tameさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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うちの執事が言うことには
高里椎奈 / 角川文庫
これからの主従の行く末に期待
4
書籍説明を読むと18歳の若き当主花頴の事を、わがままで世間知らずで新米執事を困らせる少年だと勝手に勘違いしていた。
違うのである。
22歳の執事のほうが、年若い故の修行の足りなさというのかな。一生…懸命年若い新米当主に仕えようと頑張ってるんだけど、たまに執事にあるまじき毒吐いたりして、成長途中なのである。可愛い♥
花頴の方も、執事から全身全霊で仕えたいと思われる当主になるように成長しようとしている。可愛い♥
家令に昇格し離れた所にいる鳳(←大変慕っている)に社交界デビューの写真をメールで送って、立派に成長した姿を褒められると喜ぶ所がまた可愛いのである。
日々の暮らしの中でおきる大小の事件を乗り越えながら少しずつ成長しながらお互いに歩み寄る途中の話し。
今後の二人に期待している。 続きを読む投稿日:2014.07.02
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カブキブ! 1
榎田ユウリ / 角川文庫
凄く面白い!!!
4
歌舞伎が好きで好きでたまらない男子高校生の黒悟君は親友のとんぼ君と同好会を作ろうと学内で奔走する所から始まります。
ストレートに情熱が伝わって来てスピード感があり爽やかに読み進める事が出来ました。
何…より黒悟ととんぼの信頼関係が気持ち良いです。最初は嫌がる生徒たちが歌舞伎をやってみたいと思わせるまでの黒悟たちのひたむきな努力も凄く面白いです。
最後まであっというまに読みました。
最後まで驚かせて楽しませて貰えました。
次も即買いしたくなること請け合いです(^^)
実際買っちゃいました(^^; 続きを読む投稿日:2014.02.18
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踊るジョーカー
北山猛邦 / 東京創元社
小動物みたいな探偵!?
3
引きこもりの青年の特技は名推理と理解している友人の推理作家によって、探偵事務所を開かれ探偵らしい振る舞いを教えられながら事件解決に駆り出される音野順。しかし嫌でしょうがなくて、事件現場に行く時も「帰り…たい」、現場では熊のような刑事にいたぶられ「無理」を連発←かわいそう。
でも事件現場にお手製のお弁当持って行く姿が可愛いくて、今までにないキャラクターに魅力を感じます。
本格推理の中に随所にコミカルなシーンが散りばめられて最後まで面白くて楽しめました。
軽い推理物を読みたい人にオススメします。 続きを読む投稿日:2014.06.05
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パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から
似鳥鶏 / 幻冬舎
事件で傷を負った心に癒しのスイーツを
3
とても読みやすくて謎解きも面白い。
キャラ達に好感が持てるし、全体の雰囲気がホンワリと暖かい。
元警部のイケメンパティシエの推理は、事件の詳細を聞いただけで犯人が分かってしまうくらい鋭い。
だけど事…件の背景は甘いわけでもやさしいわけでもないわけで。
深い傷を癒す為に推理の後は癒しのスイーツを作って慈しみの心で事件関係者に振舞ってあげるパティシエ。
パティシエ自身の幼少期の悔しい経験から、傷ついた人の心情を理解して寄り添う事が出来るのでしょう。
許さなくても良いよと、私自身にも言ってくれたようで、少し楽になりました。
キャラ達の中では本部長秘書の直ちゃんが好き。
サバサバしてるようで思慮深い女の子です。
話し方も面白〜い(笑) 続きを読む投稿日:2014.07.01
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放課後はミステリーとともに
東川篤哉 / 実業之日本社文庫
殺人事件の無いほのぼのした学園推理もの
3
東川さんのユーモア溢れる作品のファンの方には読んで頂きたいです。
主人公の探偵部副部長の「僕」と学園生活の中で出会う謎を、随所に織り込まれた笑いとともに楽しめますよ。
学園も探偵部顧問の先生も同じです…が、学園シリーズのあの探偵部の3人よりは本作の「僕」は先輩のようですね。 続きを読む投稿日:2014.03.19
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妖奇庵夜話 魔女の鳥籠
榎田ユウリ, 中村明日美子 / 角川ホラー文庫
母と娘の愛情が軸になる話し
3
シリーズ最初から読んでいますが、今回は一番辛く感じました。
母は長年に渡る愛情を心血と共に娘に注ぎますが、娘から見れば逃れられない支配と感じることもあります。
辛いテーマが基本だけれど、榎田ユウリ先生…はとても文章構成が上手い作家さんなのでじわじわくる恐怖と声を出して笑ってしまう楽しい場面とを上手く切り替えてくれます。
和の世界観に浸りつつ忍びよってくる怖さを体験する読書の楽しさを満喫しつつ最後までイッキヨミしました。
ホラーに属しているけれども、怨念とかではなく人の歪んだ愛情から起きる犯罪のお話しです。
そして今回は、シリーズ中気になっていた洗足伊織の幼少の頃の様子を実母との会話から垣間見る事が出来て嬉しく感じました。
そして、今の゛血が繋がっていないが大事な家族゛である家令の夷さんと同居人のマメ君との絆の深さを深く知るお話しでもありました。
脇坂刑事と、前巻から登場した妖人「犬神」のあの男も相変わらず伊織さんから毒舌攻撃浴びていますが、そこが面白くて読んでいるようなものなので(笑)
凄く大事な事を最後に。
前巻を読んでいないとネタバレになることが基本に流れているので、是非前巻を読後に本書を読んで頂きたいです。
続きを読む投稿日:2015.07.14