【感想】有頂天家族

森見登美彦 / 幻冬舎文庫
(732件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
295
254
115
7
1
  • リズミカルで読みやすい文章

    話の内容もさることながら.
    文章がリズミカルでテンポ良くすいすい読めました.
    アニメ化されてテレビで放送されているので(2013年9月現在)そちらも観ていますが,ナレーションの端々が耳に残っています.
    ちょっと日本語ってきれいだな,って思ってしまうほど.
    「声に出して読みたい日本語」と言えるのではないでしょうか.

    狸が人に化けてふつうに居酒屋で呑んでいたり,天狗が空を飛んでいたりしますが,
    なぜかまったく違和感を感じません(笑).
    人に化けた狸と人間が同じ鍋を囲んだり,狸が天狗に弟子入りしていたりと,
    3つの種族が入り乱れてふつうに人間っぽく生活しています.
    そんな中で私のいちばんのお気に入りは淀川先生(人間,大学教授,50歳くらい?).
    「狸はかわゆいな」と言いながら「食べちゃいたいほど好きなのだ」から「狸鍋を喜んで食う」と言ってみたり,
    すき焼きの肉を大人げなく取り合ったり,鍋を食べたすぐ後で「腹が減ったね」とおにぎり(自作)を食べてたり.
    淀川先生も「かわゆい」なあと思っちゃいました.
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    投稿日:2013.09.25

  • 人間と狸と天狗が京都を駆け巡る

    森見登美彦ゆかりの京都を舞台に四人兄弟の狸が活躍する、ちょっぴりミステリー風味のファンタジー。
    亡き父の跡を継ぎ、一家を支える大黒柱たらんとする真面目な長男、蛙の姿になったまま井戸に引きこもっている次男、いつも面白おかしく社交性の高い三男、化けてもすぐに尻尾を出してしまう四男、そして宝塚が大好きでカミナリの苦手な母。
    次期頭領「偽右衛門」の選挙出馬を巡ってライバルと争ううち、父の死の真相が浮かび上がってきて・・・
    難しい漢字を多用するのに読みやすく、面白く、流れるような名調子が楽しい一冊です。
    続きを読む

    投稿日:2014.09.20

  • 面白きことは良きことなり!

    天狗、人間、狸・・・がこの物語に登場してくるのですが、最初はなんのことかさっぱりわからず???と思いながらも何故か読み進んでしまうという不思議な感覚でした。知らない間に森見ワールドにはまってしまいます
    作中、「悩みごと」は2種類ある。「一つはどうでもよいこと。もう一つはどうにもならぬこと」とあります。
    これが自分の中にスッと入ってきてずっと残ってます。
    でも一番残ってるのはタイトルにも書いた「面白きことは良きことなり!」なんですけどね。・・・名言。

    物語としてはヘナチョコ狸家族を中心に描いたファンタジーなんですが、読後「あぁ~面白かった」だけではなく、いくつか心に残るものがありました。これが森見ワールドなのかな!?
    森見作品をいくつか読んてから本作を読んだほうが、より楽しめると思います。
    続きを読む

    投稿日:2016.06.15

  • そうだ、京都行こう

    主人公が狸とはどうよと思っていたが、「夜は短し歩けよ乙女」「宵山万華鏡」等でお馴染みの森見節しっかり。面白く読めた。「そうだ、京都行こう」と思ってしまった。狸汁が食いたくなったのは内緒です(笑)  アニメのキャラデザは久米田康治さんだったんですね。意外だったが、意外にハマってるかも。続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • 家族の絆

    タヌキは愛情深い動物だと言う説がありますが、このお話しの中ではとても人間臭く、愛情だけでなく愛情から生まれた憎しみの部分についても描かれています。

    これを人で描いてしまうと単なるサスペンスにしかならないでしょうがタヌキで描いたことによりファンタジーに変換され、それ故に最後まで謎とされていた事柄も含めて一気に読まされてスッキリと読み終えることができました。
    とにかく描かれている家族の互いを思いやる姿がとても魅力的でした。
    家族揃っての下鴨神社で主人公が何を願ったかの質問の答えに、温かさを感じます。
    続きを読む

    投稿日:2014.05.10

  • 狸と天狗のファンタジー

    京都の町を闊歩(?)する,狸と天狗。
    日々,毛玉として楽しく暮らしていきたい狸たちにも,派閥があったり,諍いがあったり,狸鍋にされて,食べられてしまう危機があったり。
    狸鍋となって食べられてしまった父親から「阿呆の血」を継いだ4匹のユーモラスな狸たちが描かれている。続きを読む

    投稿日:2013.11.10

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ブクログレビュー

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  • みにの

    みにの

    家族愛溢れる毛玉たちの物語。
    旅行中のお供として本書を読み、途中泊まった京都で、朱硝子のモデルとなったバーに行けたのは良き思い出となりました。

    投稿日:2024.04.04

  • akuma908

    akuma908

    ホッコリとはするのだけど、個人的な好みとしては、もうちょっとカタルシスとかそういうのを求めていた気がする。それならこの本を読まない方が、と言われそうだけど。

    投稿日:2024.03.30

  • hyakki

    hyakki

    アニメを深掘りする感覚でじっくり読んだ原作。独特な文体で世界にどっぷり浸からせてくれる。アニメで印象深かった弁天。気紛れで高飛車で脅威の存在なのだけどどこか寂しげなのは狸、天狗、人間そのどれにも属さない立ち位置であるが故?にしてもやっぱり「私はただの鈴木聡美です」はパワーワード!!続きを読む

    投稿日:2024.03.29

  • 菌類

    菌類

    オーディブルで視聴。独特の文体がやはり自分好み。ファンタジー小説の世界観があまり好きではないので敬遠していたのだが、食わず嫌いせずに読んでみるべきだなと思った。「夜は短し歩けよ乙女」と登場人物が少し被っていたのが、森見登美彦作品を愛読している人にとっては嬉しい点だと思う。続きを読む

    投稿日:2024.02.29

  • たつ

    たつ

    「面白きことは、良きことなり」
    狸が主人公のお話だから?命の危機が訪れても、どこか、のほほんとしていて、脱力して読めた。アニメも見たくなった。

    投稿日:2024.02.19

  • ちゃん

    ちゃん

    愛すべき毛玉たちの話。
    お母さんがとても素敵な人。世の中がこんなお母さんで溢れていたら世界はもっと幸せだね。
    父と淀川さんの話、父と赤玉先生の最期の会話に感涙。
    早雲は本当に母の事が好きだったんだなぁ
    矢一郎と矢二郎、金閣銀閣が大好き!
    これも阿呆の血のしからしむるところだ!!
    続きを読む

    投稿日:2024.02.12

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