新・戦争論―積極的平和主義への提言―
伊藤憲一(著)
/新潮新書
作品情報
戦争とは、人間の社会に常に存在してきた「不可避の現象」などではない。むしろ、一定の条件の下に成立する「社会現象」であって、その条件がなくなった時には消滅するはずのものなのである……。人類の誕生から現代の「イラク戦争」「対テロ戦争」までを射程に収め、戦争が成立してきた条件を問い直し、「戦争時代の黄昏」と「不戦時代の到来」を告げる文明論的考察。
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商品情報
- シリーズ
- 新・戦争論―積極的平和主義への提言―
- 著者
- 伊藤憲一
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮新書
- 書籍発売日
- 2007.09.18
- Reader Store発売日
- 2012.03.30
- ファイルサイズ
- 0.9MB
- ページ数
- 190ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (5件のレビュー)
-
1.紛争と戦争は違う。
2.核兵器の登場で今は不戦時代に入ったにもかかわらず、日本はついていけてない。投稿日:2021.02.27
外交手段のエスカレート:法と正義による「説得」→代償利益の提供による「取引」→武力行使の示唆による「威嚇」→実際の武力行使(軍事的手段による解決=戦争)「戦争とは政治におけるとは異なる手段をもってする…政治の延長にほかならない(クラウゼヴィッツ)」
軍事力には、「直接的」「物理的」「軍事的」「破壊的」利用だけでなく、「間接的」「心理的」「政治的」「平和的」利用の可能性があり、その例が、対ソ封じ込め論であり、核戦略論であり、「使うつもりがない」と公言する軍備の拡大である。その背景にはクラウゼヴィッツのいう、「政治の延長としての戦争の原理(前述)」「武力による決定の担保の原理(武力行使の結果があらかじめ相当程度予見可能なら、武力を行使することなく、政治的な解決に帰着することができるはずである)」がある。
「持てる国」による世界的な囲い込み政策は、日本に中国市場の確保の必要性を痛感させた。
「戦争は、発明されたものにすぎず、生物的な必要による産物ではない」(マーガレット・ミード)。戦争は「国際関係」「国際政治」という社会現象のコロラリー(論理的帰結)に他ならない。戦争とは社会現象である。このことは、私たちに、戦争は根絶可能かもしれないという希望を与えてくれる。生まれ持った宿命でなく後天的なものなら、対処は可能だ。そして、国連による集団安全保障体制やグローバル化による「国際システム」の「国内システム」化によって、それは達成されつつある。
市場主導による地域統合は、経済的相互確証破壊システムを作り出し、もはや主要国家間での全面戦争は考えにくい。
グローバル化により、国境を超えた相互依存が加速度的に深化し、結びつきが強まるなかで、犯罪である戦争に対して、中立であり続けること、「あれもしない」「これもしない」という消極的平和主義をとり続けることは、世界的な不戦共同体(国連主導の平和秩序、また、米国や西側諸国と築く国際秩序)の一市民である日本にとっては許されない選択であり、日本は国際平和秩序を享受する一市民として、持てる能力を行使していく必要があるという、積極的平和主義への提言。
ウェストファリア体制〜WW2以前とそれ以後では、全ての戦争の違法化、グローバル化や米国一強体制という国際環境の変革があり、WW2での戦争観を超えた、新しい戦争観が求められるが、消極的平和主義を唱える人たちは、WW2以前の戦争観から抜け出せていないのではないか。消極的平和主義がWW2に対する真摯な反省の気持ちから来ていることはよくわかるが、それが新しい戦争、新しい国際環境下でも有効かどうかは別の問題だと思った。
この本を読んで新しい知識を得たというより、誰もがいままでなんとなく考えたことがあるであろう、「世界が一つなら戦争なんて起きないのになー」という漠然とした思いを文章にしてくれた感じ。続きを読む投稿日:2015.03.24
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