文学
文芸的な、余りに文芸的な
あらすじ
谷崎潤一郎との小説をめぐる論争をきっかけに、雑誌「改造」に連載された芥川の文学評論。芥川の理想とする作家や小説観がわかりやすく表明されている。「筋の面白さが作品そのものの芸術的価値を強めるということはない」と谷崎作品を評した芥川に対し、「筋の面白さを除外するのは、小説という形式がもつ特権を捨ててしまふことである」と谷崎は切り返した。
ストーリーではなく詩のような、絵でいえばデッサンよりも色の冴えで成り立っている作品に興味を持っていた芥川。自分自身の人生も、長さより濃さを信じたがために、“ぼんやりとした不安”に怯えてしまったのかもしれない。

