uyuさんのレビュー
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なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略
冨山和彦 / PHP新書
「GかLか」ではなく「GもLも」
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著者の経歴から説明すると、経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO、オムロン社外取締役、ぴあ社外取締役などを現在務め、カネボウ、ダイエーなどの企業再生を行ってきた人物である。
現在、どの企業もグロー…バル化を掲げ、企業の生きる道はグローバルしかないという考えが多くの人にあるがそうではない。
日常で利用するサービス(交通機関や飲食、小売りなど)の多くがグローバルとは関係のない(国内でほぼ完結している)世界で動いている。
このようにグローバル(G)とローカル(L)で経済圏を分け、現代の問題点や課題、解決策を見ていくという内容である。
Gの世界(グローバル経済圏)での企業はその分野のトップ(オリンピックメダリスト)を目指さなくては勝てない。
これは、競争の激しい産業領域のため、トップ以外は淘汰されるためである。
日本の企業がトップを維持できるようにするためには規制を緩和し、「ガラパゴス化」せずに世界展開できるようにする必要がある。
Lの世界(ローカル経済圏)での企業はトップを目指す必要はなく、県大会上位を目指すイメージで生産性を高める必要がある。
なぜなら、日本の非製造業の生産性は先進国でも低いからである(製造業に関しては世界でもトップレベルである)。
これは、競争の激しくない非製造業では淘汰が起こりにくく、生産性の低い会社も生き残ってしまっているからだ。
本書では図が多く載っており、その図を見るだけで何が問題なのかすぐにわかる。
データの出所も書かれているので自分で確認し、それに付随する情報を得ることもできる。
筆者は「GかLか」の二者択一ではなくGはGとして、LはLとして、それぞれ最適な政策があり、それは別々に成長することができる
どちらしか生きる道はないということではないことを言っている。
また、GとLには優越はなく、完全にGとLで分けられるものではないので、GとLをそれぞれ使いこなし、選択することが大切である。 続きを読む投稿日:2017.04.08
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【電子版特典付き】まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく
イケダハヤト / 幻冬舎新書
東京に住んで働くことだけが正解じゃない
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東京への一極集中が進む中、東京に住んで働くことだけが正解じゃないと感じさせてくれる。
「田舎には仕事がない」、「閉鎖的である」といったネガティブなイメージは昔の話で、インターネットも交通機関も発…展している現代では必ずしも当てはまらない。
東京の人の多さ、満員電車、高い家賃などなど・・・
今の自分の環境に不満や疑問を感じている人には良い刺激になる。
私も筆者の意見に賛同できるところも多くあった。
人を煽るような書き方が気になる部分もあるが、ブロガーであることを思えば納得できる。
最後に電子版の特典として筆者の奥さんのインタビューやよくある質問も載っていてとても役立つ。
堅苦しい地方創生本と違って楽しく簡単に読めて、より身近なところを知ることができた。 続きを読む投稿日:2017.07.26
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ザ・ゴール2 コミック版
エリヤフ・ゴールドラット, 岸良裕司, 青木健生, 蒼田山 / ダイヤモンド社
すぐに問題解決ができる優れもの!というわけではない
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現状に起きている問題をわかりやすく表現する思考プロセスを紹介し、利用するとどうメリットがあるのか
といったユースケースの提示がされている。そのため、納得して紹介されている思考プロセスを利用したいと感じ…させてくれる。
問題点として、あくまで現状の分析、で終わる思考プロセスなので解決策は自分で見つけるしかできないものであるということを理解しなければいけない。
(解決策まで提示してくれる優れた思考プロセスは世の中に存在しないので問題点ではないのですが、漫画を読むとすぐに解決できるように感じてしまうので注意が必要です)
実際に私も身の周りの問題で利用してみたが、なかなか上手く書くことができず、在り来たりな問題がわかるだけで解決策が出てこなかった。
漫画では思考プロセスで大問題が解決!となっているが現実ではそこまでうまくいくことは難しい。
このプロセスを使い紙に書くことによって、大きく複雑な問題であればあるほど全体を見渡すことができ、周りとのコミュニケーションも円滑になる。
また、感情によって問題が正しく認識できていない部分も明白にすることができる。これらのメリットだけでも十分効果的なものだと思います。
大切なことは、このプロセスをまずはしっかりと身に着け、頭の中や紙にすらすらと書くことができるレベルになることである。
有効に利用できればビジネスマンや主婦の方でも多くの場面でかなり役立つものであると感じました。 続きを読む投稿日:2017.02.24
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1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則
桑原晃弥 / SBクリエイティブ
時代遅れになる原則は、原則ではない
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投資家と聞くとお金になるかならないかだけで判断している人と考えてしまうが
この本からは投資だけでなく物事の判断するときにどう決めればいいのかというものを得ることができる。
ITバブルの際にバフェット…はITの株を買わなかった。
その時はウォール街から「過去の人」などと揶揄されていたが、バブルの崩壊によって再度バフェットが正しかったことが証明された。
バフェットはその時代で変わってしまう考えではなく、どの時代でも変わらない原則を忠実に守ることで長期的に成功を収めている。
そんなバフェットの考えを名言とその裏側にあったエピソードと共に学んでいくことができる。 続きを読む投稿日:2017.02.24
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林修の仕事原論
林修 / 青春新書インテリジェンス
林先生の「仕事観」
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本書は安易なマニュアル本ではなく「考えるヒント」となることを目指した本となっています。
本書では全37講の林先生の仕事観について述べられていますがこのやり方で仕事をすれば成功する!ということを伝えた…ものではなく
他者の仕事観を知ることで自分の仕事観を見直すきっかけ(考えるヒント)しては?というスタンスで書かれています。
内容としては抽象的な考え方ではなく具体的な仕事の場面で使えるようなものとなっています。
林先生の自分が好きなところがたまに出てくるところに好き嫌いが分かれるところではありますが(笑)
全体を通してストイックで論理的な考え方を実体験ベースで書かれている本書を読むことで
自分の仕事への取り組みは現状のままでいいのだろうか考えさせてくれる良い本だと思いました。 続きを読む投稿日:2017.02.22
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インベスターZ(16)
三田紀房 / モーニング
貯金は三角 保険は四角ってほんと?
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今回は1巻まるまる保険の話。
しかし、保険のからくりがこの1冊に上手くまとめられている。
保険で良く聞くこの言葉『貯金は三角 保険は四角』
この言葉の違和感に財前孝史がわかりやすく解説をする。
保…険の歴史的背景や数学を使ったレトリックへの指摘など
保険に関するほかの書籍を読むよりもわかりやすく理解ができた。
また、今回は珍しく父親が活躍する場面もあり面白かった。 続きを読む投稿日:2017.01.31