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ラヴクラフト全集2
ラヴクラフト全集2
H・P・ラヴクラフト、宇野利泰/東京創元社
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総合評価

44件)
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12
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    短編が多い作者が書いた長編が今回のメイン。 名状し難い宇宙から来た旧支配者の恐怖は相変わらず。現代ではあまり見かけない漢字が表現に用いられる少々読むのに苦労はした面はあったが、不気味なコズミックホラーの世界観は好きな人には堪らない。 クトゥルフ神話の代表ともいえるクトゥルフの呼び声も収録されており、初見さんはこの巻から読んでみるのも良いかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チャールズウォードの怪事件は中盤はなんだか長ったらしくて退屈を感じたがJ.カーウィンの話から現代に戻るにつれてどんどん話が面白くなってくる。老医師ウィレット強し 他2篇は短くてスラっと読める

    0
    投稿日: 2025.01.08
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    クラスメイトが貸してくれた2冊目のラヴクラフトですが実はもう1冊ラブクラフトを読破しています。 全ての全集を読んだ訳ではありませんのでお詳しいファンの方に怒られるかもしれないですがお話のパターンが見えて来ました。 ①海から異形の者がやって来て、それを見た人間の気がおかしくなってしまい周りも巻き込んで最終的にはドギャーン!! ②異形の者に出会ってしまったり儀式に出くわして気がおかしくなり精神病院に入れられる率が高い。 ③身内とか知人の遺品の中に訳の分からない文献を見つけてしまい、気になって調べてるうちにドギャーン!! ④怪しい建物の地下や未開の地の奥はろくな事がない。 ⑤何パターンもある呪文が、イアー!とかテケリ・リ!!とかどれもちょっと笑える ⑥ラヴクラフト氏、恐らく犬好き。 ⑦船乗りはたいていろくな目に合わない。 これだけではあまりにもクトゥルフ神話に失礼なので、ざっと簡単にクトゥルフ神話の触りだけまとめてみました。 異形のものは太古に地球を支配しており、現在は姿を消しています。滅多に現れないのですがたまに人類と接触してしまい、その人や周りにいた人を狂わせてしまいます。 クトゥルフ神話と言えば邪神と呼ばれる異形の存在が欠かせないらしいのですが、神話の名を冠した「クトゥルフ」が有名だそうで、彼(彼女かも)はかつて地球を支配していたのですが、すったもんだあって(邪神同士の戦いとか)今は南太平洋の海中深くに沈んでいる古代都市『ルルイエ』でおやすみしています。 クトゥルフさんはタコの頭にイカの足が生えた顔、カギ爪の付いた手足にぬめぬめした鱗が身体にビッシリというお姿。このクトゥルフさんの思念派に当てられて、悪夢を見たり精神錯乱を起こした人が現れてどギャーン!となるみたいです。 お仲間の邪神にかの有名なニャルラトホテプさんがいらっしゃるようですが、3冊しか読んでいない私の理解はここまでです。 ラヴクラフトの作中ではこれらに当てられたり、出会ってしまったり、未開の地でうっかり古代都市に足を踏み入れたりしてしまったり、クトゥルフを神とするクトゥルフ教団の儀式の痕跡を見つけてしまったりして大変な目に合っているようです。 さて、軽く前知識も入ったのでこれでお世話になっているultramanさんに教えて頂いたクトゥルフ神話をベースにした『魔界水滸伝』をより楽しめます! 実は並行して読んでいたのですが、もう面白くてワクワクしてます。 いあー!!!

    25
    投稿日: 2024.02.04
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    冥界や謎の神話、黒魔術的要素を含んだようなお話勢揃い。時々、スゴイ眠気に襲われる時がありますが、何故か読むのをやめられない。しっかり集中して読まないと訳分からなくなりますが、分かると不思議な面白さ。癖になる。

    0
    投稿日: 2023.05.31
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    1985年以降購入して読んだが、詳細は覚えていない。 これまで聞いたことがないような擬音のカタカナ、”ほのめかす”という普段使わない訳、不気味な話には惹きつけられた。 また読みたい。(2021.9.7) ※売却済み

    0
    投稿日: 2021.09.07
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    ①クトゥルフの呼び声  亡くなった大伯父の遺品を整理していたわたしは、不気味な存在が描かれた粘土板とカルト教団に関する資料を見つける。追跡調査をする内に、ある海難事件の記事を目にし――。  TRPG手引書の題名に選ばれる程のラヴクラフトの代表作。短編ながらも物語と世界観は濃密。そのため、のめり込み過ぎてロールに失敗すれば、正気度を減らされること必至だろう。 ②エーリッヒ・ツァンの音楽  かつて借りていた下宿で、わたしはエーリッヒ・ツァンというヴィオラ弾きに出会った。彼の演奏に魅了されたわたしは彼と懇意になろうとしたが、彼は何かに怯えているようで――。  終盤の勢いに息が詰まりそうになる、幻想的なホラー。わたしは一体どこに迷い込んでいたのだろうか。 ③チャールズ・ウォードの奇怪な事件  精神病院の病室という密室から姿を消した患者、チャールズ・ウォード。彼は何故に精神病院に入ることになったのか。そして、彼はどのようにして姿を消したのか――。  やや冗長ながらも読み応えのある、ホラーというよりサスペンス風味のファンタジー。探索者、魔術、魔道書、異形の存在、とTRPGに必要な要素が織り込まれているので、本格派なシナリオを作りたいと思っている人には、とても参考になるだろう。  なお、これが初めてヨグ=ソトースの名が出た作品。

    1
    投稿日: 2020.03.01
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    独特な世界観を持つ怪奇小説家、ラヴクラフト全集の第2巻です。 短編が多い中、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」を収録しています。 じっくりと狂気が語られ、読者を暗い深淵へ導きます。 ラヴクラフトを楽しむためには、逞しい想像・妄想力が欲しいものです。 第3巻にも期待します。

    5
    投稿日: 2019.07.19
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    ン十年ぶりの再読。 やはり「クトゥルフの呼び声」は圧巻。 クトゥルフ登場シーンは何度読んでも興奮してしまう。 好きなラブクラフト作品は?の質問に常に答えていた「エーリッヒ・ツァンの音楽」は記憶していた物語とは全く違っていたことに驚く。 悩める音楽家が禁断の音楽に手を出し、とんでもないことが巻き起こる的な話だと思い込んでいたのだが、誰の何の作品と勘違いしていたんだろう??

    0
    投稿日: 2019.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ふんぐるいふんぐるい。  「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三本。チャールズのはそこそこ長め。クトゥルフ関係は呼び声だけ。でもチャールズ~のなかにヨグ・ソトトって神様は出てくるんだよな。ヨグ=ソトースと同一なのかしらね。  呼び声も奇怪な事件もどっちも、手に入れた資料をもとに研究を進めていく、みたいなそんな展開。真実に近づくほど狂っていくパターン。奇怪な事件のほうさ、お医者様、ウィレット医師、そこそこご高齢だとは思うんだけど、めちゃくちゃ行動力と勇気あるな。最後、普通の精神力をもったひとだったら、あの地下の地下を探索するなんてできないと思うよ。じーさん、すげーわ。最終的に病院に閉じ込められてたはずのチャールズ(と思われていたもの)は失踪したんじゃなくて、じーさんに祓われた、ってことだよね。チャールズも、秘術のほうまで手を出さなくて、普通に歴史的事実だけ追いかけて研究しとけばよかったのにね。なんで自分でも実践しようと思っちゃうかなぁ。  抜粋、「クトゥルフの呼び声」より。 要するにぼくは、宇宙が恐怖を楯に守りぬこうとする秘密を知ってしまったのだ。  宇宙の意思を感じる……

    0
    投稿日: 2019.04.19
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    ラブクラフトが安定したホラー風味ファンタジーの書き手だというのは納得したが なぜクトゥルフ神話になり得たのは理解できないのは やはりホラーがさっぱりわからないからか文化の違いか 本当に日本人というか英語とその文化圏にないひとが ラブクラフトのそうぞうするホラーというのを理解しているのだろうか ホラーに理解はいらないのかもしれないが

    0
    投稿日: 2019.01.08
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     1に引き続き、正体不明のものを正体不明のままで恐ろしさをかき立てる描写を楽しむコズミック・ホラー。TRPGでおなじみの神話異性物や展開により、あれの元ネタはこれなのかという風に眺められた。秋の夜のお供に良い一冊。

    0
    投稿日: 2018.09.11
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    元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、 ボロボロになるまで読み込んでいました。 なのでこの本は再読の再読。 ・クトゥルフの呼び声 大伯父の残したものを調べることで、 知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。 未知なる名状しがたきものから追われる恐怖! ・エーリッヒ・ツァンの音楽 禁断の曲を奏でたことの悲劇か? それとも、その演奏を未知なるものに愛でられたのか? ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件 不可思議なる先祖を調べることにより、 後戻りできない運命となる青年と、救おうとする医師。 クライマックスの対決は息をのむ! 作者の創造力が毒々しく花開く作品集です。 風景や人物の描写の素晴らしさの中に潜む、恐怖。 じわじわと忍び寄ってくるけど、読むのがやめられない!

    1
    投稿日: 2017.12.04
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    ・クトゥルフの呼び声  これに出てくるクトゥルフという単語から、クトゥルフ神話と呼ばれるようになったらしい。地球規模で複数の人間に似たような恐怖の夢を見させることができる存在。それが海底のル・リエーの家で眠っていると。なかなか壮大なスケールの恐怖感がよい。 ・エーリッヒ・ツァンの音楽  呪いの旋律とでもいうべき音楽を奏でるエーリッヒ。実はその旋律で魔物と闘っていたのだろうか。短いながらも印象深い話。 ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件  ネクロマンサーが一般社会に暮らしていたらどうなるか、という話。長い割にはインパクトがなかった。魔術師対決が見られるとは思っていなかった。そこだけが目が覚める思いがした。

    0
    投稿日: 2017.03.03
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    TRPGで有名らしい「クトゥルーの呼び声」を筆頭に収録。 他の巻に比べ、怪異に直接対峙している(というか、対峙している描写が比較的正気のまま書かれている?)作品が多いのが特徴。幻想的な雰囲気を楽しめる「エーリッヒ・ツアンの音楽」がこの間の中ではお勧めか。

    0
    投稿日: 2016.05.28
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    「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三篇収録。 どれも不気味でどんよりとした雰囲気の恐怖が味わえます。お気に入りは「エーリッヒ・ツァンの音楽」。とても幻想的に思えたけれど、不気味でもあるし。はっきりと恐怖の正体が明かされずにもやっとした感じなのがまた印象的。恐ろしい出来事がいったいなんだったのか、知りたいような知りたくないような……。

    0
    投稿日: 2015.08.05
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    クトゥルフ神話の著者、ラヴクラフトの全集2巻。「クトゥルフの呼び声」も「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」もクトゥルフらしくてぞわぞわしました。先祖の歴史を調べてはいけない(笑)

    0
    投稿日: 2015.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『肉体器官の作用が極度に均衡を失って…』『見る者をして、部屋の隅々から妖気の立ち昇る思いを感じさせるのだった』だの持ってまわった小難しい言い回しが多いのが著者(翻訳?)の特徴。おかげで「古風」で「変に不気味」で「妙なシズル感」がある文章。 その上長編でサラッと読むめない、序盤で何となくオチの予想が付く。けれど何回も読み返してしまう「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」。 特に後半のドロンドロンな展開が同じく後半の主人公であるウォレット医師の勇気と行動によって思わず読み進めてしまう展開にしているのがなんかいい。

    0
    投稿日: 2014.12.06
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    第2巻。 収録作で最も有名なのは『クトゥルフの呼び声』だろう。最初に読んだときは衝撃だった。 2巻の大半を占める『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』は、読み返すたびに、冒険小説のように感じてしまう。欧米のホラーは怪奇現象に対して『立ち向かう』『戦う』という傾向が強いせいだろうか。 時代が下って現在に近くなると、米国のホラーは『物理的に危害を加えられる』方向に進む気がする。文化的な違いが垣間見えて面白い。

    1
    投稿日: 2014.11.23
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    全集2巻目は3作品が収録。世界は安定したものではなく、辛うじて危ういバランスの上に存在している。ふとしたきっかけからそれを認識してしまう恐怖と絶望。この世界観は好きだけど、文章が華美でくどいのよね。あと7冊?読めるかな。

    0
    投稿日: 2014.09.15
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    クトゥルフの呼び声の壮大な宇宙観に、悪夢でたまに感じる、あの全身が総毛立つようなゾッとする根源的な恐怖心が蘇ってきた。 ラヴクラフトの一人称で淡々と語り続ける作風が好きだ。神秘学や黒魔術に彩られた重厚な宇宙的ゴシック小説。

    0
    投稿日: 2014.08.21
  • 興味と恐怖と狂気の境界線におけるせめぎ合い

    前巻より読み易かった。 今巻の秀逸な点は、悪魔や怪物という人外の存在を題材にしているにも拘らず、実際に怪物そのものや残酷な描写が少ない点でしょう。 あくまでも扱っているのは興味と恐怖と狂気の境界線におけるせめぎ合いという人間らしい部分であり、故に容易に想像が可能であり怖気を誘います。 中でも「チャールズ・ウォートの~」は珍しく長編で、それだけに主人公の狂気への過程がじっくりと描かれ、読み手の中の恐怖も醸成させられる体で世界観を堪能できます。 にしてもラスト付近の老医師の胆力には脱帽。 僕なら瞬間発狂ものでしょうね…

    0
    投稿日: 2014.07.05
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    クトゥルフ神話大系の長、ラヴクラフト全集の2冊目は、今なお映画の原作モチーフとして用いられるホラーの名作『クトゥルフの呼び声』の他、傑作短編でショートホラームービーのような『エーリッヒ・ツェンの音楽』。ラヴクラフトとしては珍しい長編小説であり、話の中盤の途中がやたらと中弛みして退屈になる所などは、かの怪奇カルトムービー映画の父ロジャー・コーマンの演出風味そのまんまの展開が有る意味で味わいの深い『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』を収録。今にすれば恐怖、怪奇というよりも奇異な物語はかえって新鮮に感じられる。

    0
    投稿日: 2013.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「クトゥルフの呼び声」始まり、短編「エーリッヒ・ツァンの音楽」をはさみ、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」で終わるこの第2巻はこれぞラヴクラフトという感じがした。 ちなみに、今のところラヴクラフト全集1~4巻までしか読んでいなく全部読んだわけではない。各話の軽い感想を書いていく。 「クトゥルフの呼び声」はまさにクトゥルー神話の原典ともいうべき話でクトゥルフを始めとする地球上に潜む人間をはるかに凌駕する者達の存在や、それを示唆する魔導書の存在、海底に沈む古代都市など、クトゥルー神話にとって重要な物々が一つにまとまった話である。地球に潜む秘密のあまりの大きさにSFでありながら、頭がクラクラする様な思いがした。 「エーリッヒ・ツァンの音楽」は怪談話の様な怖さがある話しである。主人公がかつて暮らしていた下宿で経験した奇っ怪な体験。命からがら逃げたし生き延びたものの、住んでいたはずの街は存在自体がなくなってしまっていた。あれは何だったのか、詳細が書かれずに読者は想像するしか無い。初めてラヴクラフトの作品を読んだ時に感じた感覚に似ている。都市伝説のような感じがする話しである。 「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は長編である。本書の3分の2がこの話である。最初に結末から話し始めるという始まり方といい、魔術を利用した常識はずれの長寿を扱っているところといい「戸口に現れしもの」に似ている。まず本編は過去に生きた魔術師の暮らしぶりが、残された文献から得られた情報という形で現れる。更に、その魔術師を研究している青年、これがチャールズ・ウォードであるのだが、の人生についても本人からの証言や、記録などによって語られる。本編は一連の出来事に遭遇し、それに対応したある老医師の語りという形で語られるのである。  初めは、志半ば似て倒された邪悪な魔導師の一生が語られ、次にその魔術師の研究に没頭し、最終的に悲劇的な最後を迎える青年。その青年を救おうと、駆けずり回るも、自身も不可思議な出来事に巻き込まれ、全てを理解する老医師。それぞれの一生が事細かに、かつそれぞれの場面場面が自然と移っていく文章は素晴らしとしか言いようが無い。 最後現代に蘇った魔術師と、老医師の短いながらも緊張する対決シーンといい、ラヴクラフト不朽の名作と謳われるだけあって、見所満載の素晴らしい話しである。

    0
    投稿日: 2013.06.28
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    引越しなどで散逸していた創元推理文庫のラブクラフト全集を、再度買い直した。2巻には、「クトゥルフの呼び声」、他2篇が採録されている。 この中で最も気に入ったのは、中編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」である。怪しげな古代魔術に魅入られて次第に変貌を遂げていく、主人公。 苦労しながらも、彼の「ゴール」に向かって前進していく過程は、ちょっと謎解きと似た面白さがある。 また、細部まで作りこまれた世界観がたまらないのと同時に、古代探求に熱中する主人公の姿に、ある種の共感を覚えてしまう。(決して、こうなりたいというわけではないが・・・あしからず)。

    1
    投稿日: 2012.08.11
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    ずっと読んでみたかったクトゥルフ神話の元であるラグクラフトの『クトゥルフの呼び声』 邪神クトゥルフの話はどんなもんだろうと思っていたけれど、思った以上に気持ち悪かった。 おそらく、映像ではなく、小説だから気持ち悪いのだと思う。グロテスクな表現と吐き気を催す描写表現がうまいなと思った。 この『ラグクラフト全集2』には他に2編入っているが、『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』の読みごたえはすごかった。全体的に、得体のしれない何かへの恐怖が描かれており、その得体のしれないものに対してわかることが「気持ち悪い」ということに結びつく、そしてそれが多すぎる気がした。ここまで多いと全てが気持ち悪いので覆い尽くされるので、吹っ切れている感じがする。 少し日本語が読みにくい印象だったが、ほかの怪奇小説はどんなものか読んでみたい。

    0
    投稿日: 2012.06.22
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    『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』が素晴らしい。 ラヴクラフトには珍しいらしい長編だけど、 長さに見合った壮大なストーリー。 やっぱりラヴクラフトは必読だな。 ところでこれは映画化されているらしいけれど、 微妙なところだ。 B級でもいいけど「ポー」を騙るのはちょっと...。 ポーもラヴクラフトもどちらも可哀相だ。

    0
    投稿日: 2012.04.21
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    「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」、過去の奇怪な事件とその調査を行っていた子孫の身に起こる事件。壁の下から発見される肖像画、先祖と容姿がうり二つであること、謎の言語の文書、儀式…とじわじわ恐怖心を盛り上げ得る要素が満載。真相に近づいていく怒濤のクライマックスに魅せられる。 「クトゥルフの呼び声」、「エーリッヒ・ツァンの音楽」はベタだけど楽しい。

    0
    投稿日: 2012.02.29
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    世界最古と思われる宇宙スライム小説かつ集団発狂「クトゥルフの呼び声」および他2編収録。やはり半分を占める、悪魔召喚の話が素晴らしいですな。2世紀前の話を書き上げた上に、それを現代に再現するという、現代ハリウッド映画そのもののストーリー展開に感服。信じられないけど、これが書かれたの、1920年代なんだぜ。

    0
    投稿日: 2012.02.04
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    <クトゥルフの呼び声> わりとオーソドックスな話の展開で比較的すんなり読める。 クトゥルフ神話の入門的な一篇。 この本に収録されてるクトゥルフ関連の話はこれだけ。 <エーリッヒ・ツァンの音楽> なんか幻想的。 HUNTER×HUNTERの「闇のソナタ」の楽譜、あのエピソードを思い出した。 真相は闇の中、なオチ。 <チャールズ・ウォードの奇怪な事件> 長編。読むのにやたら時間がかかる… でもたたみかけるようなクライマックスは読んでいてけっこう爽快。 じいさんがんばった。

    0
    投稿日: 2011.12.20
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    短篇「エーリッヒ・ツァンの音楽」が好き。 恐怖はサッと姿を現し、またスッと闇に消えていくのであります。

    0
    投稿日: 2011.12.12
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    「クトゥルフの呼び声」 主人公が突然謎の死をとげその大伯父の遺産から、クトゥルフ教団の秘密に迫る。 少しずつ謎が明らかになっていく過程がいい。世の中知らない方がいいことってあるよね…。 「エーリッヒ・ツァンの音楽」 虚実の狭間に消えた、おぼろげな記憶の中にしか存在しない町、オーゼイユ街。 街並みの描写や屋根裏から聞こえる音楽、ツァンの様子どれをとっても綺麗にまとめられていると思った。 屋根裏から見えた果てしない闇黒の荒野は一体なんだったのか、ツァンの書き記した真相も窓から飛び散り文字通り闇の中だが、そこが読者の想像力を刺激させて上手いと思った。 「チャールズ・デクスター・ウォード事件」 一つの町に数百年の時を越えて復活する陰謀と恐怖、という因縁じみたテーマや、主人公の変貌にまつわる謎とトリックなど読み応えがありました。冗長に感じた部分もあるけど、伏線も上手く回収されていて面白かったです。

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    投稿日: 2011.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    This is not dead which can eternal lie, And with strange aeons ever death may die. この一節、宇野訳がいちばん好きだ!

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    投稿日: 2011.09.14
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    なんとか読了です。1巻に引き続きしんどい文章でした。じわじわぬるぬる忍びよる感覚とクトゥルフの魔神たちの得体の知れなさがこわ。

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    投稿日: 2011.08.31
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     『ラヴクラフト全集』2巻目です。『全集1』とは訳者が違いますが,相変わらずの重厚な文体で,読むのがちょっと疲れます。  『全集2』には,いよいよ「クトゥルフの呼び声」が収録され,「クトゥルフ神話」の核心により一歩近づきます。ですが私のおすすめは,長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」です。  チャールズ・ウォードという青年の身に起こった事件の記録なのですが,チャールズの事件は彼の先祖のジョゼフ・カーウィンという男と深いつながりがあり,100年前のジョゼフの身に起こった事件が断片的な資料から徐々に明らかになっていきます。そしてチャールズの事件も,断片的な資料や証言から徐々に真相が明らかになっていき,最後はちゃんとすっきり決着がつきます。「すっきり決着がつく」というところがラヴクラフトにしては珍しいんじゃないかと思います(といっても彼の作品は7編しか読んでいないので,傾向を云々する資格はありませんが)。

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    投稿日: 2011.07.31
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    古書購入。  ホラー。暗黒神話。  クトゥルー(ここではクトゥルフ)神話の創設者、ラヴクラフト。その短編集。  最後の短編は、短編って言うには、長い。  全編通しておどろおどろしい。ここではないどこかの絶望的な話。気が狂いかねない恐怖と隣り合わせにされた人々。  精密な絵を見るような描写が特徴の作者。勉強になります。  長め、最後の「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は終わりはまだ救いがあります。他のは、解決してなかったり、裏でざわざわしてたりして、落ち着かないままなんです。ゾンビ、蘇りもの。  呪文が綺麗です。 「死せるクトゥフが、ル・リエ―の家で、夢見ながら待っている」  とかはかなり有名ですけど、邪神への呪文とは思えませんね。(うっとり)  さて、内容紹介。  最初はそのものずばり「クトゥルフの呼び声」。  大伯父が死んで、その遺品を片付けていた主人公は、ある資料を見つける。  そして、その資料の真偽を確かめていくうちに、邪神が復活しかけていたのだということを知る……。 「エーリッヒ・ツァンの音楽」では知らぬまに異世界。  老音楽家エーリッヒ・ツァンは陰鬱なヴィオル(ヴィオラ?)を奏でる。すると外は得体のしれない世界に。外で様子を伺う化け物から、エーリッヒは自分を守るために、楽曲をかなで続ける……。

    0
    投稿日: 2011.05.28
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    「チャールズ・ウォード」うーん、あれって狂気の兆候なの?真っ先に「あ、これ入れ替わってるな…」って思った自分にはウィレット医師の行動が回りくどく感じた。それと、ウォード失踪直前に会っていたウィレット医師に患者失踪に関しての追求が及ばなかったのが不思議。逃がしたとか疑われても良いレベルの関係だった様におもわれるが

    0
    投稿日: 2010.12.02
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    全集2の読みどころ クトゥルフ神話の原点『クトゥルフの呼び声』 『ラヴクラフト全集』の読みどころ 1930年代のパルプフィクション・ホラーの中から生まれ、みじかい活動期間でありながら、多数のフォロワーを今なお生み出しつづけている。 ラヴクラフトの面白さを、ぜひ知ってもらいたく選びました。 今すぐにでも彼の小説のガジェットを使って彼のフォロワーとなることができるのも、ハマリこめる理由の一つ。 初心者には特に、短編かつラヴクラフトらしい『ダゴン』がオススメ。

    0
    投稿日: 2010.06.30
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    「クトゥルフの呼び声」は正しく、「何かすっごい大きいのに追いかけられた!すっごい怖かった!」という感じでした(笑)。個人的には「エーリッヒ・ツァンの音楽」が好き。「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は時間はかかったけど読み終えられて良かったなー…と思う作品でした。

    0
    投稿日: 2009.12.11
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    「クトゥルフの呼び声」(考古学者の甥と、船乗りの体験談)「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三編。 面白かったのは「エーリッヒ・ツァンの音楽」。屋根裏で流れる、奇怪にして魅力的な音楽。窓からの展望。奏者の老人。絵にしてみたいと思った。 「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」も、紳士然としているが怪しく奇怪な男性がイメージされた。

    0
    投稿日: 2009.11.15
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    ラブクラフトの数少ない長編の一つ「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」が収録されているが、なんとも読みにくいため難儀しました。やっとのことで全部読みましたが、展開が同作者の別の作品とほとんど同じだったり…。全集を読んでるとよくわかりますが、展開が同じ作品がいくつかあります。

    0
    投稿日: 2009.02.15
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     「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の3作を収録。 クトゥルフ神話からラヴクラフトに入った身としては当然「クトゥルフの呼び声」が気になる所だが、この中では一番つまらないかもしれない。  むしろ「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」、長いですがおもしろいと思います。珍しくミステリーテイストで話が進行します。 ミステリーとしては結構先が読める展開だったような気がしますが、後半になればなるほど話に引きつけられました。  詳細な感想はこちら http://d.hatena.ne.jp/Caroli/20090129/p1

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    投稿日: 2009.01.30
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    クトゥルフ・シリーズは「クトゥルフの呼び声」しか 入っておらず、少し残念。 2008年10月読了。中古で200円。

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    投稿日: 2008.10.11
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    不朽の名作「クトゥルフの呼び声」が収録されている。「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」はハマんないと読めなさそう。

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    投稿日: 2007.11.21
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    『クトゥルフの呼び声』『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』収録。 初期作品が多いので、それほどクトゥルー神話は出てこないものの、チャールズ〜は必読!不気味でそして人間の恐ろしさが垣間見れる

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    投稿日: 2007.05.04