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損料屋喜八郎始末控え
損料屋喜八郎始末控え
山本一力/文藝春秋
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総合評価

39件)
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    『あかね空』の山本一力氏のデビュー作とのこと。江戸時代、同心を辞し、町人となった喜八郎が、札差の悪事を暴くお話。江戸時代の景色が目に浮かんでくる。シリーズ化されているので、次も読んでみよう。

    29
    投稿日: 2025.08.06
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     『損料屋喜八郎始末控え』シリーズ第1作。深川で小さな損料屋を営む喜八郎が、真っ当に生きる人たちの暮らしを守る姿を描く経済時代小説。4編からなる連作。再読。       * * * * *  田沼バブル経済と定信緊縮財政。真逆の政治体制に翻弄される江戸が舞台です。  そして主人公は、深川で損料屋を営む元同心の喜八郎という男。この喜八郎が実に魅力的。  損料屋の規模は小さいものの、優れた洞察力と抜群の経営センスで大店の札差たちと互角以上に渡り合い、真っ当に生きる江戸の庶民たちの暮らしを守ろうとする喜八郎が、なんとも粋でカッコイイんです。  やはり何度読んでもおもしろい! シリーズ化が納得できるほどの出来栄えで、一力節の本領が存分に発揮された名作です。

    0
    投稿日: 2021.10.05
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    山本周五郎、藤沢周平に続く凛とした時代小説の作家だと思う。 「万両駕籠」「騙り御前」「いわし祝言」「吹かずとも」 と連作長編。 江戸時代にはいろいろな職業があった。損料屋とは庶民に鍋釜ふとんをわずかなお金で貸すなりわい。侍だった喜八郎の仮の姿、転職組み。このキャラクター、ストイック。紺木綿の薄着で素足、背筋が通っている。目に力、かすれ声、若い。 その喜八郎が奉行所を辞めて損料屋になるについてのいきさつからこ憎い面白さ。役人の保身はいつの時代でもあるのだなー。ってあたりまえかな。 田沼時代のバブル崩壊後、札差という金貸し業が上に取り入り陰であくどくかせぎ、のさばるのを彼がある方法で、あくまでも冷静に底深く抵抗しくいとどめる。それが痛快である、あこがれるのである。 また全編、風雪雨季節のかおりがただよっている。それがうるさくないほどに。 江戸時代の経済のしくみが分かるし、お金にまつわるバブル後の現代に通じる話になっている。剣劇はことさらない、浮いた話もないが文章がうまくて、構成が凝っていてなかなか面白い。 山本一力 1948年生まれ。「あかね空」で126回直木賞。 うーむ、はまるかもしれない。

    0
    投稿日: 2021.09.11
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    読み応えありました。3作目があっさりだったので、それが作風かと思いきや。 前シリーズ読みたくなりました。主人公ちょっと堅過ぎだと思いません?

    2
    投稿日: 2021.07.05
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    「損料屋」(日用品のレンタルショップ)とあるが、主人公・喜八郎が損料屋を営むシーンはない。あくまでも損料屋は表向きの姿であり、実際は過去に世話になった元上司で北町奉行所与力・秋山久蔵と札差〈米屋〉のために探索、推理、そして『始末』を着ける、裏で動く仕事人のような感じ。 第一話では〈米屋〉を先代から引き継いだ若主人・政八が店を畳むと言う。ご時世もあるが元々商売下手なようだ。中でも同業者〈伊勢屋〉には手酷い思いをさせられているようで、どうせ畳むなら〈伊勢屋〉に一杯食わせる形で…とい喜八郎の図らしい。だが結果はちょっと違っていて。 第二話ではその〈伊勢屋〉が〈米屋〉に意趣返しとばかりに大掛かりな騙りを仕掛ける。〈米屋〉主人の政八は典型的な坊っちゃん主人。自分の裁量がないのは棚にあげて喜八郎を見下すし、ちょっと持ち上げれば思い通りに動いてくれるし。あのまま店を畳んでいれば良かったのに…と思うが、結末はさて。 第三話は料理屋〈江戸屋〉の板長・清次郎を巡ってのまたまた騙りの事件。〈江戸屋〉の女将・秀弥は喜八郎を慕っているのがアリアリで喜八郎もまんざらじゃなさそうなのに何故か進まない二人の仲。いつも手助けしてくれる〈江戸屋〉への恩返しは上手くいくのか。そしてこの話になると〈伊勢屋〉=悪徳業者という設定が変わってくる。 第四話は〈伊勢屋〉に借金をしている〈笠倉屋〉がいよいよ首が回らなくなって最後の手段と〈伊勢屋〉にある仕掛けをしようと企む。しかし〈笠倉屋〉もまた小者というか、窮地に追い込まれた故に盲目になってしまったというか。 物語の背景にあるのは札差と武家の良くも悪くも切れない縁と、武家の借金を棒引きする「棄捐令」。 札差業者の栄枯盛衰を見ているとバブルがはじけた直後の日本を見ているようだし、「棄捐令」で混乱する経済状況を見ると行き当たりばったりの政策に頼らざるを得ない今の社会のよう。 与力・秋山も良かれと思って「棄捐令」を進言したのであり、実際に実行された当初は武士仲間に感謝されたのに、結果的にはそれが札差連中だけでなく武士の首を締めることになった。 札差連中=強欲で悪徳業者だから潰してしまえ、という簡単な図ではない。そこがこの物語を複雑に面白くしている。 チーム喜八郎も頭の回る連中から体が先に動く連中まで様々いて個性的。喜八郎が頭から荒事から何でも出来ちゃうのがやり過ぎな感もあるが危ない仕事をしているのだから仕方ないか。 冒頭は取っつきにくい感じのあった文章も段々慣れてきた。まだキャラクターは硬い感じがするがシリーズが進むに連れて魅力的になっていくだろうか。

    32
    投稿日: 2021.06.20
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    最後にホロリと涙が出るようなストーリーです。基本的にハッピーエンドですが、駆け引きは、ドキドキします。江戸時代の生活も感じられて、楽しめます。

    1
    投稿日: 2020.10.24
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    2010.12.17(金) 2018.7.2(月)¥180(-2割引き)+税。重複購入 2018.7.25(水)。

    0
    投稿日: 2018.07.25
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    2018.03.13.読了 だいぶ前に読んだようだが、 何も覚えていなかった。 本当に読んだのかな? 秋山久蔵の名前に驚いてしまいましたが、 別人ですね。 これからの喜八郎の活躍とても楽しみです。

    1
    投稿日: 2018.03.14
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    直木賞作家・山本一力さんのデビュー作。 以前この人についてのテレビを見た事があります。起こした会社が倒産し、借金返済のために作家になったという、変わった経歴の持ち主。そんな経歴に引かれて手にとる気になったのですが。。。 「時代小説に新風を吹き込んだ」がうたい文句です。確かに札差達による経済戦争を背景にしていることは目新しいのですが、「新風」とまでは言い難いですね。背景以外は通常の捕物帳仕立てです。 大きな破綻もない代わりに、特に作者らしさのような物も感じられない。色々な作品を読んで、その延長で書いたらこんな作品が出来た。そんな感じの作品です。 とはいえ、それなりの完成度で、そこそこ楽しめました。これがデビュー作ですから、その後を期待したいと思います。

    1
    投稿日: 2017.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    喜八郎がカッコいい。 危なっかしい米屋政八を手助けする為、大手の札差たち(主に伊勢屋)と息詰まる頭脳戦を繰り広げるのですが、いつも冷静で隙がないクセに、江戸屋の女将に対してはなかなかグイグイいけないところがまた良いです。 そして、ラストの富岡八幡宮本祭で、驟雨の中で神輿に紛れての捕縛(?)シーンは圧巻。思わず頭の中でスローモーションで映像化してしまいました。 当時の江戸っ子たちの粋な姿も魅力です。

    2
    投稿日: 2017.08.13
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    必殺仕置人のような展開で、札差の悪事を主人公の損料屋になりをひそめた喜八郎が主人の旧知の与力 秋山と仲間とともに密かに解決していくという話で、江戸下町の粋な姿と絡みあって、とても面白かったです! 続編もあるようなので、喜八郎と江戸屋女将の秀弥との恋模様も気になるところです。 でも、江戸屋女将の秀弥は、初期の山本一力の作品には欠かさず登場する定番人物のようです。

    1
    投稿日: 2017.07.15
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    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、 刀を捨てた喜八郎。 庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に。 元上役やいなせな仲間たちと力を合わせ、 巨利を貪る札差と渡り合う。 田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる 息詰まる頭脳戦。

    1
    投稿日: 2016.02.12
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    L 損料屋喜八郎始末控え1 棄捐令のことを知っておくと◯。 時代背景をわかっていた方が面白いと思う。 喜八郎を支える手下たちはイヌでもないし目明しでもないし…なんだか微妙。元同心の喜八郎を損料屋にした先代の米屋との約定はわかるが、そこまでしてやるほどのことなのか、ちとピンと来ず。ここに出てくる様々な職を持った人たちは次巻にも出てくるので逃さないように。

    1
    投稿日: 2015.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔の金貸しのお話。 そういうところには人間の色んな面が見え隠れする。 簡単に善人悪人を決めつけることはできないが、 人を見極める能力に長けた人がお金を動かす商売には向いてるんだろうな。と思った。

    1
    投稿日: 2014.04.24
  • 江戸時代のディテールで描く、人情とお金と日々の暮らしのこと

    10以上の職を転々として、80年代に2億円近い借金を背負い、その返済のために作家への道を歩み始めた山本一力氏。その経験は、本書で江戸時代の金貸し業者“札差”を描くことに役立っているようです。これは、幕府と侍たちの米の仲介業者であった札差が貸金業へと移行し、裏側での存在感を増していった時代の話し。貸金業者と庶民に生活用品を貸し出す”損料屋”に身をやつした主人公との対比構造は、江戸っ子の人情と生活を描く格好のモチーフとして、万全に配されています。江戸時代の経済状況、生活の水準、借金棒引きの“棄捐令”発令という政治との関係等々、江戸時代のデティールの知識と描写が、巧みに織り込まれたデビュー作とは思えない、充実の作品です。(スタッフI)

    1
    投稿日: 2013.09.20
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    連作短編集というべきか、長編というべきか。 主人公は「損料屋」を生業にしているが、この商売についての場面はほぼありません。 札差さんたちの商売あれこれの駆け引きがメイン。

    1
    投稿日: 2013.06.19
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    主人公の喜八郎を始め脇を固める登場人物たちが兎に角カッコイイ。敵役の伊勢屋ですら実にカッコイイ。巨利を貪る札差達との頭脳戦、も楽しいんだが、とにかく人物たちのカッコ良さを骨の髄まで楽しめる傑作。 そして深川八幡祭のクライマックスへの昇り方がまた呼吸を忘れさせてしまうほど。神輿の『差し上げ』なんて今まで見たことも無いし、当然挿絵なんかもついてないのに、脳内再生されたその粋っぷりに思わず涙腺崩壊。 続編もあるらしい。実に嬉しい。早く読まねば。

    1
    投稿日: 2013.05.02
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    喜八郎以下、損料屋の面々と秋山がいいな〜と読んでいたが、 伊勢屋や政八も良い感じに。 作者の人柄が忍ばれるシリーズ。 次も楽しみ。

    1
    投稿日: 2012.07.23
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    山本一力単行本デビュー作。 御家人を救うために借金を踏み倒す「棄捐令」。その後の締め貸し(貸し渋り)による景気低迷が、この後の山本一力の殆どの連作作品の時代背景となっている。日本経済の長期低迷と重ねあわせていたのだろうか。 上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に身をやつした喜八郎が、金の力を笠に着て巨利を貪る「札差」に立ち向かう。 その後の一連の深川人情物とは少し色合いが違い、シリーズを意識した作品。

    1
    投稿日: 2012.05.19
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    棄捐令の功罪は重く問われるなぁ 現代の日本とも見まごう不景気を もたらした政策 多分2度目に読んだのですが、前回は どことどこが敵対しているのか分かり づらかった

    1
    投稿日: 2011.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白い。江戸の話だが、莫大な金を持ち、時代を謳歌していた札差屋が、幕府の政策で没落して行く栄枯盛衰の物語。ただ、借金を棒引きされて、一時は喜ぶ武家も、借金せざるを得ない構造で借金が難しくなると途端に借金を棒引きした担当者を恨んでしまうのが、現代と同じかも。主役は頭が切れてかっこいいのだが、悪役かと思うと別の顔もありそうな伊勢屋が気になります。続編を期待。

    1
    投稿日: 2011.09.20
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    内容(「BOOK」データベースより) 上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、刀を捨てた喜八郎。庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に身をやつし、与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る札差たちと渡り合う。田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる息詰まる頭脳戦。時代小説に新風を吹き込んだデビュー作。

    0
    投稿日: 2011.09.06
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    鬼平犯科帳と同じ時代・地域が舞台だけに、読みながら色々とリンクしてくるのが面白い。どちらも表組織の奉行所から少し隠れた組織や人が活躍するのだけど、こちらはチャンバラが無い分、現代サスペンスに近い感じで読みやすいかも。富岡の周りを散策したくなった。

    1
    投稿日: 2011.08.13
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    派手な事件は無いけど、市井の人々がちゃんと息づいている小説。 江戸家の女将がいいね。あこがれます。

    1
    投稿日: 2011.08.01
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    うちの家族は私を除いて皆時代小説が好きなのですが自分はあまり読まないのです。なぜか?なぜだろう…。この本は父が購入した本です。 時代小説はあまり読まない私ですが山本一力氏の『あかね空』は読みました。面白かったです。描写がとても精密でわかりやすいからでしょうか? と、言うわけでこの本も両親に面白いよ、と言われて読みました。面白かったです。損料屋と言う職業自体初めて知りました。短編が4本ほど収録されているのですがただの勧善懲悪物にならない様が見事です。是非興味がありましたら一読をお勧めします。

    1
    投稿日: 2011.07.19
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    第一弾 多少理屈ぽい感はあるが面白く読める。登場人物が凝っているのが今後に期待か? 話としては続いているが、短編の完結形式

    1
    投稿日: 2011.05.22
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    なるほど、これは先に読むべきだった。失敗。 損料屋喜八郎シリーズの事。 先に赤絵の桜を読んじゃったんだよね。確かに1話完結だけど、前作までの因果が含まれた話がずっと続いていくので、順番道理に読んだ方が面白い。 万両駕籠 騙り御前 いわし祝言 吹かずとも 職業紹介とも言われる一力さんの時代小説だけれども、あまり肩肘張らずとも、日々の生活の片隅にある粋?じゃないな、これだけは越えちゃいけない一線ってものがそこにあって、それが心地良いわけだ。 そうだよな、世の中、善人ばっかりでも悪人ばっかりでもないし、悪事オンリーの人も、善事オンリーの人もいないわけで、それが世の中の面白さってものだよねぇ、と思わせてくれる。 でもさー、やっぱり失っちゃならねえ信用ってのはあるものでね。 うう。ちゃんと生活しないといかんわ、と読むたびに反省したりするわけです。 「吹かずとも」 偽金作りの企みが二転三転していくのがとても面白かった。

    1
    投稿日: 2011.05.14
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    「田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる丁々発止の頭脳戦」と帯にある。 貨幣経済に移行してからの江戸の経済は現代に通じるものが多々ある。武士の暮らしは、金貸しなくしては成り立たなかったようで、棄捐令の後の「貸し渋り」など、近年の銀行と類似する。喜八郎の様々な策略と、商人たちの知恵比べ、幕府の動向と絡めて、面白くストーリーが展開する。 江戸の人間模様を挟めた経済小説。

    1
    投稿日: 2010.11.03
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    3月22日読了。山本一力のデビュー作。武家相手の江戸時代の金貸し業・札差や何でも屋・損料屋など、刀に物を言わせるサムライでない町人たちを主人公とした4つの連作短編集。町人の隆盛と裏腹に武家が困窮し、共に弱体化した幕府が打つ武家の延命策(借金の棒引き)に対し金貸しの恨みが募る・・・などの江戸末期の時代のうねりが、読み進むにつれて読者に伝わってくる構成・描写力はさすが。・・・とは言え札差たちの悪事の露見が安直に過ぎる気がするのと、無理やり人情話にしなくても・・・?という疑問はあるが。この小説が「あかね空」に結実したのならば、それでよしとするか。

    1
    投稿日: 2010.03.22
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    これがシリーズ1作目か。2作目先に読んじゃった(笑) こっちのほうがずっとおもしろかった♪ 悪をたくらむ相手をスコーンとやっつけたり(でもちゃんと逃げ場は残しておいてやる) なかなか爽快でした。 テレビの時代劇にしたら面白そうな感じ〜

    1
    投稿日: 2009.09.10
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    巨利をむさぼる札差、借金にあえぐ御家人。これをたすける為に幕府は借金棒引き令を出すが…どこまでも強かな札差相手に損料屋が知恵を絞る短編集。最初は強欲な札差をやっつけるのが痛快だが、札差にも札差の立場があり、そちらからの視点も入ってくるのが公平だと感心する。何しろ元はといえば借金踏み倒す幕府の方が泥棒なのだ(笑)札差の逆襲などもまた読んでいて面白い。いつの世も金とは争いの種である☆

    1
    投稿日: 2009.04.02
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    この、一筋縄でいかない人間関係、面白い! 一筋縄でいかない感は続編の「赤絵の桜」でも更に楽しめる。あー、オール讀物でどんどんこのシリーズを書いてください!

    1
    投稿日: 2008.09.01
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    自分にとっての初の山本一力作品。他の作品と通ずる深川を中心とした鯔背なオトコたちと彼らを支えるオンナたちの世界にハマりました。剣の腕に頼らず頭脳戦で繰り広げられる話は今まで自分が読んできた時代小説とは一線を画すもので、この部分だけでも読み応えがあります。また池波正太郎的に劇中の食に関する部分もリアルにそそられる点も良いです。

    1
    投稿日: 2008.07.30
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    これまたNHKがドラマにしそうな話ですね。これから先の伊勢屋と喜八郎の関係とか、秀弥との恋の行方とか・・・気になる。。。続きが読みたいです。

    1
    投稿日: 2008.06.16
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    山本一力氏を初めて読んだけど、面白かったです。無駄な説明がないから最初から30ページくらいまでは話がよく分からんかったけど、一旦話に入れたら後はスムーズ。主人公喜八郎と伊勢屋との駆け引きがいい。勧善懲悪の流れも気持ちいい。

    1
    投稿日: 2008.05.30
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    損料屋ってなに? 江戸の昔は鍋釜などの日用品を僅かな銭で貸す商売があったそうな。それが損料屋だそうで、本来は年寄りの生業なのだけど、喜八郎はバリバリの現役男前。 札差の米屋・喜八郎Vs伊勢屋・笠倉屋の神経戦。

    1
    投稿日: 2007.12.22
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    面白かったです。損料屋という職業については、表の稼業なだけにあまり出てこないのですが、初めて知りましたねえ。鍋釜を貸してお金を取る職業ですか。でも、実は元々同心だったので、元上司の仕事を裏で手伝っている感じですね。連続短編集なので、もしも続きがあるなら読みたいです。

    1
    投稿日: 2007.03.29
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    山本一力のあかね空の前の作品。 損料屋、札差という初めて聞く職業とともに江戸時代の町人文化に触れられる快作! 喜八郎のかっこよさとともに、秋山、奉行という見守り、そして責任を引き受けるという上司のカッコヨサ・・・。

    1
    投稿日: 2006.02.07
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    山本一力初トライ。はじめは、損料屋という職業や色々な役職名など江戸時代独特の用語に慣れずになんどもいったりきたりしながら読み進めた。が慣れてくると、おもしろくてどんどんすすんだ。地名に我が江東区の細かい地名がたくさん出てきて楽しい。こういうのを読んではその辺りを歩く、ってことをその都度やってみたいな。

    1
    投稿日: 2006.01.29