蝶のいた庭
ドット・ハチソン(著)
,辻早苗(訳)
/東京創元社
作品情報
FBI特別捜査官のヴィクターは、若い女性の事情聴取に取りかかった。彼女は〈庭師〉と呼ばれる男に拉致された10名以上の女性とともに警察に保護された。滝や小川があり、蝶が飛びかう楽園のような〈ガーデン〉――完全防音で随所に監視カメラが設置され、外界から隔離された秘密の温室に、彼女たちはコレクションとして軟禁されていたのだ。女性の口からじわじわと明かされていく事件の全貌に、恐ろしい犯罪に慣れているはずの捜査官たちが戦慄する。おぞましくも美しいこの地獄でいったい何が起きたのか。一気読み必至、究極のサスペンス!
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商品情報
- シリーズ
- 蝶のいた庭
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 東京創元社
- 書籍発売日
- 2017.12.22
- Reader Store発売日
- 2017.12.21
- ファイルサイズ
- 1.1MB
- ページ数
- 419ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (22件のレビュー)
-
蝶が飛び交う美しい庭園で一体何があったのか… 凄惨な事件の影で美しくも勇ましい蝶 #蝶のいた庭
人は極限の状態になってこそ、その人の強さや優しさが試されます。
人生において様々な重要な場面はあります…が、本作の主人公のような究極の立場におかれてしまった人は少ないでしょう。
本作は主人公である女性マヤが、終始警察の取り調べシーンで物語が展開されていきます。考えられないような陰惨な事件に巻き込まれてしまった彼女でしたが、持ち前の頭脳と勇気で極限の環境を生き抜いていたのです。
おそらくほとんどの人間は、生命の危機に瀕した際、混乱せずにはいられない。そして合理的な選択や決断、さらに困っている人を助けることなどできないでしょう。
まるでナイフを喉元に突きつけられたリアルな恐ろしさと、いかに厳しい精神力が必要だったかを読者に伝えてきます。
それに対して、安定した場所や安全な立場の意見がいかに薄っぺらいか…
自身の娘の無事や自身の立場にしか価値を持たない政治家、ジャーナリズムのかけらもない低レベルな質問を投げかける記者たち。
現代にはびこる低レベルな政治家や、つるし上げ大好きなネット社会を見ているようで、あまりにも卑怯さが目に余る。
そして何も判断しない、中立性についての罪についての解釈も正当性が強く、読み手に強烈なメッセージを突きつけてきます。
また支配欲の恐ろしさ、権力の持った側の価値観の狂気性についても注目。
非道な人であるのは間違いないが、庭師本人の愛情や美徳、またその家族の関係性がさっぱり理解できないんです。単なる経済的な犯罪よりも、圧倒的にタチが悪い。
いかに狭い世界での自分勝手な理屈が怖いか、ひいては世界をも滅ぼしてしまうだろうと容易に想像がついてしまう。一番怖いのは力をもつ人間で、そういった人間こそ自らを犠牲にし、愛情を分け与えるべきなのに。
本作、陰惨な事件で女性に対して辛い描写が多いのですが、ただ汚い文書や言葉はなく、美しく切々と語られていく文学的な価値が高いミステリーです。
蝶たちの心情があまりに痛いですが、読了後は主人公の静かなる勇ましさがそっと胸に残る作品でした。続きを読む投稿日:2022.12.05
このレビューはネタバレを含みます
とんでもないお金持ちが自分の趣味と実益を兼ねて、少女という名の蝶を愛でるお話。家族ぐるみで変態なことに、何も知らなかった奥さんだけが可哀想な案件。結局、犯人である庭師がどんな仕事でどれ程の裕福さで、周…りからどんな風に思われてるかは分からない。彼が作り上げた庭と少女、彼女達の生活の様子に視点を置いたお話。犯人側の視点が見たいな、と思う人には肩透かし。とりあえず、勝手に誘拐監禁からのタトゥーして、セックスをしたいだけの変態男とその息子達。次男はマシなようでいて、個人的には一番人でなしだと思われる。そして、綺麗なままでいて欲しいからって勝手に殺される少女達。マヤが来てからは大分マシな気もしなくもない。かなり歪な日常だけど。だけどまぁ、巡り巡って一番哀れを誘う存在は誰なのか、となれば料理人兼看護師のロレインさんでしょうか。ある程度の年齢を重ねた私からすると、やっと愛されて必要とされたと思ったら今度は捨てられ、少女達からも蔑まれる。どれだけ頑張っても相手にされず、死んだ少女を妬むまで壊れてしまうとは、一体どれだけの状況で彼女は生きてきたのか。下手したらマヤより酷い環境だったのかもしれない、と思うとそれはそれで切なくなってしまう。マヤがあれだけ逞しいから皆が支えられた所は大きいのだが、個人的には苦手な側の性格なので、読み進めるのが途中から嫌になる。かなり個人的な見解です。続きを読む
レビューの続きを読む投稿日:2024.04.15
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