- 最新巻
もう耳は貸さない
ダニエル・フリードマン(著)
,野口百合子(訳)
/創元推理文庫
作品情報
かつて殺人課の刑事として犯罪者を追っていたわたし。89歳になったいま、過去に手掛けた事件がわたしを襲う・・・・・・。『もう年はとれない』のバック・シャッツ・シリーズ最新作。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- バック・シャッツ・シリーズ
- 著者
- ダニエル・フリードマン, 野口百合子
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 東京創元社
- 掲載誌・レーベル
- 創元推理文庫
- 書籍発売日
- 2021.02.26
- Reader Store発売日
- 2021.02.22
- ファイルサイズ
- 1.4MB
- シリーズ情報
- 既刊3巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (10件のレビュー)
-
あらゆる感情を揺さぶられる名作!
しかしそれは立ち位置次第でもある。
どこで笑い、どこで涙し、なにに怒りを覚えるか、
さて、あなたはどうだろう?
バルーク・シャッツは、もと刑事である。
テネシー州メ…ンフィス市警殺人課で、フォード・サンダーバードやダッジ・チャレンジャー、数々の名車のアクセルを踏み込み、愛用の357マグナムを撃ち込み、お気に入りの警棒ブラックジャックで、数多の悪党に〈分別〉をたたき込んできた刑事である。
活躍したのは、しかし、50年代から70代・・・・・・ずいぶんと昔のことだ。
今は介護施設で、70年間連れ添った妻ローズと同じ一部屋に暮らしている。
バルーク・シャッツ、通称バックは、今や89才だ。
歩くには歩行器が必要で、話すには補聴器が欠かせない。
いや、それ以前に、目の前の人物が誰だかさっぱり判らない。
今話していた内容が、もうすっかり思い出せない。
身体の能力も、認知能力も、衰えてしまっている。
本人も大変だが、周りにも負荷がかかる状況だ。
そんな時に、ある電話が飛び込んできた。
かつてバックが捕まえた殺人犯が、その死刑を目前にして、ラジオに出るという。
不当逮捕だ、違法裁判だ、なによりあいつは暴力刑事だと並べ立て、死刑反対の法学教授まで味方につけて論じさせ、そして、その番組プロデューサーは、バックにも出演を依頼してきたのだ。
老いたとはいえ、バックはもと刑事だ。
そして、認知能力に欠けた老人によくあるように、過去の、昔の、「現役の時のこと」にかけては、実に頭がしっかりしている。
今現在のことについては、家族の重い課題についてさえ、一瞬も認知しないというのに!
実は私は、これ一冊を読むのに、数日かかってしまった。
短い一章ごとに、強く感情を揺さぶられて、長く読んでいられなかったのだ。
バックがどうなるのか、ローズはどうするのか、そして家族はどうするか、おぼえのある出来事にいちいち動揺してしまう。
くわえて、過去の殺人事件の捜査にはハラハラするし、その上、なんとも腹のたつ奴まで出てくる!
あらゆる感情を揺さぶる名作なのだが、それは読む人それぞれの位置による。
あなたがどこに立っているかによって、怒り、喜び、涙し、笑う場面はちがうことだろう。
死刑に賛成か、反対か。
社会のすべてに対して問題意識を持っているか、いないか。
年齢は若いか、そうでもないか、老いているか。
老人と生活をともにしたことがあるか、ないか。
テレビ派か、ラジオ派か。
辛いものが好きか、嫌いか。
老いても衰えても、バックの精神は健全だ。
ユダヤ人らしく、己とまわりのすべてについて、ぼやき、ののしり、諦め、笑う。
私は、そんなバックが大好きだ。
そして、本を介して彼に会うのを、とても幸せだと思う。
もし現実に出会ったならば、バックの煙草に咳き込み、涙し、鼻をたらし、とても無事に過ごせないだろうからだ。
私のこの上もなくお気に入りのシリーズで、次巻を待ちわび、強く激しくおすすめするこのシリーズは、実は、どの順に読んでも問題ない。
現在と過去とが交互に描かれる様式なので、どれから読んでも、つまりは、時間のあちらこちらを飛び飛びに知ることに変わりないからだ。
バックの父母から、息子ブライアン、そして孫のテキーラ、シリーズを通して描かれるのは、シャッツ家の歴史である。
そしてそれは作者ダニエル・フリードマンの家族史と重なる。
バックの孫、テキーラに世代も職業も同じくする彼は、この物語について、『祖父母バディ&マーガレット・フリードマンがいなかったら決して生まれなかっただろう』(338頁)と述べている。
その祖母マーガレット・フリードマンが隣接するコミュニティセンターに保育園を作り、
バックが『よくない部類の場所』と称した、彼の祈りの場所はこちら。(Wikipediaへのリンク)
https://en.wikipedia.org/wiki/Baron_Hirsch_Synagogue
シリーズ順は
『もう年はとれない』
『もう過去はいらない』
『もう耳は貸さない』続きを読む投稿日:2021.03.28
このレビューはネタバレを含みます
シリーズの前二作とは一風変わった三作目。そんなわけで前二作のノリを期待して読むと肩透かしを食う……のはまあいいとして、盛り上がりどころがまったく見当たらなかった。老いに関する興味深い見識は相変わらずあ…るだけに、エンタメとしての弱さは残念。続きを読む
レビューの続きを読む投稿日:2022.05.08
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。