【感想】風の盆幻想

内田康夫 / 幻冬舎文庫
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
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  • 推理小説としても面白いが、地方が抱える問題提起も興味深かった

     当然のことながら、タイトルから越中おわら節が題材だなってことはわかります。勿論、推理小説としても、何の苦もなく読め、普通に面白かったです。やはり男と女の情念がなせる業といったところですが、そちらの方は詳しく書くとネタバレすぎますからね。
     しかし、それ以上に興味深かったのは、越中おはら節そのものの説明です。以前から私は、本来日本の楽器ではない胡弓が、なぜ使われているか不思議で仕方ありませんでした。そんな民謡は、他にはありませんものね。諸説あるとは言え、一つの答えがこの小説には書かれていました。
     そしてまた、おそらく、どこの地方も「お祭り」に対する考え方は、色々あるのでしょう。昔ながらの伝統を守るのか、はたまた、地域おこしのための観光資源として、これを利用するのかは、とても難しいところです。そんな話題がベースにある推理小説であり、色々読みながら考えてしまいました。
     「おわらは、どれほど美しく洗練されようと、芸術じゃない、あくまでも民芸だよ。」そんな台詞がで出てきますが、これも永遠の課題ですね。
     まぁ、実際の「風の盆」にこのような葛藤があったかどうかは、本当のところわかりませんけれど、綿密な取材にもとづいているであろう話は、とても興味をそそられるものでした。
    続きを読む

    投稿日:2018.12.31

ブクログレビュー

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  • りゅ〜いち

    りゅ〜いち

    富山県八尾で老舗旅館の若旦那が謎の死を遂げた。自殺で終わらせようとする警察に疑問を感じた浅見光彦と軽井沢のセンセは、胡弓の音色響く風の盆祭りのなか、調査に乗りだす。八尾、飛騨高山、神岡を辿るうちに見えてきた「おわら」をめぐる対立に引き裂かれた恋人たちの過去―。哀切な調べにのって浅見光彦の推理が冴える傑作長編ミステリ。続きを読む

    投稿日:2016.04.03

  • にる

    にる

    このレビューはネタバレを含みます

    図書館で借りた本
    久しぶりの浅見光彦シリーズ。
    今回は、作者の内田氏と一緒に取材旅行へ出かけます。
    風の盆のお祭り直前、地元の男性の死体が見つかる。警察は自殺で片付けるが、遺族は納得できず内田氏を通して浅見のもとへ相談が持ち込まれることになった。
    この事件の裏には、意外な事実が隠されていた。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2015.03.11

  • sasa-san

    sasa-san

    浅見光彦シリーズ。
    おわら風の盆を舞台に、旅情豊かなミステリー、を期待して。
    うん、確かに旅情豊かで、おわら風の盆も良かったけど、軽井沢のセンセがうるさくて、やっぱり今ひとつ。

    最近このシリーズ2つ星が続いているなぁ。続きを読む

    投稿日:2011.09.06

  • あゆむ

    あゆむ

    借りた本。八尾の「越中おわら風の盆」をめぐる殺人事件の話。作中に軽井沢のセンセとして内田康夫がでてくるのがちょっと笑えた。浅見シリーズ。

    投稿日:2011.03.29

  • hase117

    hase117

    老舗旅館の若旦那が謎の死を遂げた。浅見光彦と軽井沢のセンセは、独自に真相を探る。八尾、飛騨高山、神岡を辿るうちに見えてきた恋人たちの過去。浅見光彦の推理が冴える傑作長編ミステリ。

    投稿日:2010.05.02

  • E.Mogura

    E.Mogura

    富山県八尾の老舗旅館の若旦那の変死事件の調査に乗り出した浅見光彦と軽井沢のセンセ。


    事件の背景には「おわら風の盆」の歴史と伝承の正統論争があって、これが読後に公式ページ?(http://www.city.toyama.toyama.jp/yatsuo/nourin/owara/index.html)など見ても出てこないような、かなり詳しい説明になっている。

    著者のあとがきによれば、事実にのっとって脚色を加えたもの。。。とありまして、どこまで信じたものか?ですが、富山も昨年の東海北陸自動車道の全線開通以来、近くなったので、今後見に行く機会があるかもしれません。その時のお楽しみになりました。

    (2009/9/28)

    続きを読む

    投稿日:2009.10.04

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