【感想】南極点のピアピア動画

野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA
(147件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
63
49
19
2
0
  • ちょっと未来ってこうなってたら面白い!表紙からはイメージできない本格未来予測SF

    表紙のイメージで購入に躊躇していたが、他の方のレビューを見て思い切って買ってみた。
    結果、大正解。
    WEBサービスの進化とその世界で盛り上がるマニアが実現する、ワクワクだけどリアルでありそうな近未来。
    ボーカロイド初音ミクをモチーフとしたアイコンが中心となり、世界を変えていく。
    日本の未来がこうなってたら、面白い。こうすべきかもしれない。自分は何ができるだろうか?
    日本の今、日本の未来にちょっと希望が見えてくる、読むなら今の2010年代SFの傑作。
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    投稿日:2013.09.30

  • メディア発展のネット民の夢かなあ

    インターネット情報がテレビの情報を駆逐して、ネット上にその宣伝費のすべてが回るのはネット愛好者の夢で、この作品にはそれに近いところまで行った社会が素晴らしく作者のエッジの効いた視点で描かれています。
    それにしても、野尻先生は初音ミクのPだったんですね。
    確かに文書表現より複雑な表現がある中で、それに手を出さないという選択肢はないといえばないですが。
    内容は、ストリーミングとボーカロイドは夢をつないで世界をつなぐ!
    といった具合です。
    大風呂敷もなかなか大胆ですし、ギミックとしてはプラントによるプラント生産とITによるIT生産の表現などはドキリとします。
    それにしてもこんな宇宙外知性のオーパーツに働かれたら失職してしまいますね…。
    星5つ。
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    投稿日:2016.12.10

  • 野尻抱介さん5年ぶりの新刊です

    「南極点のピアピア動画」は、共通の世界設定を背景とする連作集です。最終の第4話で、それまでの内容がすべて収束する形になっています。ボクは第3話の「歌う潜水艦とピアピア動画」だけは、SFマガジンの初音ミク特集に載っていたので読んだことがありました。続きを読む

    投稿日:2013.09.24

  • 初音ファンの夢!

    ロボットにボーカロイドの頭を取り付ける。宇宙カプセルや潜水艦にもビジュアルを描き、痛車ならぬ痛カプセル痛潜水艦化する。「ボカロ萌え」の痛い人たちの痛い話ながら、理工系テイスト満点。けっこうハードSFしてるじゃん、と読み進めて行ったら、ラストの一篇で驚愕させられた。いや、感動した(笑) 初音さんファンには夢のようなお話。ちうか夢そのもの。続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • 先生なにやってんすかw

    自分も表紙で買うのを躊躇していたクチ。「太陽の簒奪者」「沈黙のフライバイ」は非常に楽しめたけど、クレギオンシリーズはあまり合わなかったし、キャラ先行だったらどうしよう…と思っていたのですが。
    読み終えてみるとしっかりSFしていて大満足。
    突飛な発想でありながら、登場人物が普通に身近にいそうなリアリティを持っていて、「ひょっとしたらすぐにでも実現できるんじゃ?」と思わされる。知識だけではない、技術に裏打ちされた、地に足の着いたSFという印象。
    蜘蛛が宇宙へのカギになるというのはありそうなことで、昆虫なら環境変化にも強いだろうし、しかも遺伝子組み換えなどなしで選択的淘汰だけでやってのけてしまうのがすごい。
    こんな未来、来たらいいなあ。
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    投稿日:2013.10.21

  • ミクさんマジ天使

    表紙に惹かれて買いました。
    ミクさんあらためあーやきゅあさん可愛いです。

    感動のラストで、電車の中なのに泣きそうになりました。

    投稿日:2013.09.24

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ブクログレビュー

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  • pgin

    pgin

    このレビューはネタバレを含みます

     ボーカロイドという非現実的ながら実在するガジェットにより「初音ミク的存在が現実にいる」という空想の世界観が、現実に近いように錯覚してしまう。ある意味、現実に絶望してしまう作品。
     高次知性体との邂逅の周辺にちりばめられた恋愛エピソードは、有川浩「空の中」と似た感覚を味わった。自動化され増殖する工場、宇宙への風に乗る恋人達、特殊な環境下でのクモが生み出す予想外の構造物、潜水艦を使った鯨との追跡コミュニケーション研究、一つ一つにボーカロイド「小隅レイ」のイメージが生かされ、「あーやきゅあ」に行き着く世界は、出来すぎなくらいのユートピアである。

    ~再読~
    「外見の同一性保持」は疑心暗鬼を生まないための機能と思ってたが、可塑性があると絶対悪用されますね。あっさり自壊する性質のおかげで「肉の壁」にも「デコイ兵士」にも出来ない。もし他の有名キャラだったらと考えても『宗教・政治的バックボーンを持たず、知性を感じさせ、暴力性が低く、基本能力が歌唱のみ』って辺りが絶妙。(仮にドラえもんが選択された場合、四次元ポケットが機能しないので少なからず偽物感が生まれる) そういう意味でもやはりマジ天使だった。
    ●「ハジメテノオト」の所にetmlタグが入ってる……。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.11

  • 橘

    面白かったです。
    SFなんだけれどとってもハッピーしかない。。
    ピアピア動画ユーザーたちの、「なんかそれ楽しそう!」というノリで、有人宇宙飛行や軌道エレベーター、地球外知性体とのファーストコンタクトまで。
    軌道エレベーターが変異した蜘蛛(の糸)から作られるというのもよいです。ハミマ宇宙店。
    「歌う潜水艦とピアピア動画」が好きでした。鯨とボーカロイド・小隅レイのコミュニケーションすてき。
    最終話ですべてが繋がるのも良かったです。そしてあーやが地球を離れて宇宙空間を航海しているときに歌う曲が「ハジメテノオト」とか泣くやん。。
    昔々にオススメされていた本をようやく読みましたが今までスルーしてたの勿体なかった。
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    投稿日:2021.03.10

  • 不限春眠不覚暁

    不限春眠不覚暁

    ニコニコ動画、初音ミク、Maker movement と言った草の根テクノロジーで「きっと遠くまで行ける」という希望に満ちた物語。

    残念ながら著者が振り返って認める通り「楽観的に過ぎた」物語ではあるが「2010年代前半の空気」を閉じ込めたタイムカプセルとしては素晴らしい。
    もちろん、ちゃんと SF であり、初音ミクもとい小隅レイ(cosmic ray)は結節点として機能している。
    続きを読む

    投稿日:2021.02.16

  • あるてみす

    あるてみす

    ニコニコ動画とボーカロイドを下地にした、壮大にして飛躍的なSF。
    民間ロケット、軌道エレベーター、潜水艦でのクジラとの対話、そして星間文明との交流へとスケールがどんどん広がっていくのが爽快で心地良い。

    投稿日:2021.02.06

  • mamecco

    mamecco

    2012年に尻Pが夢想した「ネット社会の理想の未来」って感じの小説。終始明るく読んでてワクワクする。
    だけど、終盤に実名で津田大介、どう見たってカワンゴの山上会長が出てきてからは「なんで今のネットってこうなっちまったんだろうな」と作中と現実の落差に落胆せざるをえなかった。
    夢がある話だけに、現実の夢のなさが残酷なほど浮き彫りになってしまう。この小説みたいにみんなが科学に理解を持って助け合えば、今からでもこんな社会は目指せるんだろうか。
    現実のクソさのせいで読後感は複雑だが、内容は傑作といって過言じゃないと思う。
    続きを読む

    投稿日:2020.01.06

  • bukuroguidkodama

    bukuroguidkodama

    「「ニコニコ動画」と「初音ミク」と宇宙開発の清く正しい未来を描く」
    という宣伝文句どおりのSF
    腹がくちるとかの言い回しがないと
    ライトノベルとのちかさてきに
    小川一水作品とあまり見分けがつかないような気がする作者の作品だが
    ニコニコ動画というか初音ミクへの入れ込みっぷりは異状
    「日本人は異星文明とのファーストコンタクトよりKawaiiが大事である」
    で日本は今日も平和ですが始まりすぎが
    「清く正しい未来」なのかは良くわからないが
    「正しい」は現在に対する理想ではある
    「清く」というところが返ってそうでないそうから忌避されるところである
    『ふわふわの泉』が早川JAで新装される日も遠くないか
    続きを読む

    投稿日:2018.12.08

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