
戦慄(新潮文庫)
前川裕/新潮社
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総合評価
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powered by ブクログ前川裕『戦慄』新潮文庫。 『完黙の女』改題、文庫化。実際に起きた事件に基づいノンフィクション風犯罪小説。 相変わらず前川裕の小説はやたらと込み入っていて読み難い。そして、余りにもボカシ過ぎた結末にモヤモヤ感ばかりが残り、何とも判然としない。 確かに今の世の中、こうした犯罪にあふれているように思う。教師や警察官による猥褻事件や窃盗事件もよく耳にするし、シングルマザーやその同棲相手による子殺しなどもたまにニュースになる。本作は、こうした歪んだ時代を写すような混沌とした小説と言っても良いのかも知れない。 1984年、福岡県で9歳の篠山照幸君という少年が電話を受けた直後に『タナカさんのお母さんに預けていたものを返してもらう』と言って、自宅を出るとそのまま失踪してしまう。照幸君の足取りを調べるとアパートに住むシングルマザーの三藤響子にタナカさんの家の場所を尋ねていたことが判る。 4年後の1988年。静岡県に移り住み、再婚した響子は夫に多額の保険金をかけ、火災による死亡事故を装ったのではないかと疑われる。その火災現場からは子供の骨も見付かり、DNA鑑定の結果から4年前に失踪した篠山照幸君ではないかと思われた。疑惑の渦中に居た響子は完黙し、状況証拠の類しか見付からないことから裁判では無罪となる。 火災事故から3年後の1991年、福岡県で中学1年生の望月留美さん誘拐事件が発生する。極めて疑わしい人物として中学校教師の関根洋介が浮かび上がるが、証拠は無く、容疑者から外れる。 31年後の2023年、ノンフィクションノベルを執筆する前田は篠山照幸君失踪事件と望月留美さん誘拐事件の2つの事件を追う。 二転三転する真犯人とモヤモヤ感だけが残る結末。 本体価格750円 ★★★
60投稿日: 2026.03.05
