死しそうな海に飛び込んで流れ着いた材木を必死で集めるところ、ついに船を作って島から離れるぞという時に、島で死んだ者たちの名前を呼んで「この船に乗れ!一緒に故郷に帰ろう」というところ、 寄木で作った船に乗って「全てのパーツに見覚えがある」と感じるところ、目頭が熱くなった。
2投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログ凄かった… 人も住めないような無人島におよそ12年も生き抜いてとか自分には到底出来そうにないと思った。 気付いたらずっとページをめくっていたくらい気になってどんどん読むことを止められなかった。 それくらい面白かった! 主人公の精神力や行動力、周りを観察する力など学ぶべきところがたくさんあった。 衣食住が確立していることに感謝したくなる。
6投稿日: 2025.12.01
powered by ブクログ壮絶な体験の中における、意志の強さ、覚悟、リーダーシップ、学習能力。対比して人の弱さも赤裸々に記載され、学びが深い。
11投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログこれが実話だと思うと気が遠くなってきます。 生き延びる力、自分には皆無だなぁと思いつつ ページを繰る手が止まらなくなりました。
3投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ作品は素晴らしい!人間って、ここまでできるのか…と圧倒され、胸を打たれた。 ただし――おい、新潮文庫!事実に基づくドキュメンタリー小説とはいえ、背表紙のあらすじで全部ネタバレするのはやめてくれ。たしかに、生還したからこそ話が伝わってるわけだけど、そこは読者の想像に委ねてくれよ… と言うわけで、これから読む人は、カバーでもつけて、背表紙は見ずに読み進めることをオススメします。
14投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログよかった!吉村さんさすが!時間を感じず読めた。すごい話だった。「無人島の16人」と並ぶ漂流でした(笑)
2投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ実話を基にしているとのことで、主人公の生き方も興味深いが、読みものとしても飄々とした文体でとても面白い。
2投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログ文献を読み漁り、現地に赴き書き上げる吉村さんのノンフィクション小説は、細部にまでリアリティがあり、ゆえに没読してしまう。 この「漂流」でも、無人島で12年も生き抜いた男が感じる匂いや痛みまでも伝わってくる。 「熊嵐」にも感じた、この五感が牛耳られる感覚が私は好き。 タイトル買いの私だが、吉村著書は読破したい。
2投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログすごくよかった。 長平が冷静に自分を律して周りを見て考えているからこそ生き延びることができてと思う。 島と鳥をよく読み間違えてた自分に歳を感じた
3投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ感動です。驚きです。これが江戸時代に本当にあった話とは。物語りは漂流から無人島での苦闘、孤独、帰還と息をつかせません。没頭して一気読みでした。自然しかない中で人間は本当に無力。それなのに、私には無理でしょうが人間はここまで頑張れる。素晴らしい本でした。
7投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ非常に面白く惹きつけられた一冊。 ジョン万次郎も難破して辿り着いたのが、同じ「鳥島」だったのを思い出した。 個人差にもよるが、人間は志と体力、知恵でこごまで生き延びることが出来るのかと感慨深い。 鳥島でアホウドリが飛来しなくなったらどうなるか怖くなった、自然頼みの命だ。 長平は人間的に最高の人物、すごい人生だ。
4投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ実際に会った出来事として、信じられないと感じました。人間の生命力に感動しました。人は希望を捨ててはならないという事が、とても大事と感じました。
4投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
漂流した人の話などは、テレビやネットで見る事があったが、本で読むと想像も膨らみ過酷な状況下だと言うのが詳細に知れた。 目標を見つけた時の頑張る気持ちは、今の時代にも共感でき大事な事だと思った。
2投稿日: 2024.12.10
powered by ブクログやめられなくて一気読み! 無線も海図もなかったころの遭難は 死と直結してたんですね。 普通の若者、長平が いつの間にか遭難者たちのリーダーのような存在になる頼もしさも。 いつも念仏を唱えている姿が印象的でした。 高井有一さんの解説も読ませる。 吉村昭先生の作品、 やっぱり惹かれます。
1投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分だったら、長平のように心身の健康を保つことはできないとおもう。あんな状況になったら、とても正常ではいられない。 季節のめぐりに応じて、アホウドリが飛び去っては戻ってきたり、飛魚が飛んだり、嵐がきたりと、同じ描写が何度も繰り返される。もういいよと思うのだが、それが自然というものだと読んでいて気づく。読んでいるだけでこれなのだから、実際に12年も島で過ごした長平にとっては、さらにつらいものだっただろう。
2投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・あらすじ 1785年、土佐藩の船乗り長平は悪天候と黒潮の影響により3人の船乗り仲間とともに無人島にたどり着く。 そこは土佐から700km離れた鳥島という場所だった。 食物も育たない活火山の岩山で雨水をのみ、アホウドリを食べ心身ともに極限状態の中を生き抜き生還した長平の12年間。 ・感想 さすが吉村先生、面白かった。 江戸時代の奉行所の公的文書でしか残されていない漂流者の記録から、壮絶なサバイバル生活を綿密な取材と想像力で描写してた。 淡々とした文章ながら、いや、だからこそ厳しく牙をむく自然が恐ろしく感じたし、絶望、孤独感、諦観などの人間の心理に納得させられた。 手に汗握る展開もありするする読めるからあっという間に読み切ってしまった。 後半は展開が気になって寝不足になりつつちょっと焦りながら読んじゃったかも。 いつかじっくり読み直したい。 これまで読んできた羆嵐、高熱隧道と同じく自然と相対した時の人間の無力さ。 でもその無力でちっぽけな人間が、だからこそ知恵を出し合い、助け合っていくことが大事なんだよな。 お互いに助け合うこともだけど自分で自分を投げ出さず、諦めない精神の強さも大事。 軟弱な現代人である私は多分3日で死ぬか発狂すると思うけども。 仲間の3人が死んでから2年ほどはたった1人であの環境を生き延びる決心をした長平の「なるようにしかならない。いつか助けがくることを祈念し、その時のために達者で生きるしかない」という境地にいたれる長平すごっ…。 後年に合流?してくる他の漂流民も船乗りという特性上ある程度協調性を持ってる人達ばかりでみんなで力合わせて帰郷できて本当に良かったよー。 ただ冒頭のアナタハン島みたいにここに1人でも女性がいたらまぁだいぶ環境は変わってたんだろうけど。 色んな意味で男だけで良かったな…!! 現代は自然科学やテクノロジーの発展により類稀に見るほど自然をコントロールできている時代だと思うんだけど、江戸時代なんて己の理解の範疇を超えた現象には神仏にすがるしか方法はなかった訳で、やっぱり信仰心というのは精神の支柱になるんだな、と思った。 読み終わったあとYouTubeで鳥島を検索したら絶滅危惧種であるアホウドリの保全活動団体の動画と昭和30年代の観測隊?の動画があったので視聴した。 本当に何もない環境だった…昔の漂流民の痕跡は今も残っているのだろうか。
4投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログ江戸時代にシケにあい無人島に流れ着いた男が息抜き、島を脱出するまでの壮絶な生き様が描かれたドキュメンタリー小説。そう、これは事実であることに驚く。 長平の「なるようにしかならぬのだ、飢えるか生きながらえるか、また船が沖をよぎって助けてくれるか否かは、仏のみ心のままで、自分がどう願っても叶えられるものではない」「これからは、ただ念仏をとなえ、あらゆる欲望を捨て、日々達者に暮らしてゆこうと思った」は印象に残るセリフだった。
1投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気読み、ドキドキ面白い。作者の調査と想像力がすごい。漂流し無人島での生活等が描かれる。無人島で何もすることもなく無気力に過ごし、仲間たちが精神や身体を病む様子は現代人への戒め様にも感じてしまう。主人公の長平は前向きかつ島暮らしを達観し修行僧のよう、他の漂流者とともに大自然相手に難しい仕事に取り組むことで生活にハリが出て長い時間をかけ未来を切り開く。これが実話に基づいていることが恐ろしい。
1投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ江戸時代の話かーと思ったものの、めちゃくちゃすんなりと読めてしまった。あらすじが完全にネタバレだけど、史実(?)ならいいのかな。 無人島でサバイバルする船員の絶望と希望が繰り返される記述が、地に足のついた表現で、ぜんぶ想像できる。気力をなくして洞穴で寝たきりになる者もいれば、生きていくために目標を作る者など人により生き方が異なるのも面白い。 これを書くための調査や時代考証は大変だっただろうなあ。
1投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログ読みながらなにかに似てると思ってたんだけど、後半になって気づいた。これアンディ・ウィアー『火星の人』にそっくり。長平はマーク・ワトニーそのもの。 人間のちっぽけさと、偉大さ。 裏表紙を読まなかったので、長平が生き残るのかどうかを知らずに最後まで読めたのが最高にエキサイティングだった。
1投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログこわいけど、おもしろい 久々に読む手が止まらなかった ただ、とある点がトラウマになって食生活に影響出始めてるな、、、
1投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログしばらく鳥肉が食べられなくなりそうでした…。 悪夢を見るほど場面を想起させる圧巻の描写力で、読後はどっと疲れました。思い出すと今でも波に揺られている気がします。
2投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ窮地に立たされた人の気持ちと、生き抜くための知恵。その知恵は、多くの事を知っていないとひらめかないものなんだなと思った。
14投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログ誠に壮絶な物語であった。 実際にはそのような漂流者がいたと言う記録のみが残っているだけで、本当は何があったのか? 当然ながら詳細は一切不明。本当の物語は更に壮絶で文章にはできないような事もあっただろう。 ■健康であることの大切さ ■目標を持って生きる と言う当たり前かも知れないが、基本的な事をあらためて教えてくれる小説てある。 序章の旧日本兵の話も非常に興味深い。有名な横井さん、小野田さん以前にアナタハン島からの帰還者(アナタハンの女王事件)と言う事件があった事は全く知らなかった。
2投稿日: 2023.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
江戸時代の漁師の漂流サバイバル小説。この小説を読むと、次のような効能が得られると思う。 ・困難な状況に置かれた時、どういうメンタルで過ごすのが自分にとっても他人にとっても最善なのか ・日々食事にありつけるありがたさ、運動の大事さ ・ものを大切にしようとする気持ちが深まる ・一方で、必要最低限のものでも生活することができるんだというミニマリスト思考にとっても参考になる ・サバイバルの知識つけといた方がいいなという危機感 冒頭に日本人のサバイバル例として戦後のアナタハン島の話や、横井庄一さん達のエピソードが紹介され、それも興味深く読み進めることができる。しかし本編はそれどころでない面白さで、江戸時代土佐の長平の話が始まり、漂流生活が始まるあたりから終幕まで一気読みしてしまうハラハラドキドキの展開の連続でした。 まず船が漂流する怖さが存分に伝わってきます。悪天候のため2km先の島に泳いで行くこともできない無力感や、漂流時間が経てば経つほどにどんどん離れていってしまう無力感が存分に伝わります。 漂流ものだと、例えば海外ドラマ「LOST」のように、漂流者同士のいざこざを描きがちですが、私はそういう人間の汚い部分を読まされるのは苦手です。この本ではそういった人間の汚い部分の描写が少ないので、読者として気持ちよく読み進めることができました。希望も見出しづらい極限の無人島生活なので、いざこざを起こしている場合ではないということもあるのですが、合計三度の漂着者が総じて「気持ちの良い男達」であり、困難な状況でも助けあい、思いやりがある日本人らしさが描かれているようで良かったです。 また、私自身は無宗教で、どちらかというと欧米の宗教感に懐疑的でさえありますが、無人島生活でのこの状況で信心深くなっていく長平や、当時の人達が仏にすがる宗教感は説得力があり、それによって心を支えている姿がとても真っ当でリアルに感じました。 これまでの読書歴ではサバイバルものだと、さいとうたかおの「サバイバル」が一番かなと思ってましたが、純粋なサバイバルの「過酷さ」「心理描写」「先行きのわからないドキドキさ」で考えるとこの小説の方が面白いと思います。
3投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ4分の3くらいずっと無人島の話で、 単調な生活のはずだが、次々ネタが出てくる。 最後までずっと面白い。
1投稿日: 2023.11.18
powered by ブクログとても面白かった。江戸時代の船乗りが太平洋の鳥島に漂流した後、試行錯誤をしながら祖国に戻る話。土佐で米を運んでいた長平ら4人は時化にあいアホウドリしか住まない孤島に漂流する。長平以外の3人は栄養失調などで死んでしまい一人で過ごすこととなる。その後儀三郎ら率いる大坂船、栄右衛門ら率いる薩摩船が漂流しその人らと生活をする。孤島で死を待つだけの生活を捨て船を作り島から抜け出し祖国に帰ることを決断した漂流民は流木などから船を作り見事八丈島に辿り着く。一人になっても1年以上島で生活した長平の気力がすごい。アホウドリが渡り鳥で一年中いるわけではないことに気づいたり、肉だけ食べても死ぬことだったり、水のため方など洞察力が優れていてまた忍耐も人並み以上のものがあるから生き抜けたんだなと思う。
2投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログ映像で見たい!そんなお話でした。 私の知識不足か、なかなかイメージが湧かない部分があった。ストーリーとしては単純なのだが、映像として見たら、面白いだろうなぁと思ってしまった、というか映画あったのか!? 以前、テレビで刑務所か無人島を選ぶならどっち?みたいなのがあったけど、この小説読んだなら、刑務所一択かもしれない。
2投稿日: 2023.09.01
powered by ブクログ実話をもとにしていると聞くと、本当に想像がつかない。読んでいて大事だと思ったことは、生きている時に何か目指すべき目標が必要であるということ。何もない中では生きられない。短期的目標と長期的目標の2つが必要ではないかと思った。
2投稿日: 2023.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
江戸時代中期に伊豆諸島最南端、絶海の孤島である鳥島に流れ着いた漂流船の物語。 寝泊りする洞窟を見つけ、アホウドリの肉と雨水を得る方法を体得してからは、仕事もしなくてよい、誰にも拘束されないため、堕落してしまい、毎日寝て暮らすようになる。栄養が偏り体に異変が現れる。そして希望の無い境遇を嘆き、卑屈になり、所有物(家屋や妻)への執着を見せるようになる。 そうやって仲間が次々と体調を崩し、絶望しながら生涯を終えていくなかで、主人公(長平)だけは自分の芯を強く保ちながら生きながらえる。 ・毎朝日の出を眺めながら念仏を唱えるルーティン ・亡くなった仲間たちの墓参り ・体力増強と健康維持、規則正しい生活(漁と運動) ・「将来故郷に帰還できたら絶対に鶏肉を食べないという誓いのうえ」アホウドリを殺生 そして、後に流れ着いた漂流者達に食料を与え、生活の術を教えるだけでなく、毎日励まし続けた。もちろん、彼らは食料を消費したり、喧嘩をしたりと長平の足手まといになるのだが、長平にとっては「居てくれるだけで有難い、心の支え」という存在になっている。 長年の孤独な無人島暮らしの中で、モノへの執着や絶望を一通り味わった長平にとっては、漂流者の苦しみやトラブルなど酸いも甘いも知り尽くしていたのだろう。 そして、後に島を脱出するための造船作業において、その漂流仲間たちは、まさに頭脳であり労働力となった。長平1人の力ではなく、全員のチームプレーで数年かけて船をこしらえ、互いを鼓舞し、日本帰還という希望に向かう様子は感動的であった。 絶望的な極限状態においても一筋の希望を失わずにいること。孤独の中で、今現在に集中し、日々の生活を丁寧にすごしながら心身の健康を保ち続けること。人間として尊く生きるために、基本的ではあるが持続することはとても難しいことである。長平の成長とともに、人間の弱さと強さを徹底的に描いた一冊だと思う。
20投稿日: 2023.07.31
powered by ブクログ漂着した無人島で12年生き抜いた男の物語。 淡々とした文章でサラリと書いてあるけど、娯楽もない島での12年ってどれほど長く感じたんだろう… 過酷ではあるけど、恐ろしさよりも学びの多い作品だった。神仏への祈り、生活の知恵、発想と行動力と仲間との協力、なにより生きようとする強い気持ち。こんな日本人が実在したことに心強さも感じるけど、神様の存在を忘れた今の私たちに救いの手は差し伸べられるのかしら。自分が何も持たずに無人島に辿り着いたらどれくらい生きられるんだろうと考えたけど、鳥を殺すこともそれを生で食べることも絶対無理なので1日で死ぬ。
1投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログ子供の頃読んだ、ロビンソンクルーソー、家族ロビンソン、15少年漂流記などは、ワクワクして読んだが、本作は史実に基づくドキュメンタリー小説という通り、とても壮絶で辛い物語だ。 無人島 鳥島(八丈島、青ヶ島の更に南)に流れ着いた土佐の船乗り4人。食べることのできる植物とてない中、アホウドリの肉と魚介や海藻を食べて生き延びる。しかし3人は次々と病で亡くなり、長平のみ生き残る。自殺も試みるが、信心と信念で生き延びる。やがて、新たな難破漂流者が加わり十数人で生きていくことに。精神的にもたず亡くなる仲間も出る一方、残ったものは、励まし合い知恵を出し合い工夫をこらして生きてゆく。日本人の凄さと素晴らしさを感じる作品でもある。
4投稿日: 2023.07.27
powered by ブクログ一気読み。 江戸時代に船が流され漂着した無人島で長年生き延び、苦闘の末生還したドキュメンタリー。 長いので何日かかるかと思ったら一日で一気読み。読み進める手を止められなかった。 あきらめないこと、工夫すること、祈ること、信じること。と同時にあきらめること。 生き抜くための知恵をインストールできた気がする。 読めてよかった。
3投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログ江戸時代に実在した漂流者を追ったドキュメンタリー。とは言うものの、データは記録のみで漂流者の手記などは無い。この500p超の作品を形作っているものは作者の圧倒的な情熱と力量。 作中には度々神への祈りが出てくる。食物である鳥魚の殺生を悔い、仲間を慈しみ、今後自身と同じ目に合うかもしれない者の為に想いを残す彼らを、神は遂に見つける事が出来たのではないか。 無神論者の心を動かす素晴らしい作品だった。
6投稿日: 2023.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
絶望の中でも諦めない脅威的な精神力と生命力、そして運命というものが幾たびも味方し苦難を乗り越える様に大きく心を揺さぶられた。無人島で食料がアホウドリしかなかったら、そして1人になってしまったら、と考えると、自分は長平のように振る舞える自信はない。だが一方で、自殺を試みても死に切る自信もない。どれだけ早く長平のような割り切った考えに辿り着けるかが肝だと思うが、早くその境地に達してもそれはそれで苦しいのだろう。自分が長平ならば、と何度も考させられた本でした。
0投稿日: 2023.06.10
powered by ブクログまさかのノンフィクション。200年以上前の話なので細かなところは脚色かもと思いつつ、やはり鳥島に12年というのは想像しただけで怖くなってくる。 だって、キャンプ場に行って道具の忘れ物しただけでも泣きそうになるほど困ることあるのに、水のない無人島って・・・。ほんとすごい!感動した。 冒頭に残留日本兵の話があって気になったので、名前だけ知ってた横井庄一さんのドキュメンタリー番組を公式YouTubeで観た。横井さんもなかなか壮絶な28年をジャングルですごしてた。そして長平と横井さんどちらにも「素朴な宗教心」というものがあったんだと驚かされた。過酷な状況を生き延びるには信念が必要なのかもしれない。 長平はその後どんな人生を歩んだんだろう。気になる〜 亡くなったひとらの病気は脚気だろうか。ビタミン&運動だいじ!
0投稿日: 2023.06.08
powered by ブクログ吉村昭の小説は、事実を丹念に検証し、分かり易く読み解いて小説の中に落とし込む。その事実の度合いが司馬遼太郎のそれよりも濃度が高い。だから、『難しそう』な気がして手を出していない人がいたとしたら、その人は読書人生で大きな損をしている。個人的には、そう感じます。 特に本書。江戸後期に『伊豆鳥島』に漂着した長平という実在の人物を主人公にした小説です。嵐に遭い、かろうじて辿り着いたのが伊豆鳥島。「鳥も通わぬ」と呼ばれた八丈島は、"一度行ったら生きては帰れない場所"とされていた。伊豆鳥島はそれよりも更に遠い。八丈島と小笠原諸島の中間辺りにポツンと存在する。当然近くを船が通行する事などありえない。 断崖絶壁に囲まれた島に身一つで上陸し、船は大破して所持品は一切無し。 長平に"運が良かった"点があるとすれば二つ。一つは温暖な気候。真冬でも単衣で過ごせる暖かさだったこと。同じ漂流民でもアリューシャン列島に辿り着いた大黒屋光太夫一行は真冬に次々と死んでいる。 もう一つは"アホウドリ"群生地だったこと。文字通り、"アホウ"な鳥が素手で幾らでも獲れたことだ。 そんな長平が、「この鳥は、ひょっとしたらツバメと同じように『渡り鳥』ではないか」と気付く場面は吉村昭の小説の白眉だ。 断崖に囲まれた火山島で魚釣りもできない島。火打石すら持たず、火の無い生活を続けている長平。その絶望感が、読む者の心を抉る。 それでも起死回生の手段で生き延びる手段を講じる長平。そんな彼を、仲間の死が続けて襲う。長平はそれから二年間、ひとりぼっちで炎を使うことすらできない生活を送るのだ…。 人間が極限状況に置かれた時、どう対処するのかは、一概に言えるものではありません。しかし、大きな震災などが起きた時には、私たちがこの小説の主人公と似たような選択を迫られる事は現代においても変わらないと思います。 伊豆鳥島は八丈島と小笠原諸島の中間辺り、『台風銀座の真っ只中』にあります。台風シーズンになったら想像してみてください。 "あの海の中の小島で、13年も、岩の窪みに身を寄せて生き延びた人がいたんだ"
38投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログ「吉村昭」の長編ドキュメンタリー小説『漂流』を読みました。 『虹の翼』に続き、「吉村昭」作品です。 -----story------------- 流れ着いたのは絶海の無人島、それでも男たちは生き抜いた。 江戸時代の史料にも残る不撓不屈の生還劇。 江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。 水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り「長平」はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。 その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説。 ----------------------- 1975年(昭和50年)に『サンケイ新聞』に連載された漂流モノ… 天明年間に船の難破で伊豆諸島の鳥島へ漂着し、12年に及ぶ無人島生活の後に故郷へ帰還した土佐の船乗り「長平」の史実を基にした物語です、、、 水も出ず、植物もほとんど育たないという、あまりに過酷な環境での12年以上に及ぶ漂流譚… 途中で、何度もフィクションじゃないかと思ってしまうほどの生活、生き抜くことの凄さを感じた一冊でした。 「源右衛門」、「長平」、「音吉」、「甚兵衛」の4人の乗り込んだ三百石船が、土佐沿岸での航海で嵐に遭遇し舵を壊されて漂流… 苦難の末に流れ着いたのはアホウドリが棲息する以外、動物、植物も生育しない火山島、、、 4人は雨水を貯め、磯の貝や蟹を補食し、アホウドリやその卵を食べて生き延びます… アホウドリを渡り鳥と見抜き、鳥が旅立つ前に干肉として備蓄することで何とか食糧を確保しますが、食生活の偏りが原因による病により「源右衛門」、「音吉」、「甚兵衛」が相次いで亡くなり、「長平」は独り残されるが、絶望と孤独の中で、生きて故郷に帰りたいという強い思いを持ち続け、知恵と工夫と強い意思により、様々な困難を克服していく。 数年後、大阪の船の11人、薩摩の船の6人が漂着し、「長平」は彼等に島で生き延びる術を伝授しつつ、力を合わせて生き抜いていこうとする… その後、大阪2名、薩摩2名の死者が出ますが、彼らが持ち込んだ道具により生活環境は徐々に改善、、、 そして、その工具や新たな仲間の特技を活かし、漂着した流木等を使って島を脱出する船を造ることを計画… 釘が不足して、一度は建造を断念するが、岩礁に碇がひっかかっているのを発見し、フイゴを作り碇の鉄を溶かして釘に加工することで課題を解決、「長平」等、生き残っていた14人は孤島での生活に別れを告げ、本土に向かって出帆する。 それは「長平」が島に漂着してから、12年4ヶ月後であった… 一行は青島を経由して、八丈島までたどり着き、そして本土へと、、、 久しぶりの漂流モノ、面白かったですねぇ… 500ページを超える大作ですが、一気に読んじゃいましたね。
1投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログシケにあって無人の青ヶ島に漂着した男たちが、過酷な自然や帰国が叶わない絶望と戦う。仲間が死んでいく姿や、何も無い中で飢えに苦しみながら生きていく様子が臨場感たっぷりに描かれている。読んでいて辛かったし、今の平穏は当たり前で無いんだなと日常に感謝した。もう少しこの作者さんの作品を読みたいな。 あと頭の中でどうしてもチョコプラの「長」田庄「平」さんの顔が浮かんでしまって、終始彼を思いながら読みました(笑)
2投稿日: 2022.08.26
powered by ブクログどんな状況下でも希望を持ち続けること こんなに過酷な現実を生きることは、今の自分には非現実的だけど、どんなに厳しく苦しい時も、決して希望を捨てずに生きること、それが人間が生きていくためには必要不可欠なんだと、改めて考えさせられた。
1投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白くて一気に読んでしまった。 孤独で寂しいときも、新しい人が漂流されてきても、ことあるごとにアホウドリを捕っては食べているところが生々しくて良かった。一生分のアホウドリ食べた気分。
1投稿日: 2022.05.20
powered by ブクログ『漂流』というタイトルだが漂着してからのほうが長いので、タイトルは『漂着』じゃないか、と思ったものの、やはり『漂流』のほうが収まりがいいし、主人公は内面的にずっと漂流していたわけだから『漂流』でいいのか、などと考えつつ……。 無人島で生き残るには、観察力、何かしらの技術、精神力、体力が必要だということがわかる。「運」については、それらすべてが揃って初めて起動するのではないか。 とはいえ13年の無人島生活(1人ぼっちの年数もアリ)、よく生還したもんである。実話なんかだらすごい。私だったら即死。 最初にアナタハン事件について語られているが、それも吉村昭に書いてほしかったなぁ。 にしても。まるでそこにいたかのうような作者の筆致には舌を巻く。 映画化されているが、たぶんがっかりするから見ない(笑)。
0投稿日: 2022.04.21
powered by ブクログ吉村昭の小説で、極限状態を凌ぐ男の物語は、まあハズレがない。 嵐で高知から小笠原諸島まで船が流され、漂着した島は水が出ず、植物も生えず、まわりに船は通らず、乗ってきた船は壊れて、さあどうするという中で、主人公が生き延びる様がすごい。 あきらめず希望を捨てないこと、生活リズムと適度な運動が大事なことが分かる。 アホウドリは偉大
1投稿日: 2022.04.11
powered by ブクログ無人島に漂着し、やがて生還するというあらすじを知っていながら、途中何度もその結末を疑う。絶望と希望を繰り返す様子に、同じく一喜一憂しながらも島を脱出する手段は全く考え付かない。脱出が実行され、頁が残り少なくなってもまだ生存を疑う生々しい描写。
1投稿日: 2022.03.06
powered by ブクログ自分が生まれる前の作品とは思えないほど面白い。一気読み。 漂流モノの作品はリアルであればあるほど自分を同化することができる。この作品はまさにそうであり、自分だったらどうするか、どのキャラクターに当てはまるか、と考えながらのめり込んで読んだ。 この作者の他の作品も是非読んでみようと思えた。 ちなみに自分だったら早々に生きる意欲を失って死んでしまっていそうである…。主人公には頭が下がる。
1投稿日: 2022.03.04
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吉村氏の著作は「熊嵐」以来二作目だろうか。現代のノンフィクションと思って読み始めてすぐ、江戸時代の話ということで興味が削がれたけど、その主人公の長平の漂流以降、史実に裏打ちされた物語にあっという間に引き込まれた。そして鳥島からの帰還になんとも言えない感動というか衝撃を受けた。人がいかに組織化することで力を発揮して夢を実現しようと努力することで近付くのかということを実感し、単純に凄いと思った。そして故国に戻って無人島と言われる辺りに人間の残酷さとユーモアを感じた。とても面白かった。
0投稿日: 2022.02.04
powered by ブクログ今まで読んだ吉村昭氏の本で、一番面白かった。感動した。もともとサバイバルもののノンフィクションが大好きなのだが、なかでも本書はすごいリアリティである。 時代は江戸。届けものを運んだ帰路に嵐に遭い、4人の船乗りを乗せた船は土佐の海からはるかかなた太平洋に流された。途中で舵を失い、帆柱も切り倒し、命からがらたどり着いたのは無人島であった。水も食べものもない場所で、生き延びるべく工夫する。仲間たちは次々と病気で死んでしまい、主人公の長平は一人で何年もくらした。そこになんと、他の難破船が漂着する…。 本書は吉村昭氏の徹底的な取材によって、事実に基づいて描かれたドキュメンタリーである。船乗りたちの、故郷を思う切なさ、孤独、希望がビビッドに伝わってくる。彼らが漂着したのは火山島の鳥島で、今も無人島で渡り鳥アホウドリの繁殖地らしい。それにしても、よく気が遠くなるほどの年月、生き延びたものだ。物理的な困難もだが、精神的なもののほうがつらいと思われる。いつほかの船が通りかかるかもわからない、先が見えない状況で絶望しないでいるのは難しい。 やはり吉村氏の作品は期待を裏切らない。
1投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログ無人道に流れ着いた男達の話。 12年もの間無人島での暮らしを強いられた主人公及び、その後に同島に漂着して一緒に暮らすことになる船員達の厳しい日常が克明に描かれている。 船を作り上げる工程のうち、釘を作り出すところがすごい。無人島でそんなこと考えついて実行するってほんまにすごい。
3投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログよく此れまで生きてこれたなぁっと感心する位凄すぎて自分には生きていく自信がありません… 只々,長平さんに圧巻です。日本のロビンソンクルーソーです正に!
1投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ会社の社長お薦め本の一冊 読書習慣始めたてに読んだ本 読みやすいよ、と言われて読み始めて読みにくくない???と思いながら頑張って読み進めていたらどんどん物語に引き込まれてた 酒を口にした時の人の歓喜は、なんだかグッときた。 あと、止まると朽ちるって言葉も程よい危機感を投げかけられる。
0投稿日: 2021.10.11
powered by ブクログシケに遭い無人島に漂流した男たち。 水も湧かない・木も育たない無人島で如何に生きるか… 正直、『難しいかな?』なんて迷いながら買った本。 いやいや、奥深いクセにグイグイと引き込まれてく。 恐怖・絶望・悲しみ・喜び…と感情が次々と襲ってきて目が離せない。スケールが違う。 何か映像を見ている気持ちでした。
4投稿日: 2021.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
骨太な小説でした。 長編ですが一気に読み終わってしまった。 派手な内容では無いのに、ぐいぐい引き込まれて行くのは、作者の力でしょう。 嵐で漂流した船の乗員が、無人島に流れ着いて水さえ無い環境の中で生き抜いていく。 ただ生きてさえいればいつか本国に戻れると思っていただ、やがて自分自身で脱出しなければただここで死んでゆくだけだと思うに至り、流れ着く流木で船を作り本国を目指します。
1投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログ非常に面白かった。 鳥を食って生きる、とにかく生きる。 そのために念仏を唱え続けなければならなかったというのは、遠藤周作の「沈黙」にも通じる信仰と生の関係があるように思える。 舟を作る時の描写には胸に込み上げてくる熱いものがあった。 サバイバル能力に関して、当時でさえ生活に必要なものを創り出す能力が人によってはほとんどないか、道具がなければできないというところのリアリティが今読んで改めて思うところ。 例えば、SFや何らかのシミュレーションで文明が崩壊してから作りなおすというような話の限界を感じる。 というのは、その膨大な分業体制、社会システムとして技術が存在するのであり、技術を単独の個人的なものとして考える限界があるのではと感じるからだ。 その辺は「ゼロからトースターを作ってみた結果」という本にも通じる。それはこの小説より遥かに分業体制が進んだ資本主義体制下の今の話だが、江戸時代でも似たような構造は既に指摘できるのだなと思った。
2投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログ皆さんが高評価をつけるだけあって本当に読み応えがありました。 冒頭部分は少しとっつきにくい感じもしましたが、途中からは最後まで一気でした。 ここまでの読了感を味わえたのは久し振りだと思います。 著者は相当綿密な取材をされた上で本書を著したものと拝察しており、その追求心に感服します。
2投稿日: 2021.09.09
powered by ブクログ・9/4 読了.描写が淡々としてて臨場感たっぷりなためか自分が実際にこんな目にあったらどんなに恐ろしい気持ちだろうと想像してドキドキしながら一気に読み切った.さすがに12年はよく生きてたと思うよ.
0投稿日: 2021.09.07
powered by ブクログ江戸時代の船乗りが漂流して鳥島に行き着いて、流木で船作って脱出するまでの13年の話。 凄く凄く良かった。海怖い。 鳥島の不毛さよ。読んでいるだけでも喉の乾きを覚える。アホウドリの獣臭さや嵐の夜の洞窟の中での波濤の地響きまで錯覚する。 結びの章は、長平や儀三郎に感情移入してしまってうるっときた。
0投稿日: 2021.08.25
powered by ブクログあらすじ 土佐の船乗り長平が乗り組んだ船がシケの為漂流し、無人島に行き着く。 船に同乗していた3人が次々と死んでいく中、生き残る長平。新たに漂流してきた仲間と共に、生き残るために船を作り島を脱出し故郷に戻るまでの物語。 感想 現在の恵まれた環境の中では考えられない程の過酷な状況の中、生き残る為に必死に努力する長平の姿には心打たれます。人が生きる上で何が幸せなのか、非常に考えさせられる作品でした。現在がいかに恵まれた状況なのかをもう一度しっかり認識し、足るを知るの精神で生きていく必要があると言うことを考えさせられました。
0投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログあっと言う間に読み終わった感じ。ページを捲る手が止まらなかった。無人島に生きる16人と比べるとそもそも時代が大分遡るからか、明治時代の遭難の方が遭難している船乗りの知識や態度が格段に上がっている感じ。時代が違うからなんだろうな。最初火が使えなかったのは痛かったと思う。ただ、最初からもっとビジョンを持って準備できなかったのか、と言うのは明治時代との比較から強く思った。でもやはり自力で脱出しようと心に決めて努力する事が出来た事がやはり脱出に繋がったのだろう。人間は何か先を見て考えたり努力したりしないと生きる気力が高まらない厄介な動物だと思った。最後に役人に色々調べられてウザいと思うがそういう日本でのしきたりが管理している日本という国家に帰ってきたと言う感じを漂流民に与えたんだろうな。凄い本だった。
1投稿日: 2021.07.18
powered by ブクログこれ実話を基にしてるんだよね?! と何度も確認したくなるおそろしさ。江戸時代に難波で船が遭難して無人島にたどり着いた人々がどう生き延びるか、何が生死の分かれ目になるのか、何を頼りに生きるのが支えになるのか、非常にリアルだった。鳥(アホウドリ)ばかりじゃなく魚や貝も食べた方がいい、横になるより体を動かす方がいい、など沁みるわ…あとは心の保ち方やな…
3投稿日: 2021.06.18
powered by ブクログ筆者の創作も当然あるのだろうが、そのリアリティは筆者の緻密な取材や調査からくるものなのだろう。 帰郷した時のまわりの反応を想像すると、時代背景はあるものの、歓迎されているようなされていないような複雑な状況が悲哀を感じさせる。
0投稿日: 2021.06.16
powered by ブクログ江戸時代の人たちだからこそ持ち合わせている知恵と工夫。現代の日本人が同じ境遇になった場合生き残るのは相当難しいと思う。不自由なく生活できていることに感謝。
0投稿日: 2021.05.17
powered by ブクログ★★★ 今月8冊目 吉村昭先生。 江戸時代に船が遭難して鳥島というところに漂流。仲間が全員死んだところでまた新しく漂流してきて、みたいな。 実話。なんと島に12年! 凄い話でした
0投稿日: 2021.04.27
powered by ブクログ生きる気持ちと知恵。 初めて十五少年漂流記を読んだ時のようなワクワク感。実話に基づいているというのがさらに面白い。 アホウドリが現代人には衝撃的で想像もつかない扱われ方をするのに、素晴らしい描写で本当にリアルにわかる。 この本とアホウドリさえあれば、自分も明日から無人島でなんとかやっていけそうな気がするぐらい。 難しいと思うが、映画化してほしい。
1投稿日: 2021.04.02
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さすが吉村昭。古い物語や実話なのに飽きずに書くのが上手い……!あまりに神仏を一心に頼りにし、それほど仲違いせずに描かれているのは創作なのかあまりに美しすぎて現実離れしているように思うけれど、それも心が洗われるようで良い。 ぼーっとして生きるだけの描写が長くあるから、自分がもし漂流したらこんなふうに生きられるかなあと想像してしまう。帰国の希望がないままに、ただ生き延びるためだけに生きるのは想像するだけで自分には無理な気がする。三味線って描写があったから、そんな風な文化的な物が1つあるだけで自分は気が楽になるのを想像できる。自分が漂流したらウクレレ絶対手放さないようにしよう……! 途中ちょっと飽きた。漂流後、髷を切って神仏に祈るのも、1人が死んで悔い改めるのも……。あと実話の漂流をテーマにしたものって最後が幕府に保護されるところまで想像できちゃうのが残念……。
0投稿日: 2021.03.15
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江戸時代、無人島に漂流し、12年間の歳月を経て帰還した男を描くノンフィクション。 男が漂流したのは、小笠原諸島と八丈島の真ん中くらいにある、まさに絶海の孤島。 当初、4人で漂流するが、一緒に漂流した3人は病死してしまい、男は1人になる。 最近、コロナ禍の自粛で孤独を感じることは多少なりともあるが、この時男が感じた孤独はこの比では無いだろう。 昭和51年に書かれた古い小説であるが、文章は非常に読みやすく、先が気になってスラスラ読めた。 ただ終わり方がいささかアッサリしており、帰還後の心情なども描いてくれれば良かったのに…と思ってしまった。
0投稿日: 2021.02.16
powered by ブクログ無人島に漂流した話。江戸時代の実話とのこと。 職場の上司に勧められて読みました。表紙が古く、昔の本のようだったので、うわ、読みづらそうだな、というのが 第一印象でした。しかし、とても読みやすく、予想を裏切る面白さでした。過酷な漂流生活の様子や心情の変化などの描写がとてもうまく、また読みたいと思った本でした。
2投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログなぜか悲壮感がない。最悪な状況でも登場人物の感情が大袈裟に書かれていないせいか絶望せずに読める。前を見られないことが人間を死に至らしめることがよく分かった。 ただ船のことがよくわからずイメージしにくい部分が多々あり、図をのせてくれたらすごく嬉しかった。あと人名に読み仮名をふって欲しい。
0投稿日: 2020.12.26
powered by ブクログ遭難前の人物像の共有と、遭難後の壮絶・過酷な状況で生きるために必要な条件...。様々な要素をクリアしながらもそこに適合できない彼ら...。極限状態の中で生をつかみ取る境界・領域を淡々と語る...。さすがの記録文学。月に一度は著者作品に触れていきたい。
6投稿日: 2020.12.11
powered by ブクログ江戸時代に無人島に流れ着いた主人公がサバイバル生活をする話。 それまで当たり前にあった米や水といったものが一切ない過酷な環境の島に放り込まれながらも、生き延びるために知恵と工夫をこらす姿に、コロナ禍によって時代や環境に対応せざるを得なくなった私たちの新しい生活様式が重なって興味深かった。
1投稿日: 2020.11.04
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最近のテレビで、無人島で過ごしたり脱出したりしているが、この作品は江戸時代の壮絶な無人島生活だ。 実話に基づいているとのことだが、長平の(そして後からは他の男たちも加わり)先の見えない苦難の日々が自分の目で見ているかのように、真っ直ぐに描かれている。 特に島に着いてからは、この作品の世界にどっぷり入り込んでしまった。
2投稿日: 2020.10.07
powered by ブクログ重たい話ですが、面白い。 実話だそうです。昔の話をリアルに描ける作者もすごい。 何日かかけて読もうと思ったが止まらず 平日の一日で読んでしまった。 絶海の孤島で耐えて一人生き延びるだけでなく 仲間を励まし船さえもこしらえて帰ってしまう人間の強さ。 平和な世の中で小さなことに悩む自分たちがアホらしく感じます。 冒頭の話が蛇足な感じがするので★一つ減らして4つ。 でも、お勧めします。
3投稿日: 2020.08.27
powered by ブクログ江戸は天明の時代、難破した土佐国長平。鳥島に辿りつき… 過酷の一言では済まない、人間の話とは思えない。
1投稿日: 2020.08.13
powered by ブクログ江戸時代に、船が難破して無人島に流れ着き、そこで長年暮らしてきた男たちの壮絶な話を史実に基づいて描いている。長平を始めとして、絶望と希望を持って生き抜き、最後は船をこしらえて、島を出るまでの過酷な毎日はとても感動的だ。
0投稿日: 2020.07.11
powered by ブクログ江戸、天明の時代。 航海に出て難破。 辿り着いた先は、絶海の孤島。 無人島で約十三年、生き抜いた一人の男がいた。 まるで側にいて、その男の一挙手一投足を見ていたかのような、克明な描写。 吉村昭には毎回、その取材力に驚かされる。 正に、サバイバルドキュメンタリー。
1投稿日: 2020.06.30
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ラジオクラウドで赤江珠緒のたまむすびを聞いている。 ピエール瀧がまだコカインで逮捕されなかった頃に、ふたりでこの本の話をしていて、ずっと頭の片隅に残っていたのだ。 吉村昭は「戦艦武蔵」「関東大震災」「羆嵐」「ふぉん・しいほるとの娘」「破獄」などを、高校生の頃から読みたいと思いつつ先延ばしにしていた。 7年ほど前に「少女架刑」を読んで感動していた作者だが、「少女架刑」はむしろ筆歴から見ると異色なのだろう、記録文学のほうが本流らしい。 さて本作の感想。 ・序文で、江戸期の漂流記とアナタハン女王事件や横井庄一 が繋げて語られるが、そこについては、うーん……。本作には掘る掘られる殺す殺される猜疑心疑心暗鬼妬み嫉みはほとんど描かれない。序文が浮いている感じ。 ・漂流以前の長平の来歴・人物設定・背景が簡略に示されるが、「かつぐ」という文化。まるでキルギスの誘拐結婚だ。wikipediaの「誘拐婚」の項目にも「高知県大豊町ではかたぐという言葉で誘拐婚が存在した」とあり、文化人類学的にも興味深い。 ・不毛な島の描写が凄い。無人島モノ漂流モノといえばヴェルヌ「十五少年漂流記」、デフォー「ロビンソン・クルーソー」、ゴールディング「蠅の王」、ダニー・ボイル監督レオナルド・ディカプリオ主演「ザ・ビーチ」ロバート・ゼメキス監督トム・ハンクス主演「キャスト・アウェイ」さらにはアン・リー監督「ライフ・オブ・パイ」などなど枚挙に暇ないが、本作は過酷さ・孤独において、結構極北なのではないか。島自体が不毛なのだから。YouTubeで「鳥島」を見たら、想像以上に不毛だった。 ・唯一救いなのは、見たことのない鳥が万単位で来ること。その鳥(あほう鳥)の肉のみを食べ、しかし絶望ゆえ体を動かさないことで、脚気で死ぬ……これは恐い。それに気づくのは、凄い。 ・ざっくりあらすじとしては、4人→1人になり→大坂船の11人→薩州船の6人→舟を作って脱出……という、それだけ。それだけをここまで克明に描くのは、やはり小説の力だ。 ・個人的には、舟作りへ向けた希望と絶望の交互よりも、ひとりっきりになってしまった中盤の精神錯乱に、凄みを見た。念仏を唱えることで保つ、という処世術というか自我保持術というかにも、頷くところあり。長吉はひたすら理性=言葉=ロゴスの人なのだ。
1投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ日本は海に囲まれている。 ということを地理的な意味でも、意識的な意味でも、 強烈に感銘した重厚な一遍であった。 江戸時代、船がシケにあって船乗りが絶海の孤島に漂着。 火山島で水が湧かない、草木もわずかの実はアホウドリの生息地、 現代、鳥島と呼ばれているところにである。 そしてサバイバル、次々と遭難仲間も増え、12年ののち、故郷に帰れるのである。 定評のある吉村氏の筆力が、壮絶に書き尽くしているのは当然ことである。 鎖国の政策が江戸時代の船乗りたちにどんな危険を与えたか、に怒りを覚え、 主人公の「長平」という人物がサバイバルに打ち勝つその人間の成長に共感する。 克明で、淡々とした吉村氏のメッセージ、 海に囲まれ黒潮の流れる太平洋に面している日本の位置を強く意識させられた。 また この主人公の読み書きもままならない若者が、人間として成長する強さは やればできる!という希望を与えてくれる。 閑話休題 その鳥島のアホウドリを食べることが主人公たちの命を救うのだが、 たしか、今ではそのアホウドリも絶滅の危機で、 トキのように保護繫殖の労をとっている、とドキュメンタリーで見た。 その時に食べつくしたわけではあるまいが(笑
7投稿日: 2020.02.14
powered by ブクログピー瀧さんと玉ちゃんのお勧めで随分前から読みたいと思っていた作品。 その前に吉村昭氏の他の作品を十数冊読んで氏の作品の緻密さに感嘆。 本作も同様にその描写の細かさに無人島の暮らしの大変さを味わった。 いや〜自分ならどうなるやろう。 現代人なら生きていけないな〜。 いろいろ勉強になりました!
0投稿日: 2020.02.09
powered by ブクログ時間を忘れて一気に読んだ。 描写が超リアルで、まさにその場面にいるような気になった。 そして、あまりに壮絶な体験に触れ、いまの自分が大変だと感じていることなど何でもないと思えた。 本書に勝る吉村昭作品には出会えていない。
3投稿日: 2020.01.28
powered by ブクログとてもリアルに描かれた、約12年間の無人島生活の物語。描写が細かく、主人公を中心に内面の深掘りもされており、とても読み応えのある作品です。自分だったら1年も持たないだろうなと感じます笑非常に心の強い主人公に励ませれました。
3投稿日: 2020.01.10
powered by ブクログ先に読んだ「アラスカ物語」に引き続き史実に基づいたサバイバル系のお話であるが、今回の主人公は苛酷な状況で、更に孤独である時間が長過ぎる。 仲間を失い、一年半もの間、絶海の孤島にたった一人で生き延びる。 殆ど道具と呼べる文明の利器の無い状況にありながら兎に角工夫して生活するうちに、僅かな道具と自分に無い知恵と経験を持った漂流者が現れる事で、彼の運命の舵が大きくきられる。 それにしても、江戸、明治時代の人って寿命短い割りに身体丈夫。−40℃でも、鳥の羽の服でも元気でいられるなんて。 100歳時代という割にはやれトクホだ、サプリだか言ってる我々はサバイバル状況になったら、すぐお迎えが来るに違いない。
1投稿日: 2019.10.24
powered by ブクログ普段私たちも孤独を感じることはあるがここで描かれている孤独はそれとは質が違う。社会から物理的に断絶され、死という恐怖と常に隣合わせの生活は想像を絶するものだった。 生きることを諦めなければいずれは道が開けてくるのかもしれないと思った。
2投稿日: 2019.10.11
powered by ブクログ江戸天明の時代。 シケに遭い黒潮に乗って無人島に遭難してしまった男たちのドキュメンタリー小説。 水も湧かず、川も泉も無い。 火山島であるその島はアホウドリの生息地だった。 火も起こすことが出来ず、食料はアホウドリと貝しかない。道具も無い。 そんな過酷な無人島生活を12年も過ごし、生き残って本土に生還した長平の壮絶な物語。 いやぁ、、、 壮絶な物語だった。 これ本当にあった話なんですよね!? 凄い。 生き抜く為の人間の知恵。 凄まじい感動を呼ぶ長編小説。 一読の価値はあります!! 思ったより、文章難しくなくて読みやすく、読みだすと止まらないスリル感。 あー!こんな生活嫌だぁ!!!って思うのに、光を求めて読み続けてしまう。 そんな小説だった。
23投稿日: 2019.07.26
powered by ブクログもう、何がなんだか分からなくなってしまう作品でした。 なんのために生きるか、生きる意味。 そんなのは、人それぞれだし… 夢や希望をもって生きてそれが叶わなくて それでもまた生きてって。絶望9割の12年4ヶ月を生き抜いた長平達にかける言葉も見つからないけどスゴいって言いたいです!
2投稿日: 2019.06.28
powered by ブクログ13.12.3 こんにちは、ファイナンシャルアカデミーの束田です。 今年も早いもので、 あっという間に12月になりましたね。 それで、師走とはまったく関係ないのですが 先週月曜日に「たけしのTVタックル」 という番組を観ました。 テーマは、 「老後ビンボーから抜け出す 3つの秘策を教えます!」 というもの。 いわく、現在の年金制度では定年退職後の 生活費を賄うことができず、 貯金を取り崩していくしかない。 その結果、80歳前後で貯金が枯渇して 「老後ビンボー」 になってしまう可能性があるので、 それを回避するための3つの方法を 紹介していました。 1つ目は、老後も働く。 警備員や管理人さん、老人ホームでの介護など、 パートタイム的な仕事で収入を得る。 2つ目は、地方都市に移住。 自宅を売却して、生活費の安い地方都市で暮らす。 3つ目が、投資(株式投資と不動産投資)。 株式投資については、 配当収入や株主優待といった安定収入を狙う手法が 紹介されていました。 不動産投資については、 アパートやマンションを購入して 家賃収入を得るものです。 この3つというのはそれぞれ 色々なハードルはあるものの、 現実的に検討できる選択肢だろうな、 と思いつつ観ていたのですが、 とても残念だったのが番組の出演者の方が、 2つ目と3つ目の選択肢、 つまり「働く」以外の選択肢について、 こぞって批判的なコメントをされていたことです。 例えば・・・ 地方都市への移住: 札幌は寒いし、那覇は暑い。 移住先にも管理費や修繕費がかかる。 そもそも売却すべき自宅がない人は お金が無いので引っ越しすら出来ない。 株式投資、配当収入: 「株価が下がったらどうするの」 「10年後、20年後まで配当が続く保証はない」 不動産投資、アパート経営: 「不動産なんて固定資産税やら管理費やら コストが掛かってたいして儲からない」 「老朽化したらメンテナンス費用がかかるし、 売ろうとしても値下がりしてしまう」 ・・・ちょっと待ってください。 そもそもそのままでは 「老後ビンボー」 になってしまうからどうにかしよう、 というのが発端だったのに、 選択肢をつぶしてどうするんですか!? と一人でツッコミながら観てしまいました。 もちろん、 株式投資をしたり不動産を買ったりするのは 簡単なことではありませんし、 それなりにリスクを背負うことになりますが、 かと言ってそのまま何もしなかったり、 老後も働き続けようというのも 非常に大きなリスクがあります。 もしも病気になったら? 体を壊してしまったら? 取替えの効かない資産である 「自分の肉体」 に全収入を頼ることのほうが、 よほどリスクがあると思えませんでしょうか。 そのようなリスクに対して、 「健康が一番! とにかく頑張りましょう!」 のひと言で片付けてしまうことの方が、 よほど無責任なように思えてしまいました。 ちょうどタイムリーなことに、 最近観た映画 「飛べ!フェニックス」 1965年アメリカ映画、 ロバート・アルドリッチ監督 でも似たようなテーマを取り扱っていました。 この映画のあらすじは、 サハラ砂漠上空で、飛行機が遭難して不時着してしまう。 乗客たちは限られた飲料水と食料で救難を待つが、 航路から大きくそれており、無線機も壊れているため 救難される可能性はほぼゼロ。 そこで、使える部品から新しい飛行機を組み立て、 脱出することを試みるが。。。。 というものです。 ポイントとなるのが、 何もしないでじっとしていれば30日くらい 生き延びることができるが、 激しい肉体労働をして飛行機を組み立てると 水と食料を余分に消費するため、 1週間くらいしか飲料水が持たない =早く死んでしまう。 死の危険性を犯してまで、 飛行機の組み立てに挑戦するか? 飛ぶ保証もないのに!? という点です。 「飛べ!フェニックス」 というタイトルから ある程度展開は予想出来てしまうのですが、 当然の如く仲間割れが発生したり、 色々なトラブルが発生するのが 映画として面白くさせています。 こういう「究極の選択」的なお話は 実話でも存在します。 私の好きな本に、 「漂流」 吉村昭著、新潮文庫(1980年) という小説があります。 題材は本当にあった話で、 江戸・天明年間にシケにあって漂流し、 伊豆諸島の最南端に位置する無人島、 鳥島(とりじま) に流れついた土佐の船乗り長平らは、 アホウドリや海藻、貝などを食べながら生き延び、 苦節12年、無人島からの脱出を試みるのですが、 その手法というのが砂浜に流れ着いた 流木や、難破船の木材などを拾い集めて、 新しい船を作るというものなのです。 (この奮闘ぶりの壮絶さは、泣けてくるくらい 凄いのでぜひ原作を読んでみてください) この話においてもやはりクライマックスは、 無人島にいればほそぼそと 何年かは生きていけるものを、 浮かぶかどうかも分からない、 ちょっと嵐が来たらすぐに沈没しそうなボロ船に、 なけなしの食料を積んで漕ぎ出す! このシーンが実に感動的なのです。 けっきょく何が言いたいかというと、 どんな選択肢でもリスクが存在するのであって、 リスクがあるからと言って行動しないというのは そのまま別のリスクに衝突するのを覚悟するしかなく、 何も解決にならないということです。 他人のリスク、他の選択肢のリスクを 指摘することは、自分のリスクを 消すことにはつながりません。 「コワイから」「危ないから」 と言って何もしないのではなく、 リスクそのものにしっかりと向き合う姿勢を 持ちたいものだ、 と番組を観て感じました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ ファイナンシャルアカデミーのスクール体験学習会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆お金の教養講座 東京 12月5日(木)19:00〜21:00 東京 12月7日(土)10:00〜12:00 他、大阪にて開催! 全日程はこちら http://www.f-academy.jp/ml/96755/school/kyouyousemiw.html ◆不動産投資の学校〜体験学習会〜 ※会場で小冊子「不動産投資 物件調査マラソン編」をプレゼント中! 東京 12月6日(金)19:00〜21:00 東京 12月7日(土)13:00〜15:00 他、大阪にて開催! 全日程はこちら http://www.f-academy.jp/ml/96756/school/fudoz.html ◆株式投資の学校・FXの学校 体験学習会〜 ※こちらの体験学習会は、 株式投資とFXの概要を学ぶことが出来ます。 ご自身にとって、どちらが向いているのかを比較検討いただけます。 東京 12月4日(水)19:00〜21:00 東京 12月7日(土)16:00〜18:00 他、大阪にて開催! 全日程はこちら↓↓ おもに、株式投資に興味が有る方はこちらから http://www.f-academy.jp/ml/96757/school/kabuz.html おもに、FXに興味が有る方はこちらから http://www.f-academy.jp/ml/96758/school/fxz.html
1投稿日: 2019.05.31
powered by ブクログ金、異性、地位、名誉。水と食い物に比べれば、これらの欲求はおまけのようなもの。にもかかわらず我々をそのことを忘れ、おまけを得るために必死になり、命をかけている。本書を読めば、それらがいかに空虚で実態のないものなのかを痛感できる。
3投稿日: 2019.05.26
powered by ブクログ江戸時代に遭難した土佐漁師の話。 遭難した鳥島をマップで調べたところ、まさに太平洋の孤島でとんでもない場所に存在していた。 水も湧かず、草木もろくに生えないような孤島での生活はまさに生地獄…。
4投稿日: 2019.02.18
powered by ブクログ自分の求めてたものとのミスマッチは大きかったけれど、それでも最後までページを繰ることをやめられなかった。 無人島に漂着してから、何かを得たり誰かを失ったりしながら十年以上を生きて、とうとう自分の生地まで帰り着くまでが描かれていた。 当初思い描いていた形とは違っても、目的を最終的に達成するための強い意思が描かれていたし、きっとそれは必要なものなんだろうと思うけれど、どれほどの強い意思がそこにあったのか、これだけやれば良いという答えはないのだろうなとも思う。 190210
2投稿日: 2019.02.11
powered by ブクログ凄まじい。横面を張られたような衝撃が走る。これが事実に基づいた小説というのだから、もう一方の頬も張られる。うかうかと安逸に暮らしている身には想像するだに怖ろしい、壮絶な現実だ。 江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙を保つ絶海の火山島に漂着した。そこは江戸から約600キロ離れた伊豆諸島「鳥島」。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行く。果たして、土佐の船乗り長平は生き残ることができるのか…。 私たちの「当たり前」が通用しない、絶望の孤島。火も水もない。目にする生き物といえば、春に去り、秋に舞い戻るあほう鳥のみ。 自然と人間の闘いと書いてしまうのは簡単すぎる気がしています。自然は全く人間を容赦しない。その過酷さがびしびしと伝わってくるのは、著者の沈着な筆によることはもちろん、その背景にある膨大かつ綿密な取材の賜物だろうと思います。 この本は生易しくない。けれど、メロドラマやご都合主義の対極に位置するような、この、心を抉るような読後感は貴重だと思います。まさに著者渾身の長編。
8投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログ面白い。難破して無人島に漂着した主人公の長年にわたる過酷なサバイバル生活が生き生きと描き出されている。数多の漂流もの作品は、救出されてめでたしめでたしとなるが、本作に於いては、救出された主人公が社会に復帰するために必要だった制度的な段取りもこと細かに書かれていてドキュメンタリーとしても秀逸だ。完全なる自由は多大な危険を伴い、庇護を受ければ安全だがその分自由が損なわれる。どっちが良いのかな? 普段は考えないが、危険に晒される姿を見たり、それを実感したりすると、生きるということの意味を考えずにはいられなくなるものなのだな。生きることはそれ自体が目的となりうるものなのだろうと改めて思いました。
4投稿日: 2018.10.04
powered by ブクログ事実に基づいてます。江戸時代に実際に漂流した船乗りの長平の記録を調べ上げたドキュメンタリー小説です。 漂流した先は水も火もない無人島、生き物で目にするものはアホウドリだけ。不毛の地での過酷な生活が事実と思うと強い衝撃を受けます。よくある漂流記といった生温いものではなく、想像を絶するリアルに圧倒されます。 過酷な状況におかれたとき、生死をわけるものが何か考えさせられますが、実際、現代人が同じ状況におかれたらほぼ死ぬと思います。自分は間違いなく死にます。 人間の生きようとする力に感銘をうけます。
6投稿日: 2018.08.25
powered by ブクログ読了。 江戸時代、遭難した土佐の漁師が、樹木も水も無い絶海の火山島に流れ着き、12年4か月も生き延びた実話。 有名な「熊嵐」もそうだが、吉村昭は、無慈悲な自然の猛威に翻弄される人間たちと、その中でも諦めずに立ち向かう市井の人々を描くのが本当に上手い。 淡々とした描写が反って、人間の強固な意志と知恵、忍耐力を鮮やかに浮き彫りにする。 流木を拾って集め、自作のフイゴで少しずづ釘を作り、5年がかりで三十石クラスの船を建築し、後に漂流してくるかもしれない人のために、生活道具一式とサバイバルのノウハウを書き残して、島を脱出した。 正直、久々に感動した。まさに事実は小説より奇なり。
4投稿日: 2018.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2018年8月16日読了。 509ページ。 江戸時代にシケにあって難破し、黒潮に乗って水も湧かない絶海の孤島に流れ着く。 たった一人で生き残った長平は、その後に流れ着いた漂流者とともに12年に渡って孤島で暮らしついに生還する。 キャスト・ア・ウェイの江戸時代版。
1投稿日: 2018.08.16
