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sosoさんのレビュー
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  • 橙は、半透明に二度寝する(1)

    橙は、半透明に二度寝する(1)

    阿部洋一

    別冊少年マガジン

    戻って来ない現実。

    いやぁ面白かった。 非日常。 可視化されたジェネレーションギャップってすごい暴力。 この物語で役割を与えられている大人は眼帯のお巡りさんだけ、彼は子供たちと適切な距離を保ちながら非日常をやり過ごす。解決なんて別にしない。 現実に明確なオチなど無いので非現実にもオチなど無いのだ。 特に情報が無くても画面を感覚的に楽しめる方は引っ掛からずにすんなり入って行けるのではないでしょうか。 同じ街を舞台にした短編連作なので読みやすいですし、絵も独特のタッチで普段マンガを読まない層にもオススメです。 すぐに読み終わってしまう。 どろっと血が出るので、グロいと感じる方は居るかもしれませんね。 救いは必要か、必要じゃないか、それとも救われないのが救いでしょうか。 六つ子の話が一番好きです。

    3
    投稿日: 2015.02.16
  • 月に吠えらんねえ(2)

    月に吠えらんねえ(2)

    清家雪子

    アフタヌーン

    面白くなってゆく2巻目

    □街、文学史上の人間たちを一堂に集めて動かすためのフワッとした設定かと思っていましたが、どうやらこの□街という舞台こそが作品の要だったようです。 舞台装置が面白い。 同じように作家もしくは作品をモデルにしたキャラクターが出るマンガがいくつかありますが、私はこの作品が一番面白いです。 何も起きていないのに常に何かが起きている。 2巻まで読み進めてみてもこの街の謎は深まるばかり。 日本という国の時代と文学が縦横無尽に混ぜ合わさって一つの生き物として街を形成しているような。 そんな舞台で必要以上にセンシティブな人々が恋愛やら性愛やらをうだうだ語り、時代を越えて現れた戦争に身悶える。 1巻では顔見せ程度の出演だった中原中也くんや立原道造くんたちにもスポットライトがあたり、三好達治くんも活躍する本巻です。

    0
    投稿日: 2014.12.03
  • 月に吠えらんねえ(1)

    月に吠えらんねえ(1)

    清家雪子

    アフタヌーン

    詩人の遠吠え

    登場人物は皆、名前もそのままに実在の文人をモデルにしていて、彼らの人生をポンと擬人化したような感じです。 変人のうえ破綻気味なダメ人間ばかりを集めた□街。 濃いぃ舞台ながら不思議と上手く調和がとれていて、特殊な設定でも違和感なく読み進められます。 絵も極端なところが無く取っ付きやすいと思います。 萩原朔太郎や北原白秋がメインキャラクターということで、死体やら女体やら多少グロテスクな描写がありますがファンタジーの一部ということで。 もちろん日本文学を知っていれば細かいところまで楽しめるでしょうが、知らなくても普通に読めますので非日常や超現実が好きな方は是非。 読み終わったあとで巻末の参考書籍を読み漁るという楽しみもありますし!

    0
    投稿日: 2014.12.03
  • 宝石の国(3)

    宝石の国(3)

    市川春子

    アフタヌーン

    誰もわたしを責めない

    単独行動に慣れた孤独な冬の宝石と、はやく一人前になりたくて眠れないトラブルメーカー。 宝石って冬眠するんですね。 季節が移りファッショナブルな眠りについた面々に代わり、冬だけを生きる特殊な宝石が目を覚ます。 自分より劣る硬度3、なのに強い。 そんな彼に触発されて、このままでいいのかという主人公の焦りや向上心が、次から次へと急展開を引き寄せる第三巻。 月人にも新しいタイプが現れ、戦うこと、戦えることの重要性が身に染みて増してくる。 どの宝石の胸にも真摯に宿る、先生に対する健気な思慕にもキュンときます。 そしてそして、続きがすっごく気になる!

    1
    投稿日: 2014.09.02
  • 東京喰種トーキョーグール[JACK]

    東京喰種トーキョーグール[JACK]

    石田スイ

    ジャンプLIVE

    きっかけ

    面白いよと話を聞いて、10冊以上ある東京喰種に手を出そうかどうしようか迷っていたところで発見した本作。 番外編ということで、一冊で完結。しかも不思議な低価格。 これは本編の設定や作風を知るには丁度いいんじゃ・・・と思い読んでみました。 くすぶっていた不良と訳あり転入生の人生が猟奇事件を通じて交わるお話。 捜査官の武器を操る姿が格好いい。 この本単体でも楽しめますし、この先の世界に興味が湧いたので本編も読んでみようと思います。

    8
    投稿日: 2014.08.27
  • 宝石の国(2)

    宝石の国(2)

    市川春子

    アフタヌーン

    アクティブなダメ主人公

    海に住む異なる生に出会い、自分たちのルーツに考えをめぐらせる不死身の宝石。 主人公がせかいのあらましににちょっとだけ触れるおはなし。 みんなどこか可愛気のある宝石たちが、それぞれ「役に立とう」と一生懸命頑張っている姿が健気です。 この巻では主人公自身にあっと驚く展開もあって、この先が楽しみです。

    0
    投稿日: 2014.08.26
  • 宝石の国(1)

    宝石の国(1)

    市川春子

    アフタヌーン

    やわらかそうな肌がパキンと割れる

    我々の世界から遠い遠い遠い未来のはなしです。 異星人の襲撃に耐え抵抗する話・・・なのですが、この世界に居るのは人間ではなく、再生可能な鉱物の体を持った宝石です。 ズバリ宝石なので、宝飾品として月に持ち帰ろうとする月人に狙われてしまうのです。 美しい色とりどりの28個の価値ある輝き。 そんな皆を纏める先生の下、宝石たちはそれぞれの特技を活かして、きらきらきゃっきゃしながら組織立った集団生活をしています。 プリズムを纏った宝石同士が触れ合う澄んだ音が聴こえるような、とても綺麗な漫画です。 この作家の作品を読むのが初めてだという場合は、登場人物の見分けがつくようになるまで少々読み進めないといけないかもしれません。 が!慣れればこの画面に病みつきです。 宝石にはそれぞれ特性があり、姿形や性格にも個性があります。 焦ったり悩んだり僻んだり気負ったり、いろいろします。 この先すべての宝石に何らかの形でスポットが当たるような展開になるといいなぁ。 SFとはいえファンタジーでもありますから、雰囲気がつかめれば細かいことは追い追いで、どんどん読めます。

    5
    投稿日: 2014.08.26