ニホンホンノムシさんのレビュー
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97
このユーザーのレビュー
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雀蜂
貴志祐介 / 角川ホラー文庫
さすが貴志祐介
12
外れなし作家、貴志氏久しぶりの短編。
最後に向けての疾走感は圧巻でした。
特にこの作者は、一つのテーマを徹底して掘り下げられているので、スズメバチに対する知識も得られて一石二鳥。
ただのエンターテイメ…ントホラー小説ではありません! 続きを読む投稿日:2013.11.12
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火星の人
アンディ・ウィアー, 小野田和子 / ハヤカワ文庫SF
自分が火星に漂流することになったとして、1冊だけ本をもっていけるとすればこの本を持っていくな。
11
非常に良質なSF小説でした。
火星探査中、一人火星に残された宇宙飛行士のサバイバルストーリー。
火星版ロビンソンクルーソーといった感じかなとも思いましたが、あの話にはほかに人間がいましたね。
しかし…本作は完全に1人。
火星という惑星に一人。自分が生きているということも伝えられない完全なる孤独、そんな状況下を描きながら常にユーモアを忘れないキャラクター。非常に、いい作品だと思います。
作中、ほんとにたくさんのアクシデントが発生します。
単純に考えても、水や食料の難問を抱えながら火星のサバイバルをしていかなければならないのに、その上、火星ならではのアクシデントです。
それらを科学的発想をもち、ユーモアをもって表現されていく様は、非常に心地よいものでした。
映画化されたそうですが、この科学的論理、火星の雰囲気は原作を読まれてこそ感じられるものと確信しています。おすすめです!
続きを読む投稿日:2015.12.28
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ぼくらの祖国
青山繁晴 / 扶桑社BOOKS
「祖国」を語る本というより…
7
「祖国を語る本」というより「自己の生き方を問う本」であったように感じました。
東日本大震災、先の大戦・硫黄島での戦いとその後のこと、北朝鮮による拉致、これからのエネルギー問題。
この日本という国に生ま…れ、今という時代を生きる私たちが、「知り」「考え」「選択」しなければならない大きな問題の柱をテーマに青山氏の実働やその時の思いを書かれている本です。
この本を読んで「自分」は何を感じるのか、ある種のリトマス試験紙の様な本だと思います。この本を読んで何も感じなくなってしまうようなそんな人間にはなるまい、そのために繰り返し読み、繰り返し色々な人に奨めていこうと思う本でした。
忘れないでほしいと思います。今この瞬間も、異国・北朝鮮で助けを求めて続けている人がいます。
回収されていない遺骨の上にアスファルトが敷かれ、今日も当然のように飛行機が往来しています。
そんな忘れてはならない事実を「知り」「考え」どう「選択」して生きていくのか、たくさんの人に読んでもらいたい本です。 続きを読む投稿日:2013.11.19
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3月のライオン 11巻
羽海野チカ / ヤングアニマル
あのセリフの続きです。
7
10巻の最後、先生のセリフ「――大体、好きな女の一大事に「空気を読んで何もできませんでした」じゃ男に生まれた意味がねーだろ!!」
このセリフの続きです。
このセリフを読んで心がザワつかなかった、男性…読者がいるでしょうか?!
何かに「覚悟」や「選択」していくシーンの多い作品ですが、この巻のあのシーンこそ、私は一番ざわつきました。これまでの巻を読まれたことのある方はもちろん「話には聞いてたけど…」という方こそ、改めてお手に取っていただきたい作品です。
あと、いつもの通り、あかりさんの料理がおいしそうです。なんでこんなにおいしそうに見えるんだろう…。
巻末には BUMP OF CHICKENとコラボした「ファイター」という短編が載っています。まだ、桐山君が小学生時代の話です。BUMPの曲と一緒に改めて読まれてはと思います。
自分の人生を真摯に考え「覚悟」し「選択」していこうとする皆様へ改めて、おすすめしたい1冊です!
続きを読む投稿日:2015.12.28
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僕だけがいない街(7)
三部けい / 角川コミックス・エース
いよいよ、決戦へ突入です。
5
あいり再登場! いきなりマスコミにグーパン入れた話の続きです。
6巻の巻末は、悟の記憶のカギが外れたように表現されるシーンで終わるのですが、その続きとなります。
7巻では、いろんな伏線が解消され、真犯…人の顔の影も取れ、いよいよ暗躍を始めるというところまで話が進みます。
今、読み終えたので、思うのですが、ほんと、悟のかあさんは報われてよかったなと…。
この作品は、全体的に非常に話の流れがスムーズで、読み始めたら一気に読んでしまいます。
改めて、この作者さんのファンになりました。おすすめです! 続きを読む投稿日:2015.12.28
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四月は君の嘘(4)
新川直司 / 月刊少年マガジン
ライバルたち通して
5
本巻はコンクールの中の話です。
主人公 有馬公生のライバルたちの物語で、幼少期の有馬とライバルの彼らと繋がる物語を描いています。この巻で思うのが、本作品のテンポの良さ。
描きたいエピソードを、シンプル…にテンポ良く描いていて、中弛みを感じさせません。
本巻にて、ライバルの姿を通して、主人公の姿、キャラクターを洗い出しています。 続きを読む投稿日:2015.07.12