kenさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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金田一耕助ファイル3 獄門島
横溝正史 / 角川文庫
やはり文句なし
3
冒頭の島の描写からズームインするかのように金田一耕助の登場、と共に主要人物のさりげなくも重要な邂逅・・・引きずり込まれます。おそらく初読から30年以上は経っていますがまったく色褪せない内容は、世界観が…しっかりと確立され、その中で生きる人物のキャラクターが完成しているからではないでしょうか? 本筋の事件とは全く関係ない会話(典座の了沢さんと島の若い者とのやりとりが楽しい!)が何気に印象に残っていますね。 続きを読む
投稿日:2014.07.06
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錦繍
宮本輝 / 新潮社
美しい文語体、クラシカルな書簡体小説
2
メールもSNSも、遠い遠い未来だった昭和の中の物語。だからこそ、人は一語一語に思いを込めて文を綴り、そのやりとりが正に物語を紡いでゆく。
フィクションではあるけれど、登場する二人の男女の年齢をとうに越…えている小生が感じることは、「何て大人なんだ!」(笑)。
人が生きるとは、男と女とは、読むたびに考えさせられ、励まされる、そんなマイベスト本の一冊です。秋の夜長に、是非! 続きを読む投稿日:2015.09.27
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トラオ 徳田虎雄 不随の病院王
青木理 / 小学館
稀代の病院王
1
賞賛も、批判もレビューするつもりはありません。ただ、本書を読むと普段の報道では測り知れない、かつて稀代の病院王と呼ばれた男の、表と裏をうかがい知れます。良くも悪くも人間臭さを感じる人間がどんどん少なく…なっていると感じました。 続きを読む
投稿日:2013.12.15
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ガダラの豚 III
中島らも / 集英社文庫
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火花
又吉直樹 / 文春文庫
純文学、大衆文学
1
一連の報道で、文体が純文学、ていう表現がありますが、違和感覚えたので読んでみました。やはり、直木賞との違いはないと思えたのですが? ただ、文章そのものは素直で馴染みやすく、作者の評価を貶めるものでは無…いけどね。時間おいて再読したら評価が変わりそうな作品なので星3つにしました。 続きを読む
投稿日:2015.07.23
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金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄
横溝正史 / 角川文庫
夏に読まれたし!
1
この作品は自分の中で真夏の時期に読むもの、と勝手に決めてます。何故なら、物語の日時がハッキリ明示されており、文中いたるところに夏の描写があり、汗をかきかきまたは蝉時雨を聞きながら読んでいるとあっという…間に物語の中に引きずり込まれます。
金田一シリーズの岡山物は、特に感じられるのですが、世界観、人物のキャラクターが確立されていて、頭の中で映像化しやすいですね。暗い凄惨な話ですが、ラストの本多先生の科白には笑わされました。あ、ホントにラストの磯川警部のくだりもですが(ちなみに映画の場面では"総社=そうじゃ"駅での金田一とのやりとりになっている)。
続きを読む投稿日:2015.07.31