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余白の愛
余白の愛
小川洋子/中央公論新社
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総合評価

122件)
3.7
22
48
31
8
2
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    ラウンドテーブル越しに話す本 角がなく目線が途切れない。近すぎず遠すぎず、声帯に力を入れなくても心地よく届く。生まれるデットスペースがより愛おしくなる。 裏切るより裏切られる方が、本当は楽なんだ。恋愛関係においてはね。私がこの言葉を織りなすのに20年ほどかかったのにも関わらず、13歳で並べられる少年に尊敬の念と嫌悪が募る。 ジャスミンの特色は、花でもなく葉でもなく香り方。時間を知っている花。音や暮れ方で規律を整えるのでなく、香りで共有する。育ててみようかな。 時折現れるズカズカと踏み込んでくる人がいない世界。人と人の距離感はそれぞれ違って、心地よいと思う人の方が少ない。持て余すわけでもなく、余白を用いて私の行動を広げてくれる。 香水を耳の後ろにつけるのは、身体の中で一番奥ゆかしい場所だから。 白いテーブルクロスに、赤いワインのシミをつくる。そんな記憶の落とし方をする。消えにくく消えて欲しくなく。ただ、元には戻れない。 ぬるくなったワインは、私の苦い記憶ばかりを思い出させる。カビたチーズに合いそう。 あぁ、好きだな。そう溢れてしまう本。水分が口腔内に満ちて溢れるのではなく、ふとした感情がはみ出たヨダレの様に。 この本は数週間かけて私の中に取り込みたい。

    1
    投稿日: 2025.12.02
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    耳の病をわずらった「わたし」は、病をきっかけに知り合った速記者Yに静かな想いを寄せるようになる。 現実と幻想のあいだで揺れ動く主人公。 静かで穏やかな世界が続く。 特にバスのシーンが印象深い。 著者ならではの耳や指の表現の豊かさに圧倒される。

    8
    投稿日: 2025.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Yとヒロが積極的に主人公に構ってくれるのだが、Yの存在は幻覚だったとして、ヒロはそんな幻覚が見えることも含めて叔母に付き合ってあげていたのかと読後に改めて思うと、凄い子だ。 Yの指への惹かれようが、性的ともいえる魅力を感じる。そして自身の突発性難聴となった耳に聞こえてくる幻聴のバイオリン。それも魅力的な指により速記という形で絡め取られて、抱擁されたような心地。 帯に記憶と現実が溶け合うとあるが、物としては指と耳が溶け合い、Yと主人公が溶け合う。 人間は小さな声で話しているといくらか優しい気分になれるものだということを、私は病気になってから発見した。小さな声は柔らかくて肌触りのいいベールになって、その人を包むのだ。

    26
    投稿日: 2025.02.23
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    小川洋子さんの描くミステリアスな男性は本当に魅力的。 せつないけれど失っていくようで取り戻していく物語。 絵画で言うと印象派って感じがする。

    0
    投稿日: 2024.11.18
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    初めて小川洋子の作品を読んだが、なんて文章が綺麗なのだろう。 視覚から見える情報をこうも美しく文章にできるのは才能だなと思った。 この作品をきっかけに小川作品どんどん読んでいこうと思う。

    1
    投稿日: 2024.07.20
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    耳についての感覚とか、文学的だけど理解できる感じもあって、個性ある作品だと思った。 文学らしい描写だけじゃなくて、静かなトーンで進んでいく話もよかった。 けどわたしには少し文学らしさが強すぎて、若干物語としては不自然さも感じたかな、、

    0
    投稿日: 2024.03.23
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    この小説で卒論を書いた同期がいる。小川洋子作品の中でもトップで好きな小説だな、と思う。タイトルである「余白の愛」がなんなのか、いまだに答えを出せていない。突発性難聴、耳の中にある蝸牛と呼ばれる器官と関連して、ぐるぐる回る、渦や螺旋のモチーフを見つけてみるとおもしろい。ヒロが大好きで仕方ないんだな…

    3
    投稿日: 2024.02.17
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    分からないことをそのままにして神聖に保つよう努めてるみたいな、そういう雰囲気のお話 リトルアーリョヒンくらい好き

    0
    投稿日: 2024.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ああー…読み終わってしまった… Yに最後に速記をしてもらった時のような終わりを見たくない気持ちがあって、残りのページを捲りたくなくてなかなか読み終われなかった。 いい意味で薬指の標本のような小説だった。薬指の標本は記憶を消してもう一度読みたい小説なので、読み進めていくたびに懐かしさと新しさをいっぺんに感じた。薬指の標本とこの余白の愛にある静謐で穢れないテイストがね、いいですよね。 なんだか長い白昼夢を主人公と一緒に見ているようなかんじだったな。

    0
    投稿日: 2023.07.16
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    本を開くとたくさんの文字の音がするように感じた〜 しかも、心地よい音が〜 小川洋子さんの作品はいつも違う世界につれていってくれるので大好き! ぜひ〜

    3
    投稿日: 2023.04.27
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    静かな、しずかな、愛の物語。 私の中でYは永遠に生き続けるんだろうな。 指や耳、意識しないと分からないけど、美しく繊細な器官を人間は持っているんだなぁと余韻に浸れた。

    0
    投稿日: 2023.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ハッピーエンドではないが、読んだ後幸せな余韻に浸れる名作。Yとの関係を何といえばいいのか分からないが、どうしようもなく愛に溢れていたと思う。手の動きをこんなにも美しく表すことができるとは…

    1
    投稿日: 2023.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    耳を患ったわたしは、座談会に出た際の速記者Yの指に惹かれる。何度か会ううちに、自分の語る話を速記してもらうことにする。 しばらくして、Yが所属する速記の会を訪ねたわたしは、そこに事務所はなく、その代わり、その場所にあった家具屋の中にYが語った話の片鱗を見る。 Yとは一体誰だったのか、耳の不調と離婚による精神的な凹みが生み出した幻想だったのか。 全体を通して幻想的な雰囲気が漂う物語。

    13
    投稿日: 2022.11.30
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    耳鳴りの記憶を速記者に綴ってもらう話。 夫の浮気、離婚をひとつのきっかけにして、 この雑然とした現実世界で迷子になって 立ち止まってしまった主人公。 彼女の前に現れたのは 影のように言葉によりそう速記者Y。 耳鳴りにまつわるエピソードや思いを Yに書きとってもらうことに。 語る言葉全てを 一言一句もらさず吸い取ってもらうことで、 記憶に確かに触れられる形を与えてもらうことで、 彼女は安心する。 曖昧だったものが明らかになり、 絡まっていたものが解けていく。 忘れていたものが思い出される。 全てが整理された時、 耳鳴りは消え、彼女は現実世界に帰ってくる。 それがハッピーエンドなのかはわからない。 耳鳴りに彩られた彼女だけの世界も 記憶の案内人Yも、 もう失われてしまったのだから。 小川さんの小説を読む時は、 いつも息を潜めてしまう。 繊細で透明な世界を壊してしまいたくなくて。 今回も同じようにしてどっぷり浸った。 膨大なものを、ラベル付けして整理して しまっておくイメージや、 ニッチで特別な能力を持った人、 ささやき声で話すことなんかは、 いくつかの作品に共通してるなと。 “指”というキーワードや男女の恋愛的な要素から、 『薬指の標本』との類似点が多いが、 “記憶”というメインテーマから 『密やかな結晶』も想起した。 耳鳴りと速記もそうだけど、 普通ちっとも関わりのない事象を結びつけて 物語を展開していく発想力が本当にすごい。 やっぱりめっちゃ好きだ。 これで小川作品12作目の読了なんだけど、 未読の作品が減っていってしまうことに 不安を感じはじめた……無限に読みたいのに……

    3
    投稿日: 2022.05.14
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     私の母が歳を取り、難聴になったので、補聴器を試してみたけど、音が聞こえすぎて辛いと言っていました。この話の主人公も色んな聞こえなくてもいい音が、ずっと聞こえているそうで、大変そうでした。  後半は、モヤモヤした感じがスッキリするのかと思い、いっきに読んだのですが、やはり小川洋子さんの作品らしい終わり方でした。

    0
    投稿日: 2022.05.03
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    静かで、汚されない世界。 記憶と現実に主人公も読者も迷い込んでしまう。 読み終えてからの本のタイトルにまた感心してしまう。 この不思議で虜になってしまう世界をどんな言葉で感想を書けば良いのか分からない。

    10
    投稿日: 2022.04.25
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    静かな静かな物語。 記憶が現実を癒していく美しい小説でした。 耳と指が異世界へのコネクトとなる幻想的な話で、余白がなくなった愛が主人公を前に進ませたんだなと感じた。

    36
    投稿日: 2021.11.06
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    本屋B&Bの文庫本葉書をきっかけに読んだ。物語もだけど、言葉の紡ぎ方や表現も静かで繊細で緻密。自分の感覚も研ぎ澄まされていくような気持ちになる。全体を幻想的に写しているフィルターは、汚くて不都合なものを隠しているようだった。もう一回読んで、それがなんなのか確かめなければいけない。個人的に純喫茶との相性がいい小説(実証済)。 やさしさってなんだろう。タイトルも含めて、読んだ人と意見交換したい。

    0
    投稿日: 2021.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「わたしの耳のために、あなたの指を貸してもらえませんか」 耳を病んだわたしの前にある日現れた速記者Y。その特別な指に惹かれ、わたしは歩み出す。入院中の病室で夫との離婚が成立した。最後まで優しかった夫がわたしに残したのは、耳の治療に十分なお金と甥のヒロだった。ある座談会をきっかけにYとの交流は深まり…… 十三歳の少年、マロニエ越しに見えるホテル、ヴァイオリンの耳鳴り、博物館の補聴器。 不思議な作品だった。結末を読んで、題名の意味を考えた。「余白の愛」。余白とは、Yが速記した紙の余白ということだろうか。それとも、Yの指を包み込んで眠ったあとの空間だろうか。何を比喩しているのか分からないけど、確かに存在していたYとの時間ーー記憶ーーを心に留めておきながら、「わたし」と気持ちを重ねたいと思う。

    1
    投稿日: 2021.09.30
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    私にとって小川洋子さんの小説を読むことは自分の軸を整えること。人生で大切にしたいものを示してくれているような気がするのです。

    1
    投稿日: 2021.07.15
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    速記の文字が見てみたい。レイド紙に青いインクのペンの模様。 美しかった。Yの静かな冷たいやさしさがよかった。 ホテルが素敵だった。

    1
    投稿日: 2021.06.06
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    「余白の愛」小川洋子氏 0.余白の愛 あらすじ 離婚が原因なのか?突発性難聴をよぎなくされた女性。 同病のひと同士の雑誌企画に参加して、そこで速記のFと出会います。 かれの人柄ではなく、彼の指に惹かれる彼女。 雑誌企画の会場となるホテルを案内してくれた彼の説明、ホテルの前所有者とその家族の物語を添えた内容でした。 彼女が彼、Fにお願いした内容、それは、彼女の記憶を速記してもらうことでした。 記憶を遡ることにより、彼女の耳に残る音と今起こっている難聴の関わりを感じとれるようになります。 思い出、記憶と今をつなぐ、儚く、刹那な物語です。 雨の日や、森のなかで読みたい小説です。 1.感想まで1週間経過。 普段、読み終えると即日、ノートにまとめ、ブクログに投稿しています。 余白の愛。こちらは、すぐに感想を書けませんでした。 理由は、小川洋子さんが託したタイトル、余白の愛への想像を巡らせていたからです。 2.タイトル余白の愛の「余白」とは? 読了したひとと意見交換してみたいことがあります。それは、タイトルについてです。 下記のキーワードが入っていても違和感がある人は少ないのではないでしょうか? ・13歳の少年 ・F ・指が奏でる ・記憶 ・過去への旅路 余白の愛。 私の中で、この余白を私なりに解釈するのに時間を要しました。 余白とは何か? ①主がべつに存在していること。その周り。 ②白いこと。色がないこと。何色にもなりうること。そのままでもよいこと。 3.主人公とともに歩みおえて 余白とは、余白と認識して初めて意味を成すことと考えます。 認識しなければ、無駄なスペースであり、無理やりに埋めてしまうかもしれません。 人がいきている限り、必ず過去ができ、そこに記憶が存在します。 現在を主とした場合、過去は余白かもしれません。 その余白の大切さ、愛しさは、無理やりに消す必要も、ましてや上書きする必要もないのでは?と考えました。 余白の愛に気づくことは、心を亡くす忙しさではなく、一人時間や身体に向き合うことなのかもしれません。 読み終えて、まさに、私のなかに「余白」が生まれたのでした。 小川洋子さん、ありがとうございました。

    11
    投稿日: 2021.03.13
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    詩的な物語。 事前知識なく読みました。 ちょうど一年前、私も同じ状況となり一時的に聞こえなくなりました。恐怖は相当ありました。一般的にはどうなのでしょう。私は1週間が勝負でしたけれど。 その状況を思い出しつつ、読みました。 確かに受け止めるしかないのです。 冷静にストーリーは進んでいきます。静かです。 +++ レビューを読んでくださった方へ プールに入っているみたい、もわもわする、と突然感じて半日治らなかったら。 様子を見ている場合ではありません。1時間でも早く診察を受けましょう。 治らなくなります。タイムリミットは48時間です。(突然発症するので、いつから始まったかはっきりと把握できるはず。それがこの病の特徴ともいえます。当てはまる方、土日挟んで月曜日に、なんてとんでもないです。)

    18
    投稿日: 2021.02.18
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     もう、どうしたらいいかわからない。 記憶に追いつくこと、正しい場所に戻ること、どうしたらいいか私にはわからない。静かに混乱して、たぶん、忘れていく。

    0
    投稿日: 2021.01.03
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    「どうしてもそこに、取り返しのつかない空白が残されている気がして仕方ないんです」 耳をとおして見る静かな世界。

    0
    投稿日: 2020.12.31
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    冬生まれが冬に読みたい物語。誰もまだ踏んでいない真っ白な雪原は、いつだって静かだ。そこに足跡をつけるかなしみとよろこびを知っている。

    2
    投稿日: 2020.12.30
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    雪に閉ざされたバースデーパーティーの帰り道はこの物語を象徴しているような静けさと温かさがあって素敵でした。時間を空けてもう一度も読みたいです。

    4
    投稿日: 2020.12.19
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    耳を病んだわたしは、ある座談会で速記者Yと出会い、彼の指に惹かれる。 F耳鼻咽喉科病院と、病室の窓からマロニエ越しに見えるホテル。離れにあるささやかな美術館。 まるで絵に描いたような美しい風景が、目の前に広がっていく。 静かな物語にもかかわらず、終始ドキドキしていた。 記憶の引き出しの中に、もう一つの世界があるようで、想像力をかき立てられる。 ずっとわたしの傍らにいてくれた、甥っ子のヒロの優しさと、幻想的でとてつもなく美しい世界を存分に堪能することができた。

    24
    投稿日: 2020.12.12
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    地球っこさんに教えていただいた本。 小川洋子さんのすばらしい世界観。 とても文学的で物語の中に引き込まれました。 静かに流れる物語が、読み終えるのが惜しいと思いました。 これは手元に置いておいて、何度も読み返したいと思います。 ありがとうございました。。。

    50
    投稿日: 2020.10.27
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    静かな空気感と清潔感がずっと漂ったお話。 耳を病んだ主人公の記憶と現実をめぐって物語は進んでいきます。 どこか、何かが狂っているけれども淡々としている。登場人物たちもそれらには気に留めることはない。 穏やかな愛がとても心地よかったです。

    4
    投稿日: 2020.05.16
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    すごく静か。文章の美しさと、物語全体に漂う静けさを楽しめた。 読んでいる途中で、読み終わって欲しくないと思う。

    1
    投稿日: 2020.02.25
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    素晴らしかったです。 本書はフォロアーさんからのおすすめだったのですが。 はい。大好きです。もう、大満足でした。 小川洋子さんの本はまだ4冊目ですが、もう大ファンになってしまいました。 この儚げな描写。全てがごくごく薄い鶯色のベールに包まれたような静寂。一人称の「わたし」で綴られる出来事のかずかず。 耳を病み、夫の不義を知って夫との別れを決意した「わたし」。そんな「わたし」の前に現れた速記者Y。Yの紡ぎ出す暗号の様な速記字とその独特の指に惹かれた「わたし」は…。 読むにつれ、『現実』と『過去』と『妄想』と『想像』が少しずつ区別できなくなっていく浮遊感。 どこかでこの感触は感じたことがあるな・・・と思ったら、何となくこの世界観は村上春樹的な世界観に似ているのですね。 村上春樹ほどファンタジーの世界には足を踏み込ませないし、村上春樹お約束のセックスの描写もないし、あの特徴的な比喩の使い方もないのですけれど、小川洋子さんの小説を読んでいると、なんとなく感じるこの心地よさは村上春樹作品に通じるところがあるのです。 こういう言い方をしたら小川洋子さんには失礼なのかもしれないですけど、僕的には小川洋子さんの作品は「女性版村上春樹作品」といってもいいのではないかとも思います。 それにしても小川洋子さんの小説に登場する主人公の「わたし」は可愛い人ばかりです。 小川洋子さんはあまり主人公の「わたし」の外見の描写をしないので、外見的には「美人」なのか「可愛い」のかは分かりませんが、彼女達の心の中身がみな「素敵」なのです。 ああ、好きすぎるこの小川洋子さんの描く「わたし」。 本書は、1991年発表で小川洋子さんの初期の作品と言ってもよいのですが、ものすごく完成度が高いですね。 『純文学』とはなにかと言われたら、代表作として僕は本書を挙げたいくらいです。 今後もさらに小川洋子さんにのめり込んでいきそうです。

    24
    投稿日: 2019.11.11
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    ふわふわした気分で読み進め、ふわふわした気分で読み終えた。 静かで綺麗、そして独特な世界観に引き込まれた。 しかし良くも悪くも言葉の言い回しや表現に癖があって高度なため、なかなか初見では理解するのが難しいところもあり、読んでいて少し疲れてしまった。 また時間のあるときにゆっくり読み返したいと思う。

    1
    投稿日: 2019.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「君の耳は病気なんかじゃない。それは一つの世界なんだ。君の耳のためだけに用意された、風景や植物や楽器や食べ物や時間や記憶に彩られた、大切な世界なんだよ」 突発性難聴に苦しむ「わたし」を救ったのはYの優しくて甘い言葉。 自信なさげに恐る恐る喋る声を一つ残らず書き留めるYの繊細な指。 人は思いもよらない災難に遭遇して心細い思いをした時、自分の殻に閉じ籠ることが多い。 そして棘のない痛みの伴わない記憶を頼りに癒しを求める。 記憶の捻れがもたらした安らぎは「わたし」をゆっくりと浮上させる。 小川さん特有の甘美な幻想的な世界にゾクゾクした。 無駄な音のない静かな物語。 一度読んだだけでは理解できず、何度も読み直す…小川さんの文章にはいつも惑わされてしまう。

    18
    投稿日: 2019.06.28
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    小川洋子さんの本はほぼ初めてだったけど、言葉選びが詩的で斬新で、感性の豊かさがお話全体に染み渡っている感じだった 「余白の愛」はたまに言い回しが高度すぎてちょっと分かりづらいというか、ずっと夢の中をふわふわ歩いてるみたいな読み心地だった

    0
    投稿日: 2019.04.23
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    突発性難聴を患ったわたしが、ある座談会に出席したときに速記者のYに出会い、彼の指に惹かれていく。音がなく、静謐という言葉が似合う小説だった。不思議な世界観で、場所の設定も、主人公の名前も、何もかもが明かされずに、辺り一面真っ白で、まっさらな新雪に足を踏み入れるような感覚がどこまでも続いていく。小説というよりは詩を読んでいるような、心地よい言葉の羅列がすっと耳に流れ込んでくるのが好きだ。

    3
    投稿日: 2018.09.01
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    とてもひっそりとふわふわ読みました。 主人公が耳を病んだことも、速記者のYとの密やかな時間も、幻だったのかも、と思ってしまいます。 Yの指の描写が官能的で濃密でした。 そっと始まって、そっと終わった物語でした。

    3
    投稿日: 2018.01.26
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    小川洋子氏、初読みの小説です。 耳を病んだわたしの前にある日現れた速記者Yと その指の話。 途中で中弛みもあったが、文体が柔らかく 安心して読めた。 主人公の幻想は、 主人公にとって、耳鳴りがする頃は現実だった。 最後は耳が完治した事で、 現実が幻想に戻り、記憶として閉じていった。 人は、外の世界から自分を守るため、 何処かに大切な世界を作るを作るのだと思う。 その世界が彼女にとっては耳で、 開ける鍵はYの指だった。 果たして、鍵が見つかった彼女は幸せの方向へ向かう事になったのだろうか。 「道はどこかでつながっているものだよ。」 「みみずくの涙」 「あなたと一緒に過ごす時間も、 いつかは閉じてゆくのでしょうか。」 「戻りたくても、戻れないのよ。」

    0
    投稿日: 2017.07.14
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    静かで、なのにすごく自身に向き合う困難な物語だった。最後は解決したようになるのだが。。。耳で聞こえることの根源的な意味と記憶の関係を問い直している。Yの速記術がことのほか、魅力的で、その消え去り方がなんとも残念だったが、バイオリンの音や香水、建物、博物館、紙を保存しておく特別な場所ななどいとおしくなる場面がいくつもあった。

    1
    投稿日: 2017.01.02
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    雪の中をYとヒロと一緒に博物館に行くところが好き。耳は治ったのに、記憶の中の迷路から抜けだせたのになぜか哀しい。寒い季節に読むのがぴったりな静かで少し不思議な小説でした。

    0
    投稿日: 2016.12.18
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    とある出来事がきっかけで突発性難聴を患った主人公が、この病気の経験者の座談会に参加したときに出逢った速記者のY。主人公は彼の特別な指に惹かれ、独特な耳鳴りとともに怠惰に過ごしながらも、Yとの関係を密なものにしていく。 終始小川洋子さんの不思議な世界観。日本なのか外国なのかも分からない、主人公の名前さえ最後まで出てこない、幻想的で童話のなかにいるようなふわふわしていて透明感に包まれた世界が読んでいて心地よかった。 なんとなく気分が上がらないときはこういう時間がゆるやかな物語が合う。 人間にはいろいろな器官があるけれど、耳というのはとりわけ不思議な器官だ。顔の横にくっついているから普段は何も思わないけれど、耳だけをじっと見てみると、とても精巧で入り組んだ独特なかたちをしている。 視覚、嗅覚、触覚…と様々ある感覚のなかでも、聴覚はとりわけ“逃れられない”感覚だと思う。音によるトラブルで殺人事件に発展することもあるくらいなのだから。 バイオリンの音色のような耳鳴りに苛まれた主人公の過去の記憶。Yはそれを呼び覚まし、そして…。 夢かうつつか。この言葉がぴったりの物語。 最後に事実がつながっているのが明かされるあたりは、ミステリ的でもあった。

    3
    投稿日: 2016.03.08
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    ひたすら主人公のフェチ的な視点で物語が進んでいくのでイマイチ入り込めなくて途中で飽きてしまった 疲れてる時とか感傷的な時に読むのが良さそう

    0
    投稿日: 2016.01.14
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    この怪しいながらも、美しい詩的な雰囲気。だから小川洋子さん、読みたくなるのよね。現実的な感想しかもてないけど、結局だんなさんが出て行ったことで、傷ついたんだよね。もろく今にも壊れそうな(壊れかけてる)ハートの主人公。

    0
    投稿日: 2015.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の心の中で、 いつのまにか傷ついてしまった耳をいたわりながら、 自身が癒されていくお話でした。 耳鳴りを嫌がらず、受け入れる。 そこから何かが始まっていく。 自分を深く知る助けになる 体からの合図なのだなあと思いました。 病の原因を無理に探しても仕方がないし、 ただただ受けとめる、それしかないのだろうなあ。

    0
    投稿日: 2015.10.30
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    とてもとても繊細なお話し。 現実と幻想のつなぎ目がこの上なく曖昧で、その曖昧さは柔らかいカーテンのような。どこまでも真っ白で途中からほんの少しづつ色づいていく。そんな印象。 口頭で放たれる言葉というものの不確かさを感じさせられる。放たれた言葉は中に浮かび、消えてしまう。 おそらく主人公は耳を病む事で、いやそれ以前から自分自身の不確かさ、あやふやさ、離人感のようなものを感じ取っているなかで、耳を病んでしまう。徐々に自分自身がその不確かさを感じていることを自覚していく。Yとの関係ー放たれた言葉を速記、書き留めていく中で、それをつなぎ止めようと、確かめようとしていったのではないか。そこから徐々に再生していく。それは自身の記憶の中からの再生だった。 そんなことはおそらくどうでもよく、やはり小川洋子独特の世界感、繊細すぎて消えてしまいそうな言葉の世界をストレートに堪能できる1冊。 2004年 中公文庫 カバーイラスト:ハシモトミカ

    0
    投稿日: 2015.10.01
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    情感の強い文体にちょっとくたびれるかも知れませんが、読み進むごとに主人公の感性に呑みこまれていく気持ちよさを味わえると思います。女性らしい、優しさとは違う容赦のない繊細さと、小川さんらしいフェチの追及が気持ちよかったです。

    1
    投稿日: 2015.07.25
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    途中からどこが現実で、どこが過去の幻想なのか、わからなくなった。でもその世界に惹きこまれます。速記する手を通して繋がっていく思い、そして再生・・・あ~面白かった。

    0
    投稿日: 2015.03.04
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    正直、うーん。 飽きてしまい、途中で挫折。文章がわざとらしいというか、がんばりすぎているような印象を受けてしまう。ミーナの行進、人質の朗読会、海、は、きれいでさらりと洗練された文章にひきこまれ、小川洋子ファンになったつもりでいたのに、、 おかしいなと思って調べたら  本作は初期の作品なんですね。(シュガータイムも同じくおもしろくなかった) 今後は比較的、新しい作品を読みたいと思う。

    0
    投稿日: 2015.02.14
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     小川洋子の本は好きなのだが、いつも少し過剰さや違和感を感じながら読み終える。  現実と幻想が折り重なる作風は好きなはずなのに、言葉がすんなりと入ってこない。一言一言は素敵だなと思うのに、読み進めるうちに息苦しくなり、読むのを中断したくなる。  神経がみっちりと毛細血管のように張り巡らされ、わずかな風にもふるふると震えるような繊細さに、終いには疲れ切ってしまう。陶酔しきれない。自分が小川洋子でなくて良かったと、よく分からない安堵をして本を閉じる。  二回読みたいとは思わないことが多い。  耳の病気になった主人公と、魅力的な指を持つ速記者の微妙な関係を描く。指フェチの人はより深く共感できるかもしれない作品。

    1
    投稿日: 2015.01.03
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    耳を病んだわたしの前にある日現れた速記者Y。 その特別な指にどうしても惹かれ、目を離すことができない。 記憶の世界と現実の危ういはざまを行き来する、幻想的でロマンチックな物語。 静かな、とても静かな物語で、 本の終盤に差し掛かる頃には、もっとこの静けさに浸っていたいと、読み終わるのが残念に思った程。 言葉選びが優しくて丁寧で、中でもYの話す言葉のやわらかさと、ヒロの優しい仕草に癒されました。 現実と夢のような世界を行きつ戻りつし、最後の方は何がなんだかすこし混乱してきたりもしましたが、優しく幻想的な世界はやはり魅力的です。 ところで、本書でジャスミン(おそらくナイトジャスミン)が夜8時くらいから咲き始め、甘い香りを放つという話を初めて知りました。 なんてロマンチックで素敵な植物なんでしょうね。 それにしても、とくに相手をトキめかそうとしているわけじゃないのに、読み返すときゅんとしてしまうYの台詞がまたにくい。 静かな愛もいいですね。

    7
    投稿日: 2014.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    耳を病んだ「わたし」が速記者「Y」と過ごした幻想的なひと時。 現実と記憶の世界をふわふわ漂う不思議なお話です。 速記するYの指の描写の美しいこと…。 指と耳を作品のモチーフするというところがさすがというか、素敵です。 耳鳴りや不安定なわたしにつられてこちらも心もとない気分になってくる中、現実世界にとどめてくれるような存在である甥のヒロが出てくるとほっとします。 ふらふらふわふわしていて不安がずっと付きまとっていた主人公ですが、優しいYとYの指に包まれて最後には現実の世界で前を向いて進めていけそうで安心しました。 それにしてもYの書いた速記文書が見たいです…!

    4
    投稿日: 2014.05.19
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    やわらかい耳鳴りが、かすかに聞こえてきそうな雰囲気。 プールの底に仰向けに沈んで、自分の鼓動を意識しながら、水面を見上げているような感じ(?) 『猫を抱いて象と泳ぐ』や『博士の愛した数式』よりは完成度が低い気がするけど、らしさがでてていい感じ^^ 甥っ子のヒロは、記憶の世界と現実をを行き来してる感じ。13才(だっけ?)の特権かな・・・ なかなか不思議な気分にしてもらえました。

    1
    投稿日: 2014.05.02
  • その結末ですか・・・

    結末はある程度想像できているつもりで読んでいましたが,そこまで思い切りますか. 途中は結構良い感じで心穏やかに読めるのですが・・・.

    2
    投稿日: 2013.11.14
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    小川さんの作品はどれも選ぶ言葉が繊細でいい。日常こんな表現はつかわないとわかっていてもそれは小説の中、綺麗な表現を愉しませてもらう。淡い恋愛物語で速記者を選ぶなど誰が思いつくだろうか。

    0
    投稿日: 2013.10.13
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    この作品は1991年(「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞の年)のものなので、あるいは最初の長編小説か。後の作品の濃密度に比べると、その世界は全体にやや希薄な感は否めない。そもそも、主人公であり、語り手でもある「わたし」の存在感自体が希薄である。もちろん、そこにこそこの小説の存立基盤があるのだが。対象となるYにいたっては、さらに実体感に乏しく、ほとんど手だけの存在である。物語中で確かな存在感を示すのはヒロただ一人であり、してみると彼こそが現実との接点なのだろう。自己と世界との隔絶に対する不安は強く伝わってくる。

    2
    投稿日: 2013.09.25
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    突発性難聴を患ったことがきっかけで出会った「わたし」と速記者のY。速記というシステマティックな行為とそれを書き出すYの指に魅了された「わたし」は、自分の言葉を彼に速記してもらうことで愛を交歓する。言葉を書き取ってもらう(しかも速記で)という行為が、とてもエロティックに思えるが、それでいてどこか崇高さも感じるのは、二人だけの一瞬の秘め事が紙に永遠に封じ込められ、半永久に残されるからであろうか。

    0
    投稿日: 2013.06.14
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    音は聞こえる。 しかし、聞こえる音は、壊れている。 だから、突然の大きな音に驚き、恐れのあまり、身を小さくして、その場にうずくまってしまう。 目の前を舞う言葉をただ紙に書き付けることと、あらかじめ書き付けられた言葉を読み上げること。 両者は、順序が逆さまになっているというだけではなく、まったく、等価なものではない。 それは、話された言葉は、自分にとっての記憶を作り、書かれた言葉は、それがたとえ真実であっても自らの記憶たり得ない、ということを意味しているのだろうか。 耳と耳鳴りは、言葉と記憶の間にある一つの回路として、そこにあった。 「そうだよ。君は自分の記憶の中に紛れ込んでしまったのさ。本当なら記憶はいつでも、君の後ろ側に積み重なっていくものなんだ。ところがちょっとしたすきに、耳を抜け道にして、記憶が君を追い越してしまった。もしかしたら反対に、君があとずさりしたのかもしれない。どっちなのか、それは僕にも分からないけど、でも、心配はいらない。いずれにしても、君自身と記憶の関係が、少しばかりねじれているだけだからね」(P.229)

    1
    投稿日: 2013.05.06
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    この作品は、耳と指にまつわるフェチぶりなんだけど、主人公の女性が20代。ちょっとこの世界観持っている女性は気持ち悪いな。話が現実的すぎるのか? 他の作品の偏執狂ぶりは「博士の愛した数式」も「猫を抱いて象と泳ぐ」も、ファンタジーが入っているからこそ成立していたのかもしれないですね。

    0
    投稿日: 2013.01.19
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    耳鳴りと速記をする指、しずく型のあざ、十三歳の少年、ヴァイオリン、ベートーヴェンの補聴器、ジャスミンの香り きっとまた登場人物の正体が暴かれることなどないのだろうと思い、そのつもりで読んでいたので、終盤の展開はかなり意外だったというか、なにも考えずに読んでたなあというか。 読み終えた後、『余白の愛』というタイトルにしばし呆然となります。 速記の紙の余白が無くなるまでの、主人公の耳とYの指の静かな交歓、あるいは主人公の閉じられた記憶こそが余白なのかな、等々。いずれにせよ素敵な余韻をもたらしてくれます。 ただ主人公を受け止めるだけのYの、心の内が窺えたあの手紙がとても印象的でした。Yの指ではなく、彼の存在そのものについて考えると、また悲しくなってきてしまう。 最後の速記はどんなふうだったんでしょうね。

    1
    投稿日: 2012.10.12
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    突発性難聴を患った女性が主人公、いや、彼女の"耳"が主となった物語。 冷静な目で見れば、ただ単に、不幸な状況になった女性がそのストレスから突発性難聴になり、心が立ち直っていくのと同時に耳も治っていく、というストーリーだとも捉えられるが、ありがちなそのテーマを、とても不思議で魅力的な小川洋子先生ワールドに色付けし、全く別の物語になっている。 小川洋子先生の本が全般的に好きな私だが、他の登場人物や情景などの描写で、いつものように、ふわっと頭の中にイメージが浮かばなかったので、物語に集中することができなかった。 相性がよくなかったかなと思い、★は3つ。

    0
    投稿日: 2012.09.14
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    この人のお話は、なんていうのかな 影響力がある。 読み終わったあと、ため息ついて、 ぼーっとする。 わたしのちょっと壊れかけてるというかまっすぐすぎる?少女のような?…そんな人柄と、包容力の塊みたいなYみたいな関係が好きでした。

    0
    投稿日: 2012.09.02
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    突発性難聴にかかったわたしは、ある日出会った速記者のYの指に強く惹かれる。 体のパーツである耳や指にこだわるところがまさしく小川洋子。でも今回はちょっとそのこだわりが強すぎて悩まされた。後半部分を読み解くカギともなってくるヴァイオリンの耳鳴り…そのあたりから読み進めるのが大変になってきた。まあおそらく好みによるのでしょう。

    0
    投稿日: 2012.08.17
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    「薬指の標本」を彷彿とさせる偏愛(この場合はYの指)もの。 さらさらと綺麗なのに痛々しい気持ちになるような物語でした。。 ヒロは主人公のことが好きなんじゃないか、とちらりと思ったり。

    0
    投稿日: 2012.06.27
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    耳を患った主人公が、速記者と出会い、恋に落ちる作品。 自分自身の思い、考えをすべて、文字として残せたら、いいなと思った。

    0
    投稿日: 2012.05.04
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    耳から入るこの世界のものよりもっと大切な物、記憶やら何やらを難聴から気付く。 でも結局何が伝えたいのかうちには謎。 ただ、読みやすかった。

    0
    投稿日: 2012.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    視界が滲むのをハンカチで押さえ、 目を背けたい衝動に駆られるのを堪える。 指がページを閉じたい欲求に負けず読み終える。 小川洋子さんを読むといつもそう。 やはり彼女の物語は怖い。どうしようもない喪失感。 私たちの曖昧な身体が、存在が、いつも消えていく。 だけどこの感覚を、私たちは良く知っているのでしょうね。 だからこそ怖い。消えゆく感覚。失われる身体。居なくなる存在。 彼の指だけがはっきりと存在した。 ふと先日観た演劇作品を思い出したのは、 終盤の彼の言葉に触れた時だったでしょうか。 記憶はいつまでもただそこに在り続け、 ただ順番通りに重なるのみ。

    0
    投稿日: 2012.04.01
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    小川洋子さんの本は深いところを静かに流れていくように心地よくて、違和感なく自分の中に残ります。文字だけにしか辿れない世界だと思った。

    0
    投稿日: 2012.02.16
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    「博士の愛した数式」の作者だと思って喜び勇んで借りた本。 しかし、思っていた感じとは全然違っていた。冷たく、綺麗で、幻想的な世界。「博士」のような、微笑ましい本ではない。どちらかというと病的で不健康で、この本を良いと思う思考を持ちたくないと嫌悪してしまう種類。私が未熟だからか、引きずられるのが怖い本。

    0
    投稿日: 2012.02.15
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    耳,まぶた,薬指…。身体感覚の違和感が不思議な世界への入り口となっている小川洋子の作品群だけど,私が好きなのは物語中に流れている静謐な時間の感じだ。 こつこつと響く足音,時を刻む時計。読み終えた後に,本筋のストーリーよりもBGM的要素が妙に心に蘇ってくる。 この穏やかな静謐さは幻想的な世界の表現と思っていたけれど,自分にとってなにか大切なものを失くすと,あたりは本当にしんとするのだ。静かな世界は幻想ではない。最近,そのことに気づいた。

    2
    投稿日: 2012.02.04
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    小川洋子さんの長編小説。 突発性難聴に悩まされる女性が、速記者のY氏の指を異様に愛してしまうという物語。 小説のワンシーンに、雪の中を女性・甥・Y氏の三人手をつないで博物館に向かう場面があるが、この小説全体も静謐な雰囲気が漂う「雪」の中を漂っているような気分にさせられる。 内容で魅せるというよりは、雰囲気を楽しめるというなんとも不思議な本だが、個人的には好きだな。

    0
    投稿日: 2012.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    <主な登場人物> 私…耳を患っている。 Y…速記者。 ヒロ…私の甥。 <あらすじ> 私は、耳鳴りを常に感じていた。 それはヴァイオリンの音色。 そして、彼女の記憶はかつて13歳の少年と一緒に見た、ベートーベンの補聴器を思い出さずにはいられなかった…。 最近、私も耳の調子がどうもよくない。 右耳は中耳炎、左耳は外耳炎だったのがまだ完全に治ってないのか 雨の日になると、耳が痛む。 そんな中でこの小説を読んだときには、自分の耳からも 耳鳴りがしだすのではないかと思うくらいだった。 相変わらず、著者にしかかけないであろう、雰囲気が行間から漂う。 15年以上も前に描かれた作品であるのにそれを感じさせない。 「余白の愛」というタイトルは、決してYが書ききらないであろう紙の余白にも愛が存在しているから、なのだと思う。 そして、それは紙という物質がなくなろうとも、記憶があるから。 伝えたかったことは、ラストのYの言葉にあるような気がした。 「僕たちは、離れ離れになってしまうわけじゃないんだよ。  だってそうだろ。君は自分の記憶と、離れることなんてできないんだから」

    0
    投稿日: 2011.12.22
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    この作品自体が、完成された芸術の一つなのだと思う。 小川洋子という作家さんが、文士としてのスタートを切って間もなく、こんなにも美しい作品を書いていたことに驚きました。 作品に登場する一つ一つの出来事が自然と折り重なって、静謐を破ることなく少しずつ現れる、物語本来の姿を目の当たりにした時、心の深い部分にそっと触れられたような気持になりました。 他人には聴こえない音が聴こえるという、少し異質な突発性難聴を患う『わたし』の前に、ある日突然現れた速記者・Y。 物静かで多くを語らないYの美しい指に、『わたし』は惹かれてゆきます。 Yは、自分の記述するものを『記憶の断片』だと言い、『わたし』の記憶の中を浮遊するのは十三歳の少年とヴァイオリンのイメージ。危なげな境界線を、ふわふわと漂うように物語は進んでいきます。 本作を通じて描かれるのは、音を聴く器官として存在する耳ではなく、記憶と静寂の中に存在する幻想的なイメージとしての耳。 耳鳴りを、このように美しく描いた作品が他にあったでしょうか。 読了後まもなく、村上春樹の『羊をめぐる冒険』の鼠、『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』の影のことを思い出しました。

    0
    投稿日: 2011.11.28
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    小川洋子氏の空気感を味わうには良い作品だった。最後がちょっと腑に落ちない気がしないでもないけど。 ゆったりと湖の底を歩む感じ。決して明るくはない。

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    投稿日: 2011.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    mixiレビューより転載。 不思議な話でした。 突発性難聴にかかってしまった女性が雑誌の座談会に出席する場面から始まり、その場に居合わせた速記係の男性、女性の甥の男の子の3人を軸にストーリーが進んでいく。 すごく淡々としているんだけど、だんだん現実と夢の境界がわからなくなってきて、最後はかなりのどんでん返しが待っている。 何とはなしに図書館で手に取ってみたけど、予想以上に強い存在感を持った作品でした。 今でもあんまりうまく消化できてないけど、すごく文学的な香りの強い作品なのでそーいうのが好きな人はぜひどうぞ。

    0
    投稿日: 2011.06.19
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    この人は、やはり、ふしぎ。 描写がすごくうまい。 さらりと頭の中に情景を思い浮かべることができる。 しかも、なんていうかその情景はすごく普通じゃない でもそれをさらりと思い起こさせる書き方ができるのがすごい。 それにあやかり、☆4つ

    2
    投稿日: 2011.06.02
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    「コツはね、耳を尊重してあげることなの。」 「なるほど。」 「無理にどうにかしようとすると、破裂して粉々になってしまうの。」 「深海魚みたいに?」 「そう、深海魚みたいに。」

    0
    投稿日: 2011.04.23
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    小川洋子は短編の方が好きなんだけど、これはめずらしく気に入った長編。 彼女は不思議なせつない感覚を描くのが上手だ。

    0
    投稿日: 2011.03.23
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    耳というのは、特別な部分だ。 手や足のように翳して直接みることができない。鏡によって、その姿を確認し。 聴覚によってその存在を確認するしかない。 耳や目、どこかに不自由さを感じた時。 感覚がひとより敏くなるんだと思う。 ノイズでしかなかった音を、整理された記号にしてしまうYに女性が惹かれたように。 わたし自身すこし耳が弱いためか、女性に感情移入しやすかったのかも。 途中から先が読めてしまうけれど、読後感が絶妙。しんなり、とヴァイオリンの耳鳴りが響いてきそうな。 記憶が、自分より先を行く感覚。 ながいデジャヴュ。 読んだ今、まさにその中にいるよう。 「余白の愛」というタイトルも、絶妙。

    0
    投稿日: 2011.01.27
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    耳の病気にかかった女性が主人公。 速記者Yに惹かれる。 どんなにどん底に落ちても、 吐きだす言葉を速記してもらえば癒される。 終わりがイマイチすっきりしなかった。 難しかった。

    0
    投稿日: 2011.01.23
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    数年ぶりに再読。 終盤の展開への唐突な印象は変わらず、もったいなく思ったけれど、細部の描写は本当にすばらしく、何度読んでも魅了される。 日本語の奥行きと幅、繊細な情緒を存分に味わえる本。

    0
    投稿日: 2010.10.27
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    相変わらず小川洋子さんの文章はとても美しい。 今回は料理がたくさん出てきて、その部分がうっとりしちゃうほど非現実的で酔いそうになった。 同じ日本人なのに違う言語で書いてあるみたい。 内容は小川さんらしい、ゆるやかーなもの。 耳が聞こえない事で聞こえる音、について考えてしまう。

    0
    投稿日: 2010.09.16
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    文章がとても美しい。 ひっそりと静かに綴られたストーリーに引き込まれた。 冷静に考えると、あやうく、湿度の高いお話だけれど、 美しい文章に引きずられてその世界に入りこめる感じ。 着地も穏やかで安心した。 こんな会話を交わせる関係に、憧れてる気がする。

    0
    投稿日: 2010.09.08
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    やっぱりこの人の 静謐な空気・空間の描写は好き とても綺麗です 時間がゆっくり流れてるかんじ 話的にはなんかよくわからなかった 一つ一つのエピソードもそうだけど 現実なのかファンタジーなのか ふわふわしてるけど 読むと何故か疲れました 不思議な感覚 Yの誕生日プレゼントがお洒落だなぁと わたしをイメージして 調合してもらった香水なんて素敵

    0
    投稿日: 2010.08.21
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    男性の指に惹かれる、主人公の気持ちに共感。 ヒロが好き。どこまでも優しくて、ほっこりとした気持ちにさせられた。 ・・・全体としては、すこぅし退屈な気がした。文体の美しさはあいかわらずなんだけれど。

    0
    投稿日: 2010.07.15
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    いちばん大切にしたい本 言葉で繋がっていると思える幸せ 一生忘れずに持っていよう こっそり

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    投稿日: 2010.03.31
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    耳を病んだわたしの前に現れた速記者Y。その指に惹かれていくわたし。Yの指は記憶を捕らえ、紙に封じていく。 小川洋子の作品には「喪失感」がつきまといます。何かを喪った人、何かを喪うこと。その独特の雰囲気に包まれ、現実から少し浮遊しつつ読み進めました。

    0
    投稿日: 2010.03.26
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    どうして誰もがこんなに透明で綺麗なんだろう。Yに恋。 memo: 人間は小さな声で話しているといくらか優しい気分になれるものだということを、わたしは病気になってから発見した。小さな声は柔らかくて肌触りのいいベールになって、その人を包むのだ。 時々、声の質が僕にぴったり合う人がいます。その人の声がボールペンの先になじんで、紙の間で溶けてゆくみたいな感じです 2人が真ん中に私をはさみ、横一列になって歩いた。右腕でヒロ、左腕でYにつかまった。コートの右ポケットにはペーパーウェイト、左ポケットには香水が入っていた。 やはり雪は美しかったし、何よりも一年に一度しかない誕生日だったからだ。 わたしはただ、あなたの指の声を聞いてみたいだけ すべてを許すような慈しみに満ちた目

    0
    投稿日: 2009.11.28
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    博士の愛した数式の後だっただけに少し物足り無さを感じた感もなきにしもあらずだが、 夢か現かのとても不思議な感覚に読み進みながら陥ってしまう。 不安定な魅力とで言ったら良いのか? ミステリーな感じもあって....不思議な物語....

    0
    投稿日: 2009.11.16
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    ところどころに非現実的な嘘が混在し、それがフィクション内の現実と過去の夢(?)との混在を明かすことになるという奇妙な小説だった。認識は感覚器官であるところの五感からもたらされるものである。しかし、その認識に個人的なフィルターがかけられることで五感の情報伝授もコントロールされる。その相互依存の関係を我々は普段意識しない。小説のヒロインは難聴であり、心因性のフィルターによって真実ではない音を聞くことになる。つまり、ここには嘘が入り込む「余白」があり、そしてフィルターの内側には過去の中に沈む「愛」がある。だが、余白が消えた時に消えてしまう愛は果たして愛なのか。さまざまな解釈の「余白」を残す小説だった。

    0
    投稿日: 2009.10.14
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    「初めて雪を見たのは大人になってから、たぶん19か20歳くらいのとき」「へえ。その時どんな気持がした?」「僕の靴で汚すのはもったいない気がした。それで一日中部屋にこもって外を見てた」 144頁

    0
    投稿日: 2009.10.12
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    夫の浮気、別居そして原因不明の突発性難聴。 特に耳鳴りに悩んでいたわたしは雑誌社主催の"私はこうして突発性難聴を克服した"という座談会に出席していた。 そこで見かけたのは一人の速記者Y、なぜか彼の指にその存在に無性に引きつけられたわたしは、夫との離婚話が進む中、彼との出会いを重ねていき・・・ 現実の世界と耳のために用意された記憶の世界、両者の境界が交じりあって物語が紡がれていく。 夫の浮気、離婚、再婚という現実を突きつけられて心のバランスを失ったわたしが現実と向き合うために頼った速記者Y。 悲しい現実を受け入れるために、Yという存在が必要不可欠だったのだろうか。結局のところは自分で立ち直ったとも言えるかもしれないが・・・ 幻想的な雰囲気と浮遊感を味わいつつ、最後はちょっと悲しくもさせられた作品。

    0
    投稿日: 2009.09.01
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    小川洋子さんの文章は「湿度ある文章」だと思う。透明でどこまでも深い。F耳鼻咽喉科病院で処方される透明な水薬のようだ。ハンカチをぐっしょりと濡らすようなジャスミンの香り、静寂と闇、降りしきる雪の気配、魅力的な指先に触れる感覚…。まるで活字を追っているはずの自分自身が感じているかのようだった。 突発性難聴を患ったわたしは、ある座談会に出席した際に速記者のYに出会う。ボールペンを滑らかに走らせるあまりにも魅力的で特別なYの指に、わたしは強く心惹かれていく。 耳を病み、閉塞的な世界の中に居る主人公のわたしが感じる、静寂の世界を読者に共有させる。記憶と現実が入り乱れる混沌は、終始美しく密やかだった。 ラストは哀しくて切なくて…抱き寄せた指を離したくなかった。 濃厚な空気感に浸ることが出来る、やはり小川洋子さんが大好きです。

    0
    投稿日: 2009.08.09
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    こういう雰囲気の小説は好きなんですけど、村上春樹っぽく思えてしょうがない箇所がいくつもあった…。 料理の描写がすてきでした。

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    投稿日: 2009.07.10
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    何を持って余白の愛なのかタイトルの意味はよくわかりませんでしたが、なんかアンニュイな話で女の人が好きそうな話だなあと思いました。

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    投稿日: 2009.04.12
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    小川洋子さんにはまってた時、 表紙が綺麗で迷いに迷って買った本。   小川さん中毒でした。 読んでみると、さらに毒された。 私は、誰に気持ちを乗せたらいいのかわからなくて 全部苦しくなった。 速記者Yは何者なのか、気になる。 文字も気になる。 すべてが謎で、最後に解けるようで解けない謎も すべてが好き。

    0
    投稿日: 2008.07.11
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    レビューはブログにて。 http://tempo.seesaa.net/article/102546475.html

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    投稿日: 2008.07.10
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    速記者の男性の指に、主人公の女性が夢中になっていく話。 読み始めてすぐ、速記の勉強がしたくなり、図書館に「速記入門」の予約をいれた。 2008年7月読了。 今年22冊目。

    0
    投稿日: 2008.07.09
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    「わたし」の耳とYの指。13歳のヴァイオリンの少年が突然消えてしまったというところから、特別な指をもったYもいつか消えてしまうんじゃないかという予感がしていた。ずっとそのままでいてほしい記憶の世界。あやふやな現実。幻想的で、ゆったりと包み込まれるような文体だった。耳のための速記用の紙が残り少なくなり、とうとうなくなってしまうその瞬間が、寂しかった。

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    投稿日: 2008.05.22
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    記憶の奥底から響く耳鳴り。 私の言葉を速記文字で紡ぎだす美しい指。 私にとって特別なあなたの指。 願わくば、この指をずっとひとり占めにしていたい。 甘美な時間がいつまでも続くものだと思っていたのに。

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    投稿日: 2008.05.08
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    女の耳と男の指。補聴器、ヴァイオリンの音色、青インクの速記文字、静かな時間。え、あれ?私の邪推?ってくらいの、こういうエロ加減が好き。(ん?私の誤解?)

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    投稿日: 2008.03.30