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とりつくしま
とりつくしま
東直子/筑摩書房
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総合評価

170件)
3.7
33
56
51
10
1
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     亡くなった人の魂が指定した無機物にとりつき、この世に戻ることができる。ある人は母親の補聴器に、ある人は夫のマグカップに、ある人は公園のジャングルジムに。そして、自分がいなくなった後の大切な人の生活に触れる。気になることはあっても声に出すことはできず、もちろん行動することもできない。ただ、見て聞いているだけ。もう何もしてあげられないもどかしさもあり、見えなかった一面が見えることもあり、切なさや哀しみ、温かみが交錯する。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    先生の扇子になる話はもう泣けて泣けて。心がきゅーーーーとなりました。わたしだったらなににとりつくかな、と考える時間がすき。

    0
    投稿日: 2025.10.31
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    とりつくしまってどういうことだろう?から始まる読書体験。白檀が1番好きだった。ロージンもレンズもトリケラトプスも名前もお気に入り。 わたしがなにかをとりつくしまにするなら、何にするだろう。心があたたまり、自分を振り返る、少し切ない良い書でした。

    0
    投稿日: 2025.10.16
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    とてもいいものを読みました。 とりつくしま‥‥がないなんてことになりたくない。 すべての短い短編がどれもどれもいいのです。

    35
    投稿日: 2025.08.15
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    白檀、名前、レンズ この3つの話が特にお気に入りです。 短編集なので読みやすかったです。 全部切なくて心がキュッとなりました。

    1
    投稿日: 2025.08.14
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    歌人、東直子さんの短編小説集。 連作短編です。 この世に未練を残して亡くなった人が、 何かに「取り憑く」。『とりつくしま』 なにか一つのモノにしかとりつけない。 とりつくとそのものが消滅するまで、とりつき… ちょっとネタバレ的備忘録 野球息子のロージンにとりつき試合を見守る母。 彼氏とお気に入りの恐竜のマグになる彼女。 ジャングルジムになる少年。 書のおじい先生の白檀が香る扇子になる女弟子。 図書館の司書のネームプレート。などなど 小さい娘と、奥さんを置いて亡くなったお父さんが、奥さんの日記帳になる話が切なくてよかったです。 亡くなった人がモノに「とりつき」見守る。 モノにも魂が宿ると言うけれど… 誰かに見守られるっていう「視点」がおもしろく、ふんわりと簡潔でわかりやすい文章も相まって、優しい気持ちになれる連作短編でした。 全10遍。それぞれ短く、小1時間で読めます。 ほわっとあったかい気持ちになれる本でした。 発売が2011年の5月。 亡くなった人が「とりつくしま」。 多くの人がモノになりモノ視点で見守ってくれてる世の中だと思うと、ちょっと怖くもあり、それでも癒しがあふれてるんだなぁと感じたりしました。

    33
    投稿日: 2025.08.10
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    とりつくしま。残された家族を見守りたいが故に、縁のある物に移ることで進むストーリー。 自分の経験からは寿命を全うするよりも、圧倒的に突然死んでしまう方が多い。(それが寿命だと言われれば、何も言えんが。) 仮に今自分が亡くなり、とりつくしま係があったとして、何になろうと思うだろう?ふと残される側より、先立つ側にいるということを考えさせられる作品だった。

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    この世から亡くなり、何か物にとりつく事ができた短編集。 ロージンとして側にいる事にした母のお話しにはホロリときました。 全体的に切なくホロリとくるお話しでした。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    じんわりと切なく哀しくも温かい。 「とりつくしま係」が、亡くなった人の前に現れ、何かモノになってこの世に戻らせてくれるという。 ピッチャーの息子を見守るためロージンになった母、夫のお気に入りのマグカップになった妻、いつも遊んでいた大好きなジャングルジムになった男の子など、11つの物語。 そのモノを選んだ理由に、本人らしさが出ていて、胸にじぃんとくる。特に、すぐに消えるものがいいとロージンを選んだ母の気持ちは、なんか分かるなぁ。自分だったら何を選ぶだろうか。 残された人にとっても、大切な人がモノとして生き続けていると思えたら、心が救われるんじゃないかな。 大切な人が亡くなったあと、かえって近くに感じるのは、もしかしたら身近なモノになってこの世に戻ってきてくれたからなのかもしれないなぁ。

    61
    投稿日: 2025.07.04
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    東直子さんによる文庫版あとがきより引用します。 P206~ 前略 「とりつくしま」とは、命をなくした人がこの世に戻ってきて魂を宿すモノのことをそのように呼びならわすよう設定したのですが、「とりつくしま」を考えるということは、死んで間もない人のことを考える、ということになります。誰でもその身に潜ませている「死」を考えることでした。実際に書きはじめる前に、頭の中で、なんらかの未練を残して亡くなった人を想定し、さらにその人が生前一番大事に想っていた人のことを考えました。物になって大切な人に再会した死者たちが、どんなことを呼びかけたいと願うのかを。 後略 全十一話の連作短篇集なのですが、全話がとてもいい話ばかりで、どれがよかったかは選べないので前から順番に三篇挙げると 「ロージン」 ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母。 これはもう切なかったです。 「トリカラトプス」 夫のお気に入りのマグカップになった妻。 これはちょっと最後にスカッとするいい話でした。 「青いの」 いつも遊んでいた大好きなジャングルジムになった男の子。 優しい優しいお話で涙が出そうになりました。 全部の話がよくて、はずれは一話もありませんでした。全部説明したいくらいですが。 この本は明日、作者の東直子さんのオンラインの講座に出るために少し前から積んでいたのですが講座の前に拝読しておけて本当によかったです。 歌人としての東直子さんの歌集や詩集はほとんど拝読していましたが、小説は初読みでした。 歌人という個性を活かされた、どこの誰とも違う個性的な作風に思えました。 天は二物も三物も与えられるのですね。 講座に参加するのは昨年の穂村弘さんの対面講座以来で一年ぶりです。 明日の講座がとても楽しみです。 何だかドキドキ、ワクワクします。

    139
    投稿日: 2025.06.21
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    死んでしまった人に『とりつくしま係』が尋ねる。 あなたは何になりたいですか? 野球のロージン、カップ、扇子、日記、カメラのレンズ、などなど 自分だったら、何になりたいだろうか。 ついつい考えてしまいました。

    17
    投稿日: 2025.05.17
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    死んでしまったあと、生命のないものに『とりついて』大切な人の近くにいて思い遺したことを見ているというお話。 11のお話です。 第一話の『ロジン』が切なくて、でも潔い感じがしました。 夫に思いを遺して、マグカップになるお話は…この先もずっと見ていかなきゃならないのはしんどいかなと思ったり笑 それぞれの大切なモノになるのは選択によっては、辛い思いもしそう。 私だったら何に『とりつこう』かなぁ。。。 でも、死んだらどこからでも見ていられると勝手に思っていたけど。。。 やっぱり死んだら見られないかぁ…。 その日が来るまで、一日一日を大切にしていこうとあらためて思った。 周りにいる人が愛おしく思える一冊でした。

    0
    投稿日: 2025.05.05
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    死んでしまったら、「今日」が終わる。 本当にあっさりとした短編集なのに、しっかり辛くなったし、あたたかい気持ちにもなった。 特に「日記」「マッサージ」では感情移入しすぎて、涙が止まるまでの数分間は次に進めなかったほど。その次の「くちびる」はまさに中学生の青春で、ほっこりしつつ落差にバグった。笑 各編の最後の文が心に浮かんで、そこから死者の代わりに綴ったというあとがきを読み、東直子さんのことが大好きになった。 生きていく勇気をもらいました。

    0
    投稿日: 2025.05.03
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    テンポよく読了。 色んな人の「もしも」を味わえました。 人間の悪意、善意、無邪気さが描かれていて生々しかった。名札なんか特に、気持ち悪いなと思ってしまうほど。 でも物事は善悪ではっきりと分けられないように、人間もまたそうなんだということが物語を通して身近に感じられました。 朗読で聴けたらまた印象違うのかな。

    0
    投稿日: 2025.04.10
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    朗読劇で知ってから原作を読もうと購入。こんなにも原作が朗読通りだったとはと衝撃。作者が歌人なので必要な分だけそり落とされた言葉たち。でもまるで1人1人が語っている様な文体に心奪われました。短編でここまで書き分けられる人がいらっしゃるとは!東さんのご本、もっと沢山読みたい!!と魅力にとりつかれてます。 どのお話も好きだけれど 特に「名前」と「レンズ」はキラキラした希望の中で終わる感じが優しくあたたかい光が見えて好きでした。 逆に「青いの」と「ささやき」は辛かった。 私は何にとりつきたいかなと考えながら読み進めて、母の眼鏡かなという結論に。 そう考えてるうちに、「今」ときちんと向き合って惜しみなく生きようと思えました。

    0
    投稿日: 2025.03.05
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    [Ⅰ]死んだけど未練があってモノとなりあなたのそばにもどってくるわ[Ⅱ]ピッチャーのロージンバッグ粉が散る/イラストのトリケラトプス愛してね/青色のジャングルジムは背が高い/白檀の扇子になって風おくる/やすらぎの図書館ネームプレートに/わがままな母の補聴器風の音/語ること語られぬこと日記帳/邪魔者のマッサージ椅子われほぐす/好きな人その恋人のリップなの/カメラやし知らへんひとと景色見る/枇杷の木にからんで枯らす宿り草[Ⅲ]やさしいせつなくちいさな物語群。 買われていくモノっていうのは、ゆきずり、なんだね。(p.192)

    0
    投稿日: 2025.03.02
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    私が今死んだら、きっと、家のリビングにある、もうすぐ壊れそうな電子レンジに取り憑くと思う。 生きているからこそ言葉で伝えることができるんだなあと改めて実感。 p143

    0
    投稿日: 2025.02.23
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    読書マラソン感想カードより; 死後、現世に存在する「モノ」にとりついてもう一度世界を見守ることができるという設定のはなし。切なかったり、温かい気持ちになったり…自分だったら何にとりつくだろうか? あたらし(海洋政策文化学科)

    0
    投稿日: 2025.02.13
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    「日記」と「トリケラトプス」が良かった。自分なら何にとりつくか考えながら読んでいた。とりついた後、すぐ捨てられたり壊れたりしたらと思うとなかなか決まらない。

    4
    投稿日: 2025.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とりつくことができても現実世界に介入ができず、見ることしかできない。これってとりつくことができないことよりツラい気がする。それを思うと、ロージンを選んだ1人目の母親の方は、切ないけれどもすごく良い選択をしたなと思う。

    0
    投稿日: 2025.01.21
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    あっという間に読み終えてしまった。 とりついたことで見えてくるもの見たくなかったもの。ただ見ているだけで声をかけることはできないもどかしさ。そして再び訪れる、役目を終えて去る瞬間。 未練があって戻ってきたのなら、二度目の別れをつらいと感じることはないのかな…そんなことを考えてると、自分は何にもとりつくことがないよう生きて逝こうと思った。

    0
    投稿日: 2025.01.18
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    亡くなったひとが、その魂を現世の「もの」に宿して大切なひとをそっと見守る。彼らは何かメッセージを発することができるわけでもなく、ただ本当にそこにいるだけなんだけど、そこに見返りを期待しない愛を感じられてすごくよかった。読みながら切なくもあたたかい気持ちになった。短編集ってどうしても特別お気に入りの作品ができてしまうんだけど、この本に限っては10作品すべてがそれぞれ好き。いつか訪れる大切なひととの別れのとき、自分勝手だとしてもわたしはこの小説を思い出すと思う。どこかで見守ってくれていると信じさせてくれる。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    読書会で紹介していただいて気になった本。死んだあと「とりつくしま係」によって無生物に取り憑くことができる。そのような設定もあってモノ=死者の視点から描かれている珍しい物語。解説でも書いていたが、視点を描いた絵画を知っていたこともあって、芸術的だなと感じながら読んだ。

    0
    投稿日: 2024.12.26
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    あなたは何に「とりつき」ますか? 死んでしまったあなたに、とりつくしま係が問いかけます。そして妻は夫のマグカップに、弟子は先生の扇子に、なりました。切なくて、ほろ苦くて、じんわりする連作短篇集。 映画を観て再読。

    1
    投稿日: 2024.11.23
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    本当にこんな世界があるといいなぁ、と思いつつ、本当にあったらどうしようとも思う、わがままな気持ちになりました。(いい意味で。) 自分なら何になるかずっと考えています。

    0
    投稿日: 2024.11.17
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    とりつくしま どんな物語かと話を進めていくと、とても心温まる作品ばかりだった。 自分だったら何にとりつくかな? 物を大切にしよう等、いろんな視点で読み進めることができる作品。

    0
    投稿日: 2024.11.10
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    結構昔に読んだのですが図書館でたまたま見つけて再読です。 初めて読んだ時には東さんが歌人でもあることを知らずに、こちらもたまたま見つけた歌集にびっくりでした。 東さんらしい優しい文体ですがなかなかに切ない…。 『ロージン』『トリケラトプス』に泣いて『名前』にちょっとクスッとしました。

    10
    投稿日: 2024.10.20
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    この短編集を底本にした映画「とりつくしま」をシネマスコーレで観ました(2024/10/19 舞台挨拶の回)。原作は11遍の短いお話がありますが、映画ではそのうちの4遍を取り上げていました。他の7遍はどのようなお話なのだろう?と、原作を(シネマスコーレの物販で)求め、読み始めました。 まだ小説の最初のお話「ロージン」しか読めていませんが、ゆっくりじっくり読みたいと思います。星は読み終わった時に付けます。 (2024/10/20)

    6
    投稿日: 2024.10.20
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    優しいと切ないが詰まっている。でも2回死ぬことになるんだと気づいてからは悲しさで頭がいっぱいになった。

    2
    投稿日: 2024.09.16
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    死んだ後、何かに取り憑くことが できるとしたら、 私は誰のそばの何になるだろう。 年代性別もバラバラの死者が 何かに取り憑いて世界を眺める短編集。 視点がまず斬新で、 主人公は無くなっているから 切なさはもちろんあるんだけど、 生きていた頃を想像できるし 1番会いたい人の近くにみんな取り憑くから 愛を感じて温かい気持ちになりました。 死後の世界は生きている以上知り得ないけれど、 こんな世界なら怖くないなぁと思ったし、 今年他界した祖母もどこかにいるのかなぁ と思ったりしました。

    5
    投稿日: 2024.09.15
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    死んでしまった後、魂の入っていないものに『とりつく』ことが出来るというお話。 短編集だったので、スラスラ読めました。 文章がとても美しかったです。 もし私だったら何にとりつくか。。。 魂の入っていないものにとりつく切なさで 何になりたいか決められない。

    5
    投稿日: 2024.09.15
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    『日記』『トリケラトプス』 『名札』『マッサージ』 が好きでした。 わたしだったら、なににとりつくだろう。 大切な人のそばにいられるモノ。 そこまでしてそばにいたい人たち。 そんな人が思いつくだけでも、今充分幸せなのだなあ。と思った。 とりつく、と言うけれど、 暗い感情はなく、じんわりとした温かさや救いを内包するような少し切ない読後感が残る。 あとがきで、作者の東さんは、どの短編も、まず全て最後の一言を思いついて、そこから着想を得て描いたと。 もっと東さんの著書を読みたくなった。

    0
    投稿日: 2024.09.08
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    死んだら何にとりつく?(無機物限定)という発想が見事。様々な人が物に取り憑いて世界を眺める短編集。自分なら何に取り憑く?を自ずと考えられます。

    0
    投稿日: 2024.09.03
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    もし自分が死んだら?何にとりつく? 考えたことなかったし、読み終えて考えてみても、思いつかないなー。 あたたかいきもち 好きな人に会いたくなる やさしいせかい というよりも、わたしはとても悲しく感じた。 知らなくていいって思う。 それでもあえていうなら、子ども達の近くの物よりも、夫の近くにいられたらいいなって思う。 大好きか!!!笑

    0
    投稿日: 2024.09.03
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    各話かなり短め。最初は短いな〜もうちょっと読みたいなあ〜と思ったけど、死んでしまった人がテーマになっているので、このぐらいの短さがちょうど良いのかも?? レンズが1番好きな話で、カメラの持ち主となったおじいさんの人柄が穏やかで好き。

    0
    投稿日: 2024.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    〈読むきっかけ〉 本屋の店頭で見つけ、POPで気になった。 〈読了後感想〉 好きな話とそうでない話があるが、読み終えて、ロージンがやっぱり印象的。白檀の扇子も好き。 あとがきと解説が好き。 読後、大好きな人に会いたくなると謳われていたが、考えてしまった。まぁ家族かなという感じ。

    0
    投稿日: 2024.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妹からコメント付きで勧められて読みました。 とてもあったかい気持ちになれる短編小説。 亡くなってからのことは誰もわからないけど、こう言う考えもあるのか!と私は嬉しかったです。 また、物を大切にすることの重要性を改めて感じました。 大切な人がどんな形であれそばにいてくれたら、、見守ってくれていたら、、 死に対するマイナスイメージを少しでも払拭してくれる、そんな作品でした。

    0
    投稿日: 2024.08.23
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    短編集。わたしはいろんな想いに見守られているのかも。生きていること、今をいとしむこと。改めて大事にする。

    0
    投稿日: 2024.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とりつくしま……海で溺れても上陸する島がないこと。 頼りとしてすがる手掛かりがないこと。 相手を顧みる態度が見られないこと。(ウィクショナリー日本語版より) 死後のボーナスタイムに、現実に働きかける話かと思いきや違った。 存命の人のそばでなにができるわけでもなく、ただ物として死後を見るだけ。 つい退屈だなぁと思ってしまったが、みんな既に死んでしまっているのだから、生きている人間に”とりつくしまもない”のは当たり前だった。 死んだ人間が生者にすがっても、なにも起きることはない。 生者が死者にすがっても、頼りになることなんかない。死というものに隔てられて、互いに影響することなんかない。だってもう居ないから。でも、誰もがただそこにいる。 そこに気がついてから、急に読みやすくなった。

    0
    投稿日: 2024.08.09
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    短編集。 死への恐怖が人一倍強い私にとっては、こういう内容はあまり好きではないけど、ほっこりする話でした。

    5
    投稿日: 2024.08.09
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    この世に未練を残して死んでしまったら、、、想像通りの泣けちゃう話もあり、ちょっと違った方向に行ってしまう話もあり、短い話でもそれぞれ感慨深かった。 マッサージ機になるお父さんの話が好き。

    9
    投稿日: 2024.08.01
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    大好きな人に会いたくなる というキャッチコピーほどではない。 しかし半年前に亡くなった母がこんな風にいてくれたら…と思うものはあった。 人にはなれず、選んだ”モノ”になれる とりつくしまという死後の世界を題材にした短編集。 最初は案内人みたいな係と関わりがあったのに、 気づいたら無くなってて「?」って感じだった。 意外と感動一辺倒ではない内容だった

    1
    投稿日: 2024.07.30
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     本書は、歌人・東直子さんの11話の連作短編集です。1話20ページ程度で、同じ「死」を扱うテーマなのですが、1話ずつ印象が異なります。  ただ泣かせるのではなく、温かさ、優しさ、切なさ、ユーモア、哀しみ‥‥、いろいろな感情に心揺さぶられる奥深い作品でした。  辞書には、「とりつくしま」は、もっぱら打ち消しを付し(取り付く島がない)、海で溺れても上陸する島がないことから、すがる拠り所がなく、話の糸口や交渉の余地なし等の意、とあります。  タイトルである本書の「とりつくしま」は、亡き人の魂が、この世に戻って取り付く「モノ」。  なんと、この世に未練が‥死に納得が‥等という亡くなった人へ、「とりつくしま係」が「とりつくしま」の希望を聞き、叶えてやるのでした。  本作のテーマの元になっている、「モノに魂が宿る」という考え方は日本的ですね。さらには「モノに命を吹き込む」という言い方もあります。いずれも、物を大切にする神聖な感覚でいいなと思いますし、しっくりくる気がします。  「死」を考えるきっかけとして、取り分け小中学生におすすめです。こんなに優しく訴える短文も、著者が歌人が故だからでしょうか? 年齢を重ねた大人にも別の意味で響く気がします。さて、私自身も「もしも〜だったら」と思わず考えてしまいますが、簡単には決められません‥。  2007.5の発刊、2011.5(東日本大震災直後)に文庫化。どれだけ多くの人が本書から祈りを感じ、心を慰められてきたでしょう。また素晴らしい作品に出会えてよかったです。

    67
    投稿日: 2024.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アンソロジー、ラヴレターズを読んで、東直子さんを知った。それ以降、ずっと探し続けていたところ、古書店で目に飛び込んできた、とりつくしま。 大変うつくしい文章。 読んでて心が浄化された。 また読みたい。 角田光代さんの「なくしたものたちの国」に似た世界観だと感じた。

    8
    投稿日: 2024.07.13
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    歌人とのことだが、詩歌の小さな小説だった。 じぶんならなににとりつくかかんがえてみる。 ドリップケトルかしら。

    0
    投稿日: 2024.06.09
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    歌人が書いたと聞いて納得、詩を読むみたいにすらさすらと読める一冊。 『とりつくしま』とは"とりつく島もない"のこと、死んでしまってから大切な人の近くの何かのモノにとりついてもやっぱりとりつく島もない。 大切な人のそばに居たいという気持ちもわからなくはないけど伝わらない思いに切なくなるだけ。私はとりつきたくないな…

    7
    投稿日: 2024.05.28
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    短編なので読み進めやすかったです。 ただ、どの物語も結末がなんとも言えない気持ちになるもので、私の好みには合わなかったです。 自分が死んでしまった後、何か1つだけ物にとりつき、朽ち果てるまで目の前の景色を眺められるとしたら、あなたは何になりますか? …と、死後、みんな「とりつくしま」を用意してもらえるけど、大切な人の様子を見れる人、見れない人、…様々な人がいて、各々の死後の思いを知れる本でした。それぞれの物語に幸せな結末を望んで読み進めたわけではないけど、結末がなんとも言えない微妙な気持ちになる話ばかりだった。 帯に「大好きな人に今すぐ会いたくなる本NO.1」と書いてあったけど、私には当てはまらなかったらしい。むしろ、自分がとりつくしまになった様子を想像しているうちに、大好きな人を悲しませたくなくて、絶望的な気持ちになった。 好みに合う人もいるかとは思いますが、おすすめはできません。

    0
    投稿日: 2024.04.07
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    短編小説なので、本を普段読まない私でもすらすら読めました。切なさの中にどこか温かさを感じる本でした。普段小説を読まない方にも是非読んでほしいと思います。

    1
    投稿日: 2024.03.24
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    この本を読んだら誰もが、私なら何をとりつくしまにしようかと考えるはず。 私は、何にもとりつきたくないと思った。私の大切な人は、私が死んできっと悲しんでいるはずだから。その姿を何も言わずに見守ることしかできないより、相手が前を向いて生きていくことを信じて、何にもとりつかずに成仏したいなあなんて思いました。 また、私がもし思いがけず死んだら「何をしていたらよかった」と思うのだろうと想像すると、大切な人に感謝の気持ちを伝えることだと思った。明日死んでも後悔ないように、日々お世話になった人、親切にしてくれた人に感謝の気持ちを伝えることを忘れずにいたい。 この本は、本当に大切な人や、人生で大切にしたいことを考えさせられるきっかけになる本だと思う。

    2
    投稿日: 2024.03.17
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    とても読みやすい短編11話。 読み終わったあと、キューッと切なくなる中に、ほっこりと優しい気持ちも残りました。 私は「とりつくしま」を何にするのかな? やっぱりいちばん大切な人とずっと一緒にいたいなぁ…。 でもそこには私はいないから、やっぱり近くにいるの悲しいのかなぁ…。

    1
    投稿日: 2024.02.10
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    帯に大好きな人に会いたくなる本と書いてあったのでどんなものかと思ったら、想像していたよりビターなお話が多かったです。 印象に残っているのは最初の息子の野球道具に取り憑くお母さんの話。 息子の勇姿を見る寸前で散ってしまったお母さんに、もどかしくも親心に感動しました。 反対に母親の補聴器に取り憑いた娘の話も印象的。 こちらは最終的にお母さんに投げ捨てられてしまった所で終わったのがまさかで辛かった。 大好きな人に会いたくなるかはよくわからなかったけど、色々な愛の話が読めて良かったです。

    1
    投稿日: 2024.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大切にしていた物とか思い出の物には、その人の心が宿るって聞いたことがあるけれど本当にそうなのかもしれない。 真実なんて今はわからないけど、そう思おう、思いたいって思えた。素敵な本に出会えたな〜〜 “とりつくしま”を家族の様子が見れるものにしている人が多くて、そこからひとりひとり過去の記憶を思い出していたのが印象深かった。 自分は大切な人をずっと見守っていたい気持ちもあるけど一瞬で消えてしまうもので少しだけでいいかたまた会いたい派だなと思った

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    一緒に食事をするということは、一緒に充たされてゆく、ということだったのですね。だから、恋などというものにうつつを抜かす人々は、一緒にメシを食う、と。そういうカラクリだったのですな。 たとえほんとうに欠点があったとしても、それは、気づかない人にとっては、欠点にならずに済む。だから、欠点なんて知ろうとしなければよいのだ。

    1
    投稿日: 2024.01.14
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    レビューには「優しさに包まれながら号泣」って書いてあったけど、、、これは若干背筋が凍るスリラー小説? 一緒に食事をすると言う事は、一緒に満たされてゆく、と言う事だったのですね。だから、恋などと言うものにうつつを抜かす人々は、一緒に飯を食う、と。そういうカラクリだったのですが。 お父さん、もっと、使えばよかったのに。もっと、たくさん生きてさ。私が、使いにくいじゃん。 それは、とてもとりとめのないこと…だるいとか眠いとか、超やばいとかうざいとか、そういうもので簡単に包めてしまうもの。つまり、それほど深刻ではないもの。まとわりついていると言う音とした空気を、言葉で吸い取っていくための会話。 こんなに綺麗なんだから、春は浮かれていい季節なんだ。花はこぼれてゆくばかりでも。 吸い込まれそうだ、花の中に。 あとがきより どこかで、誰かが誰かのために祈っているように、どこかでこの方が、誰か相乗りに触れることがあれば、大変幸いに思います。 解説より 何か人間のことわりを超えたものがあり、さらっとした感触が下に残るが、繰り返し読むうちに、それが浄化され、無に帰することの喜びのようなものがこみ上げてくる。物語全体を包み込む、風呂敷のような忘れ方さがあった。

    2
    投稿日: 2023.12.23
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    気がついたら「とりつくしま係」に話しかけられている。モノになってもういちど、この世を体験できるらしい。 残してきて気になる人のモノになる。その視線から色々な体験ができる。もしもそうなったらいいのにという気持ちを味わえる短編集。 私は、白檀の扇子と日記になった物語が潔くてよかった。 ロージン、トリケラトプス、青いの、白檀、名前、ささやき、日記、マッサージ、くちびる、レンズ、番外編びわの樹の下の娘

    3
    投稿日: 2023.12.11
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    死後、自分がとりつきたいモノを選ばせてくれる「とりつくしま係」という設定がユニーク。 大切な人に関係するモノにとりついた11人。 彼らの迎えた結末が必ずしも穏やかとはいえないところが良い。 寂しいけど幸せ。 悲しいけど嬉しい。 温かいけど切ない。 いろんな感情が沸き上がる短編集だった。

    2
    投稿日: 2023.11.24
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    さらさらと読める短編集。死がテーマではあるけれど、悲しいというよりは、日常が淡々と進んでいくようなイメージ。取り憑いた“モノ”から見た視点というのが斬新で面白い。特に「ささやき」と「日記」が好きだった。 実際にもこういうこと、あるのかもしれない。話自体は虚構、ファンタジーなのだけど、現実にあると思いたくなるような、柔らかで暖かい光に照らされているような、そんな小説だった。

    3
    投稿日: 2023.11.05
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    現世に心残りがあるまま、この世を去った人たちが、何か「物体」になってもう一度現世を体験できるという面白いコンセプト。家族や恋人など、大切な人が使っていた物体に宿って、それぞれの人に「憑りつく」11のエピソードが紹介されている。1話をだいたい10分強で読むことができるのだが、ホロリとさせられる。音読会も行われているようだ。私だったら途中で涙が出てしまい、音読にならないだろう。。 特に印象に残っているのは次の3つである。 ・妻のことが気になり、妻の日記にとりついた夫 ・母親・妹・友人に会いたくて、公園のジャングルジムにとりついた男の子 ・妻と子供に会いたくてマッサージ器にとりついた夫 とりついてみたところで、必ずしもハッピーエンドになるとは限らない。 ネタバレにはしたくないが、人間は「物体」を雑に扱ってしまうもの。例えば、とりついた「物体」が見知らぬ人に渡っていたり、全く使ってもらえなくなったり、途中で捨てられたり、物理的に破壊されたりする。ちょっと残酷だが、現実に起こりうることである。そんな時に「物品(故人)」目線からどのような思いが語れられるのか、必見である。 人からもらった「贈与」の対象物には、その人の魂が宿るらしい。長く存在する記念品であっても、食物のような消耗品であっても同じである。嫌なことがあった日は、この本を思い出して、自分の周囲にある故人の「魂」に想いを馳せて、1日1日を生きていることに感謝したい。間違っても、モノに八つ当たりすることはできない。

    15
    投稿日: 2023.10.22
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    死んだあとに何かモノにとりつけるとしたら、という設定の短編集。 ロージンになって野球少年の息子を見守るお母さん、大好きな公園の"青いの"になって、友達や兄弟をみている男の子、親切にしてくれた司書さんの名札になるおじいさん、それぞれ生きていたときの物語と、その後自分がいなくなったこの世を受け入れていく過程がある。 決して明るい物語ではないのに、全部あったかい光の中の出来事のようだった。私だったら何をとりつくしまにしようかな。

    2
    投稿日: 2023.09.16
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    本当にとりつくしまがあって、なにかにとりついてくれてたらいいな。 私の知らないところで、だれかが、なにかが、見守ってくれていると時の流れに希望をのせることは、傲慢ですか、それとも高潔ですか。

    4
    投稿日: 2023.07.27
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    とりつくしまって、聞いたことあるようで、よく分からない言葉だなと思っていたら、『とりつくしまもない』のとりつくしまだ、と調べて分かったが、打消表現を伴わなくても意味があることを知り、漢字にすると「取付島」となり、『頼るべきところ。とりつくところ』の意味があるそうで、多く使われる方ではなく、正反対の方を表に持ってくるあたり、東さんならではの面白い視点だと感じさせられた。 本書で共通しているのは、死んだ人が、生きているもの以外のモノになって、もう一度この世を体験出来るといった、本来、不可能であろう事が可能になる夢のような話で、そのとりつくしまとなる思いも寄らぬモノたちのバラエティさも、人それぞれの嗜好や人生観が窺えて印象的だし、必ずしも、死者にとって頼るべきところとなる訳ではない点にも、人生の妙味が詰まっているようで味わい深いし、何より、無生物に魂を宿らせるという、そのアイデア自体が、言葉にかけがえのない生の魂を宿す歌人、東さんの、短歌と小説といった異なる素材ではありながらも、魂の拠り所を変えて見せてくれる斬新な世界は心に響くものを感じさせられるし、歌も物語も関係なく、言葉を使って何かを表現したいといった、心意気や思いは充分に感じられたと思う。 が、しかし・・ これまでもいくつか、短歌以外の東さんの作品を読んできましたが、本書で私が実感したことは、やはり、歌人の東直子さんがいちばん好きなのだということでした。 別に、二足の草鞋がどうとか、短歌以外の作品が好きではないとか、そういうことではないし、寧ろ、読み終えて、なんて酷い作品なんだと、はっきり思えるくらいの方が、却って、サバサバしたものを感じたのかもしれないし、本書を読んで思わず目頭を熱くされた方も、きっといらっしゃると思う。 それでは、いったい何なのだというと、こういうのは言葉で上手く説明出来ないので、以前、私が感想を書いた、東さんと木内達朗さんのコラボ歌画集『愛を想う』の中にあった、ひとつの歌を掲載いたします。 『焼きたてのレモンチキンにナイフ入れじわりと思う、思うのでしょう』 少なくとも、この短篇集では小説というカテゴリの為、ある程度の説明しなくてはならぬ文章が、どうしても必要となり、それも含めて、東さんの小説という認識となるが、私の中の東さんは、上記の言葉だけで既に充分なのであり、言葉が少ないからこそ、逆にそこに、東さんの思いや生の魂がより鮮明に見えてくる気がする。ただそれだけでいい。

    49
    投稿日: 2023.07.05
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    とっても簡単に読める。 心温まるエピソードが多い。 でも、あたしには理解できない。 死んでもなおこの世界で見ていたい人などいない。 家族も友達も大切だけど、どぅぞ勝手にやってほしい。 手も足も出さないでこっそり見てるなんてプライバシーの侵害だと思う。

    1
    投稿日: 2023.04.01
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    なんとなく文字びっしりでなくサラッと読めそうな本ということで積読から手に取る。 千の風になってという歌があったが、そんな意味合いのある短編集。純粋に家族愛みたいなのにウルウルすることもあれば毒親は結局…みたいに思う話もあって自身の生き様死に様と継承みたいなことを考えた。

    1
    投稿日: 2023.03.27
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    読みやすくて好き。 一話20分程度で読める。 切ないのもあれば、やるせないのもある。 どうしようもないのもある。それが人間。

    2
    投稿日: 2023.03.11
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    サラリと読める切ない短編集って感じですかね。 未練を残して死んでしまった人がモノにとりついて、生前愛していた人や親しかった人を眺める。というお話し。 ひとつひとつのエピソードには、人の哀しさ、おかしさ、暖かさ、などかほのかに感じられました。 これは、読む人の感性によって好きな話が分かれそうな感じがしますね。 個人的には、一家のお父さんが亡くなり、マッサージチェアにとりつく「マッサージ」のお話が、ちょっと笑えて暖かい感じもあって好きでしたね。

    0
    投稿日: 2023.01.30
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    歌人である東直子さんの、不思議な短編集。 亡くなってから、とりつくしまを探している人の願いを叶えてくれる、とりつくしま係。 生き物ではなく物であれば、とりつくことが出来るという。 帯には「大好きな人に今すぐ会いたくなる本NO.1!」と書かれていた。 「やさしさに包まれながら号泣していました」とも。 でも私はこの短編たちが好きになれなかった。 泣けるポイントは、多分、分かっている。 残された者としても、ここに故人の魂が移っているかもしれないと、思うこともある。 ただ私は、死んでしまったあとに何故もう一度、切なさや寂しさ、嫉妬や現実の姿を、故人に思い知らさなければならないのかと、 いたたまれない気持ちになってしまった。 自覚もなく世を去ってしまった者にとっては、とりつくしまのような時間が必要なのかもしれない。 「例えとりついた事により辛い思いをしようと、もう一度あの人に会いたい」そんな故人の思いも、確かにあの世には存在するのかもしれない。 でも、もういいよ。 そう思ってしまった。 死んでしまってから、業による苦楽の果報を受け取らなくても良いではないか。 改めて思い知る、自分の死。 見えてくる真実、新たな事実。 それは喜びに通じることも有るだろうが、ある種の諦めや割り切りにより気持ちを整理しなければならない場合もある。 余計に未練が残る場合もある。 そんな思いは、生きているうちだけで充分だ。 そんな風に思ってしまって、泣けなかったし、私にとっては、後味の悪い1冊になった。 もう少し老いてから読めば心に響いたのかもしれないが。 ただ、死んでしまった者目線の表現が独特の浮遊感を呼んで、これは歌人である東さんでなければ書けないだろうなと思った。 ロージンやリップクリームの、本体から離れた一部を表現した文章は流石だった。 そしてどのストーリーも最後の1文に胸が痛む。 だから余計に私は、もういいんだよという気持ちにとらわれてしまった。 私も勝手なものだ。 大切な人が亡くなれば、私だってきっと故人が使っていた物に話しかけたりするだろうに、 こうした物語を読むと、物にとりついてまで、そんな思いをしなくていいんだよと思ってしまう。 死者には、感情に揺らいだりしないで済むような、暖かく明るい何処かで浮かんでいて欲しい。 と、レビューを纏めていたら、涙が出てきた。

    13
    投稿日: 2022.12.15
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    せつないけど悲しくない。でもグッと込み上げてくる。複雑な気持ちになる。 短編で何度も読めそう。私はとても好き。

    2
    投稿日: 2022.10.06
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    自分が死んだ後のことをそっと見守る、こっそり盗み見る、ただただ誰かに寄り添う、そんなチャンスをもらった人たちの物語。じわっと泣けたり、ほっこり笑えたりする短編集です。 人が亡くなったときに「この世に何か未練はありませんか?」と問いかける"とりつくしま係" 生きているもの=人や動物や植物になることはできないけれど、何かモノに成り代わることでこの世に戻ることができる・・・そんなチャンスがあったら戻りたいと思いますか? それぞれのある"モノ"に成り代わった人たちは、一方的に見守るだけで自由に動けず、言葉も伝えられず、意図しないところに捨て置かれたりすることもあり、なんだかもどかしすぎて、せつなすぎて... とりつくしま 私は無くていいかな、と思いました。未練は残さぬように生きましょうw

    1
    投稿日: 2022.09.30
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    とても素敵な本よ/ 特に好きだったのは、 ・名前(ワシたまらんな) ・日記(好きな人の日記になるのは賢くないか?) ・くちびる(恋だわねキュン)

    1
    投稿日: 2022.09.12
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    亡くなった人が、モノになってもう一度この世を体験出来るという短編集。 切なさとユーモアが共存していて、読みやすかった。 余談ですが、「マッサージ」と似た話を何かで読んだ気がするのだけど、思い出せずモヤモヤ…。

    2
    投稿日: 2022.08.26
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    死んだ人が、ものに取り付く話。一人称一人語りという制約の短編集。NHK深夜便の朗読で知って読んでみた。ロージンになって消えていく話が、良く取り上げられているのだが、子どもがジャングルジムになる話が、悲しくて印象的でした。

    1
    投稿日: 2022.07.24
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    短編集だけど、面白かった。それぞれの話の読後感はなんともいえない切ない感じ。これを読むと、自分の身の周りにあるものにも魂が宿っているんじゃないかと思える。モノを大切にしようと思える。読んで良かった。

    4
    投稿日: 2022.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『一日10分のしあわせ』に抜粋されており、原作も読んでみたいと思い購入。 未練を残して死んでいった人たちが、“モノ”に取り憑いて生まれ変わる。 所謂「九十九神」になった彼女、彼等。 大切な人の傍にいられるといったメリットはあるけれど、いいことばかりじゃない。 受け入れ難い現状を目の当たりにしてしまうこともあるし、取り憑くモノの選択によっては、捨てられてたり壊されてしまう可能性だってある。 現世に戻れることはできるが、何かできるわけではない。 そんな状況に歯痒さを感じた。 『白檀』の章がわたしのお気に入り。 まぁとにかく切ない。その一言に尽きる。 一年に一度しか使わないモノを選んだ桃子さんは大人だな…と感じた。 が、常に使うモノに取り憑いたとしたら先生への想いをずっと感じながら過ごすことになるので、それもそれで辛いよな…。 わたしだったら誰の傍にいたいだろう、何に取り憑くんだろう…。 そんなことを考えながら読んだ一冊だった。

    3
    投稿日: 2022.06.29
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    東直子(1963年~)氏は、広島市生まれ、神戸女学院大学家政学部卒の歌人、小説家。1990年より短歌等の投稿を始め、1996年に「草かんむりの訪問者」で歌壇賞(公募による短歌の新人賞)を受賞。また、2006年に『長崎くんの指』で小説家としてもデビューし、2016年には『いとの森の家』で坪田譲治文学賞を受賞。これまで、NHK短歌、歌壇賞、角川短歌賞、東京新聞歌壇、山陽歌壇(山陽新聞)などの選者・選考委員を務める。 本書は、「Webちくま」への連載をまとめて2007年に出版され、2011年に文庫化された。 私は、読む本の大半がノンフィクションで、普段は小説(特に現代文学)をあまり手にしないのだが、暫く前から短歌を作るようになり、東さんの第三歌集『十階-短歌日記2007』等を読んで、そのソフトで穏やかな作風の歌(同世代の俵万智や穂村弘とは全く異なる)に惹かれ、本書を手に取った。 内容は、死んでしまった人が、モノとなって大切な人の近くにいられる(そのモノを「とりつくしま」と表現している)という設定で、「ロージンバッグ」となってピッチャーの息子を見守る母、いつも遊んでいた「ジャングルジム」となって母を待っている男の子、孫にねだられて買ってあげた「中古カメラ」になりながら他の人に売られてしまった祖母などを、とりつくしま(=死んだ人)の目線で綴った11の物語である。 読みながら、また、読み終えて、頭を巡るのは、自分だったら何になるだろう、そして、どのような物語になるのだろうということである。私は基本的に、人は死んだらそこで終わりで、魂も死後の世界も存在しないと考えているが、本作品のユニークな設定は、自然に、自分の生(や死)への向き合い方、或いは、身近な人(生きている人も、既に死んでしまった人も)との関わり等を、改めて考えさせてくれるものであった。 「文庫版あとがき」によれば、本作品の各編は、ラジオドラマ、ライブハウス、公民館などで頻繁に朗読されているそうなのだが、それもよくわかるような気がする。 (2022年6月了)

    1
    投稿日: 2022.06.14
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    短歌で知っていた作家で、美しい装丁に惹かれて中身を見ずに読みはじめた。 死を身近に感じている自らの状況から、死後の世界というテーマに怯んだ。精神的ダメージを覚悟し、読むのを辞めようかとしばし逡巡したが、怖いものみたさで少しだけページを繰ると、ダメージよりもむしろ癒しとなって心に染みてきた。 死を目の当たりにしたり、覚悟したとしても、こんな世界が広がるならいくらか心が休まるような気がした。

    2
    投稿日: 2022.06.07
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    人生は様々。 死後も様々。 https://www.chikumashobo.co.jp/special/toritsukushima/

    0
    投稿日: 2022.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一編、一編、楽しみにして読みたくなる。そんな作品だった。 死後の世界なので、寂しい世界だ。でも、言葉が、やさしい。あたたかい。 たくさんの、句読点が使われていることが印象的だった。そのおかげで、言葉と言葉の間に空間が生まれ、噛み締めながら言葉を追うことができる。 「くひんくひん」と泣く赤ちゃん 「ほたほた」とこぼれる母親の涙 こんなにやさしい表現があるのかと驚いた。 「白檀」の、教室のなかに流れる風の描写と、「私 」の静かな祈り。 図書館のおじさんの、想う相手への、祝福を込めた思い。 「レンズ」のおばあさんは、私の中にあった頑固な印象を見事に消しとった。受容の姿勢がすごくよかった。 最後の番外編は、解説を読んでから、もう一度読んでみたけれども、私には「舌の上に残るざらざら」は拭えなかった。もう少し時間を置いて読んだら、違うだろうかと思いながら、棚にそっと戻した。

    1
    投稿日: 2022.03.12
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    題名に惹かれて、ふらっと買った本。 親目線にも、娘目線にも…いろいろな目線で読めて、特に親としての気持ちで読むと泣けてしまいました。 感動する本を読むと、心が洗われる! 友人にもプレゼントしまくっている一冊です。

    1
    投稿日: 2022.03.01
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    短編集で寝る前とかに読むにはちょうどよかったです。日記…よかったな〜私はおめでとうって言えるかな…言える人になりたいなーと思いました笑 つい私だったらなににとりつこうかなーと読みながら考えちゃいますね

    1
    投稿日: 2022.02.21
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    どれも死んだ人を一人称とした短編。だから、どれも哀しい。でも陰惨な感じはしない。それとなくあったかい。 一番最初の「ロージン」、子どもを育ててる身としては泣ける。好きな作品だった。 同じく「青いの」も母にとっては響く作品。ただ、これは私にとっては、あたたかさは残らなくて、むしろホラーみたいな感覚。ただただ、哀しくて苦しかった。

    1
    投稿日: 2022.01.17
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    着眼点はおもしろいと思ったけど、やはり亡くなってからの物語ということで、亡くなってしまったこと自体がもう悲しく、なんかあんまり入ってこなかった。

    0
    投稿日: 2021.12.26
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    「ささやき」私の母も耳があまり良くなく、補聴器つけたからってすぐ聞こえるようになるわけではなく…という状況で読んだら、とても切なかった。泣ける。

    0
    投稿日: 2021.11.10
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    今生きている人生、日常を大切にしようと思える。 「トリケラトプス」「ささやき」「レンズ」がお気に入り。 子供から大人まで様々な視点で、章が分かれている。 いろんな世代の人が読みやすい本。 恋人や夫婦、娘、親。 自分がもし死を迎えることになったら、、 私はお母さんの何かにとりつくと思います。

    1
    投稿日: 2021.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いくつかの作品で泣けた。泣けると言っても前向きな涙。短編小説なのに泣けるって文章がスッと心に入ってきて、シーンや気持ちを想像できるからだろうな。 どの作品も入りが自然で流石だな〜と思った。 好きな作品は、名前 ホームレスのワシの言葉遣いや心の声、きっかけがキモいけど可愛い。 もしも、死後にとりつくしまがあるなら何に取り憑こうかな〜と迷ってしまい、答えがまだ出せないままでいる。

    0
    投稿日: 2021.08.29
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    他人のことを考える余裕がある時に、読む。 もしもこれができたなら、という実現不可な望みが、「とりつくしま」では可能になる。 実は自分の周りのものも誰かのとりつくしまだったりして、と思わせるちょっとワクワク?不思議?な話。読みやすい。

    0
    投稿日: 2021.06.04
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    読書中に初めて大号泣した作品!! 特にジャングルジムをとりつくしまに選び お母さんが来るのを待ち続ける子の話は泣けました! 読み終わった時に、自分は第2の人生を選べるとしたら どんな姿になって誰の近くに居たいかと ずっと、考えていました! 答えはまだ出てません。

    1
    投稿日: 2021.04.22
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    [⭐︎3.5] 老若男女問わず、いろんな主人公が出てくる短編集だったので、読者も共感できる話が1つはあるのではないでしょうか。 自分だったらなににとりつくかな?と考えながらよんでました。 息子のロージン(消耗品)になりたいと言ったお母さんは、潔くかっこいいなと感じました。 他の人は、家族や大切な人の身の周りの長く使えるモノに取り憑いているのに、このお母さんだけ、お互い長く一緒にいすぎたら別れが辛いという理由で消耗品に。 ほろりと来るけど、よんだらほっこりするいい短編集でした。

    9
    投稿日: 2021.04.09
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    不思議な余韻が残るお話でした。 「とりつくしま」を読んでしまうと、身の回りにあるものに、命を感じて粗末にできなくなりました。どの話も引き込まれましたが、ジャングルジムのお話が切なかったです。あと、クスっと笑えるものもありました。

    5
    投稿日: 2021.03.18
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    2020.12.8 心が温かくなる短編集。 死後、「とりつくしま」を指定して、その「モノ」を通してもとの世界を見ることができる。思わず泣いてしまったものもありました。

    1
    投稿日: 2020.12.08
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    サラッと読める短編 読者はみんな「もし私がとりつくしまを選ぶとしたら…」と、考えてしまうのでは。 みんな生前の大切な人を思ってとりつくしまを選びますが、一方方向にしか想えない状況は切なく感じました。

    3
    投稿日: 2020.11.11
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    突然死んでしまって整理がつかない、思い残した、そんな死んだ人にとって嬉しいかもしれないけど私自身にとっては少し辛い猶予を貰える話。 死んだ後にその人の近くに寄り添える猶予。 自分だったら何に、誰に寄り添うのか、、

    2
    投稿日: 2020.09.08
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    単なる涙頂戴ではなく、その人の生きてきた人生を物に託して俯瞰的に見ることができる、そんな一歩ひいた視線が面白かった。

    2
    投稿日: 2020.08.13
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    さらっと心地よく読めました。 感動物語なのかな?と最初は思ったけど、結構強かな想いを感じるものもあってニヤリとしたり。

    1
    投稿日: 2020.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この世に未練ある人がこの世のものにとりついて大事な人のそばにいようとする話。コップにとりついた女の人がベットルームに入っていく旦那と女を見るシーンは胸が痛んだ。男の目になった、みたいなやつ。悲しすぎか~~~~

    0
    投稿日: 2020.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の番外編はなかなか背筋が冷えますが、その他は家族や好きな人などそれぞれ〜したかったひとの近くのモノにとりついて、何もできないけど見守る話。 消えるものもあればそのまま残るものもあり、これからどうするのかと心配になったりします。 短編なので、あとは想像するのみですが、余韻が残ります。

    0
    投稿日: 2020.02.20
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    死を扱っているのになんだか爽やかな印象。 死んで、未練がある人が"とりつくしま"として 何かモノに取り付くことができる。 そこからはなにかに干渉できるわけではないけれど 自分が死んでしまったあとでも暖かな気持ちになれる世界が続いていました。 自分が今、死んだら…なんてこともぼんやり考えたりして。 とても読みやすく興味深いお話でした。

    0
    投稿日: 2020.02.04
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    付喪神、の存在をぼんやりと考えながら、みかんの皮を剥く。かたちあるものは必ず壊れ、失われる。だから、慈しむ。そっと触れる。

    0
    投稿日: 2020.01.12
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    亡くなった人が出会う「とりつくしま係」。この世に未練を残した彼らはモノになって戻ってくる。その「とりつくしま」は人それぞれ。野球部の息子のロージンバック、夫のマグカップ、妻の日記帳、孫にあげたカメラ…。人生のボーナスステージのような時間では、時に見なくてもいいものを見てしまったり、生きている間には見えなかったものが見えたりもする。すぐに役目を終えるモノ、ずっと残っていくモノ、「とりつくしま」を選ぶのはとても難しいように思うけれど、選ぶ彼らには迷いがない。その人にしかわからないそれぞれの人生なのだろう。

    0
    投稿日: 2019.09.27
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    死んだあなたに問いかける。 「何か未練があるなら、 何かモノになって戻ることができますよ」 それぞれが心残りのある人の身近なモノになり、 顔を見て、声を聞き、息づかいを感じ、 触れ合いながら、そばに寄り添う。 話しかけても声は聞こえない。 絶対に話すことはできなくても、 自分の存在が伝わらなくても それでも大事な人のそばにいたい、という 切なすぎる思いに苦しくなるほど この本は、【現実】だった。 どの話も良かったけど、個人的に好きな話は、 「マッサージ」「青いの」 作者が歌人なのがよくわかる気がした。 本を開けば、優しさがほわほわとこちらに 漂ってくる感じ。 句読点が多めに感じたんだけど、 それも好きだったな。 あたしなら「とりつくしま」に選ぶモノ なんだろうな。 お父さんが選んだ「とりつくしま」って なんだろな。 そんなこと考えながら読んだ一冊。

    0
    投稿日: 2019.09.26
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    「とりつくしま」(東 直子)を読んだ。 これ反則だろ。なんでこんなに泣かされなきゃいかんのだ。 そういえば「回転ドアは、順番に」(穂村弘 東直子)でも泣かされたな。 私の中で東さんの短歌といえばこれ 電話口でおっ、て言って前みたいにおっ、て言って言って言ってよ いいなぁ。

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    投稿日: 2019.09.24