才能の正体
坪田信貴(著)
/幻冬舎文庫
この作品のレビュー
平均 4.1 (10件のレビュー)
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NewsPicks Book 才能の正体
著:坪田 信貴
紙版
幻冬舎文庫 つ14 1
ビリギャルを育てた、塾の講師が語る人間育成論、信念を語ったのが本書です。
視点、視座を変えることにより違った景…色がみえてくる。
方法論に凝り固まった、教育というものを人の想いから見つめた内容で興味深いものでした。
ひと、一人にそれぞれちがった勉強を懸命に探して改善を続けているというところがいい。
画一的な教育ではなく、地球70億人には、それぞれ70億通りの教育があるというがいい。
気になったのは、以下です。
■はじめに
・才能は誰にでもある、ただ、その才能をどう見つけたらいいのか、どう伸ばせばいいのかが、わからないだけだ。
■才能とは何か
・才能というのは、結果でしかない。
・才能があると言われている人たちには、共通点がある。それは、みんな努力をしているということです。
・才能があると言われている人たちは、
①その人にあった、動機づけがまずあって
②そこから正しいやり方を選んで
③コツコツと努力を積み重ねている
・氷山は、水面に出ている部分は、全体の1割にすぎない。その下の9割に、血のにじむような努力があってこそ、氷は浮いていられる
・人は、結果だけをみて、この人は地頭がいい、才能があると言ってるだけなのです
・ようは、人は、結果しかみてくれない。結果からしか判断しない
・だめな人間なんていないんです。ただ、だめな指導者がいるだけなんです。
・動機付けというが、いわゆる、やる気のことです
・動機付けは、認知、情動、欲求の3つ行動から成り立ちます
認知 人間というものは、是なら自分にできそうで、しかも、これはきっと人生の役に立つに違いないと思えたら行動に移すものです
情動 感情が燃え上がって、テンションが上がる状態、テンションが上がらないと何事も続かない
欲求 本当に自分がそれをやりたいと思うかどうか
・やれば伸びる、何事もやらないよりもやったほうが、絶対にいい
・Why型 なぜでは、失敗や退化
・How型 どうやって、才能を伸ばしていきたいのなら、Howで
⇒ どんなことでもいいから努力をして、その子にあったやり方を試行錯誤しながら、自分のものにできれば、学力は確実に伸びる
⇒ 本当の成功とは、100年かけても達成したい、と心の底から思えるもの、そういう思いを分かち合える仲間を見つけること
⇒ 現役合格も、いい大学にいくことも、単なる通過点にすぎない
⇒ 主教科のお勉強ができるくらいでは成功者になれるほど、社会はカンタンではない
⇒ 現役合格ってそんなに価値が高いとは思えない。そして現役合格した人を、「才能ある人」というのにも違和感がある。単に頭のいい人は、「才能ある人」ではけっしてない
・できる人、才能がある人は、「無理と言われているから」という理由であきらめなかった。あきらめなかった人だけが、奇跡を起こすことができる
・自分が成長していることを実感できれば、続けることができる。
・人のせいにしたとき、つまり、自分のせいじゃない、とおもった瞬間に才能は枯れてしまう
・才能とは本質的に自分の中にあるもの、自分の中にしかないもの。そのために、自分を変えることはいくらでもできる
・才能の正体は、相手が何を求めているのかを、想像し、洞察し、察知することが必要最低限。相手の思考や行動を見ぬけるようになること
・才能ある人は結果を出せる⇒結果をどうだすか、それは洞察力のある人ー>洞察力とは、物事を深く鋭く観察しその本質や奥底にあるものを見ぬくこと⇒観察だけではわからないを直感的に見ぬいて判断すること
■能力⇒才能へ
・辞書には、才能とは、生まれつきの能力とかかれているが、生まれつきの能力は誰もがもっているということです
・本来誰もがもっている能力をどうのばすか。そのヒントは、守破離 にあります。
・マネする。同じ行動を完全コピーすること。頭のいい人、できる人の行動を動画でとって、それを完全に真似る。そうすれば成績上昇に直結します
・完全コピーで能力を磨くための基礎を作る これを徹底的にやれば、必然的にオリジナリティが出てきます。これを、個性という
・言葉より行動に注目すること
・どれだけ優秀でも継続できなければ意味がない
・夢をもって努力を始めようとしたとき、無理だ、できないというのではなく、信念をもって守る、言葉を信じて、温かく見守る
・その子にあった勉強法を一緒に探し、そしてとにかく、いいところを見つけ、できているところをさらに改善します。
・効率のいい勉強法なんて存在しません。能力を高めるにはとにかく、その子にあったやり方で、コツコツと続けるいくしかない
・技術、技と術の違い
技 柔道でいえば、背負い投げ、受け身の取り方から始まり、一般生は、ひたすら技の練習からはいります
術 道場の後継者には、早々に術を教えます。術とは、どうバランスをくずしたらいいのか、小さな力をもってどう体勢を崩すのかというタイミング、達人とは術を体系的に身につけた人をいう
・技ができるんだと気が付くと、できる人を徹底的に研究して、術を導き出し、普通の人ではあり得ない目標のクリアに向かうことができる
・技は単なる動作、方法にすぎず、術にはどうしてそうなっているのかという意味が含まれているので、効率よく能力を伸ばすことができる
・勉強が嫌いになってしまう子は、技ばかりやってきて、術がないから、おもしろくない、最終的に嫌いになってしまう
・壁にぶつかったらどうする ⇒ もう一度、本当に基礎に立ちもどって、基礎の基礎からやり直す ⇒ 最初のスタートに問題があることがほとんどなんです
・100点とるよりも、0点のほうが、成長ははやい。100点というと学ぶべきところがもうないと勘違いをしてしまうが、0点であれば、どこを学べばいいのかがわかる
・どうして自分は0点なんだという、Whyではなく、どうやったら、100点になるのかという、How、やれる理由をさがそう
・5教科の勉強なんて簡単です。なぜなら、正解があるから。つまり、その解法が必ずあるんです。それを真似ればいい
・教育とマネジメント
教育とは、知らない人に知識を与えること
マネジメントとは、知っているけれど、やれない人をやれるようにすること
・教育の目標とは、考える力を身につけ、能力を伸ばして、才能を得ることで、答えがない中で、自分なりの答えを模索していることができるようにすることです。
・結果をまだ出していない、これから出すんだというときに、信じなければならないのは、自分です。同時に、成果が出ない期間が必ずあり、その間は耐えていなければならないことも覚えておかなければなりません。
■才能のマネジメント
・信頼関係を得ることが才能を伸ばす第一歩
・クレド、それはラテン語で、志、信条、約束。坪田塾には、何をめざし、何を目的として、何を大事にするのかを、クレドとしてまとめています。
・最初の細やかな誤差が、やがて大きな絶対的なズレになる。
・折り紙で最初の折目をぴったりとかさねないと、最終的に残念な仕上がりになってしまいます。
・思いのズレを防ぐには、最初が肝心です。そして、規模が小さければ小さいほど、ズレはあってはならないのです
・人とは大義で動くもの
・方向性を示すために、VISIONを作りました。視覚です。目に見えていることが大切です。
・具体的なシーンを言葉で描写すると、聞いた人は頭の中で、想像してビジョン化します。
・次に大切なのは、それをアウトプットさせることです。
・なぜそうしたいか、そうなりたいかをその理由を明確に、自分の言葉で言ってみてくださいと聞きます。
・重要なのは、自分の言葉出来行ってもらうことです
・徹底的にアウトプットさせると、記憶が脳に定着します。重要なのは自分の口で説明していることです
・記憶が定着するまでは、その子の能力にならないので、そこは徹底的に繰り返します。これがマネジメントです。
・工程:知らない(聞いたことない)⇒知らない(聞いたことある)⇒わかったつもり(調べて1度は知った)<ここまでが教育>⇒
⇒わかった(口頭で理屈も含めてアウトプットできる)⇒(その知識を使って)一部出来る⇒(その知識を使って)過不足なくできる <これがマネジメント>
・脳とは、深くたくさんやるよりも、接触回数を増やすほうが、記憶に定着しやすくなる
・信じることは一方的な思いである場合がほとんど。
・人は人に何らかの期待を常にしている
・それぞれに期待していることがずれていると、信頼関係は壊れてしまう
⇒ちょっとしたズレもないように、事あるごとにすり合わせが必要
⇒次に何をやる、今週の目標はとコミュニケーションをする
⇒そうすることで、自分たちが今している行動が何のための者なのかが明確になります。
⇒何をやるのかを確認するとある種の約束が自動的に生まれます。これをコミットメントといいます。
⇒人に何かを教える上では、前提の確認が非常に大切です
⇒そのためにタイトルを事前に渡しておく、そうすれば、相手も何をすればいいのかがわかる
・必要なのは、フィードバックであって、良い悪いの判断ではない
単なる客観的なフィードバックをすること
プラスも、マイナスの意図もなく、ただ事実のみを伝える
⇒人は、自分が正しいと思っている価値観に支配されている
⇒人は、フィードバックに弱い
⇒否定したり、自分の価値観を押し付けると、合わない子は離れて行ってしまう
⇒自分の価値観や感情をぶつけても、なに一つメリットはない
⇒だから中立的なフィードバックをただひたすらすること
事実だけを聴いて、相手に答えさせること
・成長の一番の近道は、フィードバックされた側が自分で気づく
⇒自分で気がつけば、自発的に問題を見つける力がついてくる。
⇒自分を鏡で見ている状態、これをメタ認知という
⇒メタ認知ができるようになれば、能力が四方八方へ伸びていきます。
⇒メタ認知が尖ってくると、才能になる
・多くの人は自分が正しいとおもっています。
⇒だから指導はできない、しようとおもってはならない
⇒だから、ひたすら中立的にフィードバックを繰り返していく
⇒本人に自分で気が付いてもらうようにするしかない
・人は、他人から、「教育・指導・改善」を受けると相手に悪感情を覚えてしまう
・相手との信頼関係がないと、「教育・指導・改善」を受けると相手に攻撃されているとおもってしまう
・メラビアンの法則 相手からの情報は、言語7%、聴覚38%、視覚55%
・だから、相手からの言葉、トーン、表情が一致していないと、信用してもらえない。つまり相手に伝わらないということになります
・コミュニケーションとは、自分が何をいったか ではなく、いかに相手に伝わったかがすべてです
・話したら、最後に笑顔をおくる。そうすれば、これはあなたへのプラスなメッセージですよ、ということを伝えることです
■才能と成功者、才能と天才
・才能ある人が大切にしているもの 小さなこと、地味なこと、シンプルなこと
・一流な人ほど、常に、繊細に、人間関係に思いをかける
・運は、日頃から努力している人だけがつかむことができる
・出会った人すべてに優しくすること。それは、運とは、人がもたらしてくれるものだから。そのために出会う人すべてに誠実に対応すること
・天才と、自分は違うものだと思った方が、あなたの才能を伸ばすことができます。
社会的に成功している人は、なんだかんだ言っても普通の人です。
もともと普通の人、そこから努力して、才能を伸ばしていった人たちです。
・結論
自分が一番能力を発揮できるものを探すことは、他人にはできません。
これには没頭できる、これなら絶対他人に負けないというものを大事にしてください。
そういくことに取り組む能力を磨いて磨いて磨きぬいて才能として発揮させて下さい。
ただ、人間に不可能はない とは僕は言えません。
でも、たいていの不可能というものは、僕にはできない、私には無理だ、という思い込みによるものであることは間違いありません。
僕たちが生きる世界は、過去にはありません。未来にあるのです。
才能は必ず、あなたの中にあるのですから。
目次
はじめに
第1章 「才能」とは何か?
第2章 「能力」を「才能」へ
第3章 「才能」のマネジメント
第4章 「才能」と「成功者」、「才能」と「天才」
おわりに
文庫版あとがきにかえて 「才能について」2020
ISBN:9784344429918
出版社:幻冬舎
判型:文庫
ページ数:328ページ
定価:750円(本体)
発売日:2020年06月16日初版続きを読む投稿日:2024.02.03
才能を伸ばすも伸ばさないも自分次第。ネガティブ思考になってしまった時、やる気が出ない時、1歩踏み出せない時に支えになってくれそうな本だと感じた。
投稿日:2024.03.26
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