銀座と資生堂―日本を「モダーン」にした会社―
戸矢理衣奈(著)
/新潮選書
この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
銀座を代表する顔の1つに上げられるのが、シャンプーの「TSUBAKI」などで有名な資生堂が浮かんでくる。あの資生堂の歴史と初代社長の福原信三(1883-1948)に注目した著者が、博士学位論文をもとにしたのが今回の本。
レビューの続きを読む
意外だと思ったのが、最初から銀座にあったのではなく、創業から半世紀あまり「東京新橋資生堂」として知られていたことだ。それと同時に福原信三は、写真が趣味で日本の写真史に残る有名人で、都市計画や景観保護運動にも力を入れていたことなど一経営者の枠を超えた活躍をしていた人物であったことなど興味深い点がある。
資生堂といえば、パーラーが浮かんでくる。1900年のパリ万博に信三の父有信は、視察に行った。パリに行く途中で寄ったニューヨークのドラッグストアで、ソーダ水が売られていたことに驚き、帰国後機械のみならず、材料に至るまでアメリカから取り寄せた。1902年に資生堂でソーダ水の発売を始めたと著書に載っている。そういえばモクモク羊は一度も行ったことがない。銀座が似合うダンディーな男ではないからなあ。とは言っても生きている間に一度ぐらいはパーラーに行ってスイーツを買って食べたいと思う。
日本の西洋化の波に乗って、化粧品販売、パーラーやギャラリーの運営をして資生堂の銀座におけるブランド力を高めた。その進取に富む企業精神が今でも受け継がれているからこそ、資生堂のブランドが色あせることがないのが分かる。あの虎屋も伝統に新しさを加えて進化(あるいは深化)を遂げているのが良い例だ。
最近は、中国をはじめとするアジア市場に力を入れているとニュースで流れていた。この先、資生堂がどう変化していくのか見るのが楽しみだ。投稿日:2012.05.03
このレビューはネタバレを含みます
資生堂パーラーが銀座にあるということを知っていても、タイトルを見て「銀座と資生堂」の関係にピンとくる人はそれほど多くないのではないだろうか。著者の博士論文を元に、現在の銀座の原型ととそれを作りあげた資…生堂の関係を解き明かすのが本書。
レビューの続きを読む
広告や美容史に本格的に関わったことにある人間であれば、資生堂と「女性像」の変遷については聞いたことがあるだろうけれど、この本はもう一歩視点を広げて、資生堂の実質的な創業者である福原信三を中心において、資生堂と銀座、資生堂と女性像、資生堂と日本における化粧品の広がりを多重的に描いている。
読者の興味がどこにあるかによって注目する場所は変わってくるだろうけど、個人的に面白かったのは一章~三章の、信三の銀座への思いと実践的に街を変えていく行動力の部分である。自分が典型的なベッドタウンに育ち、ある意味特徴のない場所にいたからか、こういった「場」への執着を感じさせるエピソードは興味をそそるものだった。
惜しいのは、資生堂・・・というか福原信三という多義的な人間を中心に話を進めていった結果、テーマが「ある時代」を切り取ろうとしたように見えて、一部だけにフォーカスをしてしまい、光があたる部分とそうでない部分がまだらになってしまっているように思えること。この形はこの形でありだとは思うのだが、後半のチェーンストア部分はもう少しカットしてもよいのではないかと感じた。続きを読む投稿日:2013.10.08
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。