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野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA (147件のレビュー)
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総合評価:
nannryou
7
メディア発展のネット民の夢かなあ
インターネット情報がテレビの情報を駆逐して、ネット上にその宣伝費のすべてが回るのはネット愛好者の夢で、この作品にはそれに近いところまで行った社会が素晴らしく作者のエッジの効いた視点で描かれています。 …それにしても、野尻先生は初音ミクのPだったんですね。 確かに文書表現より複雑な表現がある中で、それに手を出さないという選択肢はないといえばないですが。 内容は、ストリーミングとボーカロイドは夢をつないで世界をつなぐ! といった具合です。 大風呂敷もなかなか大胆ですし、ギミックとしてはプラントによるプラント生産とITによるIT生産の表現などはドキリとします。 それにしてもこんな宇宙外知性のオーパーツに働かれたら失職してしまいますね…。 星5つ。続きを読む
投稿日:2016.12.10
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K.K
未来が楽しみになる
そんな都合のいい展開があるかーい! と本をぶん投げるその顔はニヤニヤ(笑) 特に前半は本当にそんな風に世の中が進みそうな,というかほとんどそうなってんじゃない? と思わせる。 「文明の非線形領域」とは…そういうものだろう。 とにかく読んでいて気持ちの良い,未来が楽しみになる,そんな小説。続きを読む
投稿日:2016.07.10
lenkun
初音ミクには未来がある。
有象無象の私利私欲のせいで時代遅れ感に取り込まれつつありますが、初音ミクには未来の言語、言語なき言語そのものになって世界をつなぐことすらできる可能性がありました。 そんな奇跡的な存在だったボーカロイド…初音ミクの黎明期に、希望を燃料に現実に発破をかけようとした物語です。 みんな読んでくれてたらその後のボーカロイド事情も変わってたかも。 どの話も面白く、さらに終盤は期待を超えていく展開に。満足な一冊です。続きを読む
投稿日:2016.06.19
みさちさ
こんなことがあったら、もしもできたら素敵だね。
ちょっと先の未来で、今とは少し違う何かがあり、みんなの力が加わって、誰もが望んだ結末に導いてくれる。あったらいいなを形にした、作者の筆致が素晴らしい、お伽話のような作品です。SFだからと敬遠しないで、…ぜひ読んで欲しい一冊です。続きを読む
投稿日:2014.04.13
まさし
1
もしかしたら有り得る未来かも
野尻作品ははじめて読みましたが、リアリティを持たせる部分のさじ加減がとても上手い。なので、空想の翼を広げた部分の物語もひょっとしたら有り得るんじゃないかと思えてしまう。 その分、最終章へ向けての急展開…にはグッと引き込まれた。続きを読む
投稿日:2014.03.02
tommy
ジャケ買いしても楽しめると思うよ
名前からわかるとおり、近未来のニコニコ動画っぽいものが主題のお話。 ニコニコ動画のコミュニティがこんな風に発展していったら良いな、と思わせる話から、気がつくと宇宙人とのファーストコンタクトの話になって…いるストーリーテリングはさすがSF作家野尻抱介と唸らせる。 SFなので難しい単語と概念がちょこちょこ出てくるが、その辺は何となく読んでしまっても十分に楽しめる。表紙にビビッと来た人はジャケ買いしてもOKでしょう。 僕もあーや欲しいですw続きを読む
投稿日:2013.11.28
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pgin
このレビューはネタバレを含みます
ボーカロイドという非現実的ながら実在するガジェットにより「初音ミク的存在が現実にいる」という空想の世界観が、現実に近いように錯覚してしまう。ある意味、現実に絶望してしまう作品。 高次知性体との邂逅の周辺にちりばめられた恋愛エピソードは、有川浩「空の中」と似た感覚を味わった。自動化され増殖する工場、宇宙への風に乗る恋人達、特殊な環境下でのクモが生み出す予想外の構造物、潜水艦を使った鯨との追跡コミュニケーション研究、一つ一つにボーカロイド「小隅レイ」のイメージが生かされ、「あーやきゅあ」に行き着く世界は、出来すぎなくらいのユートピアである。 ~再読~ 「外見の同一性保持」は疑心暗鬼を生まないための機能と思ってたが、可塑性があると絶対悪用されますね。あっさり自壊する性質のおかげで「肉の壁」にも「デコイ兵士」にも出来ない。もし他の有名キャラだったらと考えても『宗教・政治的バックボーンを持たず、知性を感じさせ、暴力性が低く、基本能力が歌唱のみ』って辺りが絶妙。(仮にドラえもんが選択された場合、四次元ポケットが機能しないので少なからず偽物感が生まれる) そういう意味でもやはりマジ天使だった。 ●「ハジメテノオト」の所にetmlタグが入ってる……。
投稿日:2023.01.11
橘
面白かったです。 SFなんだけれどとってもハッピーしかない。。 ピアピア動画ユーザーたちの、「なんかそれ楽しそう!」というノリで、有人宇宙飛行や軌道エレベーター、地球外知性体とのファーストコンタクトま…で。 軌道エレベーターが変異した蜘蛛(の糸)から作られるというのもよいです。ハミマ宇宙店。 「歌う潜水艦とピアピア動画」が好きでした。鯨とボーカロイド・小隅レイのコミュニケーションすてき。 最終話ですべてが繋がるのも良かったです。そしてあーやが地球を離れて宇宙空間を航海しているときに歌う曲が「ハジメテノオト」とか泣くやん。。 昔々にオススメされていた本をようやく読みましたが今までスルーしてたの勿体なかった。続きを読む
投稿日:2021.03.10
不限春眠不覚暁
ニコニコ動画、初音ミク、Maker movement と言った草の根テクノロジーで「きっと遠くまで行ける」という希望に満ちた物語。 残念ながら著者が振り返って認める通り「楽観的に過ぎた」物語ではある…が「2010年代前半の空気」を閉じ込めたタイムカプセルとしては素晴らしい。 もちろん、ちゃんと SF であり、初音ミクもとい小隅レイ(cosmic ray)は結節点として機能している。続きを読む
投稿日:2021.02.16
あるてみす
ニコニコ動画とボーカロイドを下地にした、壮大にして飛躍的なSF。 民間ロケット、軌道エレベーター、潜水艦でのクジラとの対話、そして星間文明との交流へとスケールがどんどん広がっていくのが爽快で心地良い。
投稿日:2021.02.06
mamecco
2012年に尻Pが夢想した「ネット社会の理想の未来」って感じの小説。終始明るく読んでてワクワクする。 だけど、終盤に実名で津田大介、どう見たってカワンゴの山上会長が出てきてからは「なんで今のネットって…こうなっちまったんだろうな」と作中と現実の落差に落胆せざるをえなかった。 夢がある話だけに、現実の夢のなさが残酷なほど浮き彫りになってしまう。この小説みたいにみんなが科学に理解を持って助け合えば、今からでもこんな社会は目指せるんだろうか。 現実のクソさのせいで読後感は複雑だが、内容は傑作といって過言じゃないと思う。続きを読む
投稿日:2020.01.06
bukuroguidkodama
「「ニコニコ動画」と「初音ミク」と宇宙開発の清く正しい未来を描く」 という宣伝文句どおりのSF 腹がくちるとかの言い回しがないと ライトノベルとのちかさてきに 小川一水作品とあまり見分けがつかないよう…な気がする作者の作品だが ニコニコ動画というか初音ミクへの入れ込みっぷりは異状 「日本人は異星文明とのファーストコンタクトよりKawaiiが大事である」 で日本は今日も平和ですが始まりすぎが 「清く正しい未来」なのかは良くわからないが 「正しい」は現在に対する理想ではある 「清く」というところが返ってそうでないそうから忌避されるところである 『ふわふわの泉』が早川JAで新装される日も遠くないか続きを読む
投稿日:2018.12.08
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