タフラブ 絆を手放す生き方
信田 さよ子(著)
/ボイジャー
作品情報
侵入しない・させない関係をつくる。寂しさと共存し、穏やかに、やさしく、タフに暮らすために。
タフラブは、ベトナム戦争帰還兵のアルコール依存や暴力に苦しむ家族が「生きる術」として生み出した概念。「手放す愛」「見守る愛」などと訳されている。
東日本大震災以来、「絆」が困難を乗り越えるためのキーワードとして使われてきたが、「絆」は本来、牛馬などをつなぎとめる綱のこと。家族や世間の絆に苦しめられてきた人々のカウンセリングを長年続けてきた著者は「絆」に疑問符を投げかけ「タフラブ」という生き方を紹介する。『タフラブという快刀』(2009年)を改題し、加筆・修正・再編集した作品。
【目次】
序 章 タフラブの誕生
医療では救われない/勇気をもって手放す/戦争の落とし子/帰還兵の暴力/実体なき「人の心」 ほか
第一章 無法地帯
複雑に絡み合う現実/「崩壊」は悪いことか/「私」と「私」/「弱まる絆」論/持たざる者の希望/モテる男の証/社会の底辺で ほか
第二章 巨大なスポンジ
果てしない吸収力/性本能と母性本能/珍獣パンダ/父性と父権/正義の父/「私に任せなさい」/現代の秘境 ほか
第三章 切り分け
油と酢のように/母の愚痴を聞く娘/「切り分け」の法則/沈黙の臓器/必殺代理人/「問題」とは何か/除外される「父の問題」 ほか
第四章 覚悟と断念
寂しさとともに/結婚制度に囲い込まれ/「積みすぎた方舟」/「夫が娘を蹴ったんです」/久しぶりの深呼吸/四八パーセントの協力 ほか
終 章 関係からの解放
それは蜃気楼/控えめなリスク回避
【著者】
信田 さよ子
臨床心理士、日本公認心理師協会会長。1946年、岐阜県に生まれる。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもり、DV、児童虐待に悩む人やその家族のカウンセリングを行ってきた。 著書に、『母が重くてたまらない』(春秋社)、『選ばれる男たち』(講談社現代新書)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)などがある。
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商品情報
- シリーズ
- タフラブ 絆を手放す生き方
- 著者
- 信田 さよ子
- 出版社
- ボイジャー
- 書籍発売日
- 2022.09.21
- Reader Store発売日
- 2022.09.28
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 216ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
-
タフラブ(tough love)は、手放す愛、見守る愛のこと。
私の問題、家族の問題、友人の問題、と課題を切り離すこと。切り分けるコツは、相手がどう反応するかより、自分が苦しいことを優先させること!…そして、正直に自分の現在の状態を、主語を私にして相手に伝えること。
ごめんなさいね、これ以上あなたの話を聞くことはできません。私も専門家ではないので、苦しくなってしまうんです、とスッパリ言うこと。
タフに生きることは、寂しさに耐えることではない。寂しさとともに生きることだ。続きを読む投稿日:2023.05.25
このレビューはネタバレを含みます
私は文学者でもなく、大学の研究者でもない。この日本で家族を営んでいる人たちが直面するさまざまな問題を、カウンセリングで解決するのが私の仕事。
レビューの続きを読む
「これ以上のむと死ぬよ」と酒を取り上げたり、「このまま飲…み続けるんだったら別れる」と脅したりすることは、結果的に夫がもっと酒を飲むことにつながる。、むしろ「飲むか飲まないかは、あなたの問題です」と距離を、とった言い方をして、飲んでいる夫を家に残し、自分はアラノンのミーティングに出ることを続ける。このような対応が積み重なった結果、酒をやめる夫があらわれた。
本人の責任を本人に返し、責任をとるように要求すること。これが、タフラブである。
妻や母になるということは、「人」ではなくなることなのだろうか。
じつは、息子が世間に誇れるような人間に育たないことで、父親自身が傷ついたのではないだろうか。
かつては「親はなくとも子は育つ」と言われていたが、今は「両親がそろっているのに、こんなにいい子に育った」、それがカウンセリングを通しての実感だ。
その妊娠はだれの妊娠か、産むか産まないかはだれが決めることなのか、その点をはっきりさせなくてはいけない。成人した娘に対して、それは大原則だ。まず、娘の問題に入り込んで自分の問題にしてしまっている母親をカウンセリングのターゲットにする必要がある。
「あなたの問題」と「私の問題」を切り分けられないと、問題は解決しない。
子どもの問題では、もっとも犯人にされやすいのが母親である。
まず自分の頭の中で、誰の問題かを見極め、切り分け、各々の箱にそれらを収めていくこと。これが家族問題解決の基本である。
仕事から帰ってきた相手を見て、
「今日は機嫌が悪そうだな、何か嫌なことでもあったのかな」
と感じたら、そのことを自分からは聞かない。相手に話して解決できるものなら話すだろうが、どうなるものでもないから話さないのだ。
こんなときは、「わかってあげよう」よりも、「お疲れさま」のひとこととともに、さりげなくビールやお茶を差し出してくれるほうが、ずっといい。続きを読む投稿日:2023.11.28
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