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一九八四年[新訳版]
一九八四年[新訳版]
ジョージ・オーウェル、高橋和久/早川書房
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総合評価

886件)
4.2
329
287
144
24
3
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    大分面白かったが、あいも変わらず難しかった。 日本の作品もそうだが、この時代の作品はある種哲学書のような重みを持って物語となっている。 時代が違い社会、環境、価値観が多分に違う中で政治的な社会に対するシニカルな要素が加わってくるので最早世界史専攻をしてないと十全に楽しみ尽くせないのでは、、とさえこの時期の海外の作品は思えてしまう。とりあえず日本も明治らへんのは文学専攻であったがとっつき難くあまり好きではない。 勉強しないとなぁ、、、

    22
    投稿日: 2024.12.12
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    孤独と愛の関係性をより知りたいと思った、孤独は誰しも一度は経験すべしだと思う。 群れることしか出来なかったら愛は分からない気がする。

    2
    投稿日: 2024.12.02
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    子供が大学の授業で読むことになったので買った物を読んだ。なるほどね。個人的に一番面白かったのは附録のニュースピークに関する説明。

    1
    投稿日: 2024.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全463ページとそこまで長くもないのだが、内容が濃くて読むのに結構時間がかかってしまった。 動物農場もそうだが、舞台設定が相変わらず凄い。 そこら中に設置されたテレスクリーンを通して四六時中、ビッグ・ブラザーの目に監視される束縛社会。2+2は5である、白は黒である、と、何事も疑わずに信じるべしという“二重思考“は幼少期から訓練される。自分の部屋でさえ監視の目であるテレスクリーンがあり、たまたま存在した死角の壁の凹で、禁止されている今を残す行為である日記を書くウィンストン。 過去は常に改竄され、ウィンストンが働く真理省では戦争相手が変わると過去の戦争相手に関わる記事を、人が1人蒸発するとその人物が初めからいなかったかのように抹消するなど、一掃修正に追われる。 そして、ジュリアとの密会がバレて捕まるウィンストンは愛情省で拷問され、再教育を施される。 ゴールドスタインの文書は“戦争は平和なり“とは〜という説明タイムなのだが、そうゆう考え方もあるなと面白いものもあれば、これまで読んでいれば分かっているであろうことも改めて長文でかかれているので少し退屈だった。 もし自分がウィンストンだったらとっくに蒸発してそうだが、おそらく自分は全人口の85%を占める下層労働者・プロールだろうし、そうゆう意味では現実でも識字率は高くともある意味プロールに違いなく、それがまた皮肉であるのが良い。 終盤、101号室行き、どうか殺してくれと乞う髑髏顔の男の登場からの、拷問尋問、洗脳、なかなかしんどい。ウィンストンの知人が捕まっているのは笑ったが、そりゃそうだ、捕まらない方がよほど難しい。 思考警察に連行され蒸発、 真理省(報道、娯楽、教育及び芸術) 平和省(戦争を管掌) 愛情省(法と秩序の維持) 潤沢省(経済問題) 二分間憎悪(性欲などの代わりの発散方法) 犯罪中止(懐疑的または反抗的態度を誘発する恐れがある場合、事前に静めるための、自己防衛的愚鈍p324) などのオリジナル用語や世界観が面白い。 戦争は平和である(WAR IS PEACE) 自由は屈従である(FREEDOM IS SLAVERY) 無知は力である(IGNORANCE IS STRENGTH)

    33
    投稿日: 2024.11.18
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     現実の生活に不満を抱いている状態の時、多くの人々は為政者が変われば現状が変わる、と期待して選挙での投票行動等を行う。現代の民主主義国家に生きる私たちはそのような考えを抱くことにあまり疑問は感じない。そして、政治家は共通の考えを持った者たちで結集して「政党」を作るので、政治的意見の違いはイデオロギー対立を生む。それゆえ、現実の生活に不満を抱く人はそれは現行のイデオロギーが良くないのであり、別のイデオロギーによる施政が行われれば社会は良い方向に変わると期待する。  全体主義国家による分割統治体制を舞台とする本作は、かつて反共の象徴として取り上げられたこともあるという。しかし、本作は社会主義や全体主義といった特定のイデオロギーによる統治がディストピア社会をつくり出すことを単純に示したものではない。本作が示しているのは、権力はそれ自体のために追求され、行使されるものであるという「権力」の悪魔的な牽引力であり、本作はその意味でより普遍的な訴求力を持っているのである。  例えば本作では人々は「党中枢」「党外郭」「プロール」といった上層・中層・下層の階層に分かれているが、現実の社会がどのようなイデオロギーによって「支配」されていようと、社会がこうした階層構造をなしていることは誰もが薄々と感じていることであろう。また、過去の記録を改ざんする「真理省」、人々の行動を監視する「テレスクリーン」、言語そのものを単純化して批判的思考の可能性を奪う「ニュースピーク」、さらに言えば、本作において決定的な意味を持つ「二重思考」等は、たとえ民主主義国家であっても実行される可能性を十分に感じられるであろう。一度権力を求め、それを手にした瞬間に、権力の目的は権力それ自体を維持することとなり、そのために行われる施策は多かれ少なかれ同じような形態を取らざるを得ない。本作はその有り様をデフォルメして示しているに過ぎない。本作を読んで得られるこうした感覚は、いかなる形であれ「権力」を意識し、あるいは触れたことのある人であれば理解できるのではないだろうか。「権力」をもってなされる統治が程度の差はあれディストピアをもたらすことが避けられないのであれば、せめて私たちにできることは、「魔力」としか言いようのない権力の本質に自覚的であることくらいであろう。  作者オーウェルはこのような救いようのない世界を徹底した筆致で描き出す。しかし、付録にある「ニュースピークの諸原理」において、完全に希望を捨てているわけではないことも示されている。  このように本作は思想的インパクトが大きいが、文学作品としても十分に楽しめるものである。主人公のウィンストン、恋人となるジュリア、そして重要人物となるオブライエンを中心として展開される物語はエンターテイメントとしても十分に魅力的であり、本作を格調高い教養書とみなして敬遠するのはあまりに勿体無い。時代や国境を越えて多くの人に読まれるべき作品であると思う。

    1
    投稿日: 2024.11.15
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    理解不足なところもあると思うけど、、、 二重思考っていう欺瞞に満ちたイデオロギーが支配する鬱屈とした世界観がベースになった話で、終始息が詰まるような感覚で読み進めた。 あとがきでかなり理解が進んだ。

    3
    投稿日: 2024.11.13
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    すごいものを読みました。ここまで夢中になって読んだ本は久々です。語り継がれる名作はやはりすごい。 政治的イデオロギーの理解があると、よりオーウェルの表現したかったことがわかるのかもしれません。解説をよんで深まった部分もあるので、全てを理解しきれていません。 1番印象深かったのは、思考の統制のために、言語を創造し、記憶という概念を消滅させること。言語の可変性(なんか言語学の言葉があった気がするけど、忘れちゃった・・・)が思考の世界を広げ、記録が世界の記憶として受け継がれていくのだと、そしてそれが保障されている現代の美しさ。(本当に保障されているか、具に見ればそんなことないけど) そして、ただ権力を持つということのために権力を希求すること。これはあんまりよくわかりませんでした。権力を持つということが至上命題となりえるのか?権力を行使した先の行動が目的地たりえないのか?これはきっと私が権力を持ったことがないからで、確かに今の政治家の行動を見てみれば、そうなのかもしれない。 絶望的なエンディングの中で、「ニュースピークの解説」が、ウィンストンの祈りの先を暗示しているようです。 現実離れした設定と思いきや、インターネットや監視カメラ、AI、さまざまなテクノロジー、そして、昨今の大衆の、政治の思想の動きの中で、私たち「プロール」の行動次第では、夢物語と断言できない恐ろしさがあります。 高度に哲学的だったので、もっとメモをとりながら読んでいけばよかったと後悔しました。 戦時中の日本国民は二重思考の実践者だったのだろう。突飛な概念に思えたけれど、こうゆうことか。

    1
    投稿日: 2024.10.19
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    訳者あとがきによると、イギリス人の「読んだふり本」第1位がこの『1984年』だとか。近年でもトランプ政権の誕生やコロナ禍、IT技術による監視社会化など、事あるごとにオーウェルが引き合いに出されがちだ。 そうしたこの上ない「権威」を与えられた小説としては、かなり面白い部類に入る小説。ことに第1部、第2部のいわば「起承」に当たる部分は、教養のためなどと言い訳せずとも娯楽として純粋に楽しめたほど。 テレスクリーンによる行動監視は今日ではあまりにも有名だが、公用語「ニュースピーク」による思考統制のアイデアが「倍超良い(doubleplusgood)」。言語をあえて乏しくすることで人々の思考能力を奪うという、バカバカしくかつ空恐ろしい試みである。 ここまで徹底的なものは創作でも現実でも他に例を知らないものの、戦時下の敵性語排除や、コロナ禍の三密やらソーシャルディスタンスやらの都合のいい言葉で煙に巻く風潮にはこれに近いものがあるだろう。他にも真理省〈ミニトゥルー〉に〈二分間憎悪〉、〈反セックス青年同盟〉など気の利いた風刺がたくさん。 もっとも「転結」に当たる第3部は、さすがに娯楽として読むには無理があった。オチが見えてからが冗長というか、哲学的な議論めかしているがそういうことじゃないんじゃないかと思った。 とはいえ総評としては、「読んだふり本」にしておくには勿体ない面白さ。肩肘張らず、ブラックユーモアを楽しむくらいのつもりで手に取ってみてはいかがか。

    2
    投稿日: 2024.10.10
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    政治的な知識が無さすぎるのも多分あって難しかった。分かったのは、こんな世界にはなって欲しくないし、こんな、事実が捻じ曲げられて今ある現在が全てでそのために捻じ曲げられる過去の記憶が元からないものとして扱われる世界になったとしたら、それに反抗して自分は真っ先に殺される部類なんだろうなということ。 高校生の時とかの方がよっぽど、受験やらで政治とか日本の動向に嫌でも興味持たされてなんとか知ってたこともあったけど、今じゃ総理大臣が変わったことさえ人づてにああそうなんだで済んじゃうしその政策とか方向性を知る由も興味もないのが大多数の若い世代なのではと思うと、国の中心にもう少しは興味持たないといけないのかなとは思ったけど現実問題興味湧かないよねって考えさせられました。

    2
    投稿日: 2024.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スターリンがモデルというか、発売した頃は読んでる人もスターリンを思い出したのだろうけど、 最近読んだ人の多くは、北朝鮮を思い浮かべるんじゃないかなー。 二重思想ってなんでもあり、若しくは権力を持った人の匙加減のような。 だから、権力は神なのかー。 にしても、最後は悲しかったな。 嫌いな人の名前出せば良いのに。 って言ったら、物語にならないか。 もっと、言葉、政治、歴史を勉強しないとなと思った。 圧倒的知識不足を感じた。

    1
    投稿日: 2024.09.18
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    日本では無名に近いが、第三次世界大戦後に起こるかもしれない独裁国家の統治を描いた名作です。一回読む価値はあると思います。 特に作中に出てくる二重思考なんかは、家族のことで辛い時に思い出して自分も実践しています(親は年齢と年収の差だけで威張ってすぐ怒ったりコロコロ予定を変えるろくでもない人と思いながら、数々の偉業を残した天皇や教皇より上の存在の人と思うなど)。

    0
    投稿日: 2024.09.15
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    気まぐれにディストピア月間なのだが、2冊目。誰もが知るディストピア小説の金字塔。 世の中にはディストピア的設定は山ほどある。ただ、多くは肉体的、物質的な制限を加えられたディストピアが設定として与えられる。 物質的な欠乏について、それを文章として表現するのは(恐れ多い言い方にはなるが)比較的楽である。 この小説が素晴らしいのは、認識的、哲学的、デカルト的なディストピアを余すところなく記述している点に尽きる。 物質的な貧困よりも、精神的、知的な貧困がどれくらい怖ろしいことであるかを我々に知らしめる。 そして各所で語られており、私が今更言うことでもないのだが、この思想的ディストピアが本作品が世に出てから1世紀近く経った後にまさに現実になろうとしている先見性に、かの作者の頭の良さを感じざるを得ない。すごい。本当にすごい。 思考および思想は自由である。ゆえに、この作品を読んだ人がどのように解釈しようがそれも自由である。 ただ、その自由はまさに貴重なものであり、私は是非皆にこの作品を読み、自由に思考を巡らせて欲しいと思う。 それこそがこの自殺的予言を回避する唯一の方法なのだと、改めて感じる。 自分の頭で考えること。

    23
    投稿日: 2024.09.15
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    当時の社会的背景は勿論として、事前に色々な知識があるかによって深さも変わるかと。 私には「恐ろしかった、救いがない」とかの浅い感想しかでないのがなんとも…

    1
    投稿日: 2024.09.07
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    今まで読んだ小説で1番怖かった。 何がって、この先いつかこういう世界がくることもあり得なくはないと感じつつ読んだから。 そして自分でも都合よく二重思考を取り入れてることがあるのでは?と思った。誰もいないところで派手に転けたけど自分の記憶を改ざんしたらもう実際に何もなかったことにできましたもの。 友達に盛って話してることだって気付いたらそっちが事実と認識してることだってあるでしょうよ。 とにかくこんな体制の世界に一度でもなってしまえば脱却は難しそうですが、でも結局この体制にもっていくのがまず無理な話と思われますね。 ちなみに私は頭がungoodなので他の本より読むのに時間がかかりました笑

    1
    投稿日: 2024.08.31
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    ヒトラーやスターリンと言った独裁政権や社会主義、共産主義など、そう言った体制への批判のような、政治色の強い内容だった。 1940年代にテレスクリーンや音声入力など、ここまでの描写を先見性もすごいなと感じた。 80年も前にこの本に出会っていたら、それこそすごい衝撃だったのかもしれない。

    1
    投稿日: 2024.08.20
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    2024/08/10〜2024/10/18 『動物農場』は大学生の頃に読んだが、本作は読もう読もうと思いつつずっと読まぬまま30代半ばに達してしまった。 読むべき名著の内の一作として語られることの多い本作だけど、俺にはあまりハマらなかったかなぁ…… あと100ページくらい縮めたらもっと面白いかも。 ≪表現≫ P308 最上の書物とは、読者のすでに知っていることを教えてくれるものなのだ、と彼は悟った。 ≪単語≫ しぎ【仕儀】 事のなりゆき。次第。事情。 「…の―に立ち至る」
 光背 仏像、仏画などの仏教美術や、キリスト教美術などにおいて、神仏や聖人の体から発せられる光明を視覚的に表現したものである。 P25 仮借 許すこと、見逃すこと P431 謬見 間違った見解、意見

    0
    投稿日: 2024.08.10
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    ディストピア小説の金字塔。 これまでの読書歴で最も冷酷かつ残酷な作品だった。しかし、読み始めると先が気になって読む手が止まらない。そんな不思議な魅力を持った作品。

    11
    投稿日: 2024.07.30
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    戦慄の名作。3つのスローガンの意味と世界観を本当に味わった時に背筋が凍る。真実が虚構になり、虚構が真実になる世界は、そんなに遠い話ではない。

    6
    投稿日: 2024.07.30
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    ずっとこの本を読むことに挫折し続けてきたが、やっと読破することができて嬉しい。 話の大まかな流れはわかったが、見落としている細かな部分がありそうな気がする。 誰かの解説を見てみようかなー

    1
    投稿日: 2024.07.29
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    想像していたSF小説の感じと違っていた。洗脳や監視、国家間の戦争が続く個人の自由のない世界で、不倫をする男女の話。2人は見つかり投獄、矯正される...ちょっと古いかな。古典らしいかな。

    1
    投稿日: 2024.07.23
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    長いので、読み切った、達成感と満足感があった。 今から、75年前の作品とは、思えなかった。 洗脳、監視社会の怖さを、感じた。 ジョージ オーウェルの他の作品も読んでみたいと思った。

    1
    投稿日: 2024.07.22
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    ディストピア社会のつくりかたを書いた恐ろしい一冊。『寡頭制集産主義の理論と実践』が登場してから、物語の密度と恐怖と不快感が一気に高まる。 ただの物語として片付けられない重たいものを残していく一冊でした。

    2
    投稿日: 2024.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

     読んでいてここまでするかという具合の圧倒的な支配が行われていた。もともと一般的に知られている事柄や党が掲げていた政策が実現困難だとなるとその政策を載せているすべての書物、テレビなどを回収、削除、処分し新たな実現できそうなものに書き換え再販する。また、「テレスクリーン」という監視カメラで動き、表情、だれと会っているか、会話など四六時中監視されている。これらに加え党員には「思考警察」というものが存在している。これはなにか反政府的な思考をしていないかを監視するためのモノ。これらを犯せば尋問、拷問、蒸発の対象になってしまう。もちろん蒸発してしまうとその人は過去に存在していなかったことになるのですべての事柄から文字通りの「蒸発」をされてしまう。また、「ニュースピーク」と「二重思考」という単語が良く出てくるがこの2つも完全なる支配下に置くために必要不可欠なものとしてあらわされている。  すこしネタバレもあるが大まかな内容で分けるとこの本は、ウィンストンが反政府を掲げてからジュリアと出会うまでとウィンストンが「思考警察」に捕まってからの2つにわけることができる。前半部分を読んでいる際は、物語の中ではウィンストン自身は捕まることを覚悟して反政府的な生活を起こっているが読んでいる身からするとそんなことをすると捕まるのでは?とドキドキしながら読んでいた。しかし後半の部分では恐怖を感じたり想像を絶するような内容だった。あらゆる拷問をかけ政府の思うような人間を作り上げていく。「人間とは?」、「そんな世界に生まれてくる意味はあるのか?」と悲しくなった。  私もそうだが周りに後れを取らないようにと常にSNSを見ている人が多いと思う。「テレスクリーン」のように直接監視されているわけではないがSNSに支配されていると考えると似たようなものかなと感じる。また、SNSを見ているとフェイクニュースもよく流れてくる。昔学校で習ったり人に聞いたことと違っていてもなぜか信じてしまうこともある。これもこの本で出てくる「二重思考」によく似ていると思う。この本のような社会が現実にならないようにもすべての物事に対して思慮分別できるような大人になりたいと感じた。  1949年刊行の作品であるのと外国の作品ということで日本の作品と感じが少し違い難しいと感じることはあると思う。しかし、物語としては面白いし色々考えさせられるため読んで本当に良かったと思った。

    1
    投稿日: 2024.07.11
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    「彼らを憎みながら死ぬこと。それが自由だ」 今こそ読むべき本だと思った。 政治的思考だけでなく愛も抵抗になるという考えが自分にとって新鮮だった。でもよく考えてみると確かにそうだ。

    9
    投稿日: 2024.06.26
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    とうとう往年の名作を読み終えたという満足感がある。文学的にはこの結末が良いと思ったけれど、体制を打ち崩す展開でエンタメ化したら絶対ウケる。

    2
    投稿日: 2024.06.23
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    絶望的になれる本。毎日の当たり前の習慣をよく考えると洗脳だったということはリアルにもありそうで怖い。私利私欲にまみれた独裁者による政治が行われるとこうなるのかと勉強になる一冊。

    1
    投稿日: 2024.06.22
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    恐ろしい内容だった。社会主義が浸透したらこんな風な社会になると思ったらゾッとする。過去は改変可能になり、党が言ったことが事実となる社会や、単語を減らしていき思考の範囲を減らそうとする社会、常に監視されるような環境を作り家族までもが監視員として働く社会が描かれており一時も心休まる時間がないなんてとてもじゃないけど耐えられん。 本書にあったけど知性のある狂人が一番厄介なんだな。

    1
    投稿日: 2024.06.21
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    今から75年前に書かれたとは思えないほど先見性があったのか、それとも人の精神面が当時と比べて殆ど成長してないと言えるのか?いずれにせよこの小説に書かれているディストピアは現代でも存在している様に思われる。白を黒と言わされ、2+2を5と言わされ、過去は現政権の都合のいい様に書き換えられる。アマゾンエコーやペットや赤ん坊を遠隔監視する仕組みなどは、正にテレスクリーンと同じではないかと思ってしまった。この小説は、本当の自由を知らない究極の監視社会の絶望感に溢れている。人の尊厳など何処にもない。権力者が自らの保身の為に作り上げた非情なシステム。読んでいて絶望感に苛まれるが、とても面白く先が気になって仕方がなかった。

    9
    投稿日: 2024.06.18
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    人間や権力の恐ろしさを痛感 言語、思考、情報のコントロールが人の記憶や心も奪ってしまう究極のディストピア 当たり前にある自由とは何かを考えさせられる名著

    1
    投稿日: 2024.06.16
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    LEDがある。相当長持ちだ。近い未来に永遠に壊れないLEDが作られるだろう。そして、LED業は廃れ、この世から姿を消す。 しかし、実際はそんなことにはならない。 何故かって? それはこの本を読んでみれば分かる。 絶対に訪れる全体主義的近未来の恐ろしさの片鱗を知る。

    1
    投稿日: 2024.06.13
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    初めてのSFになんと重厚なものを選んでしまったのか。。 とにかく重い感じでした。 ただ、読了後の感想は面白かったの一言。 名作です!SFを読みたい人は必ず読むべき! そしてこの世界はすでに起こっている。

    2
    投稿日: 2024.06.07
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    これまでそうされてきたように、これから先もずっと事あるごとに引き合いに出されるであろう名作。第二部でかなりがっつり恋愛物語をやってるのが意外だったが、たしかに人間性が失われる社会に反旗を翻す契機があるとしたら、それは確かに恋人との世界の中なのだろう。そして核心をついていくのは第三部。個人的には「権力のための権力なのだ」という言葉が印象的だった。人間性を削ぎ落としていくことで”全体”は幸福へ向かう。全体のための個人ではなく、全体のための全体。人間が社会的動物である以上避けられない末路なのかもしれない

    5
    投稿日: 2024.05.23
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    うん、最悪の読後感ですね(褒め言葉) 監視が隅々にまで行き届く社会に疑問を抱く主人公が、美女と恋に落ち、反政府活動に惹かれる…とここまでは定型的なのですが… 終盤共感できる主人公の発言が尽く論破されたり、美女と再開したのにあんな事になるとは… 読んでいて恐怖、屈辱、吐き気にも似た胸に広がる黒い粘ついた感覚 ある意味読者にここまで思わせるのは…流石ジョージ・オーウェルの最高傑作だな、と そして監視が行き届き、歴史が改ざんされ、矛盾が政府によって認められるこのオセアニアの世界が未来に訪れないとは全く言えない 寧ろ、インターネットの登場などの技術の進歩によって現実可能な未来の一つにカウントされてしまうんだなと思うと…何か怖くなりました 無関心はよくない それを許容すると愛する人すら守れない …読後感は悪いです。最悪です。 でも、間違いなく近代文学の傑作です 是非、じっくりと読んでみてほしい

    3
    投稿日: 2024.05.21
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    長いので何日もかかったけど、長い分だけディストピアの世界にどっぷり浸かった。 人々はテレスクリーンと呼ばれる装置で、生活や思想を24時間監視されている。家族でさえもお互いを監視していて安らげる空間はない。 思想までも奪われる自由のない世界に息が詰まりそうになる。 もしこんな国に生まれたら、生まれてきた意味はあるんだろうかと考えてしまった。 実際にこれと似たような国があると思うと、急に現実味を帯びて怖くなる。 洗脳されていく心情の過程が詳細に描かれている。心理学が好きなので、人はどうやって洗脳されていくんだろうという事に興味があった。 「101号室」で行われる最も怖い拷問は、肉体的なものではなく、精神的に人間の尊厳を破壊させること。 ネタバレになるから書けないけど、この時に叫んだ主人公の言葉が衝撃的だった。 こんな拷問を受けたら誰もが主人公のようになる。 そして、最後の1行で本当の怖さを知った…。 自分はこの本の世界観を非現実的なものとして楽しんだ。本を閉じればこの怖い世界を終わらせることができる。 でもこの世界が現実である国の人達は、怖くても生涯終わらせることができない。 『党が2+2=5と言えば、それを信じなければいけない』 読み終わった後も、リアルでこの世界に生きている国の人達のことを考えてしまう。 頭の中でその事がずっと気になってしまって、次の本になかなか進めない。 ★10 Audibleにて。

    100
    投稿日: 2024.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暴力はただの手段で、その最終的な目的は憎悪による世界だった。ウィンストンは暴力や屈辱に負けて、結局は党に屈したのだ。そして最後に勝利、誰かへの権力増加によって、喜びを感じ、ビックブラザーを愛するのだった。党の目的としていたような人となった。彼らは権力を保つために全てを行い、権力を及ぼすことを生き甲斐にしている...

    2
    投稿日: 2024.05.09
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    2024年の自分への課題図書。 図書館所蔵の旧版で読了。 なかなか読み進められず しかも頭に入ってない部分多し。 いずれまた新訳を再読しよう。 解説も読みたい。 1984年という年がなぜ選ばれたのか わからないままだった。 1946年に執筆開始。 政治や思想への関心が低下している現代 資本主義がより巧妙なかたちで社会を操作している のかな。 「党の世界観は、それを理解できない人たちに 最も巧妙に押し付けられていたのだ」

    2
    投稿日: 2024.05.07
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    本当によくできたディストピアの設定。愛ではなく憎悪を基本とした、永遠に未来がなく、過去が改変され、現在だけが続く世界。イングソック、二重思考、ニュースピーク、ビックブラザー、テレスクリーン、思考警察などの仕掛けは、非現実的ながらも、そういう世界線もあったのかも、と思わされた精巧な設定

    2
    投稿日: 2024.05.07
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    普及のSF小説。何故か世の中が不況になると売れる本。 今読むと古臭く、後半の方では物語が破綻しているが、この本の初版はなんと1949年。 監視社会は今の防犯カメラ、情報統制はSNS。そんな今を70年も前に考えついているこの発想力とデストピア。色褪せない魅力を感じさせる1冊です。

    2
    投稿日: 2024.05.01
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    2024年、8冊目です。 2024年1月以降に、サイトへの登録が上手くいかず、 読了した本を登録できなかったので、まとめて登録する。

    2
    投稿日: 2024.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1949年に刊行されたイギリスの作家ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説。主人公ウィンストン・スミスは国家によって徹底的に監視・統制された社会で、歴史の改竄をする従順な役人として暮らしながらも、社会に対する疑問を強く意識するようになっていく。 巻末のトマス・ピンチョンによる解説は鋭く要点をついていて、この救いのない物語の理解に大いに助けになった。 殆ど予備知識なく、監視社会が舞台のSF小説くらいの軽い気持ちで読みはじめたので、ここまで重い内容だとは思ってもみなかった。それでも最後まで興味深く読めたのは、この小説が単なる反全体主義、反共産主義のSF小説ではなく(未来の予言でも断じてなく)、人間の弱さや脆さ、人間社会の残酷さなどの根本を描いているからだろう。名作が時代を超えて読まれるのは普遍性があるからだが、この小説が持つ肉体的な痛みや快楽、圧倒的な暴力のイメージは、なかなか古びることはなさそうに思う。 普段我々が眼にするような娯楽作品は映画にしろ小説しろ何かしらの救いが示されているものだが、この小説は完膚なきまでにそんなご都合主義を叩き潰してくれる(一応、巻末の付録の部分がこの狂った世界が過去のものになったことを暗に示してくれてはいるが)。途中で兄弟同盟が助けにくるのでは?という読者の期待は最後まで叶わない。完全なる個人の敗北。ここまでやる必要がなぜあったのか考えさせられる。 書かれた時代も戦後すぐで著者が社会主義でリベラルということ、結核を患っており(執筆を9ヶ月休まなければならないほど)、著者にとっても精神的にも肉体的にも辛い時期だったと思う。肉体的な痛みが精神にどう影響するかを実際に感じながら執筆していたのではないか。特に第3部は恐ろしい執着心を感じる。もしかしたら自らの生への執着に、自分でも驚いたのではないだろうか。戦争のあまりの悲惨さに、暴力の前ではどんな思想も志も無力だと悟ったのだろうか。それとも口では平和を謳い、体は権力争いをする政治家の二枚舌、『二重思考』に対する激しい怒りだろうか。 何度も登場する童謡の歌詞、党のスローガン、テレスクリーンから流れるプロパガンダは、読者に催眠をかけるようでもある。また美しいものと醜いものが、善と悪にそのまま書き分けられているのもあまりにも意図的すぎる。あくまでこの小説はフィクションであり、『動物農場』のように構造をわかりやすくした寓話的小説として描かれたように思う。 解説に書かれていたように、この小説が共産主義への憎悪を掻き立てる“あの本”的に利用されているのは皮肉だ。政治的な単純な構造として読まれてしまうのは、かなり勿体無く感じる。読み方次第では薬にもなる毒だと思う。近年の政治家の発言や、IT技術などを予言しているという見方は、分かりやすい構図ではあるが適切ではない。もっと大きな視野を持った、人が生きるとは何かの切実な問いだと思う。 徹底的な残酷さを描いたうえで、どう生きるかを問いかけてくる。物質的に破壊されるよりも、文化的に破壊される方が恐ろしい。生活は効率ではない。豊かさは生産性ではない。 どんな理想的な国家でも一度戦争が起こり、銃を持った兵士が侵略しにくるとなったら、撃ち返さざるをえない。昨日まで平和主義だった民衆は銃をとって強力な指導者を求める。ウクライナの報道から感じる虚無感。人間の弱さは変えられない。それでも諦める訳にはいかない。別にウィンストンのように心まで破壊された訳ではないのだから、どんな時代になっても何とか正気を保って生きなければならないなと思わされた。

    3
    投稿日: 2024.04.30
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    なんか有名だったので読了。 めちゃくちゃ好きな作品だったのでもっと早く手を出しておけばよかったと若干後悔すらしている。 このお話のタイトルは1984年だが今現在行われている政策やブームにも近しいことが言えるのではないかと思えることが多く、ビックブラザーも私たちが特定の「なにか」として認識していないだけで着実に私たちの過去を歪めていっているのではないかと思った。 個人的に特に気になったのは『反セックス主義』と『ニュースピークによる言葉の短縮』の2つ。 『反セックス主義』では快楽の為の性行為を禁止し人工受精を推奨していた。作中でこの政策によって起こっている取り上げられていたのは「性欲の不解消による鬱憤を特定の人物・物への敵対行動に向けさせることで大衆をコントロールすること」だったが、私はそれともう1つ「家族という繋がりを薄めることで行方不明者への関心を削ぐこと」があると考えた。党は不都合な思考をもつ人間を行方不明にし「もともといなかった」ことにするが、もし人と人との関係が濃いと消えた人間に関係のある人間がその人が消えたことに執着し捜索をはじめてしまう恐れがある。人間の関係を希薄にするということは悪巧みをする人にとって都合の良いことであり、現在も同じことが起こりはじめているのではないかと私は考えた。 『ニュースピークによる言葉の短縮』では既存の語彙を破壊し簡単な語彙のみに絞ることで思考することを抑制しようとしていた。これは現在の社会でも若い世代の子たちが「エモい」「卍」「アツい」といった複数の意味をもつ言葉を使っており、私はこれらが一部の若者のみに流行っているため今は問題ないがこれらが老若男女問わず使いはじめると同じ現象に陥ってしまうのではないかと考えた。 現代においても問題提起が出来る上に世界観も素晴らしい為とても面白い作品だなと感じた。 あと、読んでる最中にずっと白髪のおじいちゃんが脳内でヤイヤイと叫んでた。

    5
    投稿日: 2024.04.21
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    完全に監視されて、自由のないディストピア。 架空の話と分かっているのに、ときどき、現実と地続きのように感じて怖くなります。暗くどんよりとした中で、小さな彩りを希望と信じて読み進めました。

    3
    投稿日: 2024.04.17
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    情報統制、そして思想までを統制するのは、現代でも起こりうる話だと感じた。 誰もが違和感を覚えておかしくない、覚えているのかもしれない、でも皆何も気にしない様子で従う。そんな中誰ともその思いを共有できないのは恐ろしい。 圧倒的な服従とは、最後の最後で描写されるのが圧巻だった。

    3
    投稿日: 2024.04.15
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    監視社会という世界に抗うことができるのか。 人間らしさとは? そんなことを問いかける名作。 この時代に現代を予兆するこの世界観を作り出す筆者の先見

    2
    投稿日: 2024.04.10
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    1984年を遙かに過ぎた現代でも全く色褪せない。 むしろ、情報化社会の現代でこそ気付ける示唆に満ちている。

    2
    投稿日: 2024.04.02
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    この世界が今とどれほど違うと言えるだろう。 民主主義であるから違うと言えるだろうか? 世界で戦争は無くならないし 政治家を選ぶ選挙はしても、官僚や法律を決める権利は 私たちにはない なんで税金が増えたり、減ったように見えたり 公共料金が上がったり 給料上がらないのに それでも、景気が上がってきてると言われたり NISAの枠緩和も、ほんとに私たちのためなのか? それを、一様にいい、悪いとメディアも煽る もし、それがすべて誰かの 今のこの国の上層の思惑ならば 本当に怖い。 少なくとも、私には疑うことはできても それを壊せる頭がない。 事実、考えることもあきらめ 仕方ない、なるほど、それがいいのか、悪いのかと 判断を煽られてる。 この本の内容が、もっと広く知れ渡り 民主主義とか社会主義とか そんなくくりのいい悪いじゃなくて、 本当の平等や、自由 本当に戦争をなくす方法を考えたい。みんなで。 逆に、テクノロジーの進化した後のSFのディストピアのように、地球であーだこーだ言えなくなる未来になる前に。 とても哲学的で、SFと思って読み始めたけど 人類学的でもあり、社会学的でもあり 歴史学的でもあり、文学的でもあり ホラーで、SFでもあるとかんじた。 ちなみに、 第1章では、これでもかと、時代背景、世界観を描く。 しつこいと思いつつ読むけど、そこまで憂慮していたのではないだろうか。当時のオーウェルが。 第2章は、物語的に光。 そして、第3章。光からどん底に落とされる。 だからこそ、この物語が真実味をおび、 恐怖を感じ、心に残るのだと思う。 万々歳で終わらないから、小説としては成功だろう けど、 私的には、ひどくしんどかった。 もう開かないかもしれない。 動物農場の方が、優しく問うてくれる。 でも、読んでよかったと間違いなく感じてます。 SFの部類に入ってるのですが 思ったのと違って、今でも十分通用する 小説です。

    14
    投稿日: 2024.03.25
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    スターリニズムをモデルとしてディストピアにおける社会風刺、洗脳過程の傑作。ただ、この本の(一部の)読者が「現代はまさに『1984年』の世界だ」と宣ってるのが鼻につく。それが本当ならそんなこと言えないよ。一からこの本読み直せ。

    2
    投稿日: 2024.03.24
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    1984年、読み終わりました!やっとなんとか、読み終わりました、と言ったところです。時間がかかりました。この本を1日や2日で読み終える方、心から尊敬します。話しの内容としては、評判通り素晴らしいものだと思います。原作は75年前?とかそれくらい以前にも関わらずこの内容を書けている点が高い評価を受けている要因の一つですね。まさにディストピアの脅威が伝わる作品であり、今現在これに近しい状況にある国はあるわけで、日本も例外的ではなく、技術やITの進化とともに民衆が気付かない中、国や政治が足を踏み入れてしまう、もしくは既に足を踏み入れている領域があるやかもしれません。どういった主義を唱えて実行する国であっても階級的なものは必ず存続するわけで、民主主義でも当然例外的ではないわけです。現在の日本から見れば、本作のディストピア像は極端ではありますが、そういう考え方や世界が単純なSF世界の物語という事で終わらせてはいけないというメッセージであると感じました。恐ろしやーです。 ただいずれにしても本作、あくまで私個人の印象としてですが、大変読みづらかったです。唐突に出てくる言葉や、あまり日常的ではない日本語(単語)、文章の作り方など。。。私が普段読みやすい本を敢えて選んで読んでるのかもというのと、翻訳作品を普段あまり読まないので慣れていないせいなのかもしれませんが、、、もう少し読みやすい翻訳に出来ないものですかね。という点で⭐︎3つ止まりとしました。

    38
    投稿日: 2024.03.24
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    人間の尊厳がこれでもかというぐらい踏み躙られる。未来予想として当たっているなどの視点は一旦置いておいて、その踏み躙り方は呵責がなく、一読に値する。 言語、記憶が管理され、内面が操作、誘導される様は本当に恐ろしく、これらの外側の社会(プロール)は経済的には過酷かもしれないが、精神的にはユートピアだ。 絶望を描いたとされるが、利己心から相手を裏切る際の良心の呵責は温存できることも描いており、人間性をすべて奪うことは不可能であることも描いた傑作でもある。

    3
    投稿日: 2024.03.04
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    世界観の作り込みが面白い。 言語を奪われる事の恐ろしさ。 ただ、新しい言語が施行されても、結局時の流れと共に人々のコミュニケーションが交わされる中で新しい語彙、用法共に増えていき、言葉をそのままに留めておく事は不可能であろうという確信。 オブライエン(主人公に党への反抗を持ちかけると見せかける奴)が何故か印象に深く残る。人物描写の為か。魅力的。

    3
    投稿日: 2024.02.29
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    めちゃくちゃ面白かった…。 自分たちの世界は民主主義と思い込んでるがここで描かれてる監視社会の社会主義と何が違う? ニュースの情報を何も考えずに受け取っていないか?何も疑わずにSNSの情報を受け取っていないか? スマートフォンやテレビなどSNSからの映像やニュースの映像を見て他国、他社に憎悪を向けていた人たちとここで描かれてる人との違いはあったか? 今の世界と重なる部分が多く非常にゾッとした

    3
    投稿日: 2024.02.15
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    海外文学っぽい読みづらさはあるけど、設定は現代にも通ずる監視社会。 そういう終わり方するのね〜ってなりました。

    6
    投稿日: 2024.02.13
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    現在読書中ですが、まさに現代の社会を風刺しているような内容です。この本が書かれたのは今から80年ほど前で、当時のソ連をモデルとして描かれているようですが、まるで現代を透視していたのかと思えるほどです。ジョージ・オーウェルが警告した全体主義の社会がすぐそこまで差し迫っている、いや、もうすでに私たちはその渦中にいるのか。私たちはこれからの社会をどのように生きていけばよいのか、歴史の真実とは何なのか。今一度改める時が差し迫っている、そんな本です。最後まで読み進めていきたいと思います。

    1
    投稿日: 2024.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    監視社会、全体主義の管理社会のなかでのディストピアを描く。主人公は最後の人間(自分の意志で考える人)であり、この社会においてとても危険思想の持ち主である。その思想がこの社会にばれたら? 自由思想を奪われ洗脳されることが正しい社会って自分が知らないだけで本当にあると思う。もし自分がその国の住人だったら?いままで考えたことがない想像ができた。

    0
    投稿日: 2024.02.08
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    こういう有名だけど長くて手を出しにくい本を、自分は読み切れるかという腕試しのつもりで読んだ。 内容が社会に与えた影響は確かに考えさせられるが、それ以上に単純に物語として面白かった。 どうなるのかと一気に読み進めてしまった。

    0
    投稿日: 2024.02.03
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    有名なディストピア小説ということで読んでみました。 最初はとっかかりにくいかもと思ったけど、ベストセラーになるだけあって、読み進めていくうちにその世界に没入できてやっぱり面白かった!こんな世界にならないようにしたいですね…

    1
    投稿日: 2024.02.03
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    恐ろしい。 小説内でおきた出来事や社会システムは、現在の世界でも起きているだろう。また、このようなディストピア世界に陥らないよう、様々な視点から物事を俯瞰することが大事だと考える。

    0
    投稿日: 2024.01.31
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     ディストピア小説。近未来を予感させるような生活。そして、管理社会で禁忌を犯した恋。拷問と洗脳。そして、ラスト。  もの凄く先が気になり、同じくらいにもう読みたくないと思わされ、読んでいてエネルギーを使い果たして疲れたと感じるハードな小説。きっと、この話は一生自分の中に残るんだなとおもわされました。

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    この本で描かれる世界____自分の家にいても会社にいても、ずっと監視されている。好きな時に好きな人に会えないし、人としゃべるのも制限を受ける。食べ物も灰色のペーストみたいなシチューで全然おいしそうじゃない! こんな世界でも、人々は指導者を崇拝しひたすら国のために生きている。 人間が簡単に洗脳されることも、この世界が現実にありえそうだということにも怖くなる。 最後の一行で背筋が凍った…。

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    ジョージ・オーウェル「一九八四年」読了。ディストピア古典SF。ビッグブラザーによる徹底した全体主義社会。その中で暮らす主人公が様々な束縛から解放へ突き進む姿に、自由に対する根源的な欲求の力強さがあった。ただ、その結末に思考を放棄する事の恐ろしさを感じた。

    6
    投稿日: 2024.01.16
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    全体主義のおかしな世界、恋愛、心の破壊。創作と分かっているのだが、どうしても現実を描いている感じがして仕方ない。記録を常に書き換える、言葉を消していく、そうすると、記憶がよって立つことができなくなって、いろいろなことがぼんやりとしてしまう。「ぼくたちはもう死んでいる」というけれど、そもそも生きたこともなかったのでは。人格破壊は意外と簡単なのかもしれない。

    7
    投稿日: 2024.01.12
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    党による独裁国家を描いたディストピア小説。 上層部が権力を維持し続けるには、賢明な国民に支配層の無能がバレないように、できる限り国民を愚かで貧しく(忙しく)しておく必要がある。 その目的のために、極限まで語彙を削った新言語を設計し、国民の思考の幅を狭めようとするのが面白い。

    0
    投稿日: 2024.01.04
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    まさかの結末 濃厚に二人の関係が第二部で書かれているからこそ第三部の絶望感が引き立つ。 二重思考が認知的不協和を乗り越えた先にあるのか?

    0
    投稿日: 2023.12.27
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    原点にして最高傑作。 読みにくさは多少あるけど、雰囲気がありありと伝わってきて、うわ〜っとなりながら読み進めた。 でもふと、今の自分たちの世界と何か違うのかな?と考えて、共通点の多さに背中がゾゾゾ…っとなります。自由だと思っているのは自分だけかもしれない。

    2
    投稿日: 2023.12.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    名著ということで読んでみた。ものすごく重厚で読み応えがあった。ここに書かれている世界の恐ろしさや違和感を一言で言ってしまえば「気持ち悪い」なのだけれど、それが現代にもうっすらと繋がっているであろうことに恐ろしさを 覚えずにはいられない。洗脳の過程、そして降伏。後味も悪い。ディストピア小説だから致し方ないのだけれどただただ重い気持ちになった。

    0
    投稿日: 2023.12.19
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    この本に関して、予言的な内容であるとの評をよく見たけれども、本質はそこではないということがよくわかった。むしろ、上層・中間層・下層という三種類に分けられる社会の構造は原始から不変であり、それは常に改竄・修正される「歴史」と違って、これまでもそしてこれからも揺るがないだろうと示唆している。人類の争いの目的は領土略奪から権力維持へと変わった。そこにいるのは黒は白であるというような自家撞着の「二重思考」によって、都合よく人々の魂や本能をも操作する権力者である。権力への憎悪と、権力に抑圧される奴隷(プロール)への愛慕。

    6
    投稿日: 2023.12.01
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     1984年、オセアニア国ロンドンで真理省に勤務するウィンストン・スミス。体制に疑問を持ちつつ、それが他人に知られないように過ごしていた。そうしなければ、存在が消されてしまうためだ。そんな時、ジュリアに監視されているように感じ。  刊行が1949年のディストピアSFの名作古典。1984年にジョン・ハート主演、ユーリズミックス音楽で映画化されていますが、未鑑賞。映画「未来世紀ブラジル」や小説「1Q84」、デビッド・ボウイの「1984年」他、膨大な作品に多大な影響を与えています。  今の北朝鮮や、「未来世紀ブラジル」をみると非常に理解しやすく、恐ろしい。これが1949年に創作され、緻密な描写に驚愕しました。

    0
    投稿日: 2023.11.26
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    極端な全体主義、共産主義社会に生きればこの本のような社会で暮らさねばならないんだろうか。 文法まで変えようとする強烈なストレス社会でまっとうに生きる主人公。 光が差し込んできたと思ったが。。。旧ソ連やナチス時代のドイツ、今でなら北朝鮮と全体主義社会を描くことで批判した物語。

    1
    投稿日: 2023.11.08
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    新庄哲夫訳で読了 村上春樹の1Q84を読んだことをきっかけに読み始めた 拷問描写が長く、えげつない なんと救いのない未来……と思ったが、付録 ニュースピークの諸原理が残されているということは、この支配体制は続かなかったんだろう 過去形が全部の動詞に共通でedになるのはちょっといいなと思ったけど、曖昧さの表現とか意味のニュアンスがぜんぶ排除された言語なんて恐ろしすぎる

    2
    投稿日: 2023.11.04
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    ひたすらにこのディストピアを現実の延長にあり得そうと思わせる論理で作れるオーウェルがすごい。対義する概念を一つにするような感じ。

    1
    投稿日: 2023.10.28
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    ディストピア小説。 1984年というタイトルですが日本で発行されたのは1950年だそうです。 いくつかの悪名高い国々での過去(現在でもある)の出来事を想像してしまう。 これまでは知識としてあったとしても、やはり他人事で空想めいていて。 灰色の景色や、すえた臭いや、口の中が不味くなるような。 血の気が引いた冷たさや、いつまでもおさまりどころの無い緊迫感に腕や背中がピリピリしたりする。 文字の羅列に過ぎないのに、読んでいるだけなのに、今そこにいるかのように五感が反応してしまう。 悪夢 これはまるで悪夢をみている 読んでいる最中は、悪夢の中の、逃れようのないディストピアの住人となってしまう。 本を閉じて、一呼吸、二呼吸してやっと現実世界に居るという実感を取り戻せる。 こんな世界は心底、嫌。 完璧な幸福に正解なんてないけれど、 私個人の感想としては、 昭和末期の日本に生まれ、いまの暮らしをしていられることが、どれほど尊いか噛み締められる作品でした。

    4
    投稿日: 2023.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ディストピア物と聞いて手に取りました 同じディストピアでもSFではなく、歴史のif的な物語 『日本が大東亜戦争に勝利していたら…』的なアナザーストーリーの様相を呈している しかも、完全な空想というより、当時実在した共産主義やファシズムに見られる統制がイギリスを舞台に描かれている。 党は常に正しく、間違わず、秩序は保たれる。たとえ、突然身近な人が消えたとしても、誰も気にする素振りもみせず、初めからそんな人はいなかった"となる"。 不審に思っても言わないでおくのではなく、「はなから不審に思わない」・「そこに意識がいかない」二重思考により、全ては無かった状態が保たれる これをおかしいと思う事自体が犯罪であり異端となり、次は自分が消えてしまう対象となる。 まさにありそうで無さそうな歪んだ世界を近未来として描いている本作は、私達はディストピアとして受け止めるが、もし私の国が異なれば、ドキュメンタリーとして読んでいても不思議ではない。 白を黒と信じる、2+2=5という、人が消えても誰も何も言わない、保身のために体制に疑問を持っていない風をよそをう…一方で、サボタージュ、密告する輩、スパイに罠 権力を脅かす全てのモノを、あらゆる巧妙な仕掛けで排除するのは、なにも権威主義国家の専売特許ではない。 何より一番震えた(既視感を覚えた)ことは、この作品に描かれていることが、とある会社で見てきたことと瓜二つだったことだ。 本作をバイブルにしてたかの如き… (中2病の学芸会みたいな職場にそんな教養があるはずもないが) また政治体制や言論空間についても改めて考えさせられる。 現代の教育水準や情報社会においてでさえ、フェイクニュースや捏造報道による世論操作は有効で、捏造がバレても報道機関は悠々と通常営業を継続できる。 誰でも容易に発信できるようになった故に誰でもデマを流せるようになった社会は、今後益々混迷を深めるのではと憂慮されます。

    1
    投稿日: 2023.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく読みやすくて、かつ面白かった。 日記を書くというごく個人的な行為が、民主主義の第一歩になること。セックスを思うままに楽しんだり他人を愛したりするという極めてプライベートな事もそうである事。 作中で主人公は拷問や尋問の末に精神を壊され、思考を支配されてしまう。人間一人一人は確かに無力だし人間としての在り方自体も脆弱で、何一つ変わらないものなんて無い。けれども、そういう「支配」は長くは続かない事を、主人公もどこかで確信していて、本の最後の「附録」のイングソックの説明が全て過去形である事からもそれが示唆されている。 これはあくまで小説で、どこまで現実にこれを反映していいのか分からないけれど、この小説を通して作者が取るに足らない人間達の雑多な思考や生活こそがそもそも支配への抵抗なのである、と訴えている所がすごく良かった。 生きているだけでそれこそ抵抗で、それを脅威に感じているからこそ、党も7年に渡って慎重に巧妙に主人公を監視し続けていたのだし、一度党に反感を抱いた人間のことは洗脳し直した上で確実に殺している。党自体もこのやり方の限界を感じていたからこそそこまで緻密に頑張っていたのだと思う。 そう考えると、しっかり自分の記録を残して趣味に打ち込んで、生きていくことを大切にしようと感じた。

    2
    投稿日: 2023.10.15
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    イデオロギーの話すぎて"そういう"人が読んだら良くないハマり方をしそうな内容だった。とはいえ、本筋では無いけど精神の実存主義みたいな考え方は面白いなと思った。

    0
    投稿日: 2023.10.07
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    何だこりゃ。って本だった。 頭のいい人が読んだら何か感じるのかな。 とりあえずこの世界には行きたくない。 いつかAIが進みすぎたら似たような監視される世界になりそう。

    0
    投稿日: 2023.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一回読んだだけでは、理解しきれない部分があり、他の方の考察サイトや解説を見ながら、理解を進めました。 まだ、理解しきれてないところはあると思いますが、感想をまとめていきます。 この類の小説は現代社会と比較して考察してしまいます。 現代社会にて、コロナが流行り始めた頃は、患者は病院に隔離されて、家族と面会する時はアクリルで区切られた部屋だったそうですね。(違ってたらすみません、私は入院必須の頃には罹患しませんでしたので、、) このウイルスが流行れば、隔離される人が増えて、世の中はこの小説のようにディストピアな世界になってしまうのでは、、と一時期話題になっておりました。 しかし、この小説は病気だからといって隔離されるのではなく、社会を成り立たせるために、思考を監視するというもっと恐ろしいものでした。 行動は思考からくるものなので、思考を監視して、世の中を革命やら下剋上やらが起きない「安定」したものにするといった感じでしょうか。 人の思考からくる社会への不安定要素を除いた社会を書いた小説です。 思考を停止させる方法として、言語の削除はよく考えられた方法だと思いました。 「良い」「悪い」ではなく、「良い」「非良い」と表現していく。 試しに1つ、 「ここは寒かった」 上記の文章から「寒い」という文字を消して「寒い」を表現してみると ・「ここは非暑い」 →強調して「ここは超非暑い」 ・「ここは超暑くはなかった」 と、なんともよくわからない文になり、「寒い」は伝わらなくなります。これこそが小説内の社会の狙いです。 些細な事かもしれませんが、改めて考えると言葉とは緻密な思考のために不可欠なものですね。自身の感情に合う言葉を探して文書に残し、他人を理解や共感へと誘うのは、多くの単語と表現から成せる技ですね。 附録にはもっと細やかに削除方法やらが書いてあります。文書はこれ以上に意味がない分になります。そうやって、深読みをしないように仕向けるのですね。 ですが、この附録のこの文書から察するに、小説内のこの社会はいずれ崩壊したのだと示唆していると思います。誰かが、ニュースピーク(小説内の言葉)について記載したものですから、その誰かは支配社会の人ではないのでしょう。 ここからは私の妄想です。 小説の内容とは少しそれてしまいますが、、 ディストピアな方法ではなく、思考を停止させる方法があります。 現代社会を生きる人の一部はこの状態になっているのではないでしょうか。 方法としては、与え続けることです。幼少期から与え続けて、それを当たり前にします。全てのワガママを聞いて何1つ不自由なく育つと思考はしなくなります。 私は高い思考能力は葛藤の中からしか、生まれないと思っています。思考しなくてすむのなら人間は思考しませんから。 そこそこ与えられて、流されるままにある程度生きていれば、人は思考をやめるでしょう。 昔は食べ物を含む物資が不足していたので、このような人は少数派だったと思います。ですが、近頃は、食べ物を含む物資が捨てるほどあります。不自由なく育てることを良しとする人も一定数います。 極端な制限は拒むけど、ある程度の言われることは思考なくこなして、文句もなければ、やりたいこともなく、流されるままになんとなく生きている人はいます。 小説のように完全に思考停止は無理ですが、この状態はそれに近くないですか?上層への反逆とかも考えなさそうですしね。 ディストピア小説とは真逆の方法で思考停止を考えてしまいました。こういう小説もありそうですね。

    1
    投稿日: 2023.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ワクワクして読み進めてしまう様な物ではなかったがニュースピークをはじめとする一貫したディストピアへの没入で、一気に読んでしまった。 終盤、ウィストンがジュリアを裏切ってはいない事が理解されていたときはウィストンと共に感動してしまった。

    0
    投稿日: 2023.09.18
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    凄いものを読んでしまったな、という感覚。全体主義、社会主義への批判材料によく取り上げられるらしいけど、まさにその恐ろしさを体験した。 だからといって、今の民主主義、資本主義の世界が良いものかは分からないけど、私たちは、プロールのようになってはいけない。考え続けて、問い続けないといけない。思考停止して生きるなら動物と一緒。

    1
    投稿日: 2023.09.03
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    なんとも後味の悪いディストピア。この世界観はとても支配的で計算され尽くされた世界だけに息苦しさを感じる。最後に主人公スミスは処刑されてしまうのだが、陵辱と精神崩壊し、もう我々の創造できない、隷属となってしまう。

    0
    投稿日: 2023.08.14
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    ここ数年で一番面白い本だった。この本と出会えて運がとても良かった。形而上学についても考えさせられる。

    0
    投稿日: 2023.07.29
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    全体主義により党の思い通りに統制支配する国家のなれの果てがどのような姿になるか,容赦のない筆致で描かれる.議事の改竄どころか歴史の改竄が通常業務として行われ,再教育という名の拷問・処刑,言語の単純化による市民の思考停止施策等々,ディストピアと片付けるにはあまりにも現実日本社会に適合しすぎ,読んでいてこれほど辛い本はない.

    1
    投稿日: 2023.07.28
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    「2+2=5」「化石など作り物で、人間以前の生物は存在しない」 このような科学に逆行する意見も、社会規模の洗脳によって受け入れさせることが可能になってしまう。科学に逆行しているのにSFさがあるのは、洗脳が心理学という科学に結びついているように感じるからなのだろう。 20世紀に登場したロシアを中心とする全体主義に物申しているようだが、今の自分では深い理解には至れない。数年後再読したいと思った。

    0
    投稿日: 2023.07.23
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    人間の心までは支配できない、そう信じていた。しかし、読後は人間の心ほどうつろいやすいものはないと感じた。人間は他人を絶対に裏切る。人間の究極を見た気がする。

    0
    投稿日: 2023.07.22
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    1940年代後半に1984年を想像して描かれた本書であるが、古臭さは一切なく現代にも通じる思想と危機感を覚えた。現代の日本や他多くの資本主義国家では、党と同じやり方での統制はおそらく不可能だと思われるが、インターネットやAI技術の発達した今の時代だからこそ、より巧みに〈思考警察〉や〈二重思考〉といったものに代替する統制が可能になっているのかもしれない。現に、すでにそのような状態に気が付かないうちにすり替わっていっている可能性もある。 あるべき社会の姿は何なのか、生きていく上で曲げてはならない信念は何なのか、考えさせられた。 決して明るい気持ちになれる作品ではないが、読んで良かった。

    3
    投稿日: 2023.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半はたるい。ウィンストンがジュリアとの情事に浮かれる様子など見てられない。 が、ゴールドスタインの本から俄然面白くなった。 「寡頭制集産主義の理論と実践」 「党が権力を求めるのはひたすら権力のために他ならない。他人など、知ったことではない。われわれはただ権力にのみ関心がある。」 常々感じていた疑問への答えがあった。 北朝鮮がなぜ3代にもわたって独裁国家を維持出来ているのか。 なぜプーチンはウクライナを攻撃するのか。 なぜ政治家は世襲するのか。 ねずみの拷問は想像するだけで恐ろしい。 自分の苦手なものは口にするものじゃないな。

    1
    投稿日: 2023.06.20
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    何年も積読になっていてようやく読んだ。 以前「動物農場」を読んだ時の方が衝撃は大きかったのだけど、全編を通して漂う重苦しく不穏な空気が、単純に今の自分のモードに合わなくて、ほぼ義務感で読んだからだと思う。 これはもっと気持ちに余裕がある時に読み返したい、、、! そして今はサクッとアッパーなやつが読みたい。

    1
    投稿日: 2023.06.19
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    数年ぶりに再読。 前回読んだときよりも面白く、そして現実に迫っている感じを受けた。以前読んだときも、そう思ってはいたのだろうがマイナンバー制度以前だったはずだ。 だから、国民の監視、管理がより進んだ2023年に読んだことは、より『1984』の世界に進んでいるな、と。 さすがにニュースピークによる思想統制なんてものは起きていないが、思想統制的なことは起きている。 「夫婦別姓は家族の繋がりが」「外国人は怖い」「LGBTQを認めると性が乱れる」など、洗脳まがいのことは日常的に起きている。 北朝鮮のミサイル報道も『二分間憎悪』だろう。 ユーラシアと戦争していると思ったら、いつの間にかイースタシアにすり替わっていた、なんて情報操作、捏造も既視感がある。 そんな世界でも愛や人間らしさがあればと思えるが、それさえも贅沢品になりかかっている国に成り果てている。 『1984』は近く来る未来ではなくて、今起きている現実だ。

    2
    投稿日: 2023.06.14
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    小説としては第二部が倍超面白い ジェットコースターの最初の山の頂上みたいな期待がある そっからは思ったよりも急降下するので読んでて落ち込む

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    投稿日: 2023.05.25
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    凄いものを読んだ。 PSYCHO-PASSでも出てきてたし解像度上がるよってことで読んだんですけど、予想以上でした。 言葉、思考、対話って大事だなと。 考えることを辞めずに生きていきたい。

    3
    投稿日: 2023.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イギリス人が読んだことあるふりをする本第1位らしい。 精神的な支配なのかな、と思ったけども、オブライエンが唯我論を否定する。加えて身体的拷問によって主人公を通して党への愛を深めていく。身体→精神の構図があるんじゃないかな。

    0
    投稿日: 2023.05.15
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    もともとSFやディストピア小説が合わないこともあり、半分ほどで辛くなってきてあとは流し読みになってしまった。 また機会があればちゃんと読んでみたい。

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    投稿日: 2023.05.12
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    今まで読んだ本の中でトップスリーに入る。 現代政治を見ていても、この本で描写されていた矛盾や歪がそのまま現れていて面白い。

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    投稿日: 2023.05.09
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    これぞ名作。素晴らしいの一言。 国全体の過去を塗り替え、それまで”白”だったものでも、党が”黒”と言えば全て”黒”になる世界。それは”白”だったという事実を記録する証拠が全てなくなり、記憶を持つ者もいなくなれば、未来において、それは”白”だったという事実は事実でなくなってしまう。 ここで描かれている”オセアニア”の世界は、とても極端な話に見えるが、我々が生きている現実の世界、我々がこれまで教えられてきた歴史においても、多かれ少なかれ”オセアニア”で起きていることが現実に起こってきた/いるのだろうと思う。 悲しいかな、中国共産党によって現在行われているウイグル人弾圧の状況を重ねながら、この半世紀以上前に書かれた小説を読むこととなった。

    0
    投稿日: 2023.05.05
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    いまだ未読の名作、かなり前に長女が読むと言って買ったときも手つかず。今年になってやっと「動物農場」を読み終え、次はこれ、と思ったら本棚にみあたらず、長女がGW帰省でもちかえってくれた。 長女は、翻訳文学は文体が苦手であまり好きじゃない(だから岩波少年文庫とか福音館文庫はそれほど読まなかった)と言う割にアトウッドとかオーウェルみたいなディストピア大作はしっかり愛読しているのがおもしろい。

    2
    投稿日: 2023.05.05
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    コロナ禍で大学の授業が全てリモートになったとき、教授に薦められて読んだ1冊。 読んだ当時の社会情勢も相まって、「日本もいつかこんな監視社会になってしまうかもしれない」と本気で怖くなるほど引き込まれた。名作。

    0
    投稿日: 2023.05.03
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    ジョージ・オーウェルの名作やっと読む機会ができました。大雑把なストーリーは知っていましたが、読んでみるとその迫力、恐怖は想像以上でした。特に人間心理の面でオーウェルの深い洞察を感じました。 現在急速に進むデジタル化社会を背景に考えると、オーウェルの描く世界が現実のものになるのではないかと空恐ろしくなります。権力は手段ではなく目的そのものになってしまう。また党の存続こそが至上命題という世界です。 これを読んでいると特に中国を念頭においてしまうのですが、中国ではデジタル化の進展によってインターネットやセンサーで個々人が監視され、ネットでの発言や購買履歴などからその人の趣味や友達、さらには秘密にしている嗜好なども政府は把握しようとしていると言われています。社会信用制度が導入されると全国民がレーティングされるという世界が生まれるわけですが、これは本書以上に範囲の広い話になります。本書では「プロール」と呼ばれる大衆(プロレタリアート)は監視の対象外になっていて、監視されているのはあくまで党員。しかし中国で起こりつつあるのは全国民を対象とする仕組みの導入です。デジタル化社会のディストピアシナリオとして本書は多くの人に読まれるべきだと思います。おすすめです。

    0
    投稿日: 2023.05.02
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    ナチズムとスターリニズム、全体主義の本質を鋭く描いている。しかしデジタル監視社会や、プーチンロシア、中国共産党の一党独裁など、現代にも通じる全体主義世界の恐怖。そして、二重思考で自らを欺瞞の世界に閉じ込めていく様は、オウム真理教などカルト宗教の構造にも通ずる。また、人々が自らを思想改革していく様は、中国の文化大革命も思い起こさせた。まさしくSF小説の最高傑作の一つ。オブライエンによる拷問のシーンは映画「時計仕掛けのオレンジ」を連想した。

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    投稿日: 2023.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代文の問題に出てきたのと政経の資料集にも載ってて気になったから読んでみた。 一言でいうと怖かった。自分の考えを貫いていた主人公がどんどん党の考えに染まっていくのが恐ろしかった。途中に長きにわたって引用される本は退屈で飛ばし読みしたが、それでも高評価をつけられる。言葉の数は徐々に増えていくはずだが、人々の思考範囲を狭めるために辞書の掲載数を減らすのは驚く。このような未来を迎えたくない

    1
    投稿日: 2023.04.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読書初心者の自分にはあまりに肉厚すぎた。 読み終わった後心が灰色になるような、なんとも言えない気持ちになった

    1
    投稿日: 2023.04.02
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     「愛」と「憎」はどう区別すればいいのか?一九八四を読み通して考えさせられる。「愛」の対義語は「無関心」ではなく「憎」。でも、白黒とはまた違った関係に思う。まず初めに関心があって、そこから二つの対極に揺れる、そんなイメージ。費やされる感情の強度が計測器の両極へと揺れるイメージがある。   同じエネルギーがそれぞれ違った形をとって表現される。改めて考えてみれば「愛憎」表現の公約数があまりにも多すぎることに驚く。「愛の鞭」があるように、「愛している」ことと「暴力を振るわない」こととは同義じゃない。愛しているからこそ、身体的な暴力を振るう論理も存在する。    ウィンストンがオブライエンに拷問されながらも、同時に畏敬の念を抱いてたのは、ストックホルム症候群なのでは?予想しながらも、結末で“彼は今〈ビッグ・ブラザー〉を愛していた”となったのも、同じように説明できるか?と考えてみた。  絶えず侵略攻撃を繰り返してくる敵国から、守られている。だから、守ってくれているビッグブラザーを愛するというのは、共依存する被暴力者の心理によく似ている。そんな心理の温床は決まって、密室的だ。父親に養われている子どもの家庭で、ヒエラルキーの構成される教室で、上司と部下と言う関係性で、心という密閉空間で。それらを国家まで拡大したのが一九八四で、一つの一つの内容は真新しいというより寧ろ誰にも馴染み深いものなのでは?と感じた。  〈二重思考〉という改竄行為ですら、一九八四に特有のものじゃない。わたしたちだって日常的に改竄行為を行っている。認識のなかで、常に改竄行為が行われている。   「信じる」のがその最たるものだろう。「そういうものか」という馴染みきった理解の仕方が、それにあたる。わたしたちは疑わない。目の前の現実をどう認識するのか、自分のではなく他人の解釈で判断するように習慣づけられている。  家の中で靴を脱ぐ、白米を主食にする、などの慣習。使っている言語への認識。言葉に関して疑ってみたり、考えることは滅多にない。  〈スプロール〉たちは、ニュースピークをまともに話もしないが、言葉を喋れない人の方が、豊かな思考を持っていないとは言えない。言語が思考を制約する危険性が十分に語られる。  1+1=2  仮定された1と同じ物質量の1を加えると、同じ物質量からなる同一の単位の2が生まれる。  2+2=5  これはどうだろう。答えは4に決まっている。が、ここから分かるのは数字による認識そのものが暴力的だということだ。具体の中に暴力はない、具体を改変し、抽象化する能力のことを暴力と呼ぶとしたら?  この抽象能力が、人を人足らしめている。数えずにはいられない生きものが人間だ。この数を使いこなせる理解が「そういうものか」という、二重思考に他ならない。なんで1+1が2になるのか、そもそも1はなんなのかを考える人間は、少なくともこの日本では円滑な社会生活を送ることは難しいだろう。  公式を鵜吞みにする精神土壌に加えて、他の思考様式を排斥する党の実行があって初めて、思考の改変がなされていく過程が書かれていた。  でも〈スプロール〉を巻き込んだ、革命が起きるシナリオは描けるのだろうか?目の前の肉体的欲求と、本能的生活が全ての彼らにとって、革命思想は芽生えないだろうと自分も思う。衣食の不足と視野の範囲は比例するだろうか?ありのままを受容する人々にとって、現実は改変する必要がないので、ジュリアがある革命に興味を持たず、個人的生活へ思考を限定させたように、彼らの革命は起きなかっただろう。  が、敵が設定し直されるシナリオならば描けるだろうと思う。  戦争など起こっていなかった。爆撃は党によるものだった。これらを自分自身では知り様もない〈スプロール〉たちに、啓蒙できる人物、勢力があればそれも可能になる。これがウィンストンの託していた希望でもある。  ウィンストンの失敗は、党の力を見くびっていたことだろう。監視の状態化した環境下に慣れてしまえば、誰もが考え付きそうな例外を罠だとは考えることもできずに飛びついてしまう。〈日記〉を購入した雑貨屋、その店主ミスターチャリントン、オブライエン。ジュリアですら、疑い抜く対象として認識すべきだったかもしれない。日記は物的証拠になってしまう。思考の建築物をなんらかの外部装置に頼ることなく、築いておくことでしか〈思考警察〉に物的証拠を与えない手段はない。私的な関係を持ってはならない。そうだとは気づかれい方法で、周囲を巻き込んでいくしかない。誰にもばれずに、食事に微量の毒薬をいれ続けるような、そんな行為だ。一度に大量の思考犯罪者を生み出してしまうというのも手だ。  噂。党中枢メンバーが意図的に思考犯罪者を選定しているらしい。テレスクリーンを視聴すると、一定の確率で思考犯罪になってしまう。懐疑を向けさせることができたなら。  他に、〈スプロール〉への教育、亡命者となり緩衝地帯を超え、国外に党敵対グループを組織する。軍事関連の平和省に入党するため極限まで密告活動や、党に貢献し、党の実権の一旦を得る。などだろうか……  ジュリアとの恋愛の際に肉体的な本能のままに誰かれ構わずセックスに励むのを党を粉砕する力として、ウィンストンは愛していた。誰でもいいなかで、偶然自分が選択されたということに愛情を感じることができるだろうか?自分は嫌だった。異性が異性と言う理由のみで、セックスへと発展し、セックスをした異性である自分のことを好きになられたとしたら、それは嫌だなと感じた。でも、このセックスという本能性をどこかで毛嫌いする感覚は、党の思考様式に近いのでないかとも感じてしまう。  それじゃあ党は人間的なのか?党の目指す方向も一つの本能なのかもしれない。ビッグブラザーを象徴ととする党を、個人を個人が凌駕して構成することは、より純粋な社会生物ともいえるかもしれない。ナチスのユダヤ人ホロコースト、ロシアのホロドモール、日本の一億玉砕戦略。日本なんかは、ビッグブラザーが天皇と置き換えられても、差し支えない状況に、終戦まで置かれていた。  不思議なことに個人主義が、社会動物である人間の多様性を守っている面があって、寡頭政治は排他排斥、そして個人主義を排除する方向へと走らせていく。  他者への許容度が、個人と社会間のどちらに自分が寄っているのかの指針になるかもしれない。  衝撃を受けない自分に衝撃を受けたというのが、感想だ。一九八四世界でも幸福に暮らしている人間だった沢山いるだろう。パーソンズは、自分のこどもに密告されたが、そんなこどもを誇りに思い、党の判断によって自分が処罰を受けるならそれは仕方のないことだと納得している。そこに疑いはなく、苦しんでいるのは、どちらかと言えば疑いを持った側のウィンストンだった。  疑うことは、面倒で苦しくて、不幸を呼ぶ。信じる自分を信じている方がよっぽど精神衛生上は健康的だろう。騙すより騙される方が道徳的にも良しとされる。疑ってしまえば、今を続けることは出来なくなってしまうかもしれない。社会の幸福が個人の幸福で、幸福の基準が外部にあり、万人に適用されるのだとしたら、それはそれで幸せなのかもしれない。  全体主義下の生活者たちの生の声が聞きたい。できるなら、期限付きでそこで暮らしてみたいものだ。そうしなければ、真っ当な判断なんかできるはずもない。  総括はない。再読と考察のなかで、たくさんの気付きを深掘りしたい。

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    投稿日: 2023.03.29