怪虫ざんまい―昆虫学者は今日も挙動不審―
小松貴(著)
/新潮社
作品情報
凄絶ホラーな寄生虫、ミズスマシだけにつく幻のカビ、地球史を語る透明な甲虫、冬に碧く輝く超希少ゴミムシ、井戸の底に潜む新種らしきプラナリア・・・・・・。たとえヤツらが1ミリたりとも人類の役に立たなくても、異常な執念で徹底的に追いかけるのだ。「裏山の奇人」の異名をとるコマツ博士の、暴走する「昆虫愛」エッセイ。
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この作品のレビュー
平均 3.8 (4件のレビュー)
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本書でも注意しろと書いてあったが、子供の頃アメンボウのことをミズスマシと言う人が沢山いて、しばらく間違えて覚えていた。
本当のミズスマシは見たことがないか、見ても単に「虫」としか思わなかったのだろう。…
小さい頃は東京の住宅街である中野区に住んでいたが、今と違って自然がたくさん残っていた。
近所のキャベツ畑にはモンシロチョウの幼虫がいて沢山家に持ち帰ったもんだ。
人が入れる土管があった空き地の草むらにはイトトンボがいた。
哲学堂公園の沼ではヤゴをつかまえて、トンボになるまで観察したこともいい思い出だ。
家の周りの木にはクワガタやカブトムシがいたし、あの奇麗なタマムシも見たことがある。
ミノムシ、コメツキムシ、ウスバカゲロウ、カマドウマ、サソリ、オンブバッタ、カミキリムシなどもいた。
学研の科学の付録に昆虫採集セットが付いてきた時には、保存液を注射してピンで刺して標本を作ったりもした。
とにかく虫は沢山いた。
虫以外でもトカゲやモグラがいたし、夕方になるとコウモリが飛んでいたり、野良猫や野良犬までいた。
宅地化が進み、虫も次第に減ってきて、500円の値が付いたカブトムシをデパートで見た時は妙な気持ちになった。
セミは今でも沢山いるが、子供の頃の主流だったニイニイゼミはなぜか近年見なくなった。
「地球の生態系にとって、人間が消滅しても痛くも痒くもないが、昆虫がいなくなったら生態系は死ぬ」という。
嫌われ者の、アリ、ハエ、カ、ゴキブリ、ナメクジ、クモなどは殺虫剤をくらわしてもしぶとく生きているが、こいつらを見なくなったら生態系の危機なのかも。
小松貴さんが追い求めている虫は、「何それ、どんな虫?」というものばかり。
以下のような虫だが、どんな虫なのかと虫取り活動の詳細は読んでのお楽しみ!
スズメバチネジレバネ
カントウイドウズムシ
オニホソコバネカミキリ
セアカゴケグモ
メクラチビゴミムシ
キベリマルクビゴミムシ
アオヘリアオゴミムシ
ゴミムシは手塚治虫の命名の元になったオサムシと仲間の虫で、姿もかわいいのに"ゴミ"呼ばわりされて気の毒だ。
現在の日本の社会(政治家)は、なぜか科学技術の予算を減らしてしまうので、純粋に昆虫学者として生計を立てていくのは非常に難しいですね。
最近は自分勝手な虫マニアが捕獲した成虫を売買したり、貴重な虫の採集場を荒らしたり、各地に拡散させてしまう人がいるらしい。
撮り鉄やバードウオッチャーでも、マナーを守れない人の迷惑行為が多いみたいですが気を付けたいですね。続きを読む投稿日:2022.09.23
昆虫学者の筆者の虫採集andエッセイ。
虫に目を向ける世界を垣間見ました。
いろんな虫の紹介→採集コラムが次々と続き、途中飛ばし読みに…汗
投稿日:2023.08.16
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