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時が滲む朝
時が滲む朝
楊逸/文藝春秋
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総合評価

43件)
3.5
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10
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4
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    いつの世も時代に振り回されるのは、名も無き一般人。権力者や著名人は名前が残っても、最大の被害者達は歴史の表舞台に立つことは無い。それでも、一人一人が時代を生きている。 学食の料理番や飲み屋の店主やタクシー運転手は日々を生きてゆかねばならない。家族を食べさせなければならない。学生達のエネルギーに熱くなる何かを感じ、運動を応援することはあっても運動が下火になれば日々の生活に戻る。 まだ何者でもない、何者にもなれる可能性を秘める学生達は、学生であること自体をエネルギーの源として運動に参加する。しかし、正しいと思う"何か"や理想的な"何か"は流動的で現実味が無い。掲げる"何か"の主語が大きければ大きいほど、訳が分からなくなる。 そうした熱を持った学生だった主人公が、家族を持って祖国を離れて生きるようになり、日々食っていけること、家族を食わしていけることが最も大事なことであると気付くことで、浮かされた熱が引いていき、"何か"とは、この今生きる自分と家族が無事に生活を営めるということにおさまり穏やかな幕引き。 尾崎豊は世代ではないが、読みながらI LOVE YOUを聞いた時、比喩ではなく涙が出た。名作や名曲は時代に関係なく人の心の"何か"を打つ。

    5
    投稿日: 2024.07.17
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    中国の近代をさっと小説内で学べる。 民主化がなにか分かっていないのに民主化運動にのめり込んでいた、というあたりは学生運動あるあるなんだろうなぁ、、、。 足を踏み外したのが学生運動そのものではなく、飲み屋でのケンカってあたりもリアル。 面白かったけど、歴代の芥川賞に比べるととてもシンプル。この題材を等身大で書ける希少さに賞が出た感じかしら。

    1
    投稿日: 2024.02.06
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    日本に亡命、在住し芥川賞を獲得した中国生まれの著者による1989年の天安門事件を背景とした青春物語。地方都市の大学1年で主人公の梁浩遠と親友・謝志強は若手のキラキラ輝く甘凌洲教授の指導のもと、愛国心に燃えて民主化運動に参加した。白英露という積極的な女子学生にも出会う。しかし、民主化の期待は裏切られ、予想外に弾圧され、失意のうちに大学を去る。そして主人公は日本へ。中国に残る家族や友人志強と離れ、甘教授や英露は消息不明に。しかし海外亡命した人たちの行き先が分かるというネットワークの凄さに驚き。亡命先のフランスから日本を訪れる甘教授や英露との再会、そして中国へ向かう飛行機を見送るラストは爽やか!テレサテンや尾崎豊の音楽に衝撃的に出会う浩遠と志強たちは当時の中国の若者たちの姿そのものだと思った。

    1
    投稿日: 2023.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館。天安門事件の際に北京から離れた大学(秦都の秦漢大学)で民主化運動に参加していた農村出身の2人の学生のお話。最後の方は片割れである浩遠は日本で生活し、日本で香港返還への反対活動に参加する。その際の浩遠含む、登場人物たちの思惑や行動の違いに、自分の今の生活や思考を重ねて読み進めた。 靡靡之音(ミーミージーイン)という中国語、初めて知った。テレサテンのCDを、久しぶりに聴きたくなった。湖畔に集まって勉強する様子は、学生時代に見た光景を思い出した。 丁度この1週間で、11/24にウルムチ市で発生した高層住宅災を発端に、11/25、ウルムチ市でゼロコロナ政策に対する大規模な抗議行動が発生したと報道された。25-27日にかけて北京と上海でもデモが起きたようだし、27日(日)には新宿駅地下でも在日中国人らによる50人規模の抗議活動があったとのこと。もとは火災の追悼のための集会だったそう。ただ、実際には共産党下野、習近平下野との演説や、ゼロコロナ政策や習近平に反対するプラカードもあったとの報道。批判や意見があることについて講義やデモすることは、大切なことだと思う。ただ、どうかどうか、平和的な方法で歩み寄れますようにと願う。 p72-73の、天安門広場で浩遠らがデモに参加した後の、秦都への帰路の列車中の表現が気に入ったのでフレーズ欄にメモ。2022/11/28

    2
    投稿日: 2022.11.29
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    天安門事件前後のお話。自分も生きていた時代の歴史なので、登場人物や時代背景を自らの若いころと照らし合わせながら読むことができた。作者の母語が日本語ではないということだが、不自然さはなく、情景を思い浮かべることができた。中国の歴史に興味がないと読みにくいかも。

    5
    投稿日: 2022.03.16
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    読書開始日:2021年10月5日 読書終了日:2021年10月7日 所感 読みやすく、かつ面白く、好きな作品。 大学生活とその後の生活で大きく2つに分かれる。 学生運動や中国の政治について無知な自分にとって、勉強になることばかりであった。 学生時代を思い返すと、「血より濃いもので、まるで火を噴く油」のような想いが湧き上がる経験はなんどかしたことがある。 危うい野生の感情。 そこに大義が交わることで、自分の思想を過信し大きな事件を引き起こした。 自分も熱中したことが収まる範疇だっただけで、主人公と同じ大義をもったらおなじ行動をしていたかもしれない。 主人公が日本に移ってからも面白い。 主人公も、主人公のまわりにもずっとつきまとうのはいつだって、国への愛か、手に届く範囲への愛か、その是非。 このバランスをうまく取れる人はおよそいないと思う。 ラストシーンに、主人公のこれまでことへの折り合いがこれでもかと詰め込まれている。 かなり好きな作品。 たまの表現がかなりかっこいい。 好きな文をひとつ。 この拝観社会に生きる人間には理解できない狼の孤独 根拠地 苦労によって刻まれた目尻の皺一本一本に、洗い落とせないほど黒ずんで溜まった時の色 怒髪天を衝く 有人が増えるとまた新しい世界もひとつ増えていく 労働改造 愛やら何やらの、腐敗した資本主義の情調に危うく腐食される 胸に沸いているのが、血より濃いもので、まるで火を噴く油 でも好きになる権利くらいあるよ 目には野生が光った 秒を数え、狭い窓から漏れる光で時間を憶測してすごす日々である。 刃物の様な隙間風をつまみに 苦渋ばかり舐めてきた浩遠は、初めて心の底からほんのりとした甘みを味わうことができた 梅はなんにも言わずにっこりとかよわそうにわらった 餃子をお腹にいれたければ、まずその不満を出さないことには爆発してしまう。 ビザ日本優遇 革命家は孤独 お腹いっぱいに食べさせるってことは大変なことだ 土地を失って支援金や寄付金などで生きる詩人には閃きも、何も生まれない この拝観社会に生きる人間には理解できない狼の孤独 妻と息子も顧みることができない、そんな人が国を愛せるだろうか。 じゃ、たっくんのふるさとは日本だね もう帰りましょうか。

    1
    投稿日: 2021.10.07
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    浩遠と親友の志強は、希望に満ち学問に打ち込んでいた大学生活から民主化運動にのめり込んでいき、傷害罪で退学処分となる。 夢見ていた未来とは違う道を模索しながら生きていく日々が描かれている。 エネルギーを持て余した若者が熱に浮かされて突っ走ってしまったようで、せつない。 彼らを突き動かした「祖国への愛」に危ういものを感じてしまう。 民主化運動からうまく抜け出した者もいる中で、挫折を引きずり、民主化運動の夢を持ち続けて生きる浩遠の苦悩が伝わる。 浩遠が家庭を持ち守るべきものができた時と、学生時代の熱に浮かされていた時との対比が、大人になっていく重さとして伝わってくる。 その時々の心情を朝の情景の美しさの中に描かれている。

    17
    投稿日: 2021.08.30
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    どこか物悲しい。 よくわからないまま熱量がどんどんあがって集団で盛り上がり、ピークをすぎてもその熱量をどこか維持する主人公と社会全体の熱量が別の方向に向かっていく中で、それとなく取り残されていく悲哀とでもいった感じか。。 著者ご本人の体験も深く関係するようで、一番あとがきが印象的でもあった。

    0
    投稿日: 2021.08.23
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    一人の青年が民主化運動に燃え、通常の人生設計からドロップアウトし、転がって日本で暮らし、未だ心に政治的炎は燃えているがそれなりに生活していく話。 主人公の気持ちにするすると寄り添える文章で、読んでいて一緒に時代を生きた気になった。 芥川賞受賞作。面白かった。

    0
    投稿日: 2020.11.29
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    中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である! 中国共産党は糞である!

    0
    投稿日: 2020.08.11
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    2008年の刊行、中国籍者初の芥川賞受賞作とのこと。楊 逸(ヤン イー)氏の作品で、地方から晴れの著名大学に受かった若者たちが政治活動の末に退学を余儀なくされて、各自がばらばらな道を歩む青春群像が語られている。テレサテンや尾崎豊が出てくるなど時代も反映されて、本来は感情移入できる題材だと思うけど、いかんせん言葉の壁で十分に伝わってこないもどかしい出来上がりになっていて勿体ないなぁという印象。ともあれ、日本は外国人には暮らし難い国であることは この作品からもよ〜く伝わってきました。

    11
    投稿日: 2020.03.08
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    まず、中国の大学生活の様子や日常生活の描写に引き込まれた。ムンファンやシャンフェイも農村出身で大学を卒業したこともあって、なんとなく二人を連想して読んでいた。特に英露の小柄でかつしゃんとしていて、逞しさをもつ姿にはシャンフェイが重なって見えた。 中国の民主化を目指す学生運動、政治運動が物語の核にあったけれど、国を愛する、国を動かすという前に自分の目の前の生活や家族、友人を大切にすること、目を向けること、愛すること、守ることが大切さではないかという投げかけが発せられているように感じた。理想と現実があって、理想ばかりを追い求めるのは孤高の狼。人が生きるということは、理想の前に現実、目の前の生活がある。というリアルが描かれていた。 心に刺さった言葉 「好きなら好きって言え。俺らは、英露の恋愛対象に相応しくないかもしれんけど、でも好きになる権利くらいはあるよ。頑張ろう」

    0
    投稿日: 2020.01.09
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    読む人によって感想が全く異なる小説なんじゃないかと思う。中国の思想や歴史や文化がバックボーンにあるため、背景を知っているかどうかで捉え方も違ってくるだろう。ただ一つ言えるのは、知っていてもいなくても、楽しめる。それが小説の面白さなのでしょうね。

    0
    投稿日: 2019.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【内容】 中国の小さな村に生まれた梁浩遠と謝志強。大志を抱いて大学に進学した2人を天安門事件が待ち受ける―。“我愛中国”を合言葉に中国の民主化を志す学生たちの苦悩と挫折の日々。北京五輪前夜までの等身大の中国人を描ききった、芥川賞受賞作の白眉。日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞した著者の代表作。 【感想】 中国、時刻を愛するが故に民主化を目指したが、 報われることなく政府に弾圧され、 主人公の浩遠もまた運動がうまくいかないが故自暴自棄になり大学を退学となる... 冒頭に大学に入学し、輝かしい未来を夢みて勉学に励む若者らが色鮮やかに描かれていた為、 民主化運動なんか参加しなければよかったのに、 勿体無いなぁと思ってしまった。 けれども、大学卒業後の輝かしい未来が得られなかったことを悔やむのではなく、 中国民主化への熱い想いを胸にくすぶり続けている姿は私には正直理解できない。 しかし、確かにあの時代、天安門事件の際に中国の未来を真剣に考え、中国のために民主化したいという熱い想いがあったことを想像出来た。 筆者が中国人だからこそ書けた話であると思う。 そう思うと読み易く価値ある小説であった。

    0
    投稿日: 2019.05.21
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    天安門事件における学生と安保時の学生との共通点は、やはり時代に流された事なのかな。淡々として読みやすいが少々物足りない。後半にもっと膨らみが欲しかった。

    0
    投稿日: 2018.02.11
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    日に日に高まっていく民主化運動に、主人公とその友も運動の波にのまれていく。 でも時間というものは残酷で、時間が経て経つほど人々の熱は冷め自分の置かれた立場や将来、家族の事を現実としてつきつける。主人公もその狭間で悩み葛藤してく姿が、読んでいて痛ましく感じた。 改めて"革命"ってなんだろう。って思わせる本だった。

    0
    投稿日: 2015.08.04
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    第139回芥川賞受賞作品(2008年)。 1988年の中国民主化運動に参加した主人公・浩遠と相棒の志強が辿った高揚と挫折と再生の物語。 学生として参加した民主化運動と結果としての天安門事件。そして、全てが無に帰してもなおこだわり続ける民主化への想いに反して、経済大国化への道へ舵を切った中国。見切りをつけて生活に商売にいそしむ人々が増える中、家族と生活を維持していかなければならなくなった主人公・浩遠の葛藤もここにはじまる。 表現の技巧には多少のぎこちなさを感じるが、広大な大地と清々しい朝の景色の描写は読者にリアルな自然美を感じさせてくれる。 主人公たちの転機となった場面にはもう少し膨らみが欲しいところだが、逆に中編ならではの物語進行のテンポの良さがあって、時が経つにつれての主人公・浩遠の言いようのない桎梏がストレートに伝わってくる感覚はなかなか良かった。 また、「音」の感覚が十二分に取り入れられていて、早朝に湖へ向けての叫びや、宿舎でこっそり聴いたテレサ・テンの歌など、学生ならではの雰囲気を思い出させてくれるような感覚にも魅せられた。それに、効果的に挿入される中国詩などもぐっと心に迫ってくるが、なによりも中盤以降に繰り返されるBGMであり、主人公再生のキーワードでもあった尾崎豊の「I LOVE YOU」は作品全体のテーマ曲としてとても似合っていたのではないか。 ともすればベタな青春物語になりがちなのを、中国の「あの時代」に生き、そして挫折していった「一般の人」をテーマにしたことで、とっくに現代日本人が忘れ去った(物語中の日本人課長のスタンスでもある)政治の理想と現実生活の狭間でもがき苦しむ有り様を、逆に新鮮な空気感で届けてくれたといえるだろう。 折しも香港では民主的選挙制度導入を要求した学生デモが続いているが、中国政府の力の発動が繰り返されないよう祈るばかりである。

    15
    投稿日: 2014.10.13
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    【本の内容】 中国の小さな村に生まれた梁浩遠と謝志強。 大志を抱いて大学に進学した2人を天安門事件が待ち受ける―。 “我愛中国”を合言葉に中国の民主化を志す学生たちの苦悩と挫折の日々。 北京五輪前夜までの等身大の中国人を描ききった、芥川賞受賞作の白眉。 日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞した著者の代表作。 [ 目次 ] [ POP ] 激烈な競争を経て大学に進んだ浩遠(ハウユェン)と志強(ツェーチャン)。 貧しい農村の生活から新たな世界に飛び込んだ2人は1989年、中国民主化運動に身を投じていく。 天安門での弾圧と挫折、逃避しようとしつつ逃れきれない気持ちと暮らし。 日本語を母語としない作家初の芥川賞作。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

    0
    投稿日: 2014.10.06
  • 詩があり、歌がある

    あとがきに、「その時代とその時代を生きた私、その時代に青春を捧げた大勢の中国の無名の小人物の記念として」とある。 文革時代に生まれ、天安門事件を経て、今は日本で生きる主人公。 特異な時代・状況なのに、この小説には普遍的な「やさしさ」がある。 テレサ・テンや尾崎豊の歌、中国の詩人の詩、それが「心に響く」こと。 家族がいること、友達がいること。 悲哀の中に温かさを感じた。

    2
    投稿日: 2014.07.21
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    天安門事件から二十数年が、経過。マスコミに取り上げられた革命家たちは、海外に亡命。しかし、そうではない名もなき革命家、民主化運動に参加した学生たちは、今、どうしているのか・・・。また、彼らが今のロシア、民主化された東欧諸国をどのように見つめているのか・・・。考えさせられる1冊。

    0
    投稿日: 2014.05.15
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    日中国交正常化を経て、徐々に言論の自由が容認されるやに思われた中国で起こった天安門事件。それを当時の学生の視点で描く小説とあって期待したが、あまりに時の経過が駆け足過ぎる。むやみに成功譚としない主義なのかもしれないけれど、これじゃあ物足りない。

    1
    投稿日: 2014.03.02
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    衝動買いの150円です 古書店で芥川賞受賞作という帯に惹かれてのいわば衝動買いの150円です。芥川賞の理由があまりわかりません。 ちょっと前に読んだ「道化師の蝶」といいこの作品といい、芥川賞っていうのはいったいワタシにはピンとこない部類なのかもしれません。芥川賞作品を読むときには、そんなことを考えながら読んでみようと思います。 中国の作品は登場人物の発音がまったくわからず、とてもイメージしにくかったです。天安門事件前後の人生いろいろのお話でしたが、なんといっても中国が今このとおりの様子ですのでオチがありません。 まあワタシにとっては150円くらいの作品でした。

    0
    投稿日: 2014.01.14
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    登場人物の描写が淡白な感じはしたものの、かつて中国の民主化に燃えた人たちが、経済発展の流れに押されて、政治への情熱を失っていってしまうあたりは、実際そうなんだろうなと思わせるリアリティがあった。カタコトの日本語を操る、来日した中国の人々の息遣いが聞こえてくるような気がした。

    0
    投稿日: 2013.10.15
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    2008年上半期芥川賞受賞作。著者の楊逸は中国ハルピン生まれ。初めて日本に来たのは23歳の時。芥川賞75年の歴史の中で、日本語を母語としない作家の初受賞だろう。小説は主人公の浩遠と親友の志強が、受験勉強の末に秦漢大学に合格し、星雲の志を持って秦都に向かうところに始まる。漱石の『三四郎』を思わせる。間もなく彼らは中国の民主化闘争に参加し、やがて天安門事件を迎える。物語の後半は日本が舞台となるが、そこでの若い在日中国人たちの持つ希望や挫折が実によく描かれている。闘争から10年後のエンディングはなんとも悲しい。

    0
    投稿日: 2013.09.26
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    楊逸さんの作品の中でなぜこの作品が芥川賞を獲ったのか 私にはちょっと不思議だった。 あくまでも私見だけど、他の、女性が主人公の小説はイキイキ しているように感じられるのに、この小説ではおとなしい気がした。 浩遠と志強の大学生活、民主化運動など、なじみがなく、「そんな 世界もあるのだなぁ」という意識で読んだ。面白いとは思わずに。 それが浩遠が日本に来てからのくだりから面白くなり、最後、かつて の同志たちが再会する場面がよかった。 特に英露が魅力的。息子の名前の中国名の「淡雪」っていいな。

    0
    投稿日: 2013.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    天安門事件については、かつて中国語を教えてくれていた先生からチラッと聞いていましたが、こんな感じで動き始めたんですね。 たまたま先日のTVタックルで中国のことを取り上げていましたが、民主化の道は遠いのかなあ。 人口が多いから共産党って、なんかヘン。

    0
    投稿日: 2013.04.03
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    美しい日本語で描写したいのだろなあという意図はとてもよく伝わって来た。これを書いた人が日本人だったらきっと受賞できないだろう。でも日本人だったらきっとこれは書けないだろうから、それでいいのかなとも思う。

    0
    投稿日: 2012.10.01
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    2012.8.13読了。 ドラマティックな国の歴史と、個人の歴史はどのようにクロスしていくのか。思ったより面白かった。

    0
    投稿日: 2012.08.13
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    一日で読んでしまいました。久しぶりに、心に感じ入るものがある小説でした。作者の気持ちが籠もった渾身の一作です。

    0
    投稿日: 2012.08.02
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    いかにも中国人の手によるものといった感じが芬々と漂う。本にはいつも日本語の美しさを求めている。最後まで馴染むことはできなかった。

    0
    投稿日: 2012.07.30
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    中国人の視点による天安門事件。 若い時しか出来ないことがあるんだなぁ・・・ジーっとそれだけを見つめることが出来る年齢というのは、愛おしい。

    0
    投稿日: 2012.07.24
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    2008年の芥川賞受賞作。 ありがちな文をこねくり回して書かれていない、わかりやすい文体に好感が持てた。 中国の留学生にぜひ読んでもらって感想を聞きたい。 学生だからこそ夢中になって何かに打ち込める懐かしさ切なさが少し蘇る感覚を味わった。

    0
    投稿日: 2012.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞作品。 日本語を母語としない作家として初の受賞として話題になった。 彼女の講演を聴いたことがあるけど、とてもユーモラスでソフトな人だった。 そんなわけで、読む前からすごく興味はあった。 89年の天安門事件から北京五輪まで。 民主化への夢・希望とその挫折を地方出身の2人の青年を軸に描いた作品。 文章自体は特に好みではないけど、特にひどいわけでもない。 私はこれまで恥ずかしいくらい中国について無知だったので、そんな私がこの作品を評価するのはちょっと難しい。 芥川賞に値したかどうかはどうあれ、テーマとしてはとても興味深かった。 大学というものがもつ社会的意味や学生たちの気風、 さらには実際の言動、その末路、 どこか日本の60年代の学生運動にも似た当時の中国の動き。 もう少し知りたいと思った。 この作品自体は民主化云々描かれているけど、政治的な色よりも青春小説っていうテイスト。 でも個人的には「祖国」とは人にとってどういうものか?というところをテーマに読んだ。 天安門事件後に退学になり、残留孤児二世と結婚し、妻と共に日本に渡る主人公。 日本から祖国を見ていく後半は特に良かった。 ラストはずしーんときた。 作者自身、日本で結婚・子育てをする中で突き当たったことだったらしいけど、先にそんな作者の講演を聴いていただけに思わず泣けてしまった。

    0
    投稿日: 2011.11.06
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    日本語を母語としない作家で初めての芥川賞受賞作。89年天安門事件前夜から2008年北京五輪前夜まで。大志を抱いて大学に進学した「二狼」の物語。 作者はまだ文化大革命の残滓に成長した青年だった。「あとがき」では「革命しないとは、すなわち反革命である。反革命は死刑になるほどの罪だ。そんなロジックを元に、与えられた選択肢は常に「赤」か「黒」かの両極端のものだった」という田舎で育った人だった。だからこそ、「民主」(選挙による政府)は、総てをばら色に変える合言葉だったのだろう。 「大学の寮の中でこっそりテレサ・テンの歌を聴いた経験や、尾崎豊の名曲「I love you」から受けた衝撃などは、むしろ私自身の体験に基づいたものだといえよう。」 アメリカをバラ色の国ととらえ、日本を自由な国だという中国青年たちの「普通さ」を20年たってやっと私たちは文学として読むことが出来る。 矛盾の中で世界史は動いている。もちろん、俯瞰の目で見ることは必要だ。けれども、それだけでは世界は見えない。 日本はこれから曲がり角を曲がる。曲がらなければならない。 「赤」も「黒」も選ぶことの出来ない「普通」の庶民にとって、中国の経験は他山の石ではないだろう。

    10
    投稿日: 2011.09.17
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      生活、運命、人が生きること、相対的な考え方、 いろいろ悩みもがき自分の運命?とかに翻弄され 進んでいくのが人生。 そう思う本でした。

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    投稿日: 2011.08.30
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    「中国人の目線で見た天安門事件」という小説の題材は、ただ日本文学を読んでいるだけでは出会わなかっただろう。楊逸氏が日本語で書いてくれたから、この視点に出会えた。だから、斬新に思えた。 日本語も丁寧で、文体に強い癖もなく、読みやすかった。 しかし結局、日本文学として、純文学として面白いのかの判断がつかなかった。

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    投稿日: 2011.07.19
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    天安門事件から現代まで。 時代の変化と、それを拒み続ける中国政府との間で翻弄される 特別何者でもない在日中国人の、今をそのまま描いたような作品。 芥川賞受賞作。 前半、学生時代の光に満ちた鮮烈な時間が、 後半思い出のように蘇って切なくなる。 学生寮で眠る前の30分だけ、 布団の中で身をよじりながらテレサ・テンを聴く感じとか。 ぐぐっと来ます。 中国の民主化運動、というアングルもあるけど、 若い頃の夢をくすぶらせながらも日々の生活の確かさに安堵する、 ごく普通の男性像でもあるので、共感できます。

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    投稿日: 2011.06.24
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    同世代の中国人が、意のままにならない挫折に翻弄されつつ、日本と中国の間に心を漂わせながら暮らしていく日常。 視点の不安定さが少し気になるが、昨今の日本人の芥川賞候補者には決して書けないような、写し出される風景の大きさが選考委員の感性に訴え、受賞したものであろう。

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    投稿日: 2011.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国の天安門事件から北京オリンピックにかけての激動の時代に、荒れ狂う濁流のなか生きた無名の男の話だ。 これは2008年の芥川賞受賞した作品 前から読んでみようと思っていたところ、図書館で思わず見つけて手にとりました。 話のところところに出てくる詩が染み入る 元活動家だった父親との電話に涙する主人公が父に諭され、翌日の朝日を見るシーンはまさに今までの月日を一瞬に凝縮したような重みがある。

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    投稿日: 2011.03.07
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    中国人が芥川賞を受賞したというので興味があり読んでみた。思っていた以上によかった。89年の天安門かぁ。90年に大学に入ったのだが、その時まだ中国への留学禁止の貼り紙がついこの前のようだ。

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    投稿日: 2011.03.05
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    「日本語を母国語としない作家として始めて芥川賞を受賞した」作品ということで、文庫になったら読みたいと思っていた小説。 中国人自身が天安門広場から北京オリンピックまでをどう描いているのかという興味もあった。 意外に(悪い意味ではなく)、「爽やかな」と表現してもいいような読後感だった。著者のあとがきにある『その時代とその時代を生きた私、その時代に青春を捧げた大勢の中国の無名の小人物の記念として』書かれた、まさにその通りの物語。 熱に浮かされるかのように民主化運動にのめりこみ、挫折し、やがて仕事をもち、結婚し子供が生まれる。日常のふとした瞬間に、あんなに何かに熱くなったのは何だったんだろうと当時を振り返る。これは青春小説以外の何者でもないよね。そう思った。

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    投稿日: 2011.03.01
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    何となくもやもや感のあるアジアの大国の状況を感じとることができる。芥川賞受賞作というのに圧倒されることなく、素直に感情表現など、我が身にも通じるような感じで、いい作品だと思いました。中国の人とつきあっていくのにも参考となる一面を表現していると思います。

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    投稿日: 2011.02.21
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    いい小説に出会った。主人公の浩遠がどうにもせつない。何事にも屈託なく飛び込んでいける友に対する引け目のようなもの、好意を抱いた相手がその友と仲を深めていくのを見ていなければいけないこと、何かを求めながらちっぽけな毎日で精一杯なこと……。そうでいながらも、学業に対して、国に対して、これほど熱い思いを抱けることがとても羨ましい。離れ離れになってもずっとつながっている人々がいることが羨ましい。誰か……というのは妻子なのだけど、彼らのためにささやかな日々に甘んじることが羨ましい。でも、物事はこんなふうに落ち着いていくのだろう。夢破れた末の今かもしれないけど、それは幸せと呼んでいいものだと思う。 大学に入り、学問の楽しさに目覚め、民主化運動に傾倒していく前半も勢いや熱さがひしひしと感じられよかったけれど、最初はちっぽけになってしまったなと思ったその後の話は、決して「その後」ではなく、やはり今のことであり、生きていくとはそういうことなのかもしれないと思わされた。大言吐いても今日が生きられないようでは意味がないということ。

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    投稿日: 2011.02.16