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シェエラザード(上)
シェエラザード(上)
浅田次郎/講談社
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総合評価

123件)
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     時は太平洋戦争時代。ジュネーヴ条約によって安全が保障された病院船、弥勒丸(みろくまる)は、航路を外れ、嵐の台湾沖で攻撃され2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ。  ある男は、引き上げを現実のものとする為に、あえて犠牲者を出し協力者を逃げられなくする。 いったいこの船の本当の正体は何なのか。なにが隠されているのか。これは現実か、それともフィクションか。 一気読み感動巨編。

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    投稿日: 2007.08.27
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    昭和20年、嵐の台湾沖で、2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。

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    投稿日: 2007.06.14
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    浅田次郎さん初読。“奇跡を書く作家”なんて言われてたりもしてますが ほかの作品も“奇跡”と言えるような内容のものが多いのかな。これは、阿波丸事件 という実話をもとにした上下巻。いちどNHKでもドラマ化されたようですね。。。 タイタニック号よりも被害者数の多い2千名超とともに沈んだ海難事故。事故、というか戦時中のことですし事故ではなく目的を持って故意に沈められた、というのがやはり実情なのでしょうね。真実は今も海の底。 沈没船とともに沈んだ2兆円の金塊。引き上げるための100億の融資を求める台湾政府の謎の男。裏社会、詐欺、そういう内容かと思いきやさにあらず。弥勒丸という美しい船の哀しい運命、戦争の理不尽さに 途中から胸のなかに鉛を入れたような気持ちで読み進んでいきました。弥勒丸にかかわるさまざまな登場人物の思いが交錯し、戦時下の秘密任務を背負った弥勒丸の歴史がすこしずつ読者に明らかにされていく。第二次大戦の背景ってこうだったのかもしれない、、軍人たちのやりとりもリアルさがあります。負け戦を最初から見通していた参謀。 正義の二文字で封印した胸の内で、自らの良心を殺していった男たち。「いやなことは忘れてしまわないと人間は生きてはいけない。」 「時代の苦悩はその時代を生きたものだけが背負えばいい、変に申し送ろうとするから、間違いをくりかえす。」「ゴミを拾うと、人間はそのかわりに誇りを捨てる。同じ分だけのね。」「本土決戦とは何だ。一億玉砕とは何だ。それは、国があとかたもなく滅びるということではないのか。」「偶然とは事実の免罪符でしかない。」 登場人物の台詞に何度も立ち止まり深く考えさせられました。 過去と現在が折り重なるように語られるドラマの構成は ちょうど船のスクリューのように話の中へ読者を引き込んでいきます。 ラストはとても哀しい。物語のラストというより、弥勒丸の最期。 狂気と理不尽の海の上を 優雅に進んでいく貴婦人のような弥勒丸の姿が、はっきり見えた気がする。 「シェエラザード」はもともとはアラビアンナイト・ストーリーであり、それを題材にしたリムルスキー・コルサコフの交響曲だそうです。この曲は弥勒丸船内でいつもかかっていたレコードの曲。海上の貴婦人の運命を彩るように奏でられていたこの曲がタイトルになっているところもぐっとくる。 読み応えのある作品でした。よー、そろー。

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    投稿日: 2007.05.30
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    やっぱり浅田次郎は面白い。彼の歴史ものはどれも秀逸ですね。実際に起こった「阿波丸事件」を題材にした話。過去と現代をシンクロさせながら物語は進んでいくが、実力のある浅田だけに、その描き方が本当にうまい。上巻最後の律子と土屋の出会いはちょっと出来すぎ感はあるけど、アツイ!

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    投稿日: 2007.05.10
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    太平洋戦争末期。膨大な金塊と数多の人命を載せたまま沈んだ弥勒丸とそれを引揚げようとする人々の物語です。

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    投稿日: 2007.02.18
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    浅田次郎は、ホントに凄い人です。月並みで何の捻りもない賞賛ですが、オレにできるのはただただそうやって感嘆することだけです。 過去と現在が交じり合った構成は、その両者の接点をより劇的に演出してます。いま目の前で喋ってる正体不明の男は、実は過去の物語の中の最重要人物だった、というように。その演出が見事すぎて、謎に満ちたベールが一枚づつ剥がされていくたびに、鳥肌が立つのを感じました。 作品に感情移入するあまり、「もし」トメジが弥勒丸の防御能力を相手に話さなければ・・・と思ってしまいました。作中では直接的には述べられていませんが、トメジの発言から漏れたのは間違いないでしょう。 弥勒丸には、沈んでほしくなかった。読み終わっての素直な感想です。 面白い本でした。

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    投稿日: 2007.01.28
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    第二次世界大戦中に沈んだ豪華客船を巡るハードボイルド小説。とは言っても人間ドラマの要素が強め!!浅田次郎ってどうしてこんなにいろんな人の気持ちが手にとるように分かって表現出来るんやろう、どうして男女の一般論を上手く語ってみせれるんやろう。

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    投稿日: 2007.01.10
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    小説でありながら、ドキュメンタリー小説を読んでいるような緊迫感がありました。戦時中と、現在が交差しながら話は進んでいくのですが、登場人物それぞれの思いがせつなく、泣けました。

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    投稿日: 2006.12.13
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    太平洋戦争中、豪華客船として竣工するはずだった客船は日本軍のある計画に巻き込まれていく。 戦争と言うものの残酷さなど。 涙がこぼれます。

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    投稿日: 2006.09.26
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    戦時中と現代の場面を交互に描くのに破綻が少ない、文章が優れた作品だと思う。 内容も面白い。過去と現代が人物を通じて次々とリンクされていく様が、見ていて爽快である。

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    投稿日: 2006.08.28
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    戦争中に沈んだ船をモチーフに現代のハードボイルドテイストと戦時中の船中生活とを1章ずづ繰り返していきます。蒼穹の昴もそうですが、19〜20世紀のアジアというのを出来るだけ縦横のバックグラウンドを伝えたいという意思が見えて私はこの作家が好きです。永遠に来ない完全無欠の救世主を心に描いて人間は人間として頑張っていかなければ、という話なんだと。

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    投稿日: 2006.07.30
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    面白いですが、感動とまでは行かないと思います。これも戦争というものを考えるきっかけになるかもしれません

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    投稿日: 2006.07.22
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    初めての浅田作品。はまった〜。こんなに魅力のある作家さんだと思っていなかった自分に愕然。ドラマ化されたけど、やっぱり原作の方が重みがあっていいよね。

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    投稿日: 2006.06.19
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    戦争時に徴集された船の乗組員達の男意気のようなものに感動しました。電車の中とかでも涙を押さえられず、みんなに薦めまくり。

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    投稿日: 2005.11.23
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    昭和二十年、嵐の台湾沖で、二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく──。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。

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    投稿日: 2005.10.28
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    とってもスケールの大きな話です。海に沈んでしまった船を今一度上げようという所から話は始まるけど、その船にまつわる過去の出来事やそれぞれの人生、思い。今現代を生きるその船に込めたそれぞれの思い。過去と現実が交錯しあってすごい作品になってます。

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    投稿日: 2005.07.30
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    「日輪の遺産」を読んで著者の他の作品を読みたいと思っていたが「鉄道員」とか微妙だなと感じていたとこにこれを発見! あらすじを読んでこれだと思い購入!

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    投稿日: 2005.06.15
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    昭和20年に台湾沖で沈んだ弥勒丸という豪華客船を巡る謎を追っていくストーリー。怪しげな中国人からのサルベージ(引き揚げ)話からスタートし、戦争の時代を生きた人々の心の描写、時代背景などを織り交ぜ、現代と昭和20年を交互に語り進めていく。 シェエラザードとは何なのか、なぜ弥勒丸は沈められなければならなかったのか。次第に弥勒丸の本来の役割が明かされていく。

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    投稿日: 2005.05.14
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    蒼穹の昴に続いてまたまた一気読み。さすが浅田次郎ってひとは、読者を引き込んで飽きさせない術を熟知のようだ。読後しばらくしたら、蒼穹の昴が断然記憶に残るのだが…。

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    投稿日: 2004.12.30
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    浅田次郎はなんとなく、読まないだろうなと思っていたんだけどひょんなことからこの本をいただいた。 なんとなく、じゃないな。話題になっていたときにこの人の経歴とかキャラクターを聞いて、話題になった本のイメージも相俟って、合わないんじゃないか、と思っていた。 結局、読み出したらやめられなくてあっという間に読んでしまった。 相変わらずこの人に対する印象は変わらないし、戦争、特に二次大戦の日本軍を中心に描いた話とか、苦手だったんだけどなあ。男女の描きかたとかもなんだか気持ち悪さを感じてしまうし。 それでも何でもとにかく面白く、しかも凄く面白く読めてしまうのだから凄い。 この本を読んで、この人のエッセイ集も本屋でパラっと見てみたけど、とにかく私が普段敬遠したり眉をひそめがちなテーマや内容なのに何でこんなに面白いんだろうというくらい面白い。 突き抜けきって、落ち着いちゃってる感じなんだろうか。乱暴なのかと思っていたら結構穏やかだし。 自分からは読まなかっただろうテーマの物語を、こんなに楽しく(ちょっと泣かされつつ)読ませてくれたのはちょっと感謝したいくらいでした。??

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    投稿日: 2004.11.20
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    第二次世界大戦中のお話。軍用船として徴収された、豪華客船「弥勒丸」とそれに係ったヒト達の運命をがドラマチックに書いてあります。

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    投稿日: 2004.09.30
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    日本が誇る豪華客船弥勒丸。今日も大海原を走る。時は第2次世界大戦中そんな中弥勒丸は白十字(安導券)をつけ捕虜達の物資を運んでいた。しかし実際に運んでいた物とは・・・・・・

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    投稿日: 2004.09.28
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    浅田次郎のシェエラザードを読みました。太平洋戦争の末期に沈められた豪華客船をめぐる人間模様が感動的に描かれています。ミステリーなのに歴史小説の顔も持っていて、つい引き込まれてしまう語り口はこの作者の持ち味だと思います。鉄道員(ぽっぽや)とはまた違った魅力があります。

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    投稿日: 2003.02.19