tameさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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妻は、くノ一
風野真知雄 / 角川文庫
読み易い時代劇もの
0
何と言う小気味よいタイトルでしょうか。
以前から気になっていた本でした。
時代劇ものはあまり馴染みのない私には難しいのではないかと勝手に思い込んでいましたが、読み始めるとテンポ良くスイスイ読み進んでい…きました。
一見、なんだか頼りない平戸藩士の彦馬に急な縁談が持ち上がり、押し付けられるように嫁いで来たのが美しい織江。
幸せな新婚生活ひと月で、不意に居なくなった妻を探して江戸へ出てくる彦馬。
妻を探す日々の合間に数々の事件を見事な推理で解き明かして行きます。
本当は頭の切れる男だったのですね。
そして思いやりの心も持っている。
事件解決の裏には彦馬に未練たっぷりな織江の助けがありました。
お互いに好きだけど、くの一の任務の為に会えない2人がもどかしくて、セツナクなります。
元平戸藩の殿様も出て来てこの後も面白くなる予感で終わりました。
続きも読みたくなりました。 続きを読む投稿日:2014.08.30
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うちの執事が言うことには
高里椎奈 / 角川文庫
これからの主従の行く末に期待
4
書籍説明を読むと18歳の若き当主花頴の事を、わがままで世間知らずで新米執事を困らせる少年だと勝手に勘違いしていた。
違うのである。
22歳の執事のほうが、年若い故の修行の足りなさというのかな。一生…懸命年若い新米当主に仕えようと頑張ってるんだけど、たまに執事にあるまじき毒吐いたりして、成長途中なのである。可愛い♥
花頴の方も、執事から全身全霊で仕えたいと思われる当主になるように成長しようとしている。可愛い♥
家令に昇格し離れた所にいる鳳(←大変慕っている)に社交界デビューの写真をメールで送って、立派に成長した姿を褒められると喜ぶ所がまた可愛いのである。
日々の暮らしの中でおきる大小の事件を乗り越えながら少しずつ成長しながらお互いに歩み寄る途中の話し。
今後の二人に期待している。 続きを読む投稿日:2014.07.02
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パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から
似鳥鶏 / 幻冬舎
事件で傷を負った心に癒しのスイーツを
3
とても読みやすくて謎解きも面白い。
キャラ達に好感が持てるし、全体の雰囲気がホンワリと暖かい。
元警部のイケメンパティシエの推理は、事件の詳細を聞いただけで犯人が分かってしまうくらい鋭い。
だけど事…件の背景は甘いわけでもやさしいわけでもないわけで。
深い傷を癒す為に推理の後は癒しのスイーツを作って慈しみの心で事件関係者に振舞ってあげるパティシエ。
パティシエ自身の幼少期の悔しい経験から、傷ついた人の心情を理解して寄り添う事が出来るのでしょう。
許さなくても良いよと、私自身にも言ってくれたようで、少し楽になりました。
キャラ達の中では本部長秘書の直ちゃんが好き。
サバサバしてるようで思慮深い女の子です。
話し方も面白〜い(笑) 続きを読む投稿日:2014.07.01
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夜は短し歩けよ乙女
森見登美彦 / 角川文庫
総天然色な楽しいファンタジー
2
少し昔風な語り口の「黒髪の彼女」と、普通の大学生「先輩」が交互に語る恋愛ファンタジー。
最初、ファンタジーというのを失念してリアル感覚で読んでいたので、だんだんと奇想天外さが増すに連れて、何それ〜と…スマホを投げ出しそうになりましたが、、、
投げ出さなくて良かった。
楽しくて面白くて。
新しい扉がドンドン開けて行く感覚です。
読み進めて行くうちに彼女の素直さと前向きな強さが大好きになっていきました。
むんと胸をはるところが特に好き。
こんな言い回しが森見ワールドというのかな?
季節ごとに京都を舞台にした4つのエピソードがありますが、特に好きなのは学園祭のお話。
たくさんの登場人物が非常に魅力的で暖かい人達で、それぞれにエピソードを持っていて、一見何も関係ないようでラストには見事にパズルのピースがはまるようにピタリと大団円を迎えます。
彼女に逢うために大変な努力をしているのにすれ違ってばかりで、ちっとも先輩の恋心が伝わらなくて、笑っちゃうけど可哀想。
最後迄、恋の行方を見守りながら読みました。
読後感が良いです。オススメです。 続きを読む投稿日:2014.06.28
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月魚
三浦しをん / 角川文庫
綺麗
2
他の方が素晴らしい紹介を書き尽くされているのでこれ以上なにも説明は要りません。
なのに何故レビューを書くのか。
この作品が大好きだから書いてみたかったのです。
若い時代の苦く綺麗な掛け替えのない…世界。
ひとつひとつがキラキラとした美しいシーン。
印象はセピア色なのにキラリと天然色が混じるような。
読後感は最高です。
ページ数は少ないのですが、何時までも心に残る大切な本です。 続きを読む投稿日:2014.06.27
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ホーンテッド・キャンパス
櫛木理宇, ヤマウチシズ / 角川ホラー文庫
好きな女の子を守る為ならオカルト研究会にも入ってしまいます
2
幽霊なんて視たくもないのにオカルト研究会でこよみちゃんを守る森司。こよみちゃんは霊的なものに狙われ安いからだ。
頑張れとエールを贈りたい。
森司の恋が実りますように。
ホラーとしてはそんなに怖くない…ですが、本当にありそうで、それ故にリアリティがあり逆に怖いです。
何故心霊現象が起きるのか、読んでいてちよっぴり辛くなるエピソードもありました。 続きを読む投稿日:2014.06.27