【感想】帰ってきたヒトラー 上下合本版

ティムール・ヴェルメシュ, 森内薫 / 河出文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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1
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  • そしてあなたも我が党の!

     タイムスリップモノの王道。過去の特徴のある人物(ヒトラーを偉人というのはちょっと・・・)が現代に現れたらなにが起こるか!
     しかし保守本流の面白さ=「現代とのギャップによる勘違いや騒動」は導入期のみ。。ヒトラーの現状認識力の高さは、「自分流に現状を解釈」して「自分の理想に向けて(積極的に!)活動」をする、一種のサクセスストーリー的な爽快感を感じさせます。「おぉ、結構正しいこと言っているじゃん!。その通り!」なんて思っていると、いつの間にか、登場する人物も政党も、そして私(あなたも)も・・・。怖い。続きを読む

    投稿日:2016.06.10

  • 好感を抱いてしまうのがベストセラーたる所以か。

    ふと気がつくと現代に来ていたヒトラーその人というタイムスリップのヴァリエイション。周囲にはまづお騒がせ芸人として珍重されるがケータイとインターネッツを知ったヒトラーがどこまで行くのか――ネオナチ居るからね――はらはらしながら読んだ。電書には珍しく解説・後書きが充実。続きを読む

    投稿日:2017.02.12

  • 読みやすい

    みんなの思ってるヒットラーが現代ヨーロッパに蘇ります。
    ある意味、期待を裏切らないし分かり易い。
    あっという間に読み切れます。

    どこかのレビューにあるような共感、嫌悪は無かったです。
    ただヒットラーの演説は説得力があります、かつての民主党や
    アメリカのトランプさんのようです。

    でも所詮は何かに反論してるだけ。
    情報が溢れて多様性のある現代では通用しないでしょう、プロレタリアや子供みたいな人は先進国にはあまりいませんので。
    続きを読む

    投稿日:2017.02.18

  • 取扱注意!

    読み進めていくうちに、ヒトラーの主張に思わず共感してしまいそうになるのが、なんとも怖い。
    批判的に読む訓練ができていないと非常に危険な小説だ。

    投稿日:2017.05.30

  • 背筋がゾクゾク

    自殺したはずのヒトラーが、現代にタイムスリップするお話。
    “ヒトラーのそっくりさん”としてメディアで脚光を浴び、総統としての自説を現代でも広げていくのだが、見る者は“コメディー”として捉えているが、共感する者も出てくる。

    秘書の祖母がホロコーストを免れて生き残ったユダヤ人だったことがわかった時のヒトラーと秘書のやり取りでは、読んでいて思わずヒトラー説に引き込まれ、自分でも恐ろしくなった。
    現代のヒトラーは、ホロコーストの責任はもちろん自分にあるが、その自分を選んだのはドイツ国民であり、ドイツ国民にも責任があると言う。

    怖い、怖い。
    ヒトラーが蘇ることはあり得ないけど、ヒトラー的な人が徐々に実権を握っていくことはあり得る。
    読み終わったあと、背筋がゾクゾク。
    続きを読む

    投稿日:2017.10.23

  • ひょっとすると、今もずっそこに居るのかも?

     ヒトラーが現代社会に蘇るストーリーと聞けば、なんとなく想像つくなぁ、おそらく、ヒトラーが、そして、彼をとりまく周りの人々が、トンチンカンな対応に終始するのを、ニタニタしながら笑える小説なんだろなと思ってました。
     ところがどっこい、そんな内容ではありませんでした。勿論、時代錯誤的な振る舞い、たとえば、ドラッグストアなんかの描写は、それだけで面白いのであります。もし蘇ったら、スマホに支配されているような現代社会は、どう見えるのでしょうか?
     それにしてもこれは、実に興味深い小説でありました。巻末にニューヨークタイムズの書評が掲載されていますが、「この本はヒトラーを笑っているのではない。ヒトラーと一緒に笑っているのだ。読むうち人はその違いに気づく。」う~ん、まさに、的を射た表現だと思います。
     考えてみれば、ナチスはクーデターによって政権を掌握したわけではなく、正当な手続きによって成立したものです。書評にもありましたが、ネオナチのような、見るからにナチと判るようなものには、拒否反応を示すことが出来ても、本家本元のナチスのようなものに対して免疫力があるのかどうかは、はなはだ疑問です。これは、日本にだって当てはまるものでしょう。この小説を読むと、何故、世界全体が右傾化していくのかがわかるような気もいたします。
     小説としては、読み進めていくうちに、どう結末をくくるのかに興味がわいてくるのですが、物語はそこまで描いてくれません。映画の方は見ていないので、どのようにエンディングをくくったのかは知りませんが、世界中が続編を期待したくなるのも理解できます。
     それにしても、これはヒトラー自身が蘇ったというファンタジーなのでありますが、ヒトラーのような考え方は、今も近くにあるのでしょう。知らない間に隣に座っているのかもしれません。
     ドイツ本国は勿論、世界中でベストセラーとなっているようですが、ファンタジーで終わることを切に願うものであります。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.30

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