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輪違屋糸里(上)
輪違屋糸里(上)
浅田次郎/文藝春秋
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総合評価

132件)
3.8
30
46
34
6
4
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    新選組中心とした周りの話 壬生義士伝のように、心情に訴えてくる内容で好きだった。糸里や吉栄、お勝やお梅など女の生き様がよく伝わってくる。男女差別などと言うが、この時代から女もしっかり強かったではないか。いや、いつの世も男は剛力はあっても内面が女より弱い。

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    女性たちから見た新撰組の芹沢鴨暗殺にまつわるストーリー。江戸時代末期の京で一生懸命に生きる女性たちの心の揺れ動きが描かれている。とにかく悪く書かれることが多い芹沢鴨に対して理解を示す描写が多いのも新鮮であった。 一般公開期間は限られるが、京都・島原の角屋は内部を見学することができ、新撰組の隊士たちが残した柱の刀傷も見ることができる。この小説を読む前後で見学をすると、この小説で描かれている糸里の世界はどこか遠い場所の話ではなく、時間を隔てただけの「ここ」なのだと実感できる。

    0
    投稿日: 2025.05.17
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    新選組がまだその名を与えられる前からの様子を島原と芹沢鴨を中心に描いている。 初期に退場した芹沢鴨は新選組を取り上げた作品にもあまり登場することがないので、改めてじっくり向き合ってみると興味深い。 単なる酒乱の無法者か、それとも策士でもある真のリーダーだったのか、本当はどっちだったのでしょうね。

    0
    投稿日: 2024.09.30
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    何故か今まで手を付けていなかったけど、さすがの浅田次郎さん、昨夏、角屋と輪違屋の前を通って壬生まで歩いたけど、また改めたい。 2024-045 巻末に思わぬ蔵書印、その後すぐ本人からLINEで驚いた

    0
    投稿日: 2024.09.19
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    なんとも胸が苦しくなる話で、人物の心情がひしひしと伝わってくる。 新選組に巻き込まれた女達の話し、島原に生きる女性の辛さがいたたまれない。改めて新選組ってめちゃくちゃな集団だなと。 新選組を外から見た視点で書かれていて、素直に面白い、一気読みでした。

    1
    投稿日: 2024.09.03
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    新選組の話だと知ってたら借りなかったなぁ。新選組に理想を求める人たちが多すぎて、言いにくいけれど、あれは武士に成りたいだけの暴力暴走集団としか思えない。

    0
    投稿日: 2024.06.10
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    京都島原の芸妓糸里を取りまく新撰組を題材にした小説家。新撰組は色々な切り口があって面白い。特にこの話は芹沢鴨の事がよく書かれていて、そんな解釈もあるのかぁ、なんて思いながら読み進めた。

    0
    投稿日: 2023.08.20
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    島原の女性の惚れた男に対する一途な心がいじらしくてホロリとさせられた。 幸せになって欲しいんだけどな〜という思いで下巻へ・・・。

    0
    投稿日: 2023.04.29
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    ・夜を彩る島原輪違屋にて、最も太夫あがりに近いとされつつもまだ男を知らない16歳の糸里 ・旦那のおたなを切り盛りし、男だろうと女だろうと強気な江戸弁で捲し立てるお梅 ・島原で生きる厳しさを骨の髄まで知っていながらも、自分のことより惚れた男を立てる吉栄 三者三様の視線から語られる、新撰組の人間関係。 ドロドロしてるなあ、というのが正直な感想。男性陣のことごとくが心に弱さを抱えていて、振り回される三人の女心。時に苛立ち、時に慈しみを持って男に接する女の姿はどこか悲しく、報われてほしいなと思う。 糸里、とても凛々しい。若さばかり先行してしまうけど、上巻の末の行動は16歳とは思えない悟りっぷり。島原の女はこうも強くないと生きていけないのかと切なくなるほどの気丈さでした。 お梅は(史実に基づいて)結末がわかっているので、芹沢に心を寄せていくほどに見ていられなくなる。江戸の莫連女っぷりを惜しみなく披露してくれるお梅が共に堕ちていいと独白する場面は、したたかな女が裏に持つ弱さを垣間見せて印象的。 ほかにも母性をもつ女性像としてお勝やおまさ、ただこの二人はお上のしがらみや土地柄にも囚われていて、愛情だけの一辺倒とはいかない。そこも含めての親心のようにも感じる。

    0
    投稿日: 2022.02.01
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    花街や屯所の特に女性からの視点で新選組が書かれており、何か新鮮な面白い感覚で読むことができました。下巻が楽しみです。

    0
    投稿日: 2021.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公糸里が土方の画策で、平間重助のお伴をさせられる(最終的には糸里の意志でもあるが)場面が嫌で、読むのは気が進まない小説。 しかし壬生義士伝に続き読み始め、浅田次郎のさすがの話の構成に引きずり込まれてしまった。 芹沢一派と近藤一派それぞれの隊士の細かい分析が、他の小説に比べとても深い。両派に完全に属することが出来ない永倉新八・斎藤一の位置付けの説明は面白い。 芹沢鴨の乱暴狼藉の理由が、百姓から武士に成りあがって気持ちの収まる場所がないことであるのは、どうも納得がいかない。本人談や八木家のおまさ・前川家のお勝による分析で如何に理由付けされていようとも、私にはただの生まれつきの乱暴者としか思えない。また芹沢の音羽太夫の斬り捨てや大和屋への焼き討ちの理由(会津藩からの指示)は素晴らしい解釈だと思うが、心からは納得できない。 土方は拷問をしたり、好いてくれる糸里を完全に子ども扱いしたり、ストーリー上仕方ないかもしれないがあまりにも冷酷に描かれている。 納得できないとはいえ、芹沢から離れられない菱屋のお梅の背景も絡んで、よくも丹念に構成を練っていると思う。(2021.10.25) ※2021.10.10読書開始、10.25読了(文庫2回目)

    0
    投稿日: 2021.10.11
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    新撰組は悲運の武士たちみたいなロマンチックなイメージだけど、町人の立場から書くとただただ迷惑な存在で、しかも廓の中から見た彼らはひたすら陰惨な内ゲバを繰り広げる不気味な存在となる。彼らの悲劇は時代の波に乗れずに翻弄された末の破滅にあるためだと思う。時代を動かそうとしていた武士たちと関わりのない街場の地べたから見ると、人を斬っちゃあ拷問しているくせに当時の武士の本質である行政完了の地位も持たない訳の分からないいわば半グレのような存在でしかない。百姓だったり脱藩者だったりといった隊士のコンプレックスに焦点を当てることができたのは、女性に対してそれを語らせるという手法を採ったことの功績だと思う。他方で新撰組はほんとに陰惨な内ゲバや略奪行為しかしていないので全く爽快感がなく読後感が重苦しい。

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    非常に面白かった。てっきり史実に基づいた話かと思ってしまったが、基本的に虚構のようらしい。浅田次郎の幕末ものは、思った以上に生き生きと登場人物が描かれており、面白く読める。早く先を読みたいと思う。

    2
    投稿日: 2021.01.11
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    京言葉が合わなかった 終わらざる夏を読み、浅田次郎を知った 続けて本作を読むも、求めてるものとはちょっと違いました

    0
    投稿日: 2021.01.01
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    「壬生義士伝」と「一刀斎夢録」、浅田次郎の新選組三部作のひとつ。 数年前、ふらりと冬の京都に行った際に、新選組の屯所であった壬生の八木邸に入ってみたことがある。 ここで芹沢鴨らが土方の策謀によって実際に惨殺されたんだ、と思うと感慨深いものがあったねぇ。当日は物音が聞こえないくらいの土砂降りの夜だったと言うが、そんな雨をぬってずぶ濡れの沖田や原田が庭からふすまを蹴破って突入してきた様が目に見えるようだった。

    0
    投稿日: 2020.08.09
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    (下)巻を手に入れてから読みます。ゴメンナサイ浅田様 泣かせの次郎面目躍如 しかしながらおなごを、ここまで追い込んでは あきまへんで

    0
    投稿日: 2020.07.19
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    何を守ろうとしているのか分からない時代があったのだな。 土方は捉えようもない男。 非情でもあり、情け深くもあり、鳥瞰的に物事を考えて最善の道をとる者でもあり…。 土方は「侍」になりきれなかった「百姓」だったのかな。 いや、「百姓」になりきれなかった「侍」だったのかも。 一方で 世の中という化け物に向かっていく男を、戒め慰め包む女たちが仏のよう。 糸里天神が小浜という海の町から買われた芸妓であることが象徴的。 海は母性そして波は運命に流される当時の女性の象徴。 京都弁のしとやかできっぱりした口調を楽しめた。 文字が芸妓の奏でる琵琶や三味線に成り代わり響く。

    3
    投稿日: 2020.05.23
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    壬生義士伝で期待をして、こちらも読んだけど、正直期待外れ あまり印象に残りませんでした 京都の書店でご本人にサインまで頂いたのに、なんだか残念

    0
    投稿日: 2020.03.30
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    いろんな視点で描かれているうちに、立ち上ってくる姿は、京に上ったばかりの新撰組の面々の実像は、こうだったのかもと思わせる。 武士でありたいと願いながら、そうはなれない出自の出であることが悲しく、また、それ故に、汚れ仕事を担うしかないこともやるせない。 対して、女性たちが、力強くかっこいい。

    0
    投稿日: 2019.12.14
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    糸里だけでなく複数の女性視点からの初期の新撰組。なるほど、こういう見方もあるのかとは思わせるが、ちょっと鬱陶しい話でもある。後半に期待。 そう云えば、最近(18年12月)に映画化されたんだ。溝端淳平の土方ってイメージないなあ・・・

    0
    投稿日: 2019.03.18
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    切ない。この時代の男も女も。女はやっぱり強いなぁと思いました。土方はむごいことをするけれど、嫌いになれなくて、むしろ好きです(笑)一番切なかったのは吉栄と平山でした。本当に読んでいてたまらなかったです。糸里には土方と幸せになってほしかったです。

    0
    投稿日: 2019.01.27
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    表紙の雰囲気から何となく敬遠していたが、新撰組3部作を読もうと思い購入。 全体的ににじみ出てくる暗い感じは予想通り。 新撰組の持つ薄気味悪さや糸里の生い立ちの暗さ。 すっきりするところや、物語の中心が見えにくいところがあるが、このままこの先を読みたいと思う。

    0
    投稿日: 2019.01.06
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    下巻に記載。 (ちょうど京都幕末維新をテーマにしたロゲイニングのチェックポイントを探しに京都(島原)を探訪していたところ、ふと輪違屋の文字を発見し、現存するその建物の歴史と風格を肌で感じ、あらためて本書を読むことにした。 壬生の浪士組から新撰組へと成長する中で、八木・前川家と新撰組の関係、芹沢や近藤・土方の目指す理想像の違いとそれに伴う内紛(暗殺)なども興味深いが、本書の真髄はなにより島原という花街に生きる女性のプライド。いろいろ幅広い分野で面白い浅田次郎再評価の一冊でした。)

    0
    投稿日: 2018.05.16
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    自分では選ばない本なので、すごく時間がかかったけれど、 最後のほうは興味を持って読み進めました。 下巻も読みます。

    0
    投稿日: 2018.03.04
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    芹沢や近藤をはじめとする、後に新選組となる壬生浪士組の男性たちと、彼らに関わる女性たちの物語です。 壬生浪士組は、押し借りや刃傷沙汰、焼打ちなどの悪行をしますが、ひとりひとりが如才ない若者で、憎むことができません。彼らはそれぞれ努力精進やら向上心やらがあり、“なまじ剣の腕が立ち学問もあるからこそ、生まれ故郷に身の置き場をなくしたのであろう。(p168)”とありますが、それが本当ならば、悲しいことだと思いました。 しかし、土方が糸里の、片恋の娘心を逆手に取るのはまさしく鬼の仕業でした。“おなごにとって一番大切なものは、好いたこの人にもろうてほしいと、糸里は切実に希った。(p189)”と言っているのに、さだめのように平間に抱かれることを受け入れる糸里を見て、苦しくなりました。 また、“島原の妓たちの間で、身請け話は禁忌である。女としての幸せを手にすることは悲願であり、また成らぬ悲願であるからこそ、冗談にも口にしてはならなかった。(p285)”とあり、島原の厳しさを感じました。それでも、糸里や吉栄に幸せになってほしいと、願わずにはいられませんでした。

    0
    投稿日: 2017.11.27
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    司馬遼太郎さんの「燃えよ、剣」も面白かったけど、浅田次郎版新撰組も面白かった。 時期としては、短く、新撰組の上京後から、芹沢鴨暗殺まであたりを描く。 芹沢鴨の恋人お梅、眇目の隊士平山五郎の恋人吉栄、土方と微妙な仲の糸里、そして新撰組の屯所となる貧乏くじを引いた八木家の妻から見た新撰組。その一方、隊士本人の心情も、1つ1つのエピソードの主役にもってきて、細かく描く。 鉄道屋や獅子吼が好きでなく、浅田さんの短編集は好きではないが、こうやって、長編の中にエピソードをちりばめた今回の1冊や、同じ形態の椿山課長~はあっているのかお上手だと思う。 糸里が主人公なのだろうけれど、私はピュアなカップルの五郎と吉栄が大好き。五郎はんは、眇目で見た目は誰よりも怖いけれど、その心は優しく、温かい。吉栄と一緒に、優しい五郎はんに惚れちゃいました。引用したのも、土方に胸が締め付けられる程のひどいことをされて、落ち込み気味の糸里を察して、声をかけてくれた五郎はんの言葉。 一方、糸里はと土方は計算で動く、人間味の薄い人物で、あまり興味は持てなかった。 お梅は妾上がりで、苦労をする悩める人。愛する夫に裏切られ、同じくはぐれ身の芹沢鴨に救いを求める。 作家の本領発揮された作品だと思う。なるほど、思ってもみなかったけど、新撰組の隊士たちはこういう気持ちだったのかもと思えて来ると、誰も憎めない。 日本は、ドロップアウトすると、いわゆるエリートと呼ばれる路線にはなかなか戻れず、休みも少なく、給料も安くといった生活に陥りやすい。新撰組もそこから這い上がりたくて、何かのきっかけを求めて必死にあがいたと思うと、哀れを感じてしまう。

    0
    投稿日: 2017.11.26
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    久しぶりに次郎さんの歴史モノが読みたくなったので。芹沢鴨とは渋い……。少しだけ壬生義士伝とのリンクがあるのが嬉しい。

    0
    投稿日: 2017.11.26
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    浅田次郎氏の作品は私にとって当たり外れが大きい。「壬生義士伝」大好きです。その後、浅田氏の新撰組三部作があり、他にも同じ系統の作品があると知りワクワクしながら手に取る。 糸里と言う花魁小屋で育てられたら娘が主人公。場面と人物の切り替わりが激しく、最初読み辛い(糸里途中から全然出てこなくなっちゃうし)。この時代の話は好きなので、話の背景などを楽しみながら読み進めるが、上巻途中まで行かず、断念。ちょっとついて行けず、その後の展開も気にならなかったので、読むの断念。また機会が有れば。

    0
    投稿日: 2017.08.21
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    途中中だるみしそうになったけれど 読み進みにつれてあぁそうゆうことか~と 新選組と京都、島原に住んでいる女性達を取り巻く話ではあるけど 基本的に女性中心の話。 そんなこんなで芹沢鴨!! 他の新選組が出てくる小説では、しょーもない酒と暴力 そして暗殺された負のイメージしかないけど この小説は全然違うのね。 とにかくやはり女性目線なので色っぽい描写が多いなと思う あとなんか奥ゆかしい恋模様とか。 身分違えど男も女もいろいろあります。 そうゆう時代だったと言ってしまえばそれまでだけど you言っちゃいなよ!告っちまえよ!ってゆうのではなく 胸の中に秘めた恋というかなんというか 芹沢鴨もまぁ裏を返せば純粋無垢 土方歳三は謎。という感じか 激動の時代ですからなーそりゃそうだわなー ということで下巻に続く。

    0
    投稿日: 2017.08.18
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    登場人物に例の団体が出てくるので、ああまた変にカッコイイよう持ち上げて人気取りしようとしてるタイプの作品かもしれないなあ……と長く手に取らずにおりました。が、島原について調べたいことがあり、一端として読むことに。 浅田次郎の感性はすごいなあ。 地元の人? というくらい、微妙な空気感をうまく表現してる。京都の者が例の団体をいかに嫌っていたかというのも淡々と描いている(実際金になるほど美化されるまで、口の端にのぼることも稀だった)。それに言葉遣い。 今となっては80代・90代のおじいちゃんおばあちゃんしか使わなくなった言葉を正しく書いている。ちゃんとチェックしてくれる人物がいるのだろうが、それにしてもうまい。 距離感もいい。河原町から壬生まで。壬生から烏丸・御所まで、千本まで。歩き慣れたものの自然な距離の表現は、他地方出身だとなかなか書けないというのに、正確だ。 どこまで調べ上げているんだろう。しかし調べたことを切り貼りしている感はまったくない。であるので時代物を読んでいてしばしばおこる立ち止まり・つまづき感がない。 でもまあとりあえず一言でいうなら 某団体、16のおんなのこいじめるなばかー!

    0
    投稿日: 2017.01.09
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    正直とても退屈でした。他の方のレビューで女性達がかっこいい!とちらほら目にしますがわたしにはどうしてもそう思えなかったし、壬生義士伝を超えたとも言われているようですが断然そちらの方が好きです。楽しみにしていた分、自分と合わなくて残念です。

    0
    投稿日: 2016.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新撰組を周囲の女性(芸妓、商家の女将、壬生村の女房)の視点から描いた作品。上巻は壬生に拠ったあたりから、蛤御門の変まで。 芹沢派も含めて、単純な悪役を置かない感じが良い。

    0
    投稿日: 2016.03.12
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    桔梗屋 吉栄天神がなんともかわいい。 浅田氏の作品は、楽しめないことがまずない。 先が気になってドンドン読み進めるが読み終えると淋しい(笑)

    0
    投稿日: 2015.09.07
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    『壬生義士伝』に次ぐ浅田次郎の新選組を扱った第2弾の小説。壬生浪士組が新選組となる前、近藤勇、土方歳三、そして芹沢鴨などの人間関係が描かれている。輪違屋の芸妓=糸里が、本書のタイトル。 冒頭、いきなり輪違屋の音羽太夫が芹沢に惨殺されるところから、ストーリーは展開していく。酒乱で荒くれ者として描かれている芹沢。土方を慕う音羽太夫の妹芸妓:糸里太夫。 下巻は、どのように展開していくのか、作者:浅田次郎なりの仕掛けがあるはず・・・。

    0
    投稿日: 2015.06.21
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    新撰組の好きな私に・・・といただいた本でした。 「糸里」という題名の割には、糸里はあまり出てきません。 新撰組の主に芹沢の事が書かれていました。どこまでが本当なのか?と思う部分もたくさんあったり、新撰組の周りの女性達の新撰組に対する想い等がつづられていて、面白いです。 私の描いている新撰組とはまた違う感じでしたが、芹沢さんの他の一面がわかった気がしました。 下巻も期待です。

    0
    投稿日: 2015.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芹沢派がこんなに持ち上げられてる新撰組小説は、初めて読みました。タイトルの割には、芸妓・糸里の話は多くなく、新撰組に、異なる立場で関わる、数人の女性からみた新撰組の話。 芹沢派がこんなに詳しく書かれているのも初めてなので、平山五郎や、平間重助の人となりなど、興味深々で面白かった。 でも、芹沢鴨による大和屋焼き討ちは、会津藩の指図だったとか、相撲の興行費は試衛館に送っちゃったとか、本当?って言いたくなる。 あと、気になるのは、永倉新八の話し方。いや、細かいけど、永倉も土方も「僕」って言ってるけど、他の小説では、「俺」とか「私」と言ってるし、「僕」は、長州の言い方だと書いてあったので、違和感あります。小説において、話し方は、人格に直結すると思うので。 糸里と土方には、本当にこういう経緯があったのかな?ありそうな話ではあるけど、糸里の気持ちが報われなくて切ない。 「一刀斎 夢録」は、下巻での展開大いに不満だったので、この話も、読み終わるまで油断できないな。過度にドラマチックに、いい話風にまとまってないといいけど。

    0
    投稿日: 2015.05.18
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    映画化された『壬生義士伝』はわたしが好きな小説のひとつであるが、今回取り上げるこの小説もまた、新選組の活躍を描いた3部作のひとつである。とはいっても、主人公は書名にもあるように、「輪違屋」という置屋に勤める「糸里」という遊女。『壬生義士伝』では、吉村貫一郎というマイナーな隊士にスポットライトを当てた著者が、今度は遊女という視点から新選組を描いており、まずこの着想がおもしろいと思った。ただ、内容としてはそこまで評価できるかどうか疑問である。たしかになかなかおもしろみはあるのだが、島原という「ムラ」の論理をひたすら振りかざされたところで、いかに立派な人物であったとしても、そこまで肩入れすることはできない。男たちが熱く剣を交えて戦うウラで、こういったもうひとつの戦いがあったということには特別な感情も湧くが、それでもそこまで絶讃するようなこととも思えなかった。おなじ新選組について触れるなら、やはりもうすこし熱いドラマを読みたい。

    0
    投稿日: 2015.05.05
  • 芹沢鴨暗殺!!

    京都に行きたくなる本です。現在でも本で出てくる家屋があり、見学ができるそうです。 それらを見学して再度じっくり読みたくなる小説です。 昔も今も、女の人はたくましい!! 男は馬鹿ですね。

    0
    投稿日: 2015.04.10
  • 浅田新撰組三部作

    様々な人間模様を、敢えて当時の女性の目線から描いた傑作。新撰組という男の世界を、従来までの新撰組=武士の世界観からスピンオフし、全く異なるストーリーとして新鮮な感覚で読み進めることができる。

    0
    投稿日: 2015.04.02
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    新撰組ものの歴史小説なのだが、これを京都の芸妓を中心にして話が進む。このような視点で新撰組を書いた本はなかなか無いのではないか。この時代の小説は結構読んではいるのだが、主に尊皇攘夷派側の本を読んでいるため余り新撰組について詳しくは無い。歴史的にはほとんど触れられることの無い芸妓糸里だが浅田氏の筆により新撰組の面々と共に生き生きと描かれていてなかなか面白かった。糸里が芹沢鴨暗殺の場面に居合わせていたというだけの事実からここまで話を築き上げるのは小説家ならではですね。因みに輪違屋は現在も京都で営業しているようです。もちろん置屋ではない。

    0
    投稿日: 2015.01.16
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    女性の視点からみた新撰組の物語。 史実をベースにして、浅田ワールド全開の愛と命の物語になっています。 壬生義士伝が親子愛ならば、こちらは女性の視点から見た切なく哀しい愛と命の物語。 さらに、女たちと男たちの戦いの物語でもあり、百姓と侍の戦いの物語でもあります。 さて、上巻で語られる芹沢という人間ですが、さまざまな視点から語られ、当初、極悪な人物と思ったいたら、途中からリーダシップをもったすごい人物のような感じにもなり、どんな人物なのかがさっぱりわからなくなってしまいます(笑) 上巻の一番の切ないところは糸里と平間のくだりです。愛する男のことを思いながらも救う平間の命。これはとても切ない。 糸里という人物の力強さを感じます。っていうかそもそも本書で語られる女性達はみな力強い!それに比べて男達はなんと弱いことか.. 本作で初めて新撰組の内部抗争を知りました。 Wikiによると、本作での登場人物はみな実在のようで、暗殺事件に絡んでいるんですね。 ということで、下巻に続く。

    0
    投稿日: 2014.10.26
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    タイトルでは糸里ひとりながらも 内容は混沌とした世を生きる女たちの群像劇。 壬生義士伝と同じ幕末の新撰組を描きながら、 今度は真逆の女性視点。 つくづく浅田さんは達者だなと思う。 話の中核となるのは新撰組歴代局長の芹沢鴨と近藤勇の確執。 しかしその果てに待つ芹沢鴨の末路なら知っているし、 そもそも背表紙にも堂々と芹沢鴨暗殺事件の謎に迫ると書いてある。 はたしてどう読者の予想を裏切っていくのか。 中盤からやや退屈だったが 上巻の最後にしてあまりに切ない展開が……(+_+。) 詳しい感想は下巻にて。

    0
    投稿日: 2014.10.23
  • 此れは面白い。

    新撰組物語は多かれ少なかれ知っている人が多いが、さすが浅田次郎かなと。男だ、女だ、人間だ・・その時々の社会の渦の中で翻弄されならがらのそれぞれの人生模様が面白い。

    0
    投稿日: 2014.10.09
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    だんだん面白くなってきた。八木、前川、島原から見た新撰組の視点が新鮮。百姓出身の新撰組が武士らしいとは。

    0
    投稿日: 2014.07.26
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    お梅のストーリーは良かった。が、土方歳三が駄目男に書かれすぎていて。。何故か糸里のキャラが好きになれませんでした。 新選組を語るのに女性がメインになるのが嫌なんだと気づきました。勝手なイメージですが、男たちにしかわからない世界があって、女は自分の人生を生きつつ彼らを影から支える、で良いのではと。今の時代でそんなのは微妙かもしれませんが。

    0
    投稿日: 2014.05.25
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    最初、京ことばに慣れなかったが、読み進むうちに心地よい響きになって来た。芹沢鴨が割合好感が持てる様に描かれていて、土方歳三の方が冷酷な人物になっている。芹沢と土方の駆け引きが始まった。糸里の健気な娘ごころが悲しい。

    0
    投稿日: 2014.05.21
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    帰りの飛行機で読了。芹沢一派を美化した小説とは知らなかった。しかし、彼らまで美化すると、新選組から悪人がいなくなる。ちょっと無理があるのではないか。とはいえ、下巻では、芹沢鴨に感情移入している気がする。

    0
    投稿日: 2014.04.19
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    2014.2.12読了。 新撰組•芹沢鴨暗殺事件の謎に迫る、浅田版新撰組。 とてもおもしろい。糸里の脳内イメージがとても可愛らしい感じでできあがっている。 京言葉が耳に心地よく残ります。

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    投稿日: 2014.02.28
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    物語の後半、糸里の気持ちを思うと切ないです。下巻に期待。それから、この作品の平山五郎、ちょっと好きになりました。大河ドラマの方の影響で恐い人のイメージがあったので(笑)吉栄ともどうなるのか気になります(´ー`)斎藤一も出てきてくれて、『一刀斎夢録』、『壬生義士伝』を読んだ者としてはうれしいです(・ω・)

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    投稿日: 2014.02.13
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    島原の女性視点での新撰組の描写は自分に新しい視点をつけてくれた気がする。一気に上巻を読み終わり、下巻では新撰組の内部紛争がどのように顛末するのか気になるところ。現存する輪違屋を見たくなった。

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    投稿日: 2013.11.15
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    [やる気芋] 京都島原の芸妓、糸里と新撰組との数奇な運命の物語。『だあれも恨むのやない。ご恩だけ、胸に刻め。』という言葉とともに男社会を生き抜く女の矜恃を感じました! 佐賀大学 : みどり

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    投稿日: 2013.10.23
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    子母沢寛「新撰組始末記」、司馬遼太郎「新撰組血風録」あるいは「燃えよ剣」などとは、異にする新撰組異説。 芹沢鴨暗殺の謎とは。真相が楽しみ。

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    投稿日: 2013.10.08
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    いつものごとく、まずは登場人物を順番に登場させて、ちょっとしたエピソードも交えながら、それぞれの関係とか人間性を浮き彫りにしていく流れ。上巻でだいたいそれが出揃って、これから下巻にかけて、人生の色んな激動も織り込みながら、感動的に盛り上がっていくのでせう。楽しみです。

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    投稿日: 2013.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生まれてすぐ母親と死に別れ 島原に売られたが、音羽太夫にかわいがられ、芸や謡の腕も上がりそろそろ太夫上がりする話が出始めたころ 壬生浪士たちの内部紛争に巻き込まれ 姉のように慕う音羽太夫を殺されてしまう。  糸里…  いやなことを「いやや」って言えるのが 糸里の良いところのはずなのに… 土方さん!! ちょっと つらすぎ…  下巻につづく

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    投稿日: 2013.09.18
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    古本で購入。上下巻。 文久3年9月18日、新選組筆頭局長芹沢鴨、暗殺。 芹沢はなぜ同じ新選組隊士によって殺されたのか。殺されなければならなかったのか。 彼らを取り巻く5人の女性、島原の置屋輪違屋の芸妓・糸里、芹沢派の隊士平山五郎と恋仲の芸妓・吉栄、壬生村の郷士の妻・おまさとお勝、芹沢の愛人・お梅の視点から描かれる事件の、そして芹沢鴨の真実とは― 『壬生義士伝』に続く、浅田次郎の新選組モノ。 特別ドラマ化された際の副題「女たちの新選組」が、(安っぽさはともかくとして)要点は突いてる。 「死にたぐねぇから」人を斬り、盛岡の家族のために金に執着した吉村貫一郎を描いた『壬生義士伝』では、小説で泣き渡辺謙主演のドラマで涙腺崩壊しという有様だったのが、こちらではさっぱり。 糸里が貫いた「おんなの矜持」というものに共感できなかったからかなぁ。 近藤勇以下の新選組隊士を持ち上げる(正当化する)ために芹沢が実際以上に悪く伝えられているというのは、たぶんと言うか多々あるだろう。 こういう、「悪逆非道とされる人物が実は大人物であった」ってのは、ベタだけど燃える。 その筆頭は、芹沢ではないけど漫画『蒼天航路』の董卓。物凄い存在感だった。 この作品の芹沢鴨は大将の器を備えた立派な武士であるというだけでなく、人間的な弱さをたくさん持った人物として描かれている。 同じ「敵役」でも、ただの「悪役」よりよっぽど魅力的だ。

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    投稿日: 2013.09.09
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    退屈。糸里、お勝、おまさ、お梅等の新選組の周りにいる人達の話が中心で、登場人物それぞれが魅力的。せやけど何か退屈や。悪い事は無いんやけど退屈やねんなぁ。

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    投稿日: 2013.09.05
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    「燃えよ剣」でかっこいい土方を堪能した直後にこれ。 糸里への仕打ちはひどいよ・・・土方さん・・・ 今まで読んだ作品とは違い、女の目から語られる新選組。 芹沢や平間、平山らの魅力も描かれている。下巻も楽しみ。

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    投稿日: 2013.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく新しい。 私は今までの自分の新撰組観が180度引っくり返る程の衝撃を受けた。 何が新しいかって、新撰組の歴史に、多分、初めて女性の視点を持ち込んだこと。 女性の視点から語られることで、冷酷無比ではあるがひたすら己の信じた道を突き進む男たちのカッコ良さは、あっという間にどこかへ行ってしまった。 私は今まで読んだ新撰組関連の書物(小説・漫画)、今までに見た新撰組の物語(ドラマ・映画)の中で、あそこまで沖田総司が格好良くないものは知らない。 女の目にかかれば、美青年剣士・沖田総司も、粗野で野蛮で、剣にしか生きる意味を見出せない下らない男。 土方歳三は、自分の目的を果たすためなら、惚れた女さえも人身御供に差し出し、利用し、あまつさえ殺そうとまでするのに、それでも彼女を好きだとのたまう、矛盾する心を抱えた卑怯な男。 しかし女の目にかかると、乱暴者で傍若無人で酒豪の芹沢鴨は、純粋すぎるほどに純粋で、真っ直ぐで、生きるために嘘がつけない、不器用なだけに切なすぎる男に変わる。 この小説の中で最も女心をくすぐる男は、なんと言っても芹沢鴨なのである! これを衝撃と言わずしてなんと言う!? 男とはかくも愚かしく、それ故にこそ、かくも可愛い生き物なのか……。 というのが、この小説に登場する女たちに共通する真髄か。 そしてこの小説に登場する5人の主要な女たち、糸里、吉栄、おまさ、お勝、お梅は、男の身勝手に翻弄され、振り回されながらも、自らを縛っていた「男と女」の鎖を解き、自らの意志と力で運命を掴み取っていくのである。 例えそこに待つものが、死であろうとも……。

    2
    投稿日: 2013.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    先に読んで文句なしに面白かった『壬生義士伝』 時勢に巻き込まれ、新撰組に翻弄されながら生きていく女性たち。 新撰組の内部紛争について話が進んでいきます。 文章はすばらしく、当時の風景や生活観目に浮かび引き込まれます。 壬生義士伝読んで楽しめたなら是非読んでほしい。 面白いし続きが気になって一気に読んだんですが、 新撰組の内紛ということもあり、終わりはあっけないんですよね。 女性の強さ逞しさを描いてますが、やはり時代を動かしたのは侍であり男なのかなー。と感じてしまった部分もあり。 面白い。けど『壬生義士伝』ほど小説のダイナミズムを感じなかったので★3です。

    0
    投稿日: 2013.04.27
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    浅田さんの描く新撰組の人物像はとても魅力的だ。 同じ人物でも、作品が違えば視点も異なり、全く別の部分をみせてくれる。 本書では芹沢鴨と永倉新八の人物像に目からウロコが落ちる思い。下巻も楽しみだ。

    0
    投稿日: 2013.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

     『壬生義士伝』に引き続き、浅田次郎の新選組三部作の二作目。  芹沢鴨暗殺まで、新選組(壬生浪士組)周辺の女性視点で書かれています。  まず、極悪非道で通っている芹沢をダシにしてここまでの話に仕立ててしまうのもすごい。  暗殺シーンなんて、大抵の新選組モノでは序盤の通過点扱いなのに、ここでは、その結末に向かってすべてが動いていく。  『壬生義士伝』の吉村貫一郎にしてもそうですが、史料にはわずかにその存在が窺えるほどしか記述がない女性たちを、よくもここまでもっともらしく新選組と絡めることができるもので。  女性視点というだけあって、切った張ったの場面は少なく、屯所などでの日常生活や島原が描写の中心になります。歴史に残るような事件と事件のあいだにある空白を埋めていくため、解釈は大胆になりますが、そこにすごくリアリティがある。  同じ女性陣の中でも、それぞれの人物との距離感が違うために、彼らを見る目も違ってきます。  島原傾城として男たちと渡り合う音羽や糸里の凛とした佇まいも素晴らしいですが、わたしには八木家のおまさや、前川家のお勝の母性が胸に響きます。  永倉新八が新選組の良心です。  今までどうとも思っていなかったのですが、彼への好感度が一気に増しました。

    0
    投稿日: 2013.02.15
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    歴史とは物理や数学等の様な純粋科学ではなく、歴然たる過去の事実にも拘わらず、数十年も過ぐれば何が真実なのか分らなくなる非常に厄介な代物。芹沢鴨と言えば新撰組に関する話を少しでも齧ったことのある者なら誰もが稀代の悪漢として知る人物である。本作は正史の視点を横にずらして見た時、そこに何が見えて来るかの実験と言える。前作『壬生義士伝』では新撰組の陰の象徴である斎藤一の昔語りに圧倒されたが、ここでは陽の化身たる永倉新八の現在進行形の今語りが目を引く。読みながら青春期の偏愛作家・澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』を想う。

    1
    投稿日: 2013.01.24
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    女達がカッコいい。 中でも滅法しびれる音羽太夫がのっけから死んじゃったけど・・・。 これまで「傍若無人で嫌われ者の芹沢一味が大雨の日に寝入りばなに愛人もろとも殺されましたとさ。」と、さらっと流していた暗殺事件。が、視点を芹沢側にすればこんなドラマがあったのだ。 土方の非情さ、芹沢鴨の思いがけない繊細さ。 糸里の度胸、覚悟。 男相手に啖呵を切るお梅の意地、底力。 登場人物全員が魅力的です。

    0
    投稿日: 2012.11.08
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    他の小説を読んだとき、 芹沢さんは悪い人、だと思っていましたが この本を読んで少し考えが変わりました。 みんな辛い思いをしてきているんだと思いました。 読みやすく、とても良かったです!

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    投稿日: 2012.10.13
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    芹沢鴨がメインのお話。 寂しく切ない、男女の物語。 今の世の中普通に恋ができて生きていけるというのを改めて感じさせられた。 リアルですね・・・。 命の大切さを改めて感じさせられた。

    2
    投稿日: 2012.09.11
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    読もう読もうと思っていたけど、なかなか読めなかった、でも、面白い。いつもの新選組の小説ではない。下巻が楽しみ。

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    投稿日: 2012.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ええな、いと。だあれも恨むのやない。ご恩だけ、胸に刻め。ええな、わてと約束しいや」  生死というものを直視することのできない男の価値観を乗り越え、それさえも抱擁し、難局を打開しゆく女性の力強さが漲る。  生を育む性だからこそ実感し訴えることのできる生命の尊さが、新撰組と同じ時代を生きる女性たちの口で語られてゆく。

    0
    投稿日: 2012.08.17
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    浅田次郎さんの新撰組三部作の第二部。 以前読了した第一部の「壬生義士伝」、第三部の「一刀斎夢録」が大好きでして、 芹沢暗殺について描かれた第二部へと辿り着き、他の本を読む間に読み進めました(^-^) 女性目線を中心に話が進む今作は、他の2部とは違った深みを持った一冊。 下巻も気になります(*^o^*)

    0
    投稿日: 2012.07.29
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    ある太夫の斬殺を通して透かし見る、壬生浪と女性達の愛憎物語。彼らの登場は時代の偶然か必然か。はてまた巨大な謀略の一環か。。 壬生義士伝のサイドストーリーとして、女性視点から隊士の人となりを客観的に描く秀作。全編に渡る京言葉が美しい。

    0
    投稿日: 2012.07.26
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    2012.7.12.thu 【経路】 akanehigeの一等のお気に入りと聞いて。 【感想】 新撰組の内部抗争を、各々の心理に迫って描写した話。 芹沢派について特筆されている。 当時の身分の考え方、在り方をどう考えているのかを、ジレンマやコンプレックスなど細かくリアルに書かれてあるのが興味深い。 土方や沖田を主とした作品はいくつか見てきたけれど、芹沢をここまで深く考察している作品に出会ったのは始めてで新鮮。 akanehigeには登場する女たちがそれぞれ身震いするほどカッコいい!と聞かされていたのだけれど、まさにその通りで、浅田次郎やるなぁと思った。 ※下記後日編集予定 【かっこいいポイント〜男】 ●芹沢 ●平山 ●平間 【かっこいいポイント〜女】 ●糸里 ●音羽 ●吉栄 ●お梅

    1
    投稿日: 2012.07.13
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    下巻、芹沢鴨暗殺の場面は圧巻。 高校生のとき輪違屋糸里ツアーと称してひとり新撰組の屯所だった八木邸から島原まで歩いて角屋に行ったことを思い出します。

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    投稿日: 2012.04.17
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    女性側(島原の芸者)から見た新撰組が新鮮でとても面白い。また、芹澤鴨を題材にした話ということで新撰組が違う視点から見れるのも面白い。下巻を早く読みたい!

    0
    投稿日: 2012.04.06
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    壬生義士伝以来、浅田次郎の歴史物はこれで2冊目。京都島原の輪違屋という名の置屋の糸里なる芸妓が主人公ではあるが、物語の中心は新撰組局長の芹沢鴨。芹沢鴨は司馬遼太郎の小説では新撰組の巨魁とされているものの、単なる悪党的な描写に終始していたが、この作品ではその芹沢の人間性を細かく描写しており、さながら司馬遼太郎作品の裏番組を見るような気持ちで読める。いずれにしても、芹沢は悪党なんだけど(笑) また、新撰組二番隊隊長の永倉新八も物語の中で大きな役割を担っているが、近藤・土方・沖田らの新撰組創設メンバーが天然理心流の同士だったのに対し、永倉は芹沢鴨と同じ神道無念流の免許皆伝であり、隊の中で葛藤しながら隊務を全うしようとする生き様が描かれている。むろんかなりフィクション色の濃い小説なのだが、そう感じさせない文章力は白眉。

    0
    投稿日: 2012.04.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一気読みました!! これも新撰組のおはなし あたしは壬生義士伝よりこっちの方が好きだなぁ 最初から主人公糸里の大切な人が死んでしまってボロ泣きしました この時代の話を読んでいると生きるって何なんだろう?という疑問がわいてきてしまいます みんな生きるのに必死だったこの頃に比べると現代の人々は生きようとする意欲が欠けてしまっている気がします そういう自分もなんだけれど全てがおざなりになってしまっている感じ もう1度自分を見つめなおさなきゃなぁと思いました

    0
    投稿日: 2012.03.24
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    江戸時代の京都の花街 島原の置屋 輪違屋に幼くして売られて来た主人公 糸里の話し。幕末に京に登って来た新選組、芹沢鴨が島原でも乱暴狼藉を働き糸里が慕う音羽太夫を無礼討ちにしてしまう。なんと酷い仕打ちだと思うがそれ以上に新選組 土方歳三の策略が陰湿に感じられこれまで持っていた土方のイメージが変わってくる。

    0
    投稿日: 2012.01.29
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    新撰組を隊士目線ではなく、新撰組と交流のあった女性の視点から描いた作品。 新撰組はえてして戦隊物のキャラクターみたいに個々を善悪にカテゴライズされてずらりと並べられがちだけど 実際は、新撰組として存在したほんの何年か以外は、普通の若者だったんだ。 それが染み出してくるだけで、見てて切ない。

    0
    投稿日: 2011.12.24
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    新撰組の前身集団、壬生浪士の話。京に留まった浪士達の芹沢暗殺までの物語。本題の島原芸奴の糸里や浪士達にかかわる女性達の目線で描かれ、あのいつもの新撰組とは一味違う感じ。上巻は、京での浪士達の生活や登場人物紹介といったところ。お金の工面に明け暮れながら 虚栄をはる浪士達。裏からの一面をみるようで、興味深い。事件の核心へと進む下巻に期待。

    0
    投稿日: 2011.12.05
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    「粗暴で酒グセが悪い芹沢鴨」という定説を覆すことで新撰組の歴史を書き換えてゆく。なるほど「影武者徳川家康」や「妖説太閤記」の手法だ。「壬生義士伝」よりは落ちるけど、面白かった。 ちゃんと「史観」があるし、ただの泣かせ小説じゃない。

    0
    投稿日: 2011.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    畏れ入ってはならぬ。ほんまのお侍に、ほんまのおなごが物を言うのんや。 「輪違屋糸里」というタイトルながら、主人公は糸里だけではないと思う。音羽太夫、吉栄天神、お梅などの女性も、芹沢・土方を中心にする新選組も、皆のそれぞれの生き様が描かれる。 決してハッピーエンドとは言えないけれど、女の強さを感じる作品。

    0
    投稿日: 2011.10.02
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    久しぶりに浅田次郎の本を読破。 やっぱり読みやすいね。 壬生義士伝は最後もらい泣きしましたが 今回はどうか!!

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    投稿日: 2011.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女性はいつの時代も強い。 女性の眼で見る幕末はなんとおろかなのだろう。。。 今回の芹沢鴨は嫌いになれない。

    0
    投稿日: 2011.07.10
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     糸里が主人公なのか芹沢鴨が主人公なのかよくわからないが、とても面白い。  芹沢鴨は島原の芸妓と吉原の花魁の違いがよくわかっていないで遊んでいましたが、自分の違いを知らなかったので、色々奥深いんだねえ、と感心しながら読み進めました。

    0
    投稿日: 2011.07.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々の浅田次郎の小説。 内容は、新選組の話。映画にもなった壬生義士伝の続編ともいうべき作品。解説に頼ると、壬生義士伝が 男性から新選組を描いていて、今回は、女性から新選組を描いている。 新選組というと、どこか艶やかな印象だけど、この小説を読むとその奥にある、武士と農民に象徴的な身分による差別がえぐりだされる。さらには、華やかさの裏にあるお金の工面という問題。やはり江戸末期になると、お金は商人がもっているのであった。 お金、身分差別・・・そして貧困の中で身を立てるために、必死になって芸をみにつける女性。いわゆる教科書の歴史の中では学べない世界がそこにあった。壬生義士伝は涙がでたが、糸里は、胸に響いてくる小説で考えさせられた。

    1
    投稿日: 2011.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    八木・前川家の女連中、島原の天神、お梅など複数の女性たちの視点から、芹沢暗殺までを描く。 結構、浅田次郎の解釈・創作が入っているので、新選組初心者向きではないような気もするけど、ファンならその違いを楽しめる。 でも群像劇なので、小説として読めば、誰が読んでも面白いかな? 焦点をあてた人物の語りが唐突に展開される形式は、読み手が慣れるまで流れに不自然さを感じてしまう気も。 芹沢さんがいいひと^^ 誰が悪役という、紋切り型の構図ではないのが面白い。構図といえば、この時代の「武士と百姓」なんだと思う。 そして永倉がとても蚊帳の外(笑)。よくよく考えてみれば、たしかに微妙な立場なんだわ。永倉新八って。 まだ上巻なので、総合的な評価は下巻を読んだあとに。

    0
    投稿日: 2011.05.04
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    『だあれも恨むのやない。ご恩だけ、胸に刻め』 島原の芸妓・糸里は、姉のように慕っていた輪違屋の音羽太夫を芹沢鴨に斬殺されてしまう。 近藤勇ら試衛館派と芹沢鴨ら水戸派の対立が徐々に深まっていく壬生浪士組 そして、その内部抗争に巻き込まれていく糸里ら女達の物語。 女性の側から絵が描かれた新撰組の物語という感じで面白いです。 何よりも弱い立場でありながら、誰よりも強く生きていこうとする女達に心を打たれました。

    0
    投稿日: 2011.02.02
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    2010.05.22読了。 超泣けた。 女の目線から見た幕末新撰組。 糸里や吉栄、おまさ、お勝、お梅それぞれの女性の視点でみた新撰組の隊士たちは全然違って見えた。 特に芹沢はただの悪者ではなく、今までと違った一面が見れたかな。 そして女はやっぱり強いなって実感。 どんなに不幸で恵まれない境遇でも強く生きる女たち。 すべてを乗り越えて糸里が太夫になり練り歩くシーンはほんとに鳥肌立つくらい感動した。 島原を離れた吉栄が生まれた娘においとって名前をつけたのも。 かなり満足。

    0
    投稿日: 2011.01.14
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    芹沢暗殺までの顛末を輪違屋の芸妓・糸里、八木家、前川家の妻女、菱屋のお梅など女たちの視点から描いている。だからかもしれないけれども(作為的に?)、おなじみの試衛館の面々もちょっとイメージが違うように思う。 本作でも『壬生義士伝』で用いられた独り語りの技巧が使われているのだが、地の文(オーソドックスな三人称の語り)が突然途切れて、長々と人物の長広舌が始まっていたりして実に収まりが悪い。映画に例えて云うなら、やたら長いフラッシュバックが突然始まって、本筋に戻ったときにはすでに話の流れを忘れている、というような居心地の悪さを覚える。 『壬生義士伝』では「巧い」と思わせた技巧も、まるで自分の作品を模倣(パスティーシュ)するかのように再利用されると、ものすご〜く狡智が鼻につく感じ。才に溺る。

    0
    投稿日: 2010.11.22
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    時は幕末。 芹沢鴨暗殺までの物語を、新撰組に関わりのある女性の視点から描いた作品。 芹沢鴨を何とかカッコよく見せようとしている感じ。 悪役芹沢に慣れているせいか、非常に違和感あり。 登場人物に語らせるシーンは秀逸。

    0
    投稿日: 2010.11.21
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    京都旅行中に雰囲気を盛り上げるために再読。上下巻共の感想。 浅田さんは文章によく触感の描写を入れてくるから生々しいですね。 女の目を通した新選組というのも新しくて良い。八木家の奥さんと前川家の奥さんが、それぞれ自分の家に住んでいるほうに愛着が湧いてしまうというのはなるほど、それはあるだろうねと微笑ましいような気持ちに。 この土方さんは色んな新選組小説の中でも多分トップレベルの人でなしで冷血漢、そして頭の良い人。そんな土方さんなら糸里に語っていることにも嘘が入っているのだろうけど、糸里はそれを分かっていながら受け入れているような。イイ女です。 浅田さんの新選組小説はとても面白いので、一度函館戦争の最後まで書いてほしいな読みたいな、というのが私の願いです。

    0
    投稿日: 2010.10.21
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    上下読了。お梅さんの啖呵に惚れ惚れしつつこのっ土方死に晒せ腐れ外道!と叫んで終わった上巻でしたが涙涙の咽び泣きで呼吸が苦しい下巻なんだぜ…お梅さんがもうほんと泣けて泣けて。芹沢さんもどんどん魅力的な御仁の全貌を明かしていくしもうこの二人の結末はこれでよかったと思います。お勝さんとお梅さんの絆とも云えない情のありさまに作中いちばんの気高い灯火を見ました。きっちゃんと五郎さんが紡いだ清らかな夢にもいい涙もらいました。糸里と土方の結末は感傷的な気持ちは否めませんがこうなってこそだな、と頷ける。めがねを拵えてやったあと川原で徐に身の上話、に織り交ぜて芹沢暗殺の幇助要請、を忍び込ませたりベタだな土方、と思わず呟き。女という性に恐れ慄く彼は燃えたけどなー。個人的に二番・三番隊隊長にものっそ燃えた。バイトの先輩が仰ってたように浅田さんはお話が面白いですね。大変いい時間を過ごさしてもらいました。

    0
    投稿日: 2010.09.22
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    新撰組入門に…と思って読んでみた本。しかしあまり“入門”という感じにはならなかったかも。(ある程度詳しい人向け) 心理サスペンス要素あり。

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    投稿日: 2010.09.18
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    幕末の京都を生き抜いた女性の、芯の強さと、生死を向かいあう幕末の志士たちを愛しぬく、折れない心の純粋さに胸が熱くなった。後半は何度も涙が。 もし、この時代に生まれていたら・・・ありえないくらい弱い立場でここまで強く生きれるのか、考えさせられました。 自分が弱くなったり、甘えが出たときに読み返すため、ずっと手元に置いておきたい1冊。

    0
    投稿日: 2010.09.12
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    上下巻読了。面白かった。新撰組の話というよりは、それに関わった女達の話。 私はお梅さんが好きだった。言わずもがな芹沢の愛人だったわけだけど、かっこよかった。江戸訛りも切れがあった。 吉栄と平山の話よかった。平山男前だったな。 糸里は地味かと思ってたけど、最後の最後にやったね。 土方はちょっとかっこ悪い男だったが、一方女が強い。 浅田次郎の台詞部分は妙に温度を感じる。今回は京訛りというのもあって余計にそう思った。

    0
    投稿日: 2010.08.17
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    新撰組の外部にいる女性目線で話が進む 悪役なイメージだった芹沢が意外といいやつでびっくりでした 女性のたくましさに圧倒されそうになる 時々描写される女性の動作にはっとすることも

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    投稿日: 2010.07.25
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    流麗な文体と精緻な心理描写がたまらない。すべての登場人物が、すべて自分のすべきことをプライドを持って実行し、結果的に愚かと評されようとあっぱれと讃えられようとすべてが歴史の必然の糸となり絡み合う。悪人を自認しその役回りを引き受ける芹沢の描写がいい。偉大で愚かな男たちを包み込む女たちが切ない。狂おしいほどに糸里が愛おしい。

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    投稿日: 2010.06.09
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    内容(「BOOK」データベースより) 文久三年八月。「みぶろ」と呼ばれる壬生浪士組は、近藤勇ら試衛館派と、芹沢鴨の水戸派の対立を深めていた。土方歳三を慕う島原の芸妓・糸里は、姉のような存在である輪違屋の音羽太夫を芹沢に殺され、浪士たちの内部抗争に巻き込まれていく。「壬生義士伝」に続き、新選組の“闇”=芹沢鴨暗殺事件の謎に迫る心理サスペンス。

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    投稿日: 2010.05.26
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    京都の芸妓であり、土方と相思相愛の16歳の糸里と、新撰組に関わった女達の物語。 意地の張り合いの末に殺し合いまでする新撰組の男達と渡り合うヒロイン達は凛としていて優しくてカッコイイです。 芹沢鴨と一緒に死んだお梅さんとか。 ラストシーンは土方にキュンとしてお糸ちゃんの男前っぷりに感服します。

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    投稿日: 2010.04.22
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    新撰組の男たちを、女の視点・観点から眺め、語ったもの。 歴史物と言うよりは、ラブストーリーというジャンルである気がする。 糸里をはじめとする、動乱の渦に巻き込まれつつも、凛として生きる女たちの生きざまには胸を打たれるものがある。 ラブストーリーとしても新撰組ものとしてもお勧めの一作。

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    投稿日: 2010.01.08
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    中島孝志の本の薦められていたから、読んでみた。 新撰組の本だとは知らなかったよ~。 そして、新撰組、本ではちゃんと読んだことなかったかも? 名前が出てもぴんとこない人もちらほら。これは 三谷幸喜のDVDを借りるべき?

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    投稿日: 2009.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が「壬生義士伝」でハマッた、浅田次郎の新選組モノの女性目線版。 いやはや面白かった。一気に読んでしまいました。 物語としては文久3年の夏から芹沢鴨が暗殺される9月16日までの短い間の新選組とその周囲の女性達の物語。 一部沖田総司を語り部とする部分はあるが九割方は女性目線のお話。 この物語の面白いところは、史実上は我侭、酒乱、癇癪持ちの芹沢鴨を実に人間味豊かな本物の武士として描いている。 その反面、近藤勇は少し頼りなく、土方歳三は頭の切れる冷血漢として描かれています。 ペンの力の凄さを感じるこの作品は、題材が史実なだけに「大和屋の焼き討ち」「禁門の政変」最後のクライマックス「芹沢鴨暗殺」等の出来事は実際に起こったことですが、その史実に浅田次郎の推察(創作を含)で面白く味付けしてあり、史実を冷静に捉えないでこの小説だけ読むとまるで事実かと思える程。 もちろん浅田流の泣かせる部分もしっかりありました。 浅田次郎恐るべし!

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    投稿日: 2009.11.18